- 更新日 : 2025年9月9日
無断増改築工事の停止請求とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
無断増改築工事の停止請求書とは、賃貸物件の増改築を無断で行う賃借人に対して、賃貸人が当該増改築の停止を求める書面です。
本記事では、無断増改築工事の停止請求書の書き方やレビュー時のポイントを、記載事項の具体例を示しながら解説します。
目次
無断増改築工事の停止請求とは
無断増改築工事の停止請求書とは、賃貸物件の賃貸人が賃借人に対して、無断での増改築を停止するよう求める書面です。
賃貸借の目的とされている建物につき、賃借人が賃貸人の承諾を得ずに増改築を行うことは、原則として賃貸借契約違反に当たります。賃貸人は賃借人に対して、無断での増改築を停止するよう請求可能です。
また、土地のみを賃貸している場合でも、賃借人が借地上の建物の増改築を行う際には、賃貸人の承諾を得る必要がある旨を借地契約において定めることがあります。この場合も、賃貸人は賃借人に対して、無断での増改築を停止するよう請求できます。
これらのケースでは、賃貸人が賃借人に対し、内容証明郵便で無断増改築工事の停止請求書を送付するのが一般的です。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い45個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
実際の契約に合わせてカスタマイズしていただきながら、ご利用くださいませ。
【弁護士監修】チェックリスト付き 改正下請法 1から簡単解説ガイド
下請法の改正内容を基礎からわかりやすく解説した「改正下請法 1から簡単解説ガイド」をご用意しました。
本資料では、2025年改正の背景や主要ポイントを、弁護士監修のもと図解や具体例を交えて解説しています。さらに、委託事業者・受託事業者それぞれのチェックリストを収録しており、実務対応の抜け漏れを防ぐことができます。
2026年1月の施行に向けて、社内説明や取引先対応の準備に役立つ情報がギュッと詰まった1冊です。
弁護士監修で分かりやすい! 契約書の作り方・書き方の教科書
弁護士の南陽輔氏(一歩法律事務所所属)が監修している「契約書の作り方・書き方の教科書」ガイドです。
契約書作成の基本知識、作成の流れ・記載項目、作成時の注意点・論点が、分かりやすくまとまっています。手元に置ける保存版としてぜひご活用ください。
自社の利益を守るための16項目 契約書レビューのチェックポイント
契約書レビューでチェックするべきポイントをまとめた資料を無料で提供しています。
契約書のレビューを行う企業法務担当者や中小企業経営者の方にもご活用いただけます。
無断増改築工事の停止請求書を送付するケース
事業者が無断増改築工事の停止請求書を送付するケースとしては、以下の例が挙げられます。
- 他人(他社)に貸している建物が、自社に無断で増改築されていることを知った場合
- 他人(他社)に貸している土地の上に建っている建物が、自社に無断で増改築されていることを知った場合
なお、いずれも無断増改築が賃貸借契約に当たることが条件となります。特約によって増改築に関する賃貸人の承諾が不要とされている場合には、無断増改築工事の停止請求は認められないのでご注意ください。
無断増改築工事の停止請求書のひな形
無断増改築工事の停止請求書のテンプレートは、以下のページからダウンロードできます。実際に無断増改築工事の停止請求書を作成する際の参考としてください。
※ひな形の文例と本記事で紹介する文例は、異なる場合があります。
無断増改築工事の停止請求書に記載すべき内容
無断増改築工事の停止請求書には、主に以下の事項を記載します。
- 表題(「無断増改築工事の停止請求書」)
- 宛先
- 無断増改築の内容(対象物件、箇所など)
- 契約違反の根拠規定(賃貸借契約の条文)
- 無断増改築工事の停止を請求する旨
- 無断増改築工事が停止されないときは、賃貸借契約を解除する旨
無断増改築工事の停止請求書の例文は、下記のとおりです。
無断増改築工事の停止請求書
○○県○○市○○1丁目○―〇号
○○ 殿
当社は貴殿に対し、○○県○○市○○1丁目○―〇号の建物(以下「本件建物」)を令和✕年〇月△日より賃貸しておりますが、このたび貴殿が当社に無断で本件建物のキッチンの改築工事に着手していることが判明しました。
当社と貴殿の間の建物賃貸借契約書(以下「本件賃貸借契約」)第〇条に記載の通り、賃貸人である当社の承諾なく、本件建物の増築または改築を行うことは禁止されております。
従いまして、本書面が到達次第、直ちに上記改築工事を停止し、本件建物を原状に復することを請求いたします。
なお、上記工事の停止および本件建物の原状回復が行われないときは、当社は本件建物賃貸借契約を解除しますので、あらかじめご了承ください。
令和〇年×月×日
○○県○○市✕✕丁目✕✕
株式会社✕✕
代表取締役 △△ △△ 印
無断増改築工事の停止請求書を作成する際の注意点
無断増改築工事の停止請求書を作成する際には、賃借人の行為が契約違反に当たる旨を明確に示すことが大切です。無断増改築工事の内容と、賃貸人の承諾がない無断増改築を禁止する賃貸借契約の条項を端的に示し、契約違反の事実を明確化しましょう。
また、無断増改築工事の停止を請求した事実と日時を証明するため、内容証明郵便で発送することをおすすめします。内容証明郵便による無断増改築工事の停止請求書は、後に賃貸借契約の解除などに関してトラブルが発生した際に、証拠として用いることができます。
無断増改築を発見したら、速やかに停止を請求しましょう
他人(他社)に貸している賃貸物件が、賃借人によって無断で増改築されているのを発見したら、速やかに内容証明郵便で無断増改築工事の停止請求書を送付しましょう。無断増改築工事の停止と原状回復が行われないようであれば、賃貸借契約を解除した上で損害賠償請求を行うことも検討すべきです。
不動産の賃貸借契約については、賃貸人・賃借人間でトラブルが発生することがよくあります。賃貸借契約の内容を締結前にきちんとレビューすることに加え、賃貸借期間中における不動産の利用状況も定期的にチェックし、賃借人による無断転貸・無断増改築・用法違反などが行われていないかを確認しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
一時使用目的建物賃貸借契約書とは?ひな形をもとに書き方や項目を解説
一般的に建物を借りる契約では、住居やオフィスを長く安定して利用できるように、借地借家法によって借り手側が保護されています。しかし現実には、工事や催事のために一時的に建物を使用したい場合もあるでしょう。この記事では、そうした場合に締結される一…
詳しくみるソフトウェア使用許諾契約についてわかりやすく解説!
ソフトウェアのように他者が保有する知的財産を使用する際、使用目的によっては使用許諾(ライセンス)を受ける必要があります。使用許諾を受ける際に用いられる契約が「使用許諾契約」です。知的財産を無断で使用すると、権利者が持つ知的財産権の侵害になり…
詳しくみる機械売買契約書とは?ひな形をもとに記載項目や注意点を解説
機械売買契約書とは、機械の売り買いをするときに交わす契約書のことです。日常的に行われている売買と同じ契約類型ですが、目的物が機械であり高額な取引金額も発生しやすいことから、保証や契約不適合等のルールを明確化しておく必要性が高くなります。 本…
詳しくみる建築設計の業務委託契約書を作るには?例文・テンプレートを紹介
建築設計の業務委託契約書は、建築主(施主、建築会社など)が設計事務所や建築士へ建物の設計を外注する際に締結する契約書です。この契約を締結して、建物の設計が実際に進んでいきます。この記事では建築設計業務委託契約書の書き方を項目ごとに具体例に紹…
詳しくみるNDAの目的は?条項設計やリスク回避のポイントを解説
NDA(秘密保持契約)は、企業間で情報を安全に共有するために広く用いられる契約ですが、その「目的」をどう定めるかによって契約の効果が大きく変わります。目的が曖昧なままでは、情報の使用範囲や守秘義務の期間に対する誤解が生じやすく、漏えいや契約…
詳しくみる商標使用権設定契約書とは?ひな形をもとに書き方・例文を解説
商標使用権設定契約は、第三者に商標を使用させる際に締結する契約です。これを結ぶことで、他者が持つ商標を用いてビジネスを展開できるようになります。この記事では、商標使用設定契約書の書き方や必要な項目を紹介します。 ▼商標使用権設定契約書のひな…
詳しくみる



