- 更新日 : 2024年8月30日
コンピュータ賃貸借契約書とは?ひな形をもとに書き方や項目を解説
コンピュータ賃貸借契約とは、コンピューターを賃貸する場合などに締結する契約書です。事業用や研究用のものとなると、購入するのではなく事業者から賃貸するケースなどが想定されます。本記事では、コンピュータ賃貸借契約書の書き方や項目について、ひな形も紹介しつつ説明していきます。
目次
コンピュータ賃貸借契約書とは?
コンピュータ賃貸借契約とは、コンピュータ機器を取引の対象とする賃貸借契約のことです。ノートパソコン賃貸契約、電子計算機賃貸契約と呼ぶ場合もあります。
コンピュータは1台数万~数十万円の高額な機器となるため、事業用・研究用などで複数台の利用が必要な際には、購入するのではなく賃貸する選択肢があります。
また、インターネットでやりとりするデータ容量や様式、OSなどは数年単位で刷新されるため、ノートパソコンなどのコンピュータのスペックも更新していく必要があります。コンピュータを購入して使用する場合、一定期間でスペックを更新するためにさらに高額な費用がかかるため、最新の機器を使用できたり、定期的に修理やメンテナンスをしてもらえたりする賃貸を選ぶ企業・機関は少なくありません。
そのため、コンピュータ賃貸借契約書を作成する際には、取引の対象であるコンピュータの仕様やサービスに合わせた契約内容を記載する必要があります。
リース契約との違い
コンピュータを借りる方法は、賃貸借契約以外にもリース契約による方法があります。もっとも、両者には一定の違いがあります。
1つは、賃貸借の対象となるコンピュータの種類です。賃貸借契約の場合には貸主が在庫として所有しているコンピュータが対象となることを前提としています。一方のリース契約の場合には、貸主が在庫として所有しているコンピュータではなく、借主が希望する機種を貸主が購入してこれを貸し出す形をとります。
もう1つは、契約期間の設定についてです。賃貸借契約では契約期間が短期のもの、長期のものと当事者同士でさまざまに設定できるのに対し、リース契約においては、貸主が借主のために対象となるコンピュータを購入するため、法定耐用年数を基準として適正な契約期間が算定されます。
また、賃貸借契約では契約期間の途中で解約できる場合もありますが、リース契約の場合には基本的に契約途中での解約が認められず、解約時には、当初の契約年数の残額分を支払わなければならないとするのが一般的です。
コンピュータ賃貸借契約が交わされるケース
コンピュータ賃貸借契約が交わされるのは、多くの場合、相当数のコンピュータを必要とする場合や、短期間での使用が想定される場合などです。また、コンピュータ賃貸借契約によって各種機器を調達することには、必要数や使用期間、機器の仕様など、借主の具体的なニーズに合わせられるメリットがあります。
例えばコンピュータ賃貸借契約が交わされるケースとして、以下のような場面が想定されます。
- 企業や団体など多数のスタッフが使用する
- スタートアップや小規模事業者が経費を削減したい
- 最新の機器やシステムを使用する必要がある
- コンピュータの維持管理や更新が自分たちでは困難な
- 小中学校などの教育機関で児童・生徒が一定期間使用する
- イベントやプロジェクト、期間雇用などで短期的に必要になる
コンピュータを賃貸で使用するケースにはさまざまなパターンがあります。借主の使用目的をきちんと理解した上で、契約書を作成することが重要です。
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コンピュータ賃貸借契約書に記載すべき内容
それでは、コンピュータ賃貸借契約書には、どのような項目を設け、具体的に何を記載しておくべきでしょうか。
以下では、コンピュータ賃貸借契約として契約書に記載が必要な項目について解説します。
機器に関する表示
まず取引の対象となる機器に関する表示を記載しておく必要があります。具体的には、機器型式と名称、機械番号、数量に関する記載が重要です。
とくにコンピュータは機種が多く、形式や名称が英数字の羅列でわかりにくいため、表記に間違いがないか十分に注意しましょう。
契約期間と引き渡し条件
通常の賃貸借契約同様、契約期間に関する定めを具体的に設けておく必要があります。契約期間満了後の更新の可否や、更新の条件なども定めておきましょう。
同時に、当該対象機器の引き渡し時の条件の記載が必要です。対象となるのがコンピュータであることから、本来的に利用ができるようになるためには事前に各種セッティングを完了している必要があります。そのため、貸主が取引対象となる機器を完全に使用できる状態に組み立て、調整を行った状態で引き渡す旨を明記しておくことが重要です。
また、使用できる状態に調整するための費用負担についても明記しておくと良いでしょう。
賃料
対象機器の賃料や、月ごとの締日と支払方法を記載します。
賃料は月額で設定するのが一般的です。ただし、双方の合意があれば、年間や複数月の賃料をまとめて支払う契約内容にすることもできます。その場合は、前払い額やその充当期間についても明確にしておきましょう。
使用時における善管注意義務
取引対象であるコンピュータは精密機器であり、故障しやすい製品であるという特徴があります。そのため、借主の側も使用に当たっては善良な管理者としての注意を払いつつ管理する義務(善管注意義務)があることを明記しておくことが重要です。
また、とくにこの義務に反して、当該機器が故障した場合における費用負担のあり方についても規定しておきましょう。
反社会的勢力の排除
貸主・借主ともに、反社会勢力との関わりをもたないこと、反社会的勢力と関わりをもっていた場合は催告なく契約を解除できることを記載します。
無催告解除
借主側の原因により、貸主が契約解除するための条件です。賃料の支払いが一定期間滞った場合や、契約の内容に違反した場合などが挙げられます。
解除後の対応
契約期間の満了もしくは解除により、賃貸借契約が終了したときの対応を記載します。
契約が終了したときは、対象となるコンピュータを引き渡し時の状態に戻した上で返却する旨を記載しましょう。コンピュータの操作には専門知識を要するため、貸主側が引き渡し時に戻す作業を行い、借主は貸主の指示に従う旨を記載するといいでしょう。
機器の損傷についての修理費用負担も明記し、損耗や経年劣化がある部分については借主の義務から除外します。
定めのない事項および特約
本契約書に書かれていない問題が発生したときは、貸主と借主が都度協議して解決することを記載します。
管轄裁判所
貸主と借主の間で紛争が起こり裁判となった場合のために、貸主である会社の所在地を管轄する地方裁判所を第一審の裁判所に指定しましょう。
コンピュータ賃貸借契約書の作成ポイント
コンピュータ賃貸借契約書の作成時にはいくつかのポイントがあります。コンピュータという精密機器の特性上、注意を要する点があります。
以下では、コンピュータ賃貸借契約書の作成時に押さえておくべきポイントについて解説します。
引き渡し時の状態について
まず注意すべきポイントは、引き渡し時の状態です。コンピュータが十分に稼働するためにはソフトウェアのインストールなどをはじめ、各種セッティングを完了している必要があります。
単に物理的に引き渡せば済むものではないため、契約書において当事者のどちらが各種セッティングの任を負うべきかについて記載しておく必要があります。
修理等メンテナンス費用負担について
次に注意すべきポイントは、コンピュータの修理やメンテナンスです。コンピュータは精密機器であることから壊れやすい特性を有しています。また、ソフトウェアのバージョンアップなども含め定期的なメンテナンスが欠かせません。
そのため、借主と貸主のどちらが修理・メンテナンスを担うのか、またその費用負担をどのように配分するのかという点についても契約書に明記しておくことが重要となります。
収入印紙は必要?
賃貸借契約については、一定の場合に収入印紙の貼付が必要です。
もっとも、税法との関係において収入印紙の貼付が必要とされるのは、土地やビルなどの取引のように、保証金や建設協力金などが多くかかってしまう賃貸借契約となります。そのため、基本的に、コンピュータ賃貸借契約については収入印紙の貼付は必要ありません。
コンピュータ賃貸借契約書は使用目的に合わせた内容で作成を
コンピュータ賃貸借契約とは、コンピュータ機器を取引の対象とする賃貸借契約のことです。コンピュータ機器を取引対象としているために、その特徴に合わせた形で契約を構成する必要があります。
例えば、引き渡し状態や修理・メンテナンスなどについて契約書に詳細な項目を設けておくことが重要です。そのような契約書の作成に当たっては、コンピュータ賃貸借契約に特化したひな形やテンプレートを用いるのが便利でしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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