- 作成日 : 2024年12月23日
まつ毛パーマ同意書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
まつ毛パーマ同意書は、まつ毛パーマの施術に先立ち、顧客に施術内容やリスクを説明し、理解と同意を得るための書類です。施術者と顧客の間で認識のズレが生じないようにすることで、トラブルを未然に防ぐ役割を担います。
本記事では、まつ毛パーマ同意書の書き方やひな形、作成時の注意点などについて詳しく解説します。
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目次
まつ毛パーマ同意書とは
まつ毛パーマ同意書は、まつ毛パーマの施術を行う際に、顧客から事前に同意を得るための書類です。
同意を得る目的は、まつ毛パーマの施術内容やリスクを明確に説明し、顧客がそれを理解したうえで施術を承諾する旨を確認することにあります。
特に、まつ毛パーマは目元という繊細な部位への施術であるため、万が一のトラブルを防ぐためにも同意書は重要といえます。
まつ毛パーマ同意書には、施術に伴うリスク(アレルギー反応や肌トラブルなど)、使用薬剤の説明、健康状態の確認などが記載されるのが一般的です。あらかじめ同意を得ることで、認識違いによる施術後のクレームなどを未然に防ぐことが期待できます。
また、万が一のトラブル発生時に責任範囲などを明記した同意書があることで、サロンを守れるケースもあります。
まつ毛パーマ同意書を作成するケース
まつ毛パーマ同意書は、施術を受けるすべての顧客に対して作成するのが一般的です。
同意書を用意することで、顧客に施術内容やリスクを事前に説明でき、顧客は理解を深め納得したうえで施術を受ける・受けないの判断が可能になるでしょう。
免責事項を明らかにしておくことで、万が一の際にサロンを守ることにもつながるのは先述のとおりです。
また、まつ毛パーマは目元というデリケートな部位への施術であり、万が一の際には大きな身体的ダメージを与えるリスクがあるため、未成年の施術希望者に対しては本人に加え親権者の同意を得るべきといえるでしょう。
まつ毛パーマ同意書のひな形
まつ毛パーマ同意書は、施術にあたっての注意点や発生しうるリスク、免責事項などいくつか含めておくべきポイントがあります。しかし、新規開業する際など書類作成に慣れていないと、どのような内容にするべきか、書式はどういったものがいいのかなどと悩むこともあるかもしれません。
そういった場合は、ひな形を利用するのもひとつの方法です。マネーフォワード クラウド契約では弁護士監修のまつ毛パーマ同意書テンプレートをご用意しています。基本的な内容となっていますので、カスタマイズしてご利用ください。
まつ毛パーマ同意書に記載すべき内容
まつ毛パーマ同意書は、以下の点を記載するのが一般的です。
- 美容行為であり、美容師が施術すること
- 医療行為、または医療行為を代替するものではないこと、異常があれば医師に相談、診断を受けること
- リスクと注意事項
- 効果には個人差がある点について
- 顧客の健康状態についての確認
- 同意と署名
まつ毛パーマは、美容師法において「美容行為」として位置付けられています。
そのため、施術は美容所として届け出た施設で、美容師免許を持った美容師によって行わなければなりません。その条件を満たした環境で施術することを、明記しましょう。
また、まつ毛パーマは医療行為ではないことや、何かの症状がある場合は医師に指示に従う必要がある点も記載が必要です。さらに、まつ毛パーマの施術に伴う可能性のあるリスクや施術後の注意点なども記載します。施術結果には個人差があり、必ずしも期待どおりの結果が得られるわけでないことも重要です。
健康状態の確認では、顧客にアレルギー歴や既往症について質問し、その情報を記録しましょう。最後に、内容に同意することを承継する署名が必要です。未成年者の場合は親権者の署名も求めましょう。
まつ毛パーマ同意書を作成する際の注意点
まつ毛パーマ同意書を作成する際には、顧客とのトラブルを未然に防ぎ、法的に有効な内容とするために、いくつかのポイントを押さえる必要があります。以下に具体的な注意点を説明します。
明確で具体的な内容を記載する
同意書の内容は曖昧な表現ではなく、明確で具体的に記載する必要があります。施術内容やリスク、注意事項を正確に記載し、顧客が理解しやすい言葉で説明するように心がけましょう。
たとえば、「アレルギー反応が出る可能性がある」などのリスクについては、その症状や対処方法も記載するといいでしょう。
リスクと注意事項の十分な説明
肌トラブルやアレルギー反応など施術に伴うリスクや、施術前後の注意事項(コンタクトは外したうえで施術を受ける、施術後は一定時間濡らさないなど)については、口頭でも補足説明を行います。
同意書だけではなく、施術前のカウンセリングも重要です。同意を求める前に、質問や不明点がないかも確認しておくとより安心でしょう。
法的効力を持たせるための形式を守る
同意書には以下の項目を含め、法的効力を持たせます。
- 日付
- 施術内容とリスク説明
- 顧客および保護者(未成年の場合)の署名欄
- サロン名と所在地
これらが不足していると、同意書としての効力が弱くなる可能性が否定できません。また、同意書を見せて署名を促すだけではなく、内容を理解したうえで同意できたら署名するように説明することも大切です。
まつ毛パーマ同意書を作成するメリット
まつ毛パーマ同意書の作成は、施術者、顧客それぞれにメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
施術者のメリット
同意書に署名をもらう際には、施術内容やリスクを事前に顧客に説明します。そのうえで理解と同意を得ることで、施術後のトラブルやクレームを未然に防ぐことが期待できるでしょう。
正しく作成された同意書は法的な証拠としても有効であり、万が一トラブルが発生した場合でも、同意の有無や責任範囲を証明できる点もメリットです。
顧客のメリット
同意書を作成するメリットは、施術者だけではなく顧客にもあります。顧客は同意書を通じて施術内容やリスクについて事前に詳しい説明を受けることで、自分自身の健康状態やアレルギーなどに基づいて安全に施術が受けられるか否かの判断を下せるでしょう。
また、美容師法に基づいて適切に運営されているのかどうかの確認もでき、安心感につながります。
まつ毛パーマ同意書が無効になるケースは?
まつ毛パーマは繊細な目元に施術を行うため、リスクやトラブルが伴う可能性があります。そのため、施術前に同意書を用意し、顧客にリスクや注意事項を説明することが一般的です。しかし、同意書の内容によっては、法的に無効とされる場合があります。
特に、同意書に消費者契約法に違反する条項が含まれている場合には注意が必要です。消費者契約法は、事業者が消費者との契約において一方的に有利な条項を設けることを規制している法律で、以下の項目が含まれる場合は同意書が無効になります。
「トラブルの責任は一切負わない」とする免責条項
消費者契約法第8条では、事業者が自らの債務不履行や過失によって消費者に損害を与えた場合、その損害賠償責任を免除する条項は無効とされています。
たとえば、「施術中や施術後に発生したトラブルについては一切責任を負いません」といった内容を同意書に記載しても、その条項は法的には無効になります。
消費者の解除権を制限する条項
消費者契約法第10条では、消費者の利益を一方的に害する条項も無効とされています。
「どのような理由であっても契約解除には応じない」といった内容は、消費者の解除権を不当に制限するため無効です。
「損害賠償請求には応じない」とする条項
消費者契約法第9条では、消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項や、事業者が損害賠償請求に応じない旨の条項も無効とされています。
まつ毛パーマ同意書は、顧客との間で施術内容やリスクについて合意を得るための重要な書類ですが、その内容が消費者契約法に反している場合には無効になるため注意しましょう。適切な表現でリスク説明と顧客同意を得ることが求められます。
まつ毛パーマ同意書の同意を取得するタイミングは?
まつ毛パーマの施術において、顧客から同意を取得するタイミングは予約方法や来店方法によって異なります。以下で、予約・来店パターンごとの同意取得のタイミングを解説します。
ネット予約システムの場合
ネット予約システムを利用する場合、予約の最終確認ページで同意書の内容を確認し、電子的に同意を得るのがいいでしょう。顧客が自宅で落ち着いて同意書の内容を読めるため、十分な理解が得られやすいといえます。
また、予約完了メールに同意書のリンクを添付し、来店前に再度確認してもらうよう案内することも有効です。
電話予約の場合
電話で予約を受け付ける際には、来店時に同意書への署名が必要であることをあらかじめ伝えておいたうえで、来店時に同意手続きを行いましょう。具体的なリスクや注意事項については、来店時のカウンセリングで詳しく説明し、その場で署名を得るようにします。
ホームページなどで同意書の内容を公開している場合は、来店前に目を通しておくようにお願いしておくと当日の流れがスムーズになります。
施術後に次回の予約を取る場合
施術後に次回の予約を取る際には、その場で次回施術の内容について簡単に説明し、次回も同意書への署名が必要であることを伝えます。この際、次回の施術内容や変更点があれば、その情報も共有しておくとよいでしょう。
飛び込み来店の場合
飛び込みで来店した顧客には、施術前のカウンセリング時に同意書について説明し、その場で署名を得なければなりません。飛び込みの場合は時間が限られていることもありますが、リスクや注意事項ついては特に丁寧に説明する必要があります。
どれだけ急いでいても必ず同意書には目を通してもらい、理解したうえでの署名をお願いしましょう。
施術者・顧客双方のために同意書作成は欠かせない
まつ毛パーマ同意書は、施術者と顧客双方の認識合わせやリスク回避のために欠かせないものです。ただし作成や運用にはリスク説明や法的保護、トラブル防止といった多くの注意点があり、消費者契約法に反しない内容とすることや、適切なタイミングで同意を取得するなど実務的な対応が求められます。
また、美容業界を取り巻く法規制やガイドラインは随時更新される可能性があるため、最新情報を把握し続けることも大切です。消費者庁や厚生労働省の公式サイトなどを定期的に確認することで、法令遵守やリスク管理の精度を高められるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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