- 作成日 : 2024年12月25日
エステ同意書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
エステ同意書とは、エステの施術を受ける利用者が、店舗に対して提出する同意書です。店舗側は、エステの施術を受けるにあたっての注意点などを明記した、適切な内容の同意書を準備しておきましょう。本記事では、エステ同意書の書き方や、同意書以外に作成すべき書類などを、文言の具体例を示しながら解説します。
目次
エステ同意書とは
エステ同意書は、エステの施術を受けることに同意する旨や、エステの施術に関する確認事項などを記載した書面です。エステの施術を受ける利用者が、店舗側に対して提出します。
エステ同意書の取得は必須ではありませんが、利用者とのトラブルをできる限り避けるため、店舗側としては同意書を取得することが望ましいです。
エステ同意書を作成するケース
エステ同意書は、エステの施術を行う店舗が利用者に交付したうえで、作成および提出してもらいます。エステ店を開業する際には、適切な内容のエステ同意書を準備しておきましょう。
エステ同意書のひな形
エステ同意書のひな形は、以下のページからダウンロードできます。実際にエステ同意書を作成する際の参考にしてください。
※ひな形の文例と本記事で紹介する文例は、異なる場合があります。
エステ同意書に記載すべき内容
エステ同意書には、主に以下の項目を記載します。
- エステの施術に同意する旨
- 医療行為ではない旨、医師の指示に従うべき旨
- 施術を中止することがある旨
- 施術の効用、効果には個人差がある旨
- 免責事項
エステの施術に同意する旨
私は、以下の内容を十分に理解し、疑問点については質問し、説明を受け納得したうえで、エステ施術を受けることに同意します。
エステの施術を受けることに同意する旨を明記します。また、施術に関する疑問点などについても、店舗側から説明を受けて納得していると明記しておきましょう。
医療行為ではない旨・医師の指示に従うべき旨
1.エステ施術は医療行為ではありません。いかなる症状についても医療行為を代替するものではありません。何か症状のある場合には医師の指示に従ってください。
エステサロンでは、医療行為をすることはできません。エステ同意書においても、医療行為を行わない旨および症状がある場合は医師の指示に従うべき旨を明記し、利用者に対して十分に説明しましょう。
施術を中止することがある旨
2.下記に該当する症状や事情がある場合、エステ施術をご提供できないことがあります。また、エステ施術中に、下記の症状がみられた場合、施術を中止する場合があります。
- 熱がある
- 妊娠中または妊娠の可能性がある
- 過去に大きな病気をしたことがある
- 持病がある
- 医師から安静をすすめられている
- 抜歯後一週間以内
- 予防接種から三日以内
- 〇〇
- 〇〇
健康状態によっては施術が負担になる場合があります。その場合は、さらなる健康状態の悪化を防ぐため、直ちに施術を中止します。
エステ同意書においても、利用者に何らかの症状がみられた場合は、施術を中止することがある旨を明記しておきましょう。
施術の効用・効果には個人差がある旨
3.施術後の効用または効果は必ずしも絶対的ではなく、個人ごとに違いがあります。副作用が発生することもあります。当社は、故意または重大な過失がある場合を除き、施術後に発生する一切の事象に対して責任を負うことはできません。不安を感じる場合は施術を受けることをお控えください。
エステの施術は、すべての人に効果を発揮するとは限りません。エステの効果には個人差があるため、店舗側が効果を保証することはできませんし、保証すべきでもないのです。
エステ同意書においては、施術の効用や効果には個人差がある旨を明記しておきましょう。
免責事項
4.当社に故意または重大な過失がある場合を除き、施術後の怪我、痛み、体調不良などに関して、損害賠償や返金などを行うことはできません。
エステの施術を受けた結果、利用者の体調に何らかの変化が生じることがあります。
利用者の体調が施術後に変化しても、エステサロン側がその責任を負う必要があるとは限りません。体調不良が生じることは、エステの施術を受けなくてもあり得るためです。
仮に施術が原因で体調が変化したとしても、効果に個人差があるエステの特性上やむを得ず、店舗側に責任はないと判断されることがよくあります。
エステ同意書においては、店舗側は原則として損害賠償や返金などに応じない旨を明記しておきましょう。エステの効果には個人差があることを踏まえて、施術は自己責任で受けるものだと利用者に理解してもらうことに繋がります。
ただし、店舗側に故意または重大な過失がある場合については、店舗側の損害賠償責任を免責することはできません(消費者契約法第8条1項)。エステ同意書においても、故意または重大な過失がある場合は免責の対象外であることを明記しましょう。
エステ同意書を作成する際の注意点
エステ同意書を提出してもらうことの目的は、施術を受けることに同意する旨の明確化に加えて、施術に関する注意点を利用者に理解してもらうことです。
特にエステについては、効果に個人差があり、必ずしも望んだ結果が出るわけではないことを理解してもらう必要があります。利用者にそのことがきちんと伝わるような形で、エステ同意書に説明事項を記載しましょう。
エステ同意書を作成するメリット
エステ同意書の提出を受けることは、法律上必須ではありませんが、エステサロン側および利用者側の双方にとって以下のメリットがあります。
エステサロン側のメリット
エステサロン側としては、施術前に同意書の提出を受けることにより、利用者とのトラブルが発生するリスクを抑えられるメリットがあります。
施術に対する同意が明確化されるほか、施術にあたっての注意点を、利用者によりよく理解してもらえるためです。
利用者側のメリット
利用者側としては、同意書に記載された説明事項を読むことにより、エステの施術を受けるにあたっての注意点を理解することができます。同意書の説明事項を読んだ結果、施術を受けることに不安が生じれば、その時点で施術をキャンセルすることも可能です。
エステの施術を受けるかどうかを、納得したうえで判断できるようになる点が、エステ同意書を作成する利用者側のメリットといえます。
エステの施術について、同意書以外に作成すべき書類
エステサロンにおいては、利用者に同意書を提出してもらうほか、利用者との間で施術に関する契約書を締結することが望ましいです。
また、エステが「特定継続的役務提供」に該当する場合は、特定商取引法に基づく概要書面などを利用者に交付する必要があります。
契約書
利用者との間で契約書を締結すれば、エステの施術に関する詳細な条件を取り決めることができます。具体的には、施術の内容や料金、回数、契約期間、免責事項などを定めることが可能です。
特に、継続的に通うエステプランを契約してもらう場合は、同意書の提出を受けるだけでなく、契約書も作成しておきましょう。
概要書面など
契約期間が1ヵ月を超え、かつ金額が5万円を超えるエステの施術は「特定継続的役務提供」に該当します。
特定継続的役務提供を行うエステサロンは、利用者と契約を締結する前に、以下の事項を記載した概要書面を利用者に交付しなければなりません(特定商取引法第42条1項)。
概要書面の記載事項 |
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また、実際に施術に関する契約を締結したときは、遅滞なく、以下の事項について契約内容を明らかにする書面を利用者に交付する必要があります(同条2項)。
契約締結後書面の記載事項 |
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利用者とのトラブルを予防するため、施術前にエステ同意書を取得しましょう
エステサロンにおいて、施術前に同意書を提出してもらうことは、利用者とのトラブルを予防する観点から重要です。同意書によって施術への同意が明確になるほか、施術を受けるにあたっての注意点を利用者に理解してもらうことができます。
同意書のほかにも、契約書や特定商取引法に基づく概要書面などをきちんと整備して、エステサロンにおける契約トラブルを防ぎましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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