- 更新日 : 2026年3月27日
貸金返還請求とは?流れや書き方、注意点をひな形つきで解説
貸金返還請求は、貸したお金の返済を法的に求める手続きです。
- 民法587条が根拠
- 時効は原則5年
- 内容証明で請求可
返済されない場合は催促→請求書送付→支払督促・訴訟へ進みます。時効更新(民法166条)も重要なポイントです。
貸金返還請求は、貸し付けたお金の返還(返済)を求める請求権の行使です。契約書などの証拠書類と合わせて請求することで、後々のトラブルを回避し、円滑に返済を促すことが可能となります。
本記事では、貸金返還請求の流れや関係書類の書き方、注意点を詳しく解説します。
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目次
貸金返還請求とは?
貸金返還請求とは、貸したお金が約束どおり返済されない場合に、法的に返還を求める請求です。金銭の貸し借りは民法上の「金銭消費貸借契約」に基づきます。
貸金返還請求とは、金銭消費貸借契約に基づき返済を求める法的請求
貸金返還請求は、金銭消費貸借契約(民法587条)に基づいて貸し付けた金銭の返還を求めるものです。消費貸借は、原則として借主が金銭を受け取ることで効力が生じ(民法587条)、書面でする消費貸借では合意により効力が生じます(民法587条の2)。返還請求では、少なくとも貸す合意と金銭の交付(振込等)、返済期限がある場合は期限の到来を、証拠で確認できることが重要です。もし、返済期限(弁済期)の合意がない場合、貸主は相当の期間を定めて返還の催告(督促)をすることで、期間経過後に返済を請求できます(民法第591条第1項)。
返済が行われない場合は、段階的に返還請求を行うのが一般的
弁済期が到来しても支払いがない場合、まずは口頭やメールで催促します。それでも応じないときは、内容証明郵便などの書面で正式に請求します。なお、時効(原則5年)にも注意が必要です。解決しない場合は、支払督促や訴訟などの法的手段を検討します。
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貸金返還請求に時効はある?
貸金を返してもらう権利は永久に続くわけではなく、一定期間行使しなければ消滅します。これを「消滅時効」といいます。貸金返還請求にも民法上の時効が適用されるため、期限を把握しておくことが重要です。
貸金返還請求権は原則5年または10年で時効により消滅する
民法166条により、債権は「権利を行使できると知った時から5年間」行使しない場合、または「権利を行使できる時から10年間」行使しない場合に消滅します。貸金返還請求では、弁済期(返済期限)が到来した時点から時効が進行します。通常は弁済期を知っているため、実務上は5年が基準となることが多いです。
時効は請求や訴訟で中断(更新)させることができる
時効完成前に、内容証明郵便による請求(催告)は効果的ですが、時効の完成を6か月猶予するにとどまります。一方、支払督促の申立てや訴訟提起などの裁判上の請求を行うと時効完成が猶予され、確定判決等で権利が確定した場合に時効が更新します。また、債務者が一部弁済や支払約束をした場合も、債務の承認として時効が更新されます。時効完成後に請求しても、相手が時効を援用すれば返還を求められなくなるため、早めの対応が重要です。
貸金返還請求をするケースは?
企業活動において貸金返還請求が発生するケースは多岐にわたります。特に重要なのは、各ケースにおける法的要件と手続きの違いを理解することです。
以下に、主要なケースを解説します。
取引先や子会社への貸付金
企業間の資金融通として最も一般的なケースです。金融商品取引法や会社法の規制に従い、適切な社内承認手続きと契約書の作成が必須となります。特に子会社への貸付は、株主代表訴訟のリスクも考慮する必要があります。
役員貸付金
会社法上の利益相反取引として、取締役会の承認が必要となるケースです。役員への貸付は税務上も注視される取引であり、適切な金利設定と返済計画の策定が重要です。未返済の場合、役員給与として認定される可能性もあります。
従業員への立替経費の精算
就業規則や経理規程に基づく通常の経理処理の範疇ですが、退職時に未精算金が残る場合は貸金返還請求として処理する必要が生じます。労働債権との相殺も考慮すべき重要な論点となります。
親族や知人に貸した資金
親戚や友人などにお金を貸したけれど返ってこない、という個人間のケースです。
いずれのケースにおいても、まず口頭やメール等で任意の支払いを催促したうえで、必要に応じて貸金返還請求書を発行し、相手方に書面で返済を促すことが大切です。
参考:e-Gov法令検索 金融商品取引法
参考:e-Gov法令検索 会社法
貸金返還請求をする流れは?
貸金返還請求を進める際には、以下の5つの段階を踏むことで、進め方全体を明確にし、トラブルの発生を未然に防げます。以下で、段階ごとの詳細を解説します。
1. 事実関係の整理
はじめに貸付契約に関する証拠書類(貸金契約書、金銭消費貸借契約書など)の有無を確認し、貸付金額、貸付日時、返済期限などの基本情報を整理します。
また、すでに一部返済がなされている場合は、その金額や返済日も正確に記録しておくことが重要です。この確認によって後の手続きで主張すべき根拠が明確になり、請求の正当性を裏付ける証拠になります。
2. 口頭やメールで返済督促
次は、口頭やメールなどで穏便に返済を促す段階です。直接の連絡で返済の意思確認を行うことで、誤解や不必要なトラブルを回避できます。ここでは、返済に関する交渉の余地を残し、相手との信頼関係を損なわないように丁寧に対応することが求められます。
3. 貸金返還請求書の作成・送付
それでも返済が進まない場合、書面で正式に請求するために貸金返還請求書を作成し、送付します。請求書には、貸付の経緯、金額、返済期限、振込先口座など必要事項を明確に記載する必要があります。
証拠保全のために、内容証明郵便や書留郵便など、送付履歴が証明できる方法で相手に届けるようにしましょう。
4. 交渉・和解または法的手続きの検討
相手が正式な請求書を送付しても応じない場合は、交渉の場を設けるか、和解契約書を取り交わす、分割払いなどの合意形成を試みます。
万一、交渉が成立しない場合には、訴訟等の法的手続きに移行することを検討しましょう。この段階では、法務担当者や専門家(弁護士、認定司法書士)の助言を得ながら、最適な解決策を模索することが大切です。
5. 回収手段の実施
法的手続きである確定判決や和解調書などの債務名義が得られた場合は、強制執行などの回収手段を講じる段階に移ります。
裁判所の判断に基づき回収手段を実施することで、貸金の回収を確実なものにします。また、必要に応じて弁護士や司法書士との連携を強化し、実効性の高い手続きを進めることが重要です。
それぞれの段階で適切な書類を整備し、証拠を確保しながら進めるよう意識しましょう。
貸金返還請求書のひな形・例文
貸金返還請求書は、相手方に「返済義務が存在する」ことを明確に知らせ、正式な書面として督促するために作成します。本記事では、以下2種類のひな形を紹介します。それぞれの場面に応じてダウンロード・編集してご利用ください。
相続人への貸金返還請求書テンプレート
本テンプレートは、被相続人が生前に抱えていた借入金に関し、相続開始とともにその返済義務が相続人に引き継がれるケースで使用するものです。
被相続人と貸主との間で有効な借入契約が成立していた場合、債務は相続により相続人に承継されます。
貸金返還請求における和解契約書テンプレート
貸金返還について相手方と協議を行い、一括返済が難しい場合の分割払いや利息調整などを合意する際に利用するひな形です。法的な効力をもつ和解契約書を取り交わすことで、後日トラブルが発生しても合意内容を基に請求できる利点があります。
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貸金返還請求書に記載すべき内容や書き方は?
貸金返還請求書には何をどのように記載するべきか、またどういった注意点があるかを見ていきましょう。
1. タイトル及び基本情報の明記
請求書の冒頭には、「貸金返還請求書」や「貸金返還請求」など、書類の性質が一目でわかるタイトルを記載します。
また、以下の基本情報も明確に記載する必要があります。
- 債権者の情報
- 会社名:○○株式会社
- 住所:〒123-4567 東京都○○区○○町1-2-3
- 代表者名:山田太郎
- 債務者の情報
- 氏名(または会社名):△△株式会社
- 住所:〒765-4321 東京都△△区△△町4-5-6
- 連絡先電話番号やメールアドレス
これらの情報は、後日のトラブル防止や証拠保全のために非常に重要です。特に、相続人への請求の場合は、相続人の氏名や連絡先を正確に記載し、相続放棄の有無なども確認した上で請求先を確認する必要があります。
2. 貸付契約の成立と経緯の記載
貸付契約がどのように成立したか、契約書の有無や契約締結日、借入の目的などを具体的に記載します。
たとえば、以下のような文言が考えられます。
- 契約成立の事実
例:「令和○年○月○日に、○○株式会社との間で金銭消費貸借契約を締結し、○○万円を貸し付けました。」 - 契約書の有無とその内容
例:「貸付契約書(または金銭消費貸借契約書)に基づき、返済条件や利息について明記されています。」
特に相続人への請求の場合は、被相続人が生前に締結した契約の内容が、相続によって相続人に承継される旨を補足するとよいでしょう。
3. 貸付金額及び返済条件の詳細
請求書には、貸付金額、返済期限、利息、遅延損害金など、返済に関する具体的な条件を明示します。具体例は以下のとおりです。
- 貸付金額と返済期限
例:「貸付金額:○○万円、返済期限:令和○年○月○日まで」 - 利息や遅延損害金の条件
例:「年利△%に基づく利息を付し、返済期限を過ぎた場合は年△%の遅延損害金が発生します。」
このように数値や条件を明確に記載しておくことで、返済義務の根拠を伝えやすくなります。
4. 請求内容の明示と支払い方法の記載
請求内容を明確にするために、返済の請求文言とともに、具体的な支払い方法や振込先情報を記載します。
- 請求文言
例:「下記の口座へ、○○円を令和○年○月○日までにご入金くださいますようお願い申し上げます。」 - 振込先の情報
例:- 銀行名:○○銀行
- 支店名:△△支店
- 口座番号:1234567
- 口座名義:カ)○○
相手方に対して不明点を残さず、確実な支払いを促すことが大切です。
5. 期限未達時の対応と警告事項の記載
返済期限までに返済が行われなかった場合の対応策も、記載しておかなければなりません。これは、交渉段階でのプレッシャーとなり、法的措置の準備としても必要です。
- 法的措置への移行
例:「指定期日までにお支払いがない場合は、法的手続に移行することも検討いたします。」 - その他の注意事項
例:「本書面は内容証明郵便にて送付しております。なお、本請求に関してご不明点等がございましたら、速やかにご連絡くださいますようお願い申し上げます。」
相続人への請求の場合でも、同様に不履行時の対応策を明示し、後日のトラブル防止につなげることが求められます。
6. 署名・押印及び日付の記載
最後に、作成日と債権者の記名(署名)を記載します。押印は必須ではありませんが、記載しておくと作成者の特定に役立ちます。
- 日付の記載
例:「令和○年○月○日」 - 署名・押印
例:「(債権者の署名または会社印)」または「(相続人の署名・押印)」
これらの項目は、請求書としての体裁を整え、後日の紛争時に備えるため、漏れなく記載してください。
貸金返還請求書を作成する際の注意点は?
貸金返還請求書は、内容が不十分だと交渉が難航したり、後の訴訟で不利になったりする可能性があります。ここでは、作成時に注意すべきポイントを整理します。
契約書や証拠の有無を事前に確認する
請求書を作成する前に、金銭消費貸借契約書や借用書の有無を確認します。契約書があれば、貸付金額・返済期日・利息条件などを明確に示すことができ、請求の正当性を裏付けられます。契約書がない場合でも、振込記録、メールやSNSのやり取り、領収書などを証拠として整理しておくことが重要です。証拠の有無は、その後の交渉や訴訟の結果を左右します。
印紙税や押印の扱いを確認する
貸金返還請求書自体は通常、印紙税の課税文書には該当しません。ただし、返済条件の変更や和解契約書を別途作成する場合には、内容によって印紙税が課されることがあります。最新の印紙税法を確認し、必要があれば適切に対応します。また、会社名義で請求する場合は、代表者印や社印の使用について社内規程に従って判断することが大切です。
相手方との交渉姿勢を考慮して作成する
請求書は法的主張を示す文書ですが、直ちに対立を深めるものとは限りません。送付前後に相手方と連絡を取り、分割払いの提案や返済期限の再設定など、現実的な解決策を探ることも有効です。必要に応じて和解契約書を作成し、返済条件を明文化することで、紛争の長期化を防ぐことができます。
貸金返還請求書は内容証明郵便を利用すべき?
貸金返還請求書は普通郵便でも送付できますが、証拠を確実に残すという点では内容証明郵便の利用が推奨されます。将来訴訟に発展する可能性がある場合や、時効完成が迫っている場合には有効な手段です。
【内容証明郵便を利用すべき理由】送付内容と到達を証明できる
内容証明郵便は、「誰が・誰に・いつ・どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が証明する制度です。さらに配達証明を付ければ、相手が受け取った事実も記録に残ります。これにより、「受け取っていない」「請求内容を知らない」といった主張への対抗手段となります。催告の証拠としても有効です。
【内容証明郵便の送り方】
- 同一内容の書類を3部作成する(相手方用・郵便局保管用・差出人保管用)
- 文書を所定の書式に整え、必要に応じて押印する
- 郵便局の窓口で内容証明郵便として差し出す
- 一般書留および配達証明を付けて手続きする
- 所定の料金(基本料金+加算料金)を支払う
誤記がある場合は二重線で訂正箇所を残したうえで、欄外(または末尾余白)に字数・箇所を記載し、差出人の印を押印して修正します。作成に不安がある場合は、専門家の確認を受けることも検討しましょう。
貸金返還請求書の保管期間・保管方法は?
貸金返還請求書は、後日のトラブルや訴訟時に証拠となる書類です。請求の事実や内容、通知日を証明する資料として活用されるため、適切な期間・方法で管理することが不可欠です。
【保管期間】法人は7~10年・個人は5〜10年が目安
貸金返還請求書の法定保存期間が一律に定められているわけではありませんが、法人の場合は会社法による会計帳簿等の10年間の保存義務を踏まえ、10年間の保管が推奨されます(法人税法上は原則7年)。個人の場合は民法上の消滅時効(原則5年、判決確定時などは10年)を基準に、少なくとも5〜10年間は保存することが望ましいといえます。ただし、訴訟や強制執行に発展する可能性がある場合は、返済完了や紛争終結まで継続して保管すべきです。時効完成前後の証拠としても重要な資料となります。
【保管方法】紙は施錠保管・電子は改ざん防止とバックアップが重要
紙の請求書は、施錠可能なキャビネットで保管するのが基本です。取引先別・案件別・日付順などに整理し、必要時に迅速に取り出せる状態を維持します。原本の紛失に備え、コピーを別途保管することも有効です。電子データで保存する場合は、改ざん防止措置、アクセス制限、定期的なバックアップを行い、真正性・保存性を確保します。証拠能力を維持する管理体制が欠かせません。
貸金返還請求に備えた証拠書類の管理課題
貸金返還請求を円滑に進めるには、金銭消費貸借契約書や過去の請求書などの証拠書類を適切に保管しておくことが欠かせません。しかし、実務の現場では書類の管理に課題を抱えるケースも少なくありません。
株式会社マネーフォワードでは、契約書の管理や保存に関する業務経験者を対象に、契約書に関する調査を実施しました。契約書の管理や保存を行う中での課題や負担を尋ねたところ、最も多いのは過去の契約書を探し出すのに時間がかかることで、34.4%でした。次いでスキャンや台帳入力などの事務作業の工数が多いことが28.6%、電子帳簿保存法などの法令対応が不十分、または不安があることが24.5%と続いています。
いざという時に証拠を提示できる保管体制を
貸金返還請求の手続きを進めたり、万が一訴訟に発展したりした場合には、過去の契約書や請求書の控えを速やかに確認する必要があります。調査データからも書類の検索に時間がかかることが大きな負担となっていることが読み取れるため、必要な時にすぐ証拠書類を取り出せるよう、紙と電子データを併用するなど整理された管理体制を日頃から整えておくことが大切です。
出典:マネーフォワード クラウド、調査③ 契約書の管理・保存における課題・負担(Q4)【契約書の種類・書き方に関する調査データ】(回答者:契約書の管理業務経験者416名、集計期間:2026年2月実施)
貸金返還請求書の電子化は可能?
貸金返還請求書は電子化が禁止されている、または「書面で」などの定めがない書類であるため、要件を満たせば電子化自体は可能です。
ただし契約書類の法的効力や相手方との合意方法が適切に行われているかなど、事前に確認すべき事項がいくつかあります。
電子化する際には、以下の点を押さえておきましょう。
- 電子署名の付与
- データの改ざん防止措置を行うこと(タイムスタンプの付与)
- 保存したデータを税務署の求めに応じて速やかに提示できるように、検索機能を確保すること
- 相手方との同意(拒否した場合は紙の書類の送付)
ただし実務上、貸金返還請求書を電子化してメールで送付しても、相手方が「受領していない」と主張するリスクが残るため、内容証明郵便に比べて証拠力は弱まります。トラブルを防ぐためにも、重要な書面は紙媒体で正式送付しておくほうが安心といえるでしょう。
参考:国税庁 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和6年6月)
参考:電子帳簿保存法対応!令和6年1月以降の電子取引データの保存方法について(令和6年11月)
貸金返還請求を適切に進め、確実な回収につなげよう
貸金返還請求は、企業の法務担当者にとって日常的に起こりうる業務のひとつであり、適切な書類作成と手順の遵守が非常に大切です。特に、請求書の文面や送付方法が不十分であると、時効が成立してしまう可能性や、後々の裁判で不利になるリスクがあります。法務部門としては、いつでも証拠を提示できるよう、契約書やメール記録などを十分に保管し、書類のレビューやポイントを押さえて確実な対応を行うことが求められます。
また、法令は随時改正される可能性があるため、民法や電子帳簿保存法、印紙税法などの最新情報を常に確認しておくことが求められます。貸金返還請求についての流れや注意点を把握したうえで、企業リスクを最小化しながら確実に貸金を回収する仕組みを整備するようにしてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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