- 更新日 : 2026年3月27日
準拠法とは?契約における意味や国際取引における注意点を解説
準拠法とは、法律関係に適用される法のことです。契約書の内容に疑義が生じた場合や、契約に関して具体的な紛争が生じた場合には、準拠法に従って契約が解釈・適用されます。特に国際取引の契約書では、準拠法を明記することが大切です。本記事では準拠法の例文(日本語・英語)やルール、決め方などをわかりやすく解説します。
準拠法とは
準拠法とは、法律関係に適用される法のことです。
法の内容は地域によって異なります。法律関係(契約など)の当事者の国籍が異なる場合は、どちらの国の法が適用されるかによって、紛争の結論が変わることがあります。
そのため、国際取引の契約書には準拠法を明記するのが一般的です。準拠法をあらかじめ決めておくことにより、契約の解釈が不明確になるリスクを回避できます。
【無料】お役立ち資料
▶16項目 契約書レビューのチェックポイント(合計12ページ)
▶電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選(合計10ページ)
▶電子契約まるわかり4点セット(合計32ページ)
▶電子契約サービス比較マニュアル(合計12ページ)
契約における準拠法規定
国際取引の契約では、末尾の雑則規定などにおいて準拠法を定めることが多いです。また、準拠法と併せて「合意管轄」も定めておきましょう。
準拠法を定める文言例
| 日本法に準拠する場合 |
|---|
| (和文) 第〇条 準拠法 本契約は日本法に準拠し、これに従って解釈される。 (英文) |
| ニューヨーク州法に準拠する場合 |
|---|
| (和文) 第〇条 準拠法 本契約はニューヨーク州法に準拠し、これに従って解釈される。 (英文) |
合意管轄も併せて定めるべき
国際取引に関する契約書では、準拠法と併せて合意管轄条項も定めておきましょう。合意管轄条項とは、紛争が発生した際に提訴する裁判所や仲裁機関をあらかじめ決めておく条項のことです。
国際取引の場合、合意管轄条項を定めなければ、提訴する側がどちらかによって裁判所が変わってしまいます。また、自国で裁判を行う当事者が有利になりやすい、当事者の国の裁判所が信頼できないケースもあるといった問題が存在します。
そのため、準拠法と併せて合意管轄を定め、信頼できる裁判所や仲裁機関をあらかじめ指定しておくとよいでしょう。第三国の裁判所や仲裁機関などを合意管轄に指定するケースが多いです。
通則法に基づく準拠法の原則
準拠法に関する原則的なルールは、「法の適用に関する通則法(通称:通則法)」によって定められています。
通則法によれば、契約の成立・効力に関する準拠法は、以下の手順で決まります。下記①のとおり、契約で準拠法を定めた場合は、その準拠法に従って契約が解釈されます。
①当事者が契約時に準拠法を選択した場合(通則法7条)
→選択した地の法
※契約締結後に準拠法を選択・変更した場合も同様(通則法9条)
②当事者が契約時に準拠法を選択しなかった場合(通則法8条)
→契約時において、契約に最も密接な関係がある地の法
※特徴的な給付を当事者の一方のみが行う場合は、その給付を行う当事者の常居所地法を契約に最も密接な関係がある地の法と推定する
※不動産を目的物とする契約については、その不動産の所在地法を契約に最も密接な関係がある地の法と推定する
ただし、消費者契約と労働契約については、消費者および労働者の保護の観点から特例が設けられています(通則法11条、12条)。
国際取引における準拠法はどう定める?
国際取引に関する契約の準拠法は、契約交渉によって決まります。
いずれの当事者にとっても、基本的には自国の法を準拠法とするのが望ましいです。しかし、取引の内容や相手方との交渉力格差などにより、自国の法を準拠法とすることが難しい場合もあります。また、当事者間の公平を確保するため、第三国の法を準拠法とすることも考えられます。
自国以外の法を準拠法とせざるを得ない場合は、その法について事前に調査を行うべきです。日本法弁護士を通じて、現地の弁護士にアドバイスを求めるとよいでしょう。
また、合意管轄との関係にも注意してください。日本の裁判所では外国法に基づく裁判も行えますが、合意管轄先によっては外国法による裁判を認めていないところもあります。準拠法と合意管轄の地域を別にする場合は、合意管轄先における取り扱いを確認しましょう。
国際取引の契約では準拠法を要チェック
国際取引の契約を締結する際には、準拠法規定を必ず確認しましょう。自国の法(日本法)を準拠法とすることが難しい場合は、契約上の準拠法の内容を事前にリサーチすることをおすすめします。日本法弁護士の協力を得て、提携先の現地弁護士を紹介してもらい、アドバイスを求めるとよいでしょう。
法務関連のおすすめコンテンツ
法務関連記事
▶法務とは?意味や事業における役割、仕事内容など解説
▶企業法務とは?仕事内容や関連する資格、法律を解説
▶法務のAI活用で業務はどう変わる?生成AIの具体的な活用事例
▶契約書のリーガルチェック(法務確認)とは?やり方や依頼費用を解説
おすすめお役立ち資料
▶16項目 契約書レビューのチェックポイント(合計12ページ)
▶電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選(合計10ページ)
▶マネーフォワード クラウド契約サービス資料
▶マネーフォワード クラウドAI契約書レビューサービス資料
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 法令・法律用語
リース契約とは?種類やメリットをわかりやすく解説
リース契約とは、機械設備等の必要な物品をユーザーが購入するのではなく、リース会社にリース料を支払って利用する契約形態のことを指します。 ここでは、リース契約の仕組みや種類、メリット…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
リフォーム工事請負契約書とは?雛形付きで記載項目や注意点など紹介
リフォーム工事請負契約書は、オフィスの移転や店舗の内装工事を行う際に、施工業者と取り交わす重要な契約書類です。しかし、内容の確認が不十分なまま形式的に締結してしまうと、予期せぬ追加…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
個人識別符号とは?法的な定義や事業者が気を付けるべき点を解説
個人識別符号とは、特定の個人を識別できるような文字や番号などのうち、法令に定められているもののことです。事業者が個人情報保護法に則って適切に情報を管理するためには、個人識別符号が含…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
民法109条(代理権授与の表示による表見代理等)とは?要件や110条との違いをわかりやすく解説
民法109条の表見代理とは何か? 実際には代理権を与えていなくても、代理権があるように見せる行為をした場合、相手方が善意・無過失であれば、その者が行った契約の効力は本人に及びます。…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
2022年6月施行の公益通報者保護法改正とは?事業者がおさえるべきポイントを紹介
2022年6月に改正公益通報者保護法が施行されました。改正を受けて、事業者には従事者の指定や通報に対応する体制の整備など、対応が求められます。違反により罰則が科せられる可能性もある…
詳しくみる -
# 法令・法律用語
下請法における役務提供委託とは?適用基準や法改正のポイントを解説
2026年1月に施行される改正下請法(正式名称:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(略称:中小受託取引適正化法、通称:取適法))は、役務提供…
詳しくみる