- 更新日 : 2026年7月2日
免責事項とは?意味や正しい書き方、法的効力をテンプレート付きで解説
免責事項は損害賠償の範囲を限定する規定ですが、「一切免責」は法律で無効となる恐れがあります。
- 消費者契約法により全部免除は無効
- 「故意・重過失」を除く但し書きが必須
- 注意事項とは異なり事後の責任を規定
BtoC契約において完全な免責は無効とされるため、条文には必ず「当社に故意または重過失がある場合を除く」という例外規定を明記し、法的効力を担保する必要があります。
「契約書やWebサイトの『免責事項』って、具体的に何を書けばいいの?」
「『一切の責任を負いません』と書けば、本当に責任を免れることができるの?」
ビジネスにおける契約書や利用規約には、「免責事項」が含まれていることが一般的です。しかし、ただ形式的に記載するだけではいざという時に会社を守れないばかりか、民法や消費者契約法などに反して無効になるリスクもあります。この記事では、免責事項の正しい意味や書き方、法的効力を持たせるためのポイントを、具体的な例文(テンプレート)を交えて解説します。
<関連記事>
▶契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!
<サービス資料>
▶マネーフォワード クラウド契約の詳細はこちら
▶マネーフォワード クラウドAI契約書レビューの詳細はこちら
免責事項(免責条項)とは?
免責事項とは、商品やサービスの利用によって損害が発生した場合に、提供者が「責任を負わない範囲」や「責任の上限」を定めた取り決めのことです。
予期せぬトラブルから企業を守るための防波堤となる重要な条項です。
免責の意味と役割
「免責」とは文字通り「責任を免れること」を指します。
通常、契約違反や不法行為によって相手に損害を与えた場合、損害賠償責任が発生します(民法415条、709条など)。しかし、ビジネスにおいては「システム障害」や「自然災害」など、企業の努力だけでは防ぎきれないリスクが存在します。
こうしたリスクに対し、あらかじめ「このような場合は責任を負えません」「賠償額はここまでです」と宣言しておくのが免責事項の役割です。
「注意事項」との違い
よく似た言葉に「注意事項」がありますが、役割が異なります。
- 免責事項:トラブル発生後の責任の範囲や上限、所在(誰が責任を取るか)を定めるもの。
- 注意事項:トラブルを未然に防ぐための利用ルールや警告(例:「濡れた手で触らないでください」)。
この記事をお読みの方におすすめのガイド3選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い45個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
実際の契約に合わせてカスタマイズしていただきながら、ご利用くださいませ。
初心者必見!【弁護士監修】電子契約まるわかり4点セット
「電子契約ってよく聞くけど正直よくわかっていない・・・」「なんだか難しそう」そのようなお悩みございませんか?
はじめて電子契約を利用することになった方や、電子契約サービスの導入を検討されている方など、煩雑な契約業務に悩まれている方に、ぜひご覧いただきたい入門編の資料をセットにいたしました。
マネーフォワード クラウド契約サービス資料
マネーフォワード クラウド契約は、紙契約と遠視契約が混在した時代で、「最適な契約業務を実現する」ワンストップ契約管理サービスです。
送信料0円、契約書保管料0円なので送信数が増えても安心してペーパーレスが実現できます。
免責事項の具体的な例文(テンプレート)
免責事項は、Webサイトの利用規約、製品保証書、契約書など、利用シーンに合わせて書き分ける必要があります。ここでは代表的な3つのパターンの例文を紹介します。
1. Webサイト・ブログの免責事項
情報の正確性を保証できないことや、リンク先でのトラブルについて責任を負わない旨を記載します。
(例文)
2. サービス・アプリの利用規約
システム障害やデータ消失に関するリスクヘッジが重要です。
(例文)
3. 不可抗力による免責
自然災害や戦争など、自社のコントロールが及ばない事態について定めます。
(例文)
「一切の責任を負わない」は有効か?無効になるケース
「いかなる場合も一切責任を負わない」という完全な免責条項は、消費者契約法などの法律により無効となる可能性が高いです。特にBtoC(対消費者)ビジネスでは注意が必要です。
消費者契約法による制限(BtoCの場合)
消費者契約法(第8条)では、事業者の債務不履行や一定の不法行為に基づく損害賠償責任を全部免除する条項などは無効とされています。また、事業者に「故意(わざと)」や「重過失(重大な不注意)」がある場合には、責任を「一部免除(上限設定など)」することさえ認められません。
そのため、有効な免責事項にするには、以下のような但し書きを入れるのが鉄則です。
(修正例)
(または)
公序良俗違反(BtoBの場合も注意)
企業間取引(BtoB)であっても、相手にあまりに不利な免責条項(例:重大な過失があっても責任を負わないなど)は、公序良俗違反(民法90条)として無効になる可能性があります。
出典:消費者契約法|消費者庁
免責事項を作成する際の3つのポイント
トラブルを防ぐ免責事項を作るには、「リスクの洗い出し」「法律の遵守」「わかりやすい表現」の3点が重要です。
1. 自社特有のリスクを具体的に書く
定型文をコピペするだけでなく、自社のビジネスモデル特有のリスクを盛り込みましょう。
- ECサイトなら「配送遅延」
- 投稿サイトなら「ユーザー間のトラブル」
- 健康食品なら「効果には個人差があること」
2. 「故意・重過失」を除外する
前述の通り、法律違反にならないよう「当社に故意または重過失がある場合は除く」という文言をセットにしておきましょう。これにより、条項全体が無効になるリスクを回避できます。
3. ユーザーの目に触れる場所に置く
- どんなに完璧な免責事項を作っても、ユーザーがその内容を認識できず、契約内容として組み込まれていなければ、拘束力が認められにくくなります。申込み画面や会員登録画面、ユーザーが契約前に容易に確認できる場所にリンクを置く
- 会員登録時に「同意する」ボタンを押させる
- 契約書の重要事項として説明する
契約書における免責事項・損害賠償条項の確認実態
契約書を取り交わす際、免責事項や損害賠償の範囲をどの程度意識しているでしょうか。株式会社マネーフォワードが独自の調査を実施し、担当者の確認実態を明らかにしました。
実務条件が優先され、リスク管理の確認は後回しになりがち
業務委託契約の締結に関与する方を対象に、契約内容を確認する際、特に注意して確認している項目を尋ねました。その結果、最も注意して確認しているのは「業務の内容・範囲」で、32.6%でした。次いで「契約の解除・解約に関する条件」が28.8%、「委託料(報酬)の金額・支払時期」が28.3%と続いています。
一方で、免責事項と密接に関わる「損害賠償の範囲・上限」に注意している割合は21.0%にとどまりました。このデータから、多くの担当者が業務内容や金額といった実務に直結する条件を優先して確認している傾向が読み取れます。
免責事項は、予期せぬトラブルから企業を守るための重要な条項です。「一切の責任を負わない」といった無効になりうる記載になっていないか、自社の責任範囲や損害賠償の上限が適切に設定されているかを確認することは欠かせません。契約締結時には、目先の条件だけでなく免責事項などのリスク管理項目も念入りにチェックすることが大切です。
出典:マネーフォワード クラウド、契約内容確認時の重点項目【業務委託契約書に関する調査データ】(回答者:881名(有効回答:業務委託契約に関与する605名)、集計期間:2026年1月実施)
免責事項は「攻め」と「守り」のバランスが重要
免責事項は、企業を守るための重要な盾ですが、やりすぎると法律で無効にされたり、顧客からの信頼を失ったりします。
- 役割:予期せぬトラブル時の賠償責任を制限する。
- 注意点:「一切責任を負わない」は無効になるリスク大。
- 対策:「故意・重過失を除く」等の但し書きを入れ、消費者契約法に対応する。
自社のサービス内容と法律のバランスを見極め、適切な免責事項を設定することで、健全で持続可能なビジネス運営を目指しましょう。
契約関連のおすすめコンテンツ
契約・電子契約関連記事
▶契約とは?民法における成立要件や契約書の種類などを簡単にわかりやすく解説
▶電子契約のメリット・デメリットは?導入が進まない理由や関連する法律もわかりやすく解説
▶電子契約システムとは?導入メリットや注意点を種類別に解説
▶電子契約とは?仕組みやメリット、法的有効性について解説
▶電子契約の導入の流れは?サービスの導入から契約締結までの進め方を解説
契約書関連記事
▶契約書とは?注意すべきポイントを簡単に解説
▶契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!
▶雇用契約書とは?法的な必要性や項目、作り方をひな形付きで紹介
▶業務委託契約書とは?書き方や個人事業主の注意点を解説
▶印紙が必要な契約書の種類と金額まとめ
おすすめお役立ち資料
▶電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選(合計10ページ)
▶16項目 契約書レビューのチェックポイント(合計12ページ)
▶契約書の作り方 書き方の教科書(合計21ページ)
▶マネーフォワード クラウド契約サービス資料
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 契約書の種類・書き方
ノウハウ等秘密保持契約書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
ノウハウ等秘密保持契約書とは、保護すべきノウハウや技術に関する情報などを共有する際に、情報の秘密性を保つための契約書のことです。情報の秘密性を保つための契約書のことです。秘密情報を…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
代物弁済予約とは?契約書の雛形をもとに解説
代物弁済予約とは、債務者がお金の代わりにモノで弁済する方法を、あらかじめ予約しておくことです。代物弁済予約には、仮登記担保法が適用されます。この記事では、代物弁済予約のメリットやデ…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
債務確認書とは?効力や書き方をひな形つきで解説
債務確認書とは、自ら負担している債務の内容などを確認するため、債務者が債権者に対して交付する文書です。取引先に対して債権を有しており、その内容を明確化する必要がある場合は、債務者に…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
派遣契約書とは?記載事項・派遣先管理台帳との違いを解説
派遣契約書とは何か? 派遣契約書は、派遣元会社と派遣先企業が業務内容・就業条件・責任範囲を定める書類です。 基本契約書と個別契約書の2種類がある 派遣先管理台帳とは目的が異なる 抵…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
独占的通常実施権とは?専用実施権との違いまで解説
独占的通常実施権とは、第三者へ実施権を重ねて許諾しないという特約を設けた、通常実施権です。この記事では、独占的通常実施権とは何か、他にどのような実施権があるのかに加え、独占的通常実…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
アルバイトの雇用契約書は必要?書き方(テンプレ)や労働条件契約書との違いをわかりやすく解説
アルバイトを雇う際は正社員とは雇用形態が異なるため、雇用契約書を作成しないケースは珍しくありませんが、法律上問題はないのでしょうか。 今回は、アルバイトの雇用契約書について解説する…
詳しくみる



