- 更新日 : 2025年12月23日
訂正印の適切な押し方とは?印鑑の種類や修正内容の書き方を解説
契約書や重要書類を作成しているとき、うっかり書き損じてしまった経験はありませんか? 「二重線で消して書き直せばいいだけだろう」と思われがちですが、ビジネスや法的な文書において、自己流の訂正は禁物です。方法を間違えると、文書そのものの信用性が失われたり、最悪の場合は改ざんを疑われたりするリスクすらあります。
この記事では、訂正印に関する基本的な知識に加えて、文字の追加や削除を行う方法など具体的な訂正印の押し方について解説します。
目次
そもそも訂正印とは?
訂正印とは、文書の誤りを訂正するときの印鑑です。単に二重線で消して書き直すだけでは、後から第三者が勝手に数字や文言を書き換えたとしても、それが作成者本人の修正なのか、不正な改ざんなのか見分けがつきません。そこで訂正箇所に印鑑を押すことで、文書の作成者自身が訂正したことを証明します。
つまり訂正印は、正当な権限のもとで行われた修正であることを明示し、文書の証拠能力を維持したままミスをリカバリーするための必須ツールと言えます。
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訂正印と認印の違いは?
厳密には訂正印という種類のハンコが存在するわけではなく、あくまで訂正の目的で押す印鑑という役割を指す言葉です。したがって、普段使用している認印や、実印をそのまま訂正印として使用しても法的には全く問題ありません。
しかし、一般的に推奨されるサイズには違いがあり、訂正印の印面のサイズは認印よりも小さめです。大きい印面だと、行間が狭い書類などを修正する際に、書類の文字が見にくくなるといったことから、実務上は小さいサイズが好まれる傾向にあります。
訂正印を適切に押す方法は?
訂正印の押し方を間違えても、訂正が無効になるわけではありません。しかし慣習を理解しておかなければ文書の読み手に勘違いをさせてしまったり、異なる意味で伝わってしまったりする可能性があります。そこで文書の作成者以外も読みやすくするため、共通した訂正印の押し方を知っておくことが大事です。
以下では次のパターンに分けて説明をしていきます。
- 文字を訂正する場合
- 文字を追加する場合
- 文字を削る場合
- 縦書きの場合
- 訂正印を押すスペースが修正箇所の近くにない場合
文字を訂正する場合
文中の文字を訂正するときは、間違った文字に二重取り消し線をまずは引きましょう。そして間違った箇所の上側に訂正後の正しい文字を記載し、その近くへ訂正印を押します。
すると次のような形になります。
千代田区 ㊞(削除3文字、加入4文字)
〒100-0005 東京都中央区丸の内1丁目
※修正する文字が1文字でも、その部分にのみ二重取り消し線を引くのではなく、単語ごとに修正する。
※削除した文字数および追加した文字数も括弧書きで記載するとより丁寧。
※二重取り消し線の上に押印する方法もある。
文字を追加する場合
必要な文字を書き忘れてしまうときもあるでしょう。文字を文中に追加したいときは、抜けてしまった箇所を「<」で指定し、書き加えたい文字を記載します。その近くに訂正印を押しましょう。
すると次のような形になります。
千代田区 ㊞(加入3文字)
〒100-0005 東京都丸の内1丁目
※追加した文字数も括弧書きで記載するとより丁寧。
文字を削る場合
余計な文字を書いてしまい、これを削りたいときは、削除する文字に二重取り消し線を引き、その上に訂正印を押しましょう。さらにその横に削除した文字数も記載します。
すると次のような形になります。
㊞(削除1文字)
〒100-0005 東京都千代田区区丸の内1丁目
※削除した文字数も括弧書きで記載するとより丁寧。
縦書きの場合
縦書きの文章でミスをした場合でも、訂正の仕方に大きな違いはありません。
- 訂正:間違った箇所に二重取り消し線を引き、その近くに正しい文字の記載と押印をする。
- 追加:書き加えたい箇所を「<」で指定し、横に必要な文字の記載と押印をする。
- 削除:不要な箇所を二重取り消し線で消し、訂正印を押印する。
※いずれの場合も、横書き同様に削除した文字数や追加した文字数を横に沿えるとより丁寧。
訂正印を押すスペースが修正箇所の近くにない場合
横書きなら「訂正箇所の上側」に、縦書きなら「訂正箇所の右側」に訂正印を押すのが基本ですが、スペースが開いていないときは次の優先順位に従い押印する場所を変えても構いません。
- ①上側
- ②下側
- ③右側
- ④左側
- ①右側
- ②左側
- ③上側
- ④下側
法令で指定されているわけではありませんので、このルールに従わなければ無効ということでもありません。臨機応変に近くのスペースを活用するとよいでしょう。
なお、すぐ近くにスペースがないときは少し離れても構いませんので、書面の空いている箇所を活用して訂正印を押します。
書類を作り直さずに訂正印を押してよいケースは?
訂正印による修正を行うべきか、書類を作り直すべきか、明確な判断基準はありません。一般的には書類の重要度、求められている厳格さによって判断を下します。
例えば重要な契約を交わすときに作成する契約書であれば、記載ミスがあったときに作り直すことも考えます。ただし「契約書だから訂正印を使わず作り直す」と決まっているわけではないため、その都度どうすべきかを判断するか、社内規程でルールが設けられているときはその内容に従います。
また、訂正箇所が多くなってしまうと文書に対する信頼性も低下してしまうため、あまりに修正が多くなるようなら作り直すことも考えるべきでしょう。
もしくは書類そのものの重要性ではなく、訂正箇所に着目して判断することも考えられます。例えば特段大きな意味を持たない箇所のミスであれば訂正印で済ませて問題ありませんが、取引金額や期限に関する箇所などはトラブルになるリスクが多少大きいことから作り直しも考えた方がよいかもしれません。
訂正印に使ってもよい印鑑の種類は?
訂正印に使う印鑑は、その文書にて使用している印鑑とします。
そのため、文書で使われているのが認印なら訂正印にも認印を使い、文書で使われているのが会社の実印に当たる代表者印なら訂正印にも代表者印を使います。認印を使ったからといって無効になることもありません。
- 実印(代表者印)
- 認印(角印)
- 銀行印 など
※限定されているわけではありません。
また、伝票の修正をするときなど、押印のされていない文書で訂正印を押すときは専用の印鑑を用意して使用しても問題ありません。サイズに指定はありませんが、専用にする場合、小さなスペースでも使いやすい6mm程度のものにするとよいでしょう。
また、誰が修正を行ったのかがすぐにわかるよう読みやすい書体の印鑑を使うのもおすすめです。例えば古印体、隷書体などが比較的読みやすい書体です。
電子契約サービス上で契約書の内容を修正する場合は?
電子契約の場合、紙で作成した書面とは作成方法も修正方法も異なります。そもそも電子契約だと押印ができませんので訂正印も押せないのです。
ただ、相手方に交付して契約が締結される前であれば、システム上でいつでも簡単に修正ができます。
一方で、契約が締結された後に修正が自由にできてしまっては改ざんを許すことになってしまいますので、電子ファイルの書き換えはできません。そこで改めて契約書を作成する、覚書を使って修正を行う、などの措置を取ることになります。手間がかかるように思うかもしれませんが、電子契約システムを使えば覚書の作成についても効率的に進められます。修正点を覚書にまとめた後で、相手方に瞬時に送付し、大きな時間のロスもなく修正ができることでしょう。
参考:電子署名|デジタル庁
訂正印の押し方を覚えて修正に対応しよう
文書の作成をし直さなくても訂正印を押すことで効率的に作業を進められることもあります。訂正印によって対応すべきかどうかよく考える必要がありますが、ミスがあったときの対応方法の1つを知っておくのは企業で働く方として大事なことです。
また、昨今は電子契約を導入する企業も増えてきていますので、電子契約サービスを使っている場合の修正方法についても把握しておくとよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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