- 更新日 : 2026年7月13日
未成年の定義とは?2022年4月からの民法改正についても解説
2022年4月の民法改正で、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
- 法律上の成年と定義は18歳以上
- 18歳・19歳は親の同意なく契約を締結できるように
- 酒・たばこなど健康に関わる規制は20歳のまま維持される
改正の影響はすべての年齢制限に及ぶわけではありません。企業側も約款やシステムの見直しが必要になるケースがあります。
2022年4月の民法改正により、未成年の定義が変わり、18歳・19歳は法律上の成年として扱われるようになりました。これまで未成年者に認められていた契約取消権が失われる一方、自立した意思決定が認められる範囲が広がっています。何が変わり、何が変わらないのかをふまえて整理しておきましょう。
目次
未成年・成年の定義とは?
民法第4条の改正により、成年年齢は2022年4月から18歳に引き下げられ、18歳未満が法律上の「未成年」となりました。
成年年齢は2022年4月に18歳へ引き下げられた
民法第4条に「年齢十八歳をもって、成年とする」と規定されており、18歳以上が法律上の成年となります。
明治時代から約140年間、成年年齢は20歳とされてきました。2022年4月1日の改正民法施行をもって「18歳以上が成年」というルールが適用されており、これは現在も続いています。民法第4条には次のとおり定められています。
第四条 年齢十八歳をもって、成年とする。
参考:民法|e-Gov法令検索
2022年4月1日の施行時点で18歳・19歳だった人の対応
2022年4月1日時点で18歳・19歳だった方は、施行日に一斉に成人となりました。
2022年4月1日時点ですでに18歳・19歳になっていた方が「18歳時点で成年だった」と遡って扱われるわけではありません。施行日に18歳・19歳の方のすべてが同日に新成人となる仕組みです。それ以降は、誕生日を迎えて18歳になった日から成年として扱われます。
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成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた理由は?
18歳・19歳の自己決定権を尊重し、社会参加を促進するという国際的な動向が改正の背景にあります。
国際的な動向と若者の自己決定権の尊重
世界的に成年年齢を18歳とする国が多く、日本もこの動向をふまえて法改正が検討されてきました。
多くの国では18歳を成年年齢とし、若者が自ら判断して社会に参加できる体制を整えています。日本においても、若者の自己決定権の尊重と社会参加の促進を目的として、成人年齢の引き下げが議論されてきました。法制審議会は2009年の答申において「民法の成年年齢を18歳に引き下げるのが適当である」との見解を示しています。
選挙権年齢の引き下げとの関係
2015年の公職選挙法改正で選挙権年齢が18歳に引き下げられたことが、民法改正への流れを決定づけました。
2007年5月に成立した国民投票法は、憲法改正国民投票の投票権年齢を18歳以上と定め、附則で選挙権年齢の引き下げを求めました。その後、2015年の公職選挙法改正によって選挙権年齢が18歳に引き下げられ、こうした一連の流れを受けて民法の成年年齢も18歳に改正されました。
成人年齢の引き下げによる主な変更点は?
成人年齢の引き下げに伴い、複数の法令で年齢要件が変更された一方、20歳のまま維持された規制もあります。
年齢要件が18歳に変更された主な制度
帰化の要件や旅券取得など、これまで20歳を要件としていた複数の制度で、年齢基準が18歳に変更されました。
民法改正の影響を受けた主な例には次のものが挙げられます。
- 国籍法における帰化の要件
- 社会福祉法における社会福祉主事の資格
- 旅券法における10年用一般旅券の取得
- 婚姻開始年齢(女性が16歳から18歳に引き上げ、男女ともに18歳に統一)
婚姻については、これまで女性は16歳から婚姻が認められていましたが、改正により男性と同じ18歳に統一されました。
20歳のまま維持される制度・規制
飲酒・喫煙や公営ギャンブルなど、健康や青少年保護に関わる規制は、成年年齢の改正後も20歳のまま維持されています。
民法上の成年年齢が変わっても、すべての法律の年齢制限が連動して変更されるわけではありません。以下の表に、18歳・20歳それぞれを基準とする主な項目と根拠法律をまとめます。
| 項目 | 年齢制限 | 根拠法律 |
|---|---|---|
| 飲酒 | 20歳未満は禁止 | 20歳未満ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律 |
| 喫煙 | 20歳未満は禁止 | 20歳未満ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律 |
| 公営ギャンブル(競馬・競輪・モーターボート等) | 20歳未満は禁止 | 競馬法、自転車競技法、モーターボート競走法など |
| 国民年金の被保険者資格 | 20歳以上 | 国民年金法 |
| 大型・中型自動車免許等 | 20歳以上(大型) | 道路交通法 |
| 婚姻 | 18歳以上(男女) | 民法(改正により男女統一) |
| 選挙権・投票権 | 18歳以上 | 公職選挙法 |
成年年齢の改正と各種年齢制限は別々の法律で定められており、一括で変更されるわけではありません。制度ごとに確認することが大切です。
新たに成年になった18歳・19歳への影響は?
成年になることで得られる権利と、新たに生じるリスクの両面を理解しておく必要があります。
親の同意なく契約を締結できるようになる
18歳以上は、法定代理人(親権者)の同意なしに自らの判断で契約を締結できます。
民法第5条は、未成年者が法律行為を行う際には原則として法定代理人の同意が必要と定めています。成年に達すると、この制約がなくなります。就職・借入・賃貸借契約など、これまで保護者の同意が求められていた行為も、18歳からは本人の意思だけで成立します。
具体的に同意が必要とされてきた行為には、雇用契約・賃貸借契約などの締結、貸金債権の弁済の受領、相続の承認・放棄、負担付の贈与を受けること、契約解除の意思表示を受けることなどがあります。成年後は自由に決定できる反面、契約内容を十分に確認する責任も自らが負います。
未成年者取消権が行使できなくなる
18歳以上は未成年者取消権の保護対象から外れるため、不本意な契約を取り消しにくくなります。
未成年者取消権とは、法定代理人(親等)の同意を得ずに結んだ契約を、本人または代理人が取り消せる権利です。たとえばスマートフォンの購入契約やローン契約を未成年者が単独で締結した場合、原則としてその契約を取り消すことができます。この権利は消費者トラブルから未成年者を守る機能を果たしてきましたが、民法改正により18歳・19歳はこの権利を行使できなくなりました。
そのため、悪徳商法や強引な勧誘など消費者被害に遭わないよう、より慎重に契約内容を確認することが求められます。消費者庁では成年年齢引き下げ後の若年者向けに、相談窓口の充実や消費者教育の推進など複数の対策を講じています。
お酒・たばこの年齢制限は20歳のまま
成年になっても、飲酒・喫煙は20歳未満に引き続き禁止されています。
健康への悪影響や青少年保護、非行防止の観点から、飲酒・喫煙の年齢制限は20歳のまま維持されています。民法上の成年年齢とは別の法律で定められており、競馬・競輪・オートレース・モーターボート競走の参加年齢制限も同様に20歳のままです。18歳になったからといってすべての制限がなくなるわけではないため、注意が必要です。
成人年齢の引き下げに伴い、企業が見直すべき対応は?
成人年齢の引き下げは、顧客向けサービスの設計や雇用管理にも影響を与えるため、企業側での適切な対応が求められます。
約款・利用規約の文言確認
成年かどうかの基準を「20歳」で表現している約款・規約は、必要に応じて文言の修正が求められます。
サービス申し込みや利用資格に「20歳未満の方は保護者の同意が必要」といった記載がある場合、改正後のルールと齟齬が生じるおそれがあります。意図的に20歳を基準に据えるのであれば変更は不要ですが、そうでなければ利用規約・Webサイト・パンフレットなどの記載内容を全体的に確認し、整合性を取っておくとよいでしょう。
年齢判定システムの確認と見直し
システム上で年齢を判定して未成年者を制限している場合も、条件値の確認と修正が必要になります。
「20歳未満は利用不可」といった設定でユーザーを除外しているシステムは、改正後の定義と一致しなくなるおそれがあります。18歳を基準に変更する場合は、該当する条件値と表示メッセージをあわせて修正し、システムエラーが生じないかどうかも確認しておくとよいでしょう。
雇用契約における保護者同意の扱い
18歳以上の採用では、雇用契約を本人の意思だけで締結できるため、保護者の同意取得は法的には不要となります。
アルバイトや正社員として18歳・19歳を採用する際、これまで慣行として行っていた保護者への同意確認は、法的義務としては課されなくなりました。ただし、身元確認や就労リスクの管理の観点から「身元保証人の設定を求める」といった運用を検討することは差し支えありません。業務フローを見直す際は、法的に必要な手続きと社内ルールとして維持するものを区別して整理するとよいでしょう。
未成年の定義の変更が与える影響を正確に理解しておこう
民法改正により、未成年とは18歳未満を指し、18歳・19歳は法律上の成年として扱われるようになりました。法定代理人(親)の同意なく契約を締結できる一方、未成年者取消権の保護対象から外れるため、消費者被害に遭わないよう注意が求められます。飲酒・喫煙など20歳の年齢制限は各法律で維持されており、民法の成年年齢とは別の基準が適用される点に注意が必要です。企業側は約款やシステム、雇用フローについても改正内容をふまえた確認と対応を進めておくとよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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