- 作成日 : 2023年9月29日
著作者とは?法的な定義や権利を解説
著作者とは、著作権や著作者人格権を取得した主体を指します。このうち、財産権である著作権は他の人に譲渡をすることも可能です。著作者が著作権を譲渡すると著作者以外の人に著作権が帰属し、権利行使できるようになります。
今回は著作者の意義や権利、業務上のやり取りで注意したい点について紹介します。
目次
著作者とは
著作者とは、財産権としての著作権や著作者人格権を原始的に取得する主体のことです。ここでは、著作者の法的意義や、著作者にあたらないケース、著作権者との違いなどを解説します。
法的な定義
著作者とは、著作物を創作する人のことです。小説であれば作家、絵画であれば画家、音楽であれば作曲家といった人が著作者となります。
著作物を創作すれば原始的に著作者として保護され、特別な手続きは必要ありません。
著作権法では、誰が著作者にあたるかについて推定規定が設けられています。著作物の原作品や、著作物を公の場所に提供する際などに氏名などが著作者名として表示されている場合、その著作物の著作者と推定されます(著作権法14条)。
著作者にあたらないケース
著作物は1人で創作するとは限らず、複数の人が関与することもあります。その場合は著作者に該当するか判定が難しい場合もあり、裁判となったケースも少なくありません。
著作者にあたらないと判断された事例として、以下のような例があげられます。
- 単なる補助をしただけの者
- 著作物を創作する資金を提供しただけの者
- 企画ないし構想をしただけの者
- 素材を提供しただけの者
- 請負契約における注文者
いずれの場合も、著作物に対し創作的に関与したとはいえないためです。
著作者と著作権者の違い
著作者には著作者人格権と著作権という2つの権利があります。このうち、著作者人格権は人格的な利益を保護する権利であり、著作者だけが持つ権利です。そのため、譲渡や相続はできません。
一方、著作権は財産的な利益を保護する権利であり、譲渡や相続は可能です。著作権を譲渡した場合、譲渡した者は著作者ではあるものの、著作権者ではありません。著作権を譲り受けた者が著作権者となります。
AI生成コンテンツの著作権
近年は技術が進化し、AI生成コンテンツが広く普及しています。AI生成コンテンツには著作権があるかが問題となり、現在も議論が行われている状況です。文化庁ではこの件に関して、「AIと著作権」という資料を公開しました。
まず、AI自身が創作的表現をする場合には著作権が成立しないとされています。一方、人がAIを道具として使用した場合には、著作権が成立する可能性もあるとしています。
人がAIを「道具」として使用したといえるかどうかは、人の「創作意図」が見られるか、「創作的寄与」と認められる行為を行っているかで判断するということです。どのような行為が「創作的寄与」となるかは、 個々の事例ごとに判断しなければならず、AIで生成する一連の過程を総合的に判断することが必要とされています。
参考:AIと著作権┃文化庁
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著作者の権利
著作者の権利は、人格的な利益を保護する著作者人格権と財産的な利益を保護する著作権があることを前の項目でお伝えしました。
それぞれ、具体的にどのような内容なのかみていきましょう。
人格的な権利
著作物は、著作者の思想または感情を創作的に表現したものであり、著作物を通して表現された著作者の人格を守るため、著作者人格権が定められています。著作者人格権は譲渡・相続はできず、著作者の死亡により原則的に消滅します。
著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権の3つの権利があります。それぞれの権利の内容を下記表にまとめました。
| 権利名 | 権利の内容 |
|---|---|
| 公表権 | 著作者が著作物を公表するかどうか、公表する場合は公表する時期を決定する権利 |
| 氏名表示権 | 著作物を公表する際、氏名を表示するかどうか、表示する場合は本名かペンネームにするかを決定する権利 |
| 同一性保持権 | 著作物のタイトルや内容を,許可なく改変されない権利 |
これ以外にも、著作者の名誉や社会的評価を害する方法で利用した場合、著作者人格権の侵害が問題になる可能性があります。
財産的な権利
財産的な権利である著作権は、譲渡・相続ができます。著作権者が著作物の利用を許諾し、利用の対価を受け取ることも可能です。
ある著作者が、創作した著作物の著作権を他人に譲渡している場合、譲り受けた人が著作権者になります。他の人がその著作物を利用したい場合は、著作者ではなく譲り受けた側である著作権者の許可を得なければなりません。
著作権には、以下のような権利があります。著作権者は、これらの権利によって保護された行為を独占的に実施でき、第三者に行為を許諾して使用料を受け取ることもできます。
| 権利名 | 権利の内容 |
|---|---|
| 複製権 | 著作物のコピーを作成する権利 例:漫画の原稿を複製して販売する |
| 上演権・演奏権 | 著作物を公に上演し、または演奏する権利 上演の例:小説の原作を舞台化する 演奏の例:楽曲をコンサートで披露する |
| 上映権 | 著作物を公に上映する権利 例:制作したDVDで上映会を行う |
| 公衆送信権・伝達権 | インターネットなどで、著作物を公に送信する権利 CD やDVDなどの「録音物・録画物」を再生すること、離れた場所にあるスピーカーやディスプレイに伝達することを含む 公衆送信の例:インターネットに動画を配信する 公衆伝達の例:メールマガジンを配信する |
| 口述権 | 言語の著作物を朗読する権利 例:エッセイをイベントで朗読する |
| 展示権 | 美術や写真の著作物のオリジナルを公に展示する権利 例:美術展を開催する |
| 頒布権 | 映画の著作物をブルーレイディスクなどで頒布する権利 例:映画のDVDを販売する |
| 譲渡権 | 映画を除く著作物を移転する権利 例:絵画を譲渡する |
| 貸与権 | 映画を除く著作物のコピーを多くの人に貸し出しする権利 例:DVDをレンタルする |
| 翻訳権・翻案権など | 著作物を翻訳・編曲・変形・脚色・映画化し、二次的著作物を創作する権利 例:小説を英訳して販売する |
| 二次的著作物の利用権 | オリジナルをもとに創作された二次的著作物につき、原著作者が保有する権利 例:小説が原作のドラマ |
業務上気をつけた方がよいこと
著作物を扱う上で、注意したい点があります。著作者や著作物との関わりは、自身が著作者の場合と他人の著作物を扱う場合に分けられます。
それぞれ、詳しくみていきましょう。
自身が著作者の場合
自身が著作者である場合、著作権法上の保護対象になる著作物といえるのは、以下の3点に該当する場合です。
- 思想または感情が表現されている
- 創作的に表現されている
- 「文芸、学術、美術または音楽の範囲」に属する
これらの条件にあてはまる著作物は著作権・著作者人格権で守られています。具体的にどのような権利が守られているかを知り、著作権侵害が起こらないよう注意しなければなりません。
他人の著作物を扱う場合
他人の著作物は、原則として著作者の許諾なしに利用することはできません。
ただし、以下の場合は例外的に著作権者の許可なく著作物を利用できます。
- 個人や家族内など限られた範囲内で複製する
- 教育現場で利用する
- 一定の要件のもとに引用する
私的使用については複製のみです。また、著作者には同一性保持権があり、著作者の許諾なしに著作物を改変することはできません。ただし、教科書に掲載するための改変は、著作物の性質や利用目的などに照らしてやむを得ない場合は認められるとされています。
著作者について理解を深めよう
著作者とは著作物を創作する人のことで、その著作物は財産権である著作権や著作者の人格を守る著作者人格権で保護されています。
著作者として保護されるには、創作したものが「著作物」の要件にあてはまらなければなりません。他人の著作物を利用する場合は、原則として著作権者からの許諾が必要です。
著作者やその権利について理解し、著作物を正しく扱いましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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