- 更新日 : 2026年7月2日
原本とは?コピーや写し、謄本との違いや電子データの扱いを解説
原本とは直筆署名や押印がある最初の文書であり、電子契約ではPDFデータそのものが原本となります。
- 契約書は同じ内容なら複数通でも全て原本
- 謄本は公取証明ある写し、抄本は一部抜粋
- 電子契約は印刷物ではなくデータが原本
電子契約において、原本は電子署名が付与されたPDFデータそのものです。紙に出力したものは法的効力を持つ原本とは認められないため、提出時はデータを送るか、紙に「原本と相違ない」と記載・押印する原本証明を行う必要があります。
原本とは、一般に、作成者がその内容を確定させた元になる文書や記録のことです。紙の文書では署名や押印がされたものが原本に当たることが多い一方、電子契約などでは電子データ自体が原本として扱われる場合もあります。
この記事では、原本と間違いやすい「写し」や「謄本」との違い、近年増えている電子契約における「電子データ」の原本性についてわかりやすく解説します。ビジネスや公的手続きで迷わないよう、正しい知識を身につけておきましょう。
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原本(げんぽん)とは何か?
原本とは、作成者がその内容を確定させた元になる文書や記録を指すのが一般的です。紙の文書では署名や押印がされたものが原本に当たることが多い一方、電子データが原本となる場合もあります。
「オリジナル」だけが原本
契約書や領収書、公的な証明書などにおいて、最初に作成され、当事者の意思が直接反映された元の書類や記録を原本と呼びます。
例えば、当事者が署名または押印した契約書そのものが原本です。
原本は複数存在することもある
「原本は世界に1つしかない」と思われがちですが、契約書のように当事者双方が保管する必要がある場合、同じ内容で署名・押印したものを2通作成します。
この場合、コピーではなく2通とも「原本」として扱われます。
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原本と間違いやすい言葉(写し・謄本・抄本・正本)の違い
原本を複製したものが「写し(コピー)」や「謄本」です。謄本は「全部」を写したもの、抄本は「一部」を抜粋したものを指します。

1. 写し(コピー)
原本をコピー機などで複製したものです。
「原本の写しを提出してください」と言われた場合は、一般にはコピーで足りることが多いものの、提出先が指定する形式に従う必要があります。
2. 謄本(とうほん)
原本の内容を「一字一句すべて」写し取った文書です。実務上は、公的機関が交付する証明書として使われることが多いです。
- 例:戸籍謄本、登記事項証明書
3. 抄本(しょうほん)
原本の内容の「一部」だけを抜粋して写し取った文書です。
- 例:戸籍抄本(家族全員ではなく、自分一人の情報だけが載っているもの)
4. 正本(せいほん)
原本と同じ法的効力を持たせるために作成された「写し」です。
裁判の判決書や、公正証書などで使われます。原本は裁判所や公証役場などに保管されるため、当事者にはこの「正本」が交付されます。
PDFや電子契約における「原本」の考え方
電子契約の場合、電子署名等により真正性を確認できる電子データ(電磁的記録)が、原本に当たるものとして扱われます。これを紙に印刷したものは、単なる「写し(コピー)」に過ぎません。
「紙」ではなく「データ」が原本
近年普及しているクラウドサインなどの電子契約サービスでは、サーバー上の電子データに電子署名を施すことで、改ざんされていないことを証明します。
したがって、この電子データファイルが原本として扱われる対象です。
- 〇 原本:サーバーに保存されている契約データ、または真正性を確認できるダウンロードデータ。
- ✕ 原本ではない:PDFを紙に印刷したもの(印鑑がなくても印刷物は写し扱い)。
提出を求められたらどうする?
「契約書の原本を提出してください」と言われた場合、提出先が紙での提出を前提としている可能性があります。
「電子契約のため、原本はデータ(PDF)となります。メールでお送りするか、印刷した写しでよろしいでしょうか?」と確認するのがスムーズです。
どうしても紙での提出が必要な場合は、「原本と相違ないことを証明します」という一筆(原本証明)を加えて提出するケースもあります。
原本証明(げんぽんしょうめい)のやり方
原本を提出できない場合に、提出先が写しの提出を認めているときは、コピーに「原本と相違ありません」と記載し、原本と同一内容であることを証明する方法が用いられます。
具体的な手順
- 原本をコピーする。
- コピーの余白に、以下の文言を記載する。
この写しは原本と相違ありません。
令和〇年〇月〇日
株式会社〇〇 代表取締役 〇〇 〇〇 ㊞ - 記載した文字にかかるように、または横に押印する(契約書で使用した印鑑が望ましい)。
複数枚ある場合は、ホッチキスで留めてページのつなぎ目に割印(契印)を押します。

電子データが原本となる電子契約の利用実態
紙の契約書では直筆の署名や押印がされたものが原本となりますが、近年は電子データそのものが原本として扱われる電子契約への移行が進んでいます。株式会社マネーフォワードが独自の調査を実施し、企業における電子契約の利用実態を明らかにしました。
7割以上の企業が電子契約を主体に利用
業務委託契約の締結に関与する方を対象に、電子契約の利用状況を尋ねました。その結果、最も多いのは「電子契約と紙契約どちらも使うが、電子契約のほうが多い」で、51.7%でした。次いで「ほぼ全ての契約で電子契約を利用している」が24.3%、「電子契約と紙契約どちらも使うが、紙契約のほうが多い」が16.0%と続いています。
これらのデータから、回答者の76.0%が電子契約を主体として利用しており、契約業務のデジタル化が標準となりつつある傾向が読み取れます。
電子契約において原本となるのは、電子署名等が付与されたサーバー上のデータやPDFファイルそのものです。これを紙に印刷したものは単なる「写し」として扱われるため、従来の紙の原本とは扱いが異なります。契約業務のデジタル化が進む中で、紙と電子データそれぞれの原本の性質を正しく理解し、適切な管理体制を整えておくことが大切です。
出典:マネーフォワード クラウド、電子契約の利用状況【業務委託契約書に関する調査データ】(回答者:881名(有効回答:業務委託契約に関与する605名)、集計期間:2026年1月実施)
原本管理はビジネスの基本
「原本」は、内容や成立を確認するうえで重要な資料です。紛失すると再発行が難しいものも多いため、管理には細心の注意が必要です。
- 紙の原本:直筆サインや実印があるもの。ファイリングして鍵付きキャビネット等で保管。
- 電子の原本:電子署名等で真正性を確認できる契約データ。バックアップを取り、電子帳簿保存法の要件に従って保存。
言葉の違いを正しく理解し、提出を求められた際に「紙の原本」なのか「データの原本」なのか、あるいは「写し」で良いのかを即座に判断できるようになりましょう。
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よくある質問
原本とは何ですか?
原本とは、最初に作成したオリジナルの文書のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
写しとは何ですか?
写しとは原本のコピーのことで、文書の作成権限なしに作成されるケースが多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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