- 作成日 : 2022年6月3日
プライバシーとは?個人情報保護法に基づきながら解説
仕事でも日常生活でもインターネットが欠かせない現代社会において、プライバシーとその保護について知っておくことは大切です。「プライバシー」と「個人情報」の違いや、2022年4月に改正される個人情報保護法について、しっかり把握しておきましょう。
プライバシーとは
プライバシーという言葉は、一般的に「個人が私生活において他者からの干渉や侵害を受けない自由」や「他人に知られたくない自分の情報」という意味で使われています。
「プライバシー権」という言葉も使われますが、実は法律には「プライバシー権」という規定はなく、裁判などでは憲法第13条(幸福追求権)を根拠として、さまざまなプライバシーに関する案件に対応してきました。どのような情報がプライバシーにあたり、何をもってプライバシーの侵害といえるかについても、同様に判例によって判断されています。例えば、自分の容貌を勝手に撮影されたり公表されたりしない権利(いわゆる「肖像権」)や、個人に関する情報のすべてがプライバシーに相当するかなどが、憲法13条の解釈とともによく議論されてきました。
元々プライバシーの権利に関する議論は、公権力が私人の情報を本人の承諾なく収集したり侵害したりしたことがきっかけで始まりましたが、もちろん私人間においてもプライバシーの侵害は不法行為(民法第709条)となり得ます。特にネット社会においては、誰かが公開した他人の情報や画像は、最初の公開者がそれらを削除したとしても、すでに転載やスクリーンショットの保存などで拡散されている可能性を排除できず、重大なプライバシー侵害行為となるおそれがあります。
参考:日本国憲法|e-Gov法令検索
参考:民法|e-Gov法令検索
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プライバシーと個人情報の違い
「プライバシー」とともによく目にするのが、「個人情報」という言葉です。個人情報は、文字どおり「個人に関する情報」ひいては「個人を『特定できる』情報」という意味で使われています。通常、個人情報は他人に知られたくないものなのでプライバシー情報の一種といえますが、ネットで商品を購入する際など日常生活でしばしば求められるものでもあります。その際は、情報を提供した相手に自身の情報を適切な目的でのみ使用してもらうことを信頼して開示するでしょう。微妙なところですが、そこがプライバシーと個人情報の違いといえるかもしれません。
プライバシーと個人情報の違いを考える際、よく例として挙げられるのが郵便物です。封書の宛名や差出人欄は「個人情報」ですが、封書の中身は「プライバシー」とされることが多いです。
プライバシーの具体例
プライバシーとされるものには、以下のようなものがあります。
- 個人を特定できる人物写真
- 個人の住所、電話番号
- 個人の住居地を特定できる写真や近辺の情報
- 個人の学歴、職歴
- 個人の犯罪歴や破産歴
- 個人の日記や私生活の情報
上記に該当していても、自身がSNSなどで公開発信している情報であれば「他人に知られたくないもの」ではないので、第三者がその内容を公開してもプライバシーの侵害にはなりません。
また、他人に知られたくない情報であっても、それを公開することが公共の利益になると判断されれば、プライバシーの侵害にあたらないとされる場合もあります。例えば、公人(国会議員など)が過去に収賄を受けていた事実の公開などが挙げられます。
個人情報の具体例
個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」)において、「個人情報」は「生存する個人に関する情報であって」「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述」などによって「特定の個人を識別できるもの」または「個人識別符号が含まれるもの」と定義されています(第2条)。
すなわち、現在生きている特定の個人を識別できるものが「個人情報」です。
例えば、同姓同名の人が多くいると考えられる「サトウヒロシさん」だけでは個人情報になりませんが、「○○大学を〇年に卒業後、○○区の○○社に勤務しているサトウヒロシさん」となれば特定が可能なので個人情報になりますし、本人の顔写真とともに「サトウヒロシさん」と記してあっても個人情報になります。
本人確認書類として使用される運転免許証やマイナンバーカード、印鑑証明書、住民票などは個人情報の宝庫なので、慎重な取り扱いが求められます。
2022年4月施行の改正個人情報保護法とプライバシー
個人情報保護法は日々変化する社会情勢に対応するため、平成27年以降3年ごとに見直しが行われています。2022年には、個人のプライバシー保護と個人情報利用のバランスを保つために、いくつかの改正が行われました。
例えば、これまで「保有個人データ」とされなかった短期保有(取得後6ヵ月以内に消去)データも改正後は保有個人データとされ、保有個人データ保有者に対して本人がそのデータの利用停止や消去を請求できる要件が緩和されます(第30条)。
個人データを保有する企業には、データ漏洩時に個人情報保護委員会へ報告する義務が課され(第22条の2)、不適正な利用が禁止される(法第16条の2)など、より慎重な取り扱いが求められるようになります。企業に対する罰則も強化され、罰金額が最大1億円まで引き上げられました(第87条)。
個人情報が瞬時に世界中に広まることもあり得る現代社会において、個人情報保護や個人の権利拡大のための法規制は、今後も社会・経済情勢の変化を見据えて強化されると考えられます。
プライバシーや個人情報の取り扱いにはさらなる注意を!
個人のプライバシーの尊重や個人情報の慎重な取り扱いは、インターネットの普及に伴ってより強く求められるようになっており、今後もその傾向は続くでしょう。個人は、使用しているインターネットが世界中の人とつながっていることを忘れてはならず、企業はプライバシーポリシーを作成し、自社の姿勢を利用者に明確に示すとともに、それを遵守する必要があります。
よくある質問
プライバシーとは?
個人が私生活において他者からの干渉や侵害を受けないことや、他人に知られたくない自分の情報のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
個人情報とプライバシー情報の違いは?
プライバシー情報のうち、特定の個人を識別できるものが「個人情報」です。 詳しくはこちらをご覧ください。
個人情報保護法改正の要点は?
企業が有する個人情報データをより慎重に取り扱うための規定が加わりました。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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