- 更新日 : 2024年11月14日
顧問契約書とは?作り方や記載のポイントを解説!
弁護士や税理士などと結ぶことの多い契約に顧問契約があり、その際は顧問契約書を作成します。業務委託契約と同じものに思えますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは顧問契約の基本やメリット、さらに顧問契約書の作成方法を雛形(テンプレート)とともに解説します。
目次
顧問契約書とは?
顧問契約書は、顧問契約を締結する際に作成される契約書のことです。そもそも顧問契約とは、どのような契約を指すのでしょうか。ここでは顧問契約の基本を確認した上で、似ている契約である業務委託契約との違い、そして顧問契約のメリットを解説します。
顧問契約の定義
顧問契約とは、専門家に対価として顧問料を支払い、必要なタイミングで相談や助言、事務処理を行ってもらう契約のことです。弁護士や税理士といった専門家と締結するケースが多いですが、技術的な専門家と締結することもあります。
顧問契約は契約期間内に必要なタイミングで業務を依頼するというものですが、依頼内容によっては顧問料のほかに別途費用が発生することもあります。ただし、顧問契約を締結している場合は、通常料金よりも安くなるのが一般的です。
顧問契約と業務委託契約の違い
顧問契約に似た契約に、業務委託契約があります。これらには、どのような違いがあるのでしょうか。
顧問契約は、特定のスキル・知見を持つ専門家に対して、その能力を企業経営などに活かすことを目的とし、必要なタイミングで業務を依頼するためのものです。一方で業務委託契約は、プロジェクト単位の対象となる事務や業務などを、委託(委任)することを目的に結ばれます。顧問契約はアドバイスをもらうといった業務を委託する点では、業務委託契約の一種ともいえます。
なお、会社が設置する監査役について、社外監査役として顧問弁護士に依頼している企業もあります。これも継続的な依頼を前提としているため顧問契約に見えますが、社外監査役との契約は委任契約です。
顧問契約のメリット
弁護士との顧問契約を例に、顧問契約のメリットについて見ていきましょう。
企業が弁護士に何かを相談したい場合は、急ぎの用件であることが多いでしょう。例えば、客先から受け取った契約書を締結前に確認してもらいたい時や、取引相手とトラブルに発生しそうな時、または発生した時などです。顧問契約を締結していれば弁護士はすぐに対応してくれますが、そうでない場合は弁護士を探すことから始めなくてはなりません。また、顧問弁護士であれば自社の状況を把握していますが、都度依頼する弁護士の場合は自社の現状を把握してもらうことから始まるため、問題の解決に時間がかかります。そのほかにも、いつでも電話やメールで相談できたり、顧問契約をしていない場合に比べて優先的に対応してもらえたりすることもあります(場合によっては、費用も相対的に低い対価(たとえば、時間単価を下げてもらえるなど)で対応してもらえたりすることもあります。)。必要な時に迅速に対応してもらえるのが、顧問契約の主なメリットといえるでしょう。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い45個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
実際の契約に合わせてカスタマイズしていただきながら、ご利用くださいませ。
【弁護士監修】チェックリスト付き 改正下請法 1から簡単解説ガイド
下請法の改正内容を基礎からわかりやすく解説した「改正下請法 1から簡単解説ガイド」をご用意しました。
本資料では、2025年改正の背景や主要ポイントを、弁護士監修のもと図解や具体例を交えて解説しています。さらに、委託事業者・受託事業者それぞれのチェックリストを収録しており、実務対応の抜け漏れを防ぐことができます。
2026年1月の施行に向けて、社内説明や取引先対応の準備に役立つ情報がギュッと詰まった1冊です。
弁護士監修で分かりやすい! 契約書の作り方・書き方の教科書
弁護士の南陽輔氏(一歩法律事務所所属)が監修している「契約書の作り方・書き方の教科書」ガイドです。
契約書作成の基本知識、作成の流れ・記載項目、作成時の注意点・論点が、分かりやすくまとまっています。手元に置ける保存版としてぜひご活用ください。
自社の利益を守るための16項目 契約書レビューのチェックポイント
契約書レビューでチェックするべきポイントをまとめた資料を無料で提供しています。
契約書のレビューを行う企業法務担当者や中小企業経営者の方にもご活用いただけます。
顧問契約書の作成プロセス
実際に顧問契約を締結する場合、どのように顧問契約書を作成すればよいのでしょうか。多くの場合、依頼先の専門家がすでに書式を用意しています。企業側は内容をチェックして、疑問点や間違っている点、訂正したい点を協議することになります。ここでは、そのような書式がない場合における顧問契約書の作成プロセスを3つに分けて解説します。
契約内容についてすり合わせる
顧問契約書には、後のトラブルを防ぐために曖昧な書き方を避け、具体的な内容を明記する必要があります。そのために必要になるのが、契約内容のすり合わせです。
顧問を依頼する側が、相手に対してどのようなことを求めているのかをしっかりすり合わせましょう。依頼内容はもちろん、対応範囲なども重要です。また、顧問料に含まれる対応内容や、含まれない依頼に対する報酬の決め方なども、あらかじめすり合わせておくとよいでしょう。
顧問契約書のドラフトを作成する
すり合わせた内容をもとに、顧問契約書のドラフトを作成します。この段階で依頼したい内容が網羅されているか、顧問料に問題はないかといったことを確認します。顧問契約書に記載する項目については後述します。
ドラフトをもとに契約書を完成させる
ドラフトの内容に問題がなければ、顧問契約書として完成させます。
顧問契約書に記載する項目は?
顧問契約書の作成プロセスを確認したら、次は実際に作成していきます。顧問契約書には、具体的にどのようなことを書けばよいのでしょうか。ここでは、顧問契約書に記載する項目について解説します。
1.契約書名
顧問契約書のタイトルを書きます。「顧問契約書」でも問題ありませんが、依頼したい内容を含めるのもよいでしょう。例えば、弁護士との顧問契約の場合は「法律顧問契約書」などとします。
2.契約当事者の名称
契約当事者である相手の名前と、自社の名前を記載します。法人の場合は「株式会社」などを含めた正式名称を記載します。
3.契約するサービス(委託業務)の内容
顧問契約を締結することで、どのようなサービスを受けるのか、委託業務の内容を具体的に記載します。
4.費用
顧問料の金額を記載します。その際、支払い方法や支払日についても明記します。顧問料以外に発生する可能性がある費用がある場合は、その条件や金額の決め方なども明記しましょう。
5.契約期間
顧問契約の期間を記載します。契約期間が終了した時に契約を自動延長とするのか、協議の上延長とするのかも明記しましょう。
6.解約の取り決め
途中解約の方法や、顧問契約が解約となる条件などを記載します。解約後に未払いの顧問料がある場合などの清算方法なども記載しておくとよいでしょう。
7.管轄する裁判所
顧問契約に関してトラブルが発生した場合に、どの裁判所を管轄裁判所とするかを記載します。
顧問契約書の雛形(テンプレート)
顧問契約書がどのようなものかより深く知ってもらえるよう、顧問契約書の雛形(テンプレート)を用意しました。なお、合意する内容によって項目が増減することに注意してください。
顧問契約書のテンプレートは下記のページからダウンロードできます。
顧問契約書に関する注意点
実際に顧問契約を締結する際、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは、顧問契約書に関する2つの注意点を解説します。
顧問契約の一般的な期間はどれくらい?
一般的には1年間で、自動更新とするケースがほとんどです。ただし、初めての相手との顧問契約に不安がある場合などは、お試し期間として3ヵ月程度の契約期間を設定することもあります。
個人ではなく法人とも顧問契約を結ぶことはできる?
顧問契約を依頼する相手は、個人・法人を問いません。弁護士や税理士は個人事業として行っているケースが多いため、その場合、顧問契約は個人と結ぶことになります。弁護士法人や税理士法人などの場合は、顧問契約を法人と結びます。
顧問契約書は顧問契約を締結する時に交わす契約書
顧問契約書は、顧問契約を締結する際に交わす契約書です。似ている契約に、業務委託契約があります。業務委託契約がプロジェクトなどにおける業務の依頼を目的に締結するのに対し、顧問契約は特定のスキル・知見を持つ専門家に対して、必要なタイミングで相談できるようにするために締結するといった違いがあります。顧問契約は他社に業務を委託するという意味では、業務委託契約の一種といえます。
よくある質問
顧問契約書とは何ですか?
顧問契約を結ぶ際に交わす契約書のことです。顧問として専門家に依頼する内容や、契約期間、報酬(顧問料)などが定められています。 詳しくはこちらをご覧ください。
顧問契約と業務委託契約の違いについて教えてください。
顧問契約は、特定のスキル・知見を持つ専門家に対して、必要なタイミングで相談したい場合に交わします。業務委託契約は、プロジェクトなどにおける業務を依頼する際に交わします。 詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
契約書 業務提携の関連記事
新着記事
- # 企業法務
法務のAI活用で業務はどう変わる?生成AIの具体的な活用事例と弁護士・法務担当者の未来
法務のAI活用で業務はどう変わる? 法務AIは契約審査やリサーチを自動化し、「守りの法務」から「戦略法務」への転換を加速させます。 契約書レビューや修正案作成を瞬時に実行 Copi…
詳しくみる - # 法令・法律用語
取適法の対象取引はどこまで?ガイドラインに基づく具体的範囲と対象外ケースを解説
取適法の対象取引と事業者要件 取適法の対象取引は、従業員を使用しないフリーランスに対する事業としての業務委託全般です。 IT、建設、運送、エンタメなど全業種が対象 週20時間未満の…
詳しくみる - # 法令・法律用語
取適法の条文には何が書かれている?2026年改正の重要条項とガイドラインを完全解説
取適法(改正下請法)条文の重要変更点 取適法の条文は、2026年施行の改正で従業員基準の導入や手形払いの原則禁止を定めています。 第2条で従業員数基準や運送委託を追加 第4条で手形…
詳しくみる - # 法令・法律用語
フリーランス新法の従業員数基準とは?カウント方法や義務の違いを徹底解説
取適法(フリーランス新法)の従業員数基準とは? 取適法の基準は「従業員の有無」で決まり、1名以上いれば特定業務委託事業者として規制対象になります。 週20時間以上のパートや受入派遣…
詳しくみる - # 法令・法律用語
取適法で「手形払い」は原則禁止へ!2026年施行の現金化義務と廃止対応を解説
取適法における手形払いの原則禁止 取適法により手形払いは原則禁止され、サイト60日超の手形交付は明確な違法行為となります。 60日以内でも割引料の発注者負担が必須 フリーランス相手…
詳しくみる - # 法令・法律用語
建設業における「フリーランス新法」の影響とは?一人親方への発注や手形サイトの注意点を解説
建設業における取適法(フリーランス新法)の適用は? 建設業でも取引先が一人親方なら取適法(フリーランス新法)が適用され、支払等の規制対象となります。 成果物受領から60日以内の支払…
詳しくみる




