• 更新日 : 2024年7月8日

同意書に押印の必要はある?適切な印鑑の選び方や押し方を解説

同意書とは、特定の事項について相手方に対して同意の意思を示す文書のことです。印鑑の使用は一般的ですが、必須ではありません。同意書には様々な利用シーンがあり、印鑑の必要性も状況によって異なります。

この記事では、同意書の基本的な仕組みから、印鑑の種類や押印方法、電子化の可能性まで解説しています。

同意書に印鑑を押す必要はある?

同意書とは、ある事項に対して相手方の同意を得る文書のことです。署名や押印が法的に義務付けられているわけではありませんが、同意の証明として署名や押印を行う形式のものが一般的です。

特に、ビジネスにおける同意書には、法的な効力を持たせるために印鑑を押すことを求めるケースも多くあります。口頭での同意だけではなく、書面と押印による合意を残すことで、後々トラブルを避けられるためです。

同意書への押印の必要性は、法的要件、組織の方針、同意内容の重要性などを考慮して判断する必要があります。不明な点がある場合は、組織内の規定にならうか、担当者・法律の専門家に相談すると良いでしょう。

同意書で使われる印鑑の種類

同意書では、一般的に実印や銀行印といった正式な印鑑の使用が求められます。一方で、軽微な同意書は認印(スタンプ式の印鑑を含む)でも足りる場合もあります。
以下でそれぞれの印鑑の特徴と、同意書に使う印鑑の選び方を見ていきましょう。

実印

実印とは、市区町村役場に登録された印鑑のことで、法的な効力を持つ重要な文書に使用されます。

具体的には、不動産取引や金銭消費貸借に関する契約書、公正証書などが挙げられます。また、実印を使用する際には印鑑登録証明書の提出を求められる場合があります。

銀行印

銀行印は、銀行口座の開設や預金の引き出し、ローンの申し込みなどの際に使用する印鑑です。基本的には金融機関専用の印鑑と考えてよいでしょう。

同意書に使用されることは稀ですが、他の重要な手続きにおいて使用するので、他の印鑑と一緒にしっかりと管理しておくことが大切です。

認印

認印は、日常的な文書や一般的な手続きに幅広く使用される印鑑です。認印は市区町村役場での登録が不要であるため、気軽に使用できます。

同意書においてもしばしば使用されますが、文書の効力をより確実なものとしたい場合には実印の方が推奨されます。

印鑑の選び方

同意書に使用する印鑑を選ぶ際には、その文書の重要性と求められる法的効力に合わせて適切な印鑑を選びましょう。

重要な契約書や公的な書類の場合は、信頼性の高い「実印」を使うのが一般的です。

一方、日常的な事柄や金額の少ない取引などに関する同意書や契約書では、「認印」もよく用いられています。

さらに、社内確認用のメモなどの場合は、シャチハタを使うことも考えられます。ただし、文書の性質によっては事前に担当者に確認することをおすすめします。

同意書への印鑑の押し方

同意書への印鑑の押し方には、いくつかのポイントがあります。が、文書の体裁を整え、その有効性を確保するためには、適切に押印することが大切です。

押印の位置

同意書への印鑑は、一般的に署名の下または右側に押印することが一般的です。また、印鑑はできる限り水平に押し、過度に斜めにならないよう注意しましょう。

具体例: 押印位置のパターン

例えば、署名が左下にある場合はその署名の右側に印鑑を押します。署名が中央にある場合はその署名の下に印鑑を押すと良いでしょう。

署名の横にボックスを設ける方法も有効

押印位置が曖昧にならないように、あらかじめ署名の横に「押印欄」としてボックスを設けておく方法もあります。これにより、押印位置が明確になり、間違いを防ぐことが可能です。

印鑑の押し直し時の注意点

同意書への押印が不鮮明だった場合、再度押印する際は次のことに気をつける必要があります。

同じ位置に再度押印しない

同じ場所に再度押印すると、印影が二重になってしまい、法的な効力が失われる可能性があります。そのため、不鮮明な場合は新しい用紙に書面を作り直すことが強く推奨されます。

新しい書面を作成する

印鑑の押し直しが必要な場合は、必ず新しい用紙に書面を作り直すことが重要です。これにより、書類の信頼性を高め、後々のトラブルを回避できます。

同じ位置に二重押印するのは避け、新しい用紙に書き直すことが適切な対応といえます。押印には慎重を期し、書類の信頼性を損なわないよう気をつけましょう。

建設業界において同意書を作成するケースは?

  • 建設業界において、同意書を作成するケースは以下のようなものがあります。
  • 工事完了の確認:工事が完了した際に、発注者が工事内容を確認し、受注者との間で工事の完了について同意書を交わします。
  • 安全管理の徹底:工事現場での安全管理について、関係者全員の理解と協力を得るために、安全管理に関する同意書を作成することがあります。
  • 近隣住民への説明:工事による騒音や振動などの影響について、近隣住民の理解を得るために、工事内容や対策について説明し、同意書を交わすことがあります。

これらのケースでは、同意書を作成することで、関係者間の権利義務関係を明確にし、トラブルを未然に防ぐことができます。

同意書(承諾書)のひな形、テンプレート

同意書の内容や構成はさまざまですが、基本的な形式として共通する項目があります。

以下のページから同意書のテンプレートがダウンロードできますので、テンプレートを参考に記載内容を書き換えればすぐに同意書として利用することができるでしょう。
同意書を作成する際の手間を大幅に削減できます。

同意書の記載事項、書き方

同意書には一般的に以下のような内容が含まれます。

表題、タイトル

「同意書」、「承諾書」など、書類の目的や内容を簡潔に示すタイトルを記載します。これにより、受領者が書類の性質を一目で理解できるようになります。

年月日(同意をした日付)

同意をした日付を具体的に記入します。この日付は文書の有効期限や法的効力に影響を与えることがあるため、正確に記載する必要があります。

同意内容

同意する具体的な内容や条件を明記します。例えば、サービスの利用規約、商品購入の承諾、個人情報の提供など、何に対して同意しているのかを明確にしましょう。

また、同意書は、簡潔明瞭に書くことが重要です。専門用語の過度な使用は避け、分かりやすい言葉で表現しましょう。必要最小限の情報を書くことで、同意内容が一目瞭然になります。事前に内容を十分に検討し、抜けがないよう確認することが大切です。

当事者の情報

同意者および受領者の氏名、住所、連絡先などの当事者の情報を記載します。これにより、双方の関係性や連絡手段が明確になり、トラブルを避けることが可能です。

署名・押印欄

同意者が署名および押印する欄を設けます。これにより、書類の真正性が保証され、法的拘束力を持つことが容易になります。

同意書のチェックポイント

同意書作成時には、以下の点を確認することが重要です。

誤字脱字のチェック

文章全体を丁寧に見直し、誤字や脱字がないかチェックしましょう。法的文書として利用する場合、誤記があると効力を失う恐れがあるため、慎重に確認する必要があります。

押印の確認

正式な契約書や法的文書の場合は、シャチハタではなく実印や認印の使用が求められます。押印が漏れていると、その部分が無効となる可能性があります。押印の種類や押し方にも注意が必要です。

法的要件の確認

文書が法的な要件を満たしているかどうか、確認することが重要です。内容が法律に違反していないか、必要な項目がすべて含まれているかなど、専門家に確認してもらうと安心です。法的効力を持たせるためには、この確認が不可欠です。

同意書は電子化できる?

同意書は電子文書として相手方に交付することもできます。

電子化によって、同意書の交付から返答までの期間が短くなる他、、その後の原本管理もラクになります。

電子署名やタイムスタンプに対応した電子契約システムなら、効率的な運用と真正性の確保が可能です。このように、多くのメリットを得られます。

たとえば医療分野では、すでに同意書の電子化が活用されている例があります。日々大量の同意書を扱う組織にとって、電子化のメリットは大きいです。用紙やインクの消費が減り、社内外の情報共有も円滑になります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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