- 更新日 : 2024年8月30日
建設廃棄物処理の委託契約書の書き方は?記入例、テンプレートも!
建設廃棄物処理を自社で行わず、専門業者に委託する場合は委託契約書が必要です。「建設廃棄物処理の委託契約書」に記載すべき項目は法令で定められおり、内容は複雑です。ここでは建設廃棄物やその処理方法の基本を解説するとともに、「建設廃棄物処理の委託契約書」に記載する項目や書き方、記入例を紹介します。
そもそも建設廃棄物の処理方法は?
建設廃棄物とは建設工事に関連し発生する建設副産物のうち、廃棄物処理法で定められているものを指します。建設副産物とは、建設工事に伴って副次的に得られたすべての物品を指し、建設発生土やコンクリート塊、建設発生木材や金属くずなどが該当します。
建築廃棄物は、原則的に工事の元請業者を排出事業者とし、適切に廃棄しなくてはなりません。処理方法には自社で行う自己処理と、業者に委託する委託処理があります。
自己処理
建設廃棄物を排出事業者、すなわち工事業者が所有する自己の施設で処理する方法です。処理方法は処理する物によって異なり、さまざまな条件があります。例えば、焼却する場合は焼却用施設の温度や仕様が定められており、埋設する場合は許可を受けた最終処分場などに限定されます。
委託処理
多くの場合、建設廃棄物の処理は専門の処理業者に委託されます。これを委託処理といいます。廃棄方法や施設などは専門業者だから安心できると思いがちですが、実際は不適切な処理が行われることもあります。建設廃棄物の不適切な処理を防ぐために、委託する際のルールも定められています。そのため、「建設廃棄物処理の委託契約書」には運搬や保管、処理に至るまで詳細に記載しなければなりません。
建設廃棄物処理の委託契約書の記載項目は?
では、具体的にどのような内容を「建設廃棄物処理の委託契約書」に記載すればよいのでしょうか。具体的な記載内容は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(第6条の2第4号)」などで以下のように定められています。
委託する産業廃棄物の種類 | |||
委託する産業廃棄物の数量 | |||
運搬の最終目的地 | ----- | ||
処分又は再生の場所の所在地 | ----- | ||
処分又は再生の方法 | ----- | ||
処分又は再生の施設の処理能力 | ----- | ||
最終処分の場所の所在地 | ----- | ||
最終処分の方法 | ----- | ||
最終処分施設の処理能力 | ----- | ||
委託契約の有効期間 | |||
委託者が受託者に支払う料金 | |||
産業廃棄物許可業者の事業の範囲 | |||
積替え又は保管 [収集運搬業者が積替え、保管を行う場合に限る] | |||
積替え保管場所の所在地 | ----- | ||
積替え保管場所で保管できる産業廃棄物の種類 | ----- | ||
安定型産業廃棄物の場合、他の廃棄物との混合への許否等 | ----- | ||
委託者側からの適正処理に必要な情報 | |||
産業廃棄物の性状及び荷姿に関する情報 | |||
通常の保管で、腐敗・揮発等の性状変化がある場合の情報 | |||
他の廃棄物と混合等により生ずる支障等の情報 | |||
JISC0950に規定する含有マークの表示に関する事項 | |||
石綿含有産業廃棄物、水銀含有産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その旨 | |||
その他取り扱いの際に注意すべき事項 | |||
契約期間中に適正処理に必要な情報(上記6項目)に変更があった場合の情報伝達に関する事項 | |||
委託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項 | |||
委託契約を解除した場合の処理されない産業廃棄物の取り扱い |
引用:委託契約書|東京都環境局
記載が必要な項目は、収集運搬業者向けと処分業者向けに分かれています。両方の資格を保有する業者に対して両方の業務を委託する場合は、上記の表の項目のすべてが含まれている必要があります。
建設廃棄物処理の委託契約書のテンプレートと記入例
前述のとおり、「建設廃棄物処理の委託契約書」には多くの項目を記載する必要があります。そこで役立つのが、東京都環境局が公開しているテンプレート(ひな形)「モデル契約書」です。モデル契約書には収集運搬用と処分用、その両方に対応したものがあります。
また、どのように記載すればよいかが分かるように、記入例も併せて公開されています。複雑な「建設廃棄物処理の委託契約書」を正しく作成するために、モデル契約書を活用するとよいでしょう。
参照:委託契約書|東京都環境局
また、マネーフォワード クラウド契約では弁護士監修の契約書テンプレートを用意しています。無料で利用可能ですので、以下のページからダウンロードしてご利用ください。
建設廃棄物処理の委託契約書を正しく作成しましょう
建設廃棄物の処理方法には自己処理と委託処理があり、処理専門の業者に委託する場合は「建設廃棄物処理の委託契約書」が必要です。
「建設廃棄物処理の委託契約書」には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」で定められている項目を記載する必要があり、処理だけでなく収集運搬に関わる項目も記載しなければなりません。
複雑な「建設廃棄物処理の委託契約書」を正しく作成するには、東京都環境局が公開している「モデル契約書」を活用することをおすすめします。
よくある質問
建設廃棄物処理の方法は?
自社で行う自己処理と、専門業者に委託する委託処理があります。委託する場合は収集運搬業者と処理業者のそれぞれに対して「建設廃棄物処理の委託契約書」を作成し、契約を締結しなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。
建設廃棄物処理の委託契約書を正しく作成するには?
「建設廃棄物処理の委託契約書」に記載する項目は、法令で決められています。正しく記載するために、東京都環境局が公開している「モデル契約書」とその記入例を活用するとよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
契約書の構成に決まりはある?具体例をもとに書き方や用語を解説
契約書とは、契約の締結を証明する文書のことです。契約書の構成に法的な取り決めはありませんが、基本的には同じような型が用いられます。 本記事では基本的な契約書の構成やルール、よく使われる表現などを解説します。レビューを行う際のポイントもご紹介…
詳しくみる【2025年最新】不動産取引の電子契約の流れは?デメリットも解説
2021年に可決したいわゆる「デジタル改革関連法」により、不動産取引の多くを電子契約化することが可能になり、2025年現在不動産取引における電子契約化は急速に進んでいます。しかし、電子契約化のためには、満たさなければならない法律の定めなどが…
詳しくみる贈与契約書とは?作成するメリット・手順や書き方についてひな形をもとに解説
贈与契約書とは、無償で財産をあげる・もらうときに作成する契約書のことです。契約書がなくても贈与を行うことはできますが、トラブル予防や税務の観点からはこれを作成しておくことが望ましいとされています。 当記事でも贈与契約書を作成するメリットにつ…
詳しくみる承諾書とは?同意書との違いや書き方をひな型をもとに解説
承諾書とは、承諾の意思を相手に伝えるための書面です。同意書も法的な位置づけは承諾書と同じですが、厳密なニュアンスはやや異なります。承諾書のひな型をもとに、書類の役割や書き方、作成時の注意点などをおさえておきましょう。 承諾書とは? 「承諾書…
詳しくみる契約業務とは?業務内容や注意点、効率化のポイントを解説
契約業務とは、契約審査の依頼から始まり、契約書の作成と審査、契約交渉、契約の締結、そして最終的に契約管理に至るまでの一連の手続きのことです。本記事では、企業の担当者に向けて、契約業務の全体像や重要な理由、具体的な流れ、そして効率化のためのポ…
詳しくみる誓約書を守らなかった場合はどうなる?法的効力や対応方法などを解説
誓約書は、ビジネスや個人間において、提出した側が受け取った側に対して一定の取り決めを守ることを明文化した文書です。誓約書には一定の法的効力があるため、守らなかった場合は規定のペナルティが発生する可能性があります。 この記事では、誓約書の基本…
詳しくみる