• 作成日 : 2022年6月17日

雛形付き – 契約社員の雇用契約書について解説

【雛形付き】契約社員の雇用契約書について解説

契約社員を雇う場合、企業はどんなことに気をつければよいのでしょうか。ここでは契約社員とパート社員の違いや、雇用契約を締結する際に必要となる契約書の作成方法などについて、解説します。

   

契約社員とは

契約社員とは、あらかじめ契約期間の定めがある雇用形態のことの社員を指すことが一般的です。こうした契約期間の定めがある雇用形態を、有期雇用といいます。

契約社員と正社員の違い

正社員は契約社員と異なり、一般的には契約期間が定まっていません。所定労働時間については特に違いがないことが多く、どちらもフルタイムの場合が多いでしょう。

契約社員とパート社員の違い

所定労働時間が正社員と同じである契約社員に対し、パート社員は短時間労働が想定されています(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第2条)。例えば、フルタイムで働く正社員の労働時間が1日8時間・週40時間である場合に、1日3時間・週15時間などのように短い労働時間となっている場合です。

参考:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律|e-Gov法令検索

契約社員の雇用契約書を作成する際に押さえておきたいルール

企業が労働者を雇用する場合、雇用契約書を交わして雇用契約を締結するほか、労働条件通知書を企業から労働者に明示します。

このとき、労働条件通知書は法律によって明示が義務付けられていて、明示(記載)しなくてはならない項目なども定められています(後述する「雇用契約書兼労働条件通知書の明示事項」で詳しく解説しています)。一方の雇用契約書は、明示することが義務ではありません。しかし、雇用に関するトラブルを避けるため、雇用契約書を用いた雇用契約を締結したほうがよいでしょう。

この2つの書類、労働条件通知書と雇用契約書に記載する内容は、ほとんど同じ内容が記載されている場合も少なくありません。そのため、1つの契約書「雇用契約書兼労働条件通知書」にまとめ、労働者と労働契約を締結する企業もあります。

なお労働条件通知書や雇用契約書についての詳しい解説を次の記事「労働条件通知書とは?雇用契約書・労働契約書の比較とテンプレートを紹介」で公開しています。

そして、契約社員との契約時には雇用契約書の作成や、労働条件を通知する場合に押さえておきたいルールがあります。ここでは5つのポイントを解説します。

契約期間

契約期間は最長で3年です(労働基準法 第14条1項)。高度な専門知識が必要な職種や、定年後の継続雇用などは5年となります。契約社員との契約では、この期間を超えないようにしましょう。

無期転換

契約社員が更新され通算で5年を経過した場合、無期雇用へ転換できます(労働契約法第18条)。対象は契約社員やパート社員などの有期契約を締結している労働者です。なお通算5年を経過した場合に、契約社員が希望すると無期雇用に変更できます。

所定労働時間

所定労働時間は、1日8時間以内かつ週40時間以内が原則(労働基準法 第32条)です。始業時刻から終業時刻までの時間数から、休憩時間を引いた時間数が所定労働時間となります。例えば、9時〜20時の勤務で休憩2時間の所定労働時間は、1日の労働時間が9時間となるため基本的に設定できません。また、平日と土曜日に10時〜20時の勤務で休憩2時間の場合も週48時間となるため、こちらも基本的に設定できません。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索

同一労働同一賃金

同一労働同一賃金とは、正社員などの正規雇用労働者と、契約社員を含む非正規労働者との間の、不合理な待遇差の解消を目指すことをいいます。例えば、正社員と同じような業務を行う場合、正社員と比較して差別的な賃金に設定できません。また、正社員と職務内容が違う場合は、正社員と異なる待遇となることが許されますが、正社員と比較して不合理な待遇差をつけることは禁止されています。

正社員登用

契約社員として雇用したあとで、正社員として雇用する可能性もあります。そのため、正社員登用に関する事項も記載しましょう。記載する内容は、正社員として登用される判断基準で、しっかりと明記する必要があります。また、契約社員は一切正社員として登用しないという場合には、その旨を記載します。

雇用契約書兼労働条件通知書の明示事項

労働条件通知書には必ず記載しなければならない明示事項が、法律によって定められています。これは雇用契約書と労働条件通知書を兼ねる、雇用契約書兼労働条件通知書でも同様です。

絶対的明示事項

必ず記載が必要な絶対的明示事項です。

労働契約期間

労働契約の期間を記載します。

労働契約を更新する場合の基準

労働契約の更新方法や基準について記載します。

就業する場所、従事する業務に関すること

労働者が就業する場所や、仕事の内容について記載します。

始業・終業時刻、休憩、休日などに関すること

労働者時間について記載します。有給などの扱いについてもここに記載します。

賃金の決定方法、支払い時期などに関すること

賃金の決め方や、支払い方法、時期などを記載します。

退職に関すること(解雇の事由を含む)

退職や解雇に関する内容を記載します。

相対的明示事項

次に会社に定めがある場合、明示しなくてはならない相対的明示事項です。

  • 食費、作業用品などの負担に関すること
  • 安全衛生に関すること
  • 職業訓練に関すること
  • 災害補償などに関すること
  • 表彰や制裁に関すること
  • 休職に関すること

有期雇用労働者に対する労働条件の明示事項

契約社員・パート社員などの有期雇用労働者については、以下の4つの事項を明示しなくてはなりません。

  • 昇給の有無
  • 退職手当の有無
  • 賞与の有無
  • 相談窓口

雇用契約書兼労働条件通知書のテンプレート・雛形

実際に雇用契約書兼労働条件通知書を作成する場合に便利な雛形(テンプレート)を用意しました。また、厚生労働省の公開している労働条件通知書のテンプレートも参考になるので、一度目を通しておくとよいでしょう。

雇用契約書兼労働条件通知書はこちらからダウンロードできます

参考:労働基準法関係主要様式|厚生労働省

契約社員を雇う場合は雇用契約書兼労働条件通知書を作成する

契約社員とパート社員は、正社員と異なり、どちらも雇用期間が定められた有期契約です。契約社員とパート社員の違いは、契約社員の場合、一般的に正社員と同様のフルタイムで働く場合が多く、パート社員は短時間労働が想定されています。

契約社員と雇用契約を締結する場合であっても、労働条件通知書の作成、通知を行いましょう。このとき、雇用契約書の役割も兼ねる、雇用契約書兼労働条件通知書を作成して締結すると、書類が1つで済みます。

なお、労働条件通知書には法律で定められた事項を記載します。これは雇用契約書兼労働条件通知書でも同じです。

よくある質問

契約社員を雇用する際に押さえておきたいルールを教えてください

契約期間の最長は3年(例外で5年)、所定労働時間は8時間/日かつ40時間/週まで、更新して5年間勤務した場合で従業員から申出があった場合の無期転換、正社員との待遇格差をなくす同一労働同一賃金などです。詳しくはこちらをご覧ください。

雇用契約書兼労働条件通知書の明示事項について教えてください

労働契約期間、更新基準、就労場所、始業・就業時間、賃金、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口などが明示事項です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:福谷陽子(元弁護士、法律ライター)

弁護士時代は契約書作成やレビュー、不動産取引や債権回収、破産倒産、一般民事、家事事件など多種多様な事件を取り扱っていた。今はその経験を活かし、専門的な法律知識を一般ユーザーへわかりやすく解説する法律記事の作成に積極的に取り組んでいる。
各種サイトで法律記事を執筆監修。実績は年間1000件以上。ブログやYou Tubeなどによる情報発信にも熱心に取り組んでおりチャンネルを運営中。
元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog
世捨て人mimi
元弁護士の世捨て猫🌟ぴりか(mimi)法律ライター

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