• 作成日 : 2024年1月12日

契約期間に関する条項とは?文例や記載すべきケース、確認ポイントを解説

契約期間に関する条項とは、継続的に取引する契約で定める条項です。主に、業務委託契約や賃貸借契約などに盛り込まれます。契約に基づく権利義務の有効期間を明確にすることを目的とするものです。

今回は、契約期間に関する条項の概要や記載例を解説します。条項を提示されたときに確認すべきポイントも紹介しますので、参考にしてください。

契約期間に関する条項とは?

契約期間に関する条項とは、契約の有効期間や自動更新の有無、残存条項などを定めた条項のことです。継続的な取引を円滑に進めるために設けられます。

ここでは、契約期間に関する条項を定める契約にはどのようなものがあるかを解説します。さらに、条項の文例や定める理由もみていきましょう。

契約期間に関する条項を定めるケース

契約期間に関する条項を設けるのは、取引が一定期間継続される契約の場合です。主に、次のような契約があげられます。

  • 業務委託契約
  • 賃貸借契約
  • 不動産売買の媒介契約
  • ライセンス契約

これらの契約はどれも一定の期間が定められており、期間内に遵守すべきルールを設ける必要があります。

これに対し、売買契約など一回限りの契約を締結する場合には、義務の履行期だけを記載すればよく、契約期間についての項目を設ける必要はありません。

条項の文例

契約期間に関する条項で重要なものが、契約の有効期間です。有効期間の定め方と文例は、次のとおりです。

契約期間の始まりと終わりを指定する方法

(文例)

「本契約の期間は、20××年〇月〇日から20××年〇月〇日までとする。」

契約期間の始まりを定め、その後の期間を定める方法

(文例)

「本契約の有効期限は、契約締結日から2年間とする。」

「本契約の期間は、20××年〇月〇日から起算して1年間とする。」

「本契約の有効期間は、20××年〇月〇日からから1年間とする。」

契約期間に関する条項を定める理由は?

継続的取引のある契約に契約期間についての項目を設けるのは、契約上の義務の存否に関する紛争を防止するためです。

仮に契約期間に関する条項を設けなければ、権利義務はいつまで適用されるのかがわからず、無用な負担を強いることになります。トラブルを回避し、契約内容を円滑に進めるためにも条項の設定が大切です。

契約期間に関する条項で指定する事項

契約期間に関する条項で指定する事項は、以下の3つです。

  • 契約期間
  • 自動更新の有無や条件
  • 契約終了後も存続する条項

それぞれの内容をみていきましょう。

契約期間

契約期間の条項は、契約期間の始期と終期を明確にすることで契約上の権利義務の存否に関するトラブル防止を図ることが目的です。また、契約期間を確定することで、取引を管理しやすくします。

契約の有効期間は、文例の項目でも説明したとおり、次のどちらかで定めます。

  • 契約期間の始まりと終わりを設ける方法
  • 契約期間の始まりを特定し、その後の期間を定める方法

契約期間の設定は、「日」を最小単位として、カレンダー上の日付で定める方法が一般的です。

日を単位とする場合、初日を算入せず、翌日から起算するのが原則です(民法140条)。また、期間の末日が終了したときに期間が満了します。

例えば、「20××年4月1日から20××年12月31日までとする」という条項の場合、4月1日は参入せず、4月2日から契約が始まり、12月31日の24時が経過したときに契約が満了します。

自動更新の有無や条件

自動更新条項とは、継続的な契約において再契約の手続きを省略する項目です。

基本的に、契約期間は当事者がその都度合意することによって更新されます。しかし、契約更新がある程度高い確率で見込まれる場合には、再契約の手続きを簡略にして契約更新における当事者の負担を軽減するために自動的に更新するという内容の項目を設けることもあります。

自動的に更新する項目を設ける場合、次のような条件を盛り込みます。

  • 更新拒絶の申入れがない限り、これまでと同じ条件で自動的に契約更新されるという文言
  • 更新拒絶の申入れ期間・申入れの方法
  • 自動更新後の契約期間

契約終了後も存続する条項

継続的取引契約には、契約が終了したあとも残す方が望ましい条項があります。それらは「残存条項」として、契約が終わってからも有効に存続する旨の定めが必要です。

残存条項の一例は、次の内容に関する条項です。

  • 秘密保持義務
  • 損害賠償
  • 競業避止義務
  • 反社会的勢力の排除
  • 合意管轄

残存条項には、無期限の残存を定める場合と 一定期間に限って残存する旨を定める場合があります。

損害賠償や反社会的勢力の排除などトラブル回避のための条項は期限なしとする必要がありますが、秘密保持義務や競業避止義務など当事者の義務の残存を定める条項については、負担を軽減するためにも一定の期間に制限することが求められます。

残存条項については、以下の記事で詳しく解説しています。

契約期間に関する条項の記載例

契約期間に関する条項について、例文をみていきましょう。

自動更新なしの場合

自動更新を定めない場合は、以下のようにシンプルな内容です。

第〇条本契約の期間は、20××年〇月〇日から起算して2年間とする。

自動更新をする場合

自動更新をする場合は、次のように書きます。

第〇条本契約の期間は、20××年〇月〇日から20××年〇月〇日までとする。

ただし本契約は、当初期間や更新期間の満了する 1ヶ月前までに、いずれかの当事者が合理的な理由に基づき更新しない旨を書面で通知しない限り、1年間の更新期間で、 従前と同条件で自動的に更新されるものとする。

残存条項を定める場合

残存条項を設けるときの例文は、以下のとおりです。

第〇条

  1. 本契約の期間は、20××年〇月〇日から起算して〇年間とする。
  2. ただし、本契約の終了後においても、第〇条については、本契約の終了日から3年間、本契約の規定が有効に適用されるものとする。

契約期間に関する条項を提示されたときの確認ポイント

契約期間に関する条項を提示されたときは、いくつかチェックしたいポイントがあります。詳しくみていきましょう。

契約期間の長さは適切か確認する

契約期間に関する条項では、契約期間が妥当な長さかを確認しましょう。契約期間に関する条項を設ける趣旨は、契約関係を明確にして当事者が契約上の権利義務を負う時期を確定させるためです。

契約期間が長すぎるとこれらの趣旨が曖昧になるため、契約期間は取引ごとに適切な期間を設定するようにしましょう。

また、期間満了では相手方と契約を続けるかを考える機会になるため、取引相手を選ぶ機会を多く設けるためにも、適切な契約期間にすることが大切です。

自動更新の条件をチェックする

自動更新条項を設ける場合、更新拒絶の通知期間が適切かの確認も必要です。契約期間満了まで更新拒絶ができるようにした場合、満了の間際で拒絶される可能性もあります。突然の契約終了という事態にならないよう、ある程度の余裕を持った設定にしなければなりません。

また、更新拒絶の通知期間が短いと、拒絶期間をやり過ごして契約がそのまま更新されてしまうことにもなります。当事者双方が不利益を受けないよう、適切な期間設定が求められます。

期間途中で解約・解除できる場合の条件を確認する

契約期間の間には何が起こるかわからず、期間途中での解約・解除が必要になる場合もあります。期間途中で解約・解除ができる場合、不利益な条件が設定されていないかの確認が必要です。

期間途中での解約・解除に関する条件は、次の点を確認しておきましょう。

  • 解約権を有するのは誰か
  • 違約金は妥当な金額か
  • 解約権を行使できる条件は何か

残存条項は網羅されているか確認する

残存条項は、契約終了後のトラブルを避けるための大切な項目です。設定する場合は漏れのないよう、どの条項を存続させるべきかをよく検討してください。

形式面では、残存条項のズレに注意が必要です。

条文のズレとは、次のようなケースです。

第3条 (秘密保持義務)(中略)

第〇〇条

本契約の終了後も、本条、第4条(秘密保持義務)の規定は、引き続きその効力を有する。

この例では、第3条をあとの条項では第4条としており、ズレが生じています。

条文にズレが起こると、残存条項の内容が不明確になり、トラブルの原因になります。設定する項目を確定させた上で、条項を列挙し、ズレがないようにしっかり確認しておきましょう。

契約期間に関する条項は慎重に設定しよう

業務委託契約や賃貸借契約など継続的取引契約を締結する際は、契約期間に関する条項をよく確認しておきましょう。有効期間や自動更新の有無・条件、残存条項のチェックが大切です。提示された条項は、契約期間の長さや更新拒絶の通知期間など、しっかり確認してください。

契約に関する法令はたびたび変更になります。e-GOV法令検索などを利用して、最新情報のチェックも忘れないようにしましょう。


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