- 更新日 : 2025年3月24日
買取承諾書とは?テンプレートや例文、書き方、法律の注意点を解説
買取承諾書は中古品を買い取る際に作成する書類です。品目の詳細や買い取りに関するルールが記載されており、中古品を売却する人が買取業者に提出します。本記事では買取承諾書の書き方を、ひな形を交えてご紹介します。
目次
買取承諾書とは?
買取承諾書は売主(買取申込者)と買主(買取業者など)が取り交わす書面です。リサイクルショップや不用品買取業者、ホビーショップなど、中古品や不用品の買い取りを行う事業者が、買取商品や本人確認書類を確認し、所有権移転やキャンセル不可といった条件を明確に示すために用いられます。
古物営業法では買い取りを行う際に、相手方に本人確認を行うことが義務付けられており、買取承諾書もその手段の一つとして用いられています。盗難品や未成年者による売却トラブルを防止する目的です。買取承諾書によって売主と買主双方が守るべき取り決めが明確になり、何らかの問題が発生した場合には記載内容に従って対応が行われます。
買取承諾書と買取同意書との違い
買取承諾書と買取同意書は、いずれも物品を買い取る際に使われる書類ですが、記載内容や性質が異なるケースがあります。
買取承諾書は買主側が提示する条件に対し、売主が「承諾」した事実を示すものです。記載事項には、商品の詳細や所有権移転時期、キャンセル不可などの取り決めが含まれます。買取同意書は売主側が事前に自らの意思を表明し、買主の査定結果に対して「同意」の意思を表す書類です。
どちらの書式を選ぶかは、業務フローや想定される法的リスクによって異なるため、事前に専門家のレビューを受けることを推奨します。
買取承諾書を結ぶケース
買取承諾書はホビー用品(トレーディングカード、フィギュア、ゲームソフトなど)、ブランド品や貴金属、家具・家電など、中古品や不用品の買い取りの際にリサイクルショップやホビーショップの店頭で締結されます。
また、最近ではネットで物品を査定して買い取るオンライン買取サービス(宅配買取)も普及し、Web上で承諾書を結ぶケースもあります。
特に、高額商品やコピー品・転売に関するリスクがある商品では、買取承諾書を結んでお互いの責任範囲やキャンセル不可の条件を明確にし、法的なトラブルを予防することが重要になってきます。万が一盗品やコピー品があった場合、買取業者は警察に届出なければなりません。その旨についても買取承諾書で明らかにします。
買取承諾書のひな形・テンプレート
買取承諾書をスムーズに作成するためには、ひな形(テンプレート)を利用するのが効果的です。契約書を1から作る必要がなくなり、契約手続きをスムーズに進められるでしょう。
ひな形は、そのまま使うのではなく、内容を確認して案件ごとにカスタマイズしましょう。内容を簡単に変更できる、ワード形式のひな形を選ぶのがおすすめです。
マネーフォワード クラウドでは、買取承諾書のひな形・テンプレートを無料でダウンロードいただけます。適宜加筆修正して活用してください。
買取承諾書に記載すべき内容
買取承諾書には、最低限以下の項目を明記するのが望ましいです。ひな形を活用し、個別の業態や商品特性に応じて変更や追記しましょう。
買取申込者の情報
買取申込者の氏名、住所、電話番号、生年月日、職業などを記載します。法人の場合は会社名、所在地、代表者を記入してもらいましょう。
買取申込者の本人確認書類
運転免許証、健康保険証、マイナンバー(個人番号カード)など、公的な身分証を提示し、その種類と番号を控えます。買取申込者が18歳未満や高校生なら保護者の同意書が必要な場合もあります。
買取商品
具体的な品名、状態、数量、金額などを明記します。特に、トレーディングカードやブランド品などはコピー品や盗難品のリスクも踏まえ、必ず詳細を記載しましょう。
同意事項
物品の所有権移転のタイミングやキャンセル不可、トラブル発生時の対応、コピー品・盗難品が発覚した場合の返金義務などを明記します。
契約の年月日
契約が成立した日付を記載します。契約の消滅時期や取消条件がある場合は、別途条項に書き込むとよいでしょう。
買取承諾書を作成する際の注意点
買取承諾書を作成するときは、以下の3つのポイントに気を付けましょう。
未成年や高校生への対応と本人確認の徹底
18歳未満(高校生含む)と契約を締結する場合、保護者の同意書が必要となります。これは民法第5条で規定されています。
買取承諾書には「未成年に該当するか」をチェックする項目や保護者の署名を求める条項を入れ、さらに本人確認書類も厳密にチェックしましょう。マイナンバー(個人番号カード)や健康保険証など複数の書類を確認することで、年齢偽装やなりすましのリスクに備えます。
参考:民法|e-Gov法令検索
コピー品・改造品・盗難品リスクへの対策
トレーディングカードやゲームソフト、ブランド品などは、コピー品や改造品が出回っていることも珍しくありません。また、盗難品を売りに出すケースもあるため、同意事項に「盗難品やコピー品であった場合は警察への通報を行い、売主が損害を賠償する」旨を明記しましょう。
特に高額取引が行われる場合は、厳格な査定や本人確認を実施しないと法的責任を問われる恐れもあります。
同意書なのか、契約書なのか、しっかりと区別しておく
買取承諾書が単なる「同意を形成するための文書」に留まるのか、売買契約書の実態を持つかによって、印紙税の扱いが変わる場合があります。単に承諾を示す程度なら印紙税は不要となるケースが多いですが、内容によっては課税文書に該当する売買契約書と見なされ、印紙税の納税義務が発生する可能性があります。
参考:印紙税|国税庁
さらに、証拠能力を高めるために、ハンコ(印鑑)や電子署名をしっかり押さえておくこともポイントです。承諾書に署名押印があれば、相手方がその契約に同意したと見なすことができます。
買取承諾書を締結する流れ
買取承諾書を締結する一般的な流れは、次の通りです。各段階で、リスクやポイントをしっかり確認しながら手続きを進めましょう。
①買取査定の実施
買取業者の査定担当者が買取対象商品をチェックし、査定金額を提示します。ここでコピー品や改造品、盗難品でないかも見極めます。
②買取条件の確認
査定額や支払い方法、キャンセルの可否などを買主・売主間で最終的にすり合わせます。18歳未満の場合は保護者の同意書が必要かどうかも検討します。
③買取承諾書への記入と署名押印
売主が承諾書の内容を確認し、署名押印することで書面上の合意が成立します。この際に本人確認書類の写しも保管することが多いようです。
④商品の引き渡し、代金の受け取り
売主は物品を引き渡し、買主が査定額を支払います。銀行振込や現金払い、電子決済など支払い方法を事前に取り決めておくとスムーズです。
⑤買取承諾書や領収書の保管
承諾書の原本や電子データを一定期間保管し、万が一トラブルが発生した場合に備えます。承諾書は税務処理や警察対応にも使用することがあります。
買取承諾書を交わさなかった場合のリスク
まず盗難品やコピー品の疑いが生じた場合、売主または買主のどちらが責任を負うか不明確になり、最悪の場合、非がないのに責任を問われてしまう恐れもあります。
また、契約内容の齟齬からクレームや返品トラブルが起こりやすくなるという点にも注意が必要です。特にキャンセルポリシーが不明確だと、売主から物品の返還を求められる可能性もあります。
加えて税務申告で支障を来すケースも考えられます。大量または高額の売買が行われた場合、売主・買主のいずれも所得税や消費税の処理が曖昧になり、税務署から指摘を受けるリスクが高まります。
このように書面による証拠がないと、法的紛争やクレーム対応に時間とコストがかかるため、買取承諾書はトラブル回避のために大きな役割を果たします。
買取承諾書の保管年数や保管方法
古物営業法では帳簿などの古物台帳は3年間保管しなければならないと定められています。最低でも3年、可能であれば5~7年程度は保管しておくと安心です。その他会社の内規や地域の条例によって定められている場合がありますので、確認しておきましょう。
また、電子化(スキャン)したデータを併用することで、紙媒体の紛失リスクを低減できますが、原本を保管する場合は防湿・防火など安全な環境を整備しましょう。盗難や改ざん、個人情報の漏えいを防ぐために、アクセス権限の管理や鍵付きのキャビネットを使用するなどの工夫が求められます。
買取承諾書の電子化、電子契約は可能?
買取承諾書も電子化して端末上あるいはWebで締結することが可能です。ただし、電子署名法の要件を満たす形で署名が行われなければ、紙の契約書と同等の法的効力を得られない場合があります。また、古物営業法などの規定により、原本の紙書類保管が求められるケースもあるため、導入前に業界特有のルールを確認しましょう。
参考:電子署名及び認証業務に関する法律|e-Gov法令検索
参考:電子署名とは?仕組みや具体的なやり方までわかりやすく解説|Money Forwardクラウド契約
オンライン買取では、本人確認や盗難品リスクに関して、郵送やWebカメラ越しの確認手続きなどセキュリティ強化策が必要となります。適切な電子契約サービスを活用し、法律や条例に違反しないよう注意してください。
買取承諾書をしっかりと交わしてクレームやトラブルを防ごう
本記事では買取承諾書の基本的な書き方やポイント、トラブル回避策などについてご紹介しました。中古品や不用品の買い取りを行う際には、18歳未満や高校生への対応、コピー品や盗難品に対する注意、運転免許証・マイナンバーなどの本人確認といった管理が重要です。
不要なトラブルを防ぐためにも、売主と買主がしっかりと物品に関する情報や買い取りに関するルールを確認し、買取承諾書をもって合意を形成しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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