- 作成日 : 2025年3月24日
スポーツジムの利用規約の作り方は?例文やテンプレートを解説
スポーツジムにおける「利用規約」とは、施設の利用に関して会員に適用されるルールをまとめたものです。トラブル防止や安全なジム運営につながりますので、利用規約について知っておくとよいでしょう。本記事では、スポーツジムの利用規約のテンプレートと具体例を紹介しながら、具体的な書き方のポイントについて解説しています。
目次
スポーツジムの利用規約の目的とは?
スポーツジムの利用規約は、施設やサービスを利用するうえでの注意点をはじめとする、会員の義務あるいは権利を明文化したものです。
ジムを運営する事業者側が、安全な利用環境の確保やトラブルの予防、そして円滑な施設運営を目的に作成します。利用規約の作成は法的義務ではないものの、ジムの運営において重要な役割を果たすことから、作成されるのが一般的です。
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スポーツジムの利用規約のひな形・テンプレート
スポーツジムの利用規約をスムーズに作成するためには、ひな形(テンプレート)を利用するのが効果的です。契約書を1から作る必要がなくなり、契約手続きをスムーズに進められるでしょう。
ひな形は、そのまま使うのではなく、内容を確認して案件ごとにカスタマイズしましょう。内容を簡単に変更できる、ワード形式のひな形を選ぶのがおすすめです。
マネーフォワード クラウドでは、スポーツジムの利用規約のひな形・テンプレートを無料でダウンロードいただけます。適宜加筆修正して活用してください。
スポーツジムの利用規約に記載すべき内容
スポーツジムの利用規約には、以下の項目を含めるとよいでしょう。
- 規約の目的と適用範囲
- ジムの会員資格や利用制限
- ジム利用中の禁止行為
- 個人情報の取り扱い
- 免責事項
- 規約の変更
各項目について、具体的な書き方と文言の具体例を紹介します。
規約の目的と適用範囲
利用規約の冒頭部分で、規約の目的と適用範囲を明確に定めましょう。この規約が何を表しているのかを、わかりやすく会員に示します。
例文:
○○スポーツクラブ(以下「当クラブ」という。)は、当クラブが提供するサービス(以下「本サービス」という。)の利用について、以下のとおり利用規約(以下「本規約」という。)を定める。
第1条 本規約は、当クラブが本サービスの利用を承認した方(以下「会員」という。)に適用される。
2 会員は、本規約の各条項に同意したものとみなされ、本規約を遵守しなければならない。
3 会員資格、入退会手続き及び会費支払いなどの詳細は、別途当店利用契約書にて定めるものとする。
また、規約には運営主体の正式名称や所在地、代表者名などの基本情報も記載しておくと、問題が生じた際の連絡先や責任の所在を会員が把握できるようになります。
ジムの会員資格や利用制限
どのような条件を満たせば会員になれるのか、また利用に関する制限事項についても明記しましょう。例えば、次のように入会資格について定めます。
例文:
第○条 当クラブへの入会資格は、以下の各号すべてに該当する方とする。
⑴ 満○歳以上の方
⑵ 本規約に同意いただける方
⑶ 過去に当クラブから除名処分を受けたことがない方
⑷ 暴力団等反社会的勢力に属さない方
併せて、利用制限の定めについても検討しましょう。例として、以下のような内容が挙げられます。
例文:
第○条 会員が以下の項目に該当すると当クラブが判断した場合、当クラブは当該会員に対して本サービスの利用を断わることができる。
⑴ 医師から病気、感染症等の診断を受け、本サービスの利用に適さない場合
⑵ 本サービス利用時に会員が飲酒・泥酔状態にあると疑われる場合
ジム利用中の禁止行為
安全で快適な環境を提供するために、起こり得る問題行動を事前に想定し、禁止行為として明確に定めることも検討しましょう。例えば、次のように定めます。
例文:
第○条 当クラブは会員に対し、本サービス利用中の以下の行為を禁止します。
⑴ 当クラブスタッフ及び他の会員に対する暴力や威嚇などの迷惑行為
⑵ 公序良俗に反する行為、またはそのおそれのある行為
⑶ 犯罪行為に関連する行為、または法令等に違反する行為
⑷ 喫煙及び飲酒行為
禁止行為を定めることが会員とのトラブル、あるいは会員同士のトラブルの防止につながります。より実効性を担保するためにも、違反した場合の措置についても定めておくとよいでしょう。
個人情報の取り扱い
会員の個人情報をどのように取り扱うか、この明記は信頼関係を構築のうえでも重要であり、個人情報保護法遵守の観点からも欠かせません。そこで、どのような目的で個人情報を利用するのかを利用規約に記載し、第三者への提供に関しても言及しましょう。
例文:
第○条 当クラブは、以下の目的で会員の個人情報を利用する。
⑴ 入会手続き、会費の請求等、会員管理のため
第○条 当クラブの会員の個人情報は、本サービスの提供に必要な範囲のみに使い、原則として会員による開示の承諾を得ずに第三者へ提供することはない。
免責事項
ジム利用時の事故やトラブルに備え、責任の所在や双方の責任範囲を明示しましょう。特定の事由を列挙して、自社が責任を負わない、あるいは責任を制限する旨を定めておくと、法的リスクを低減できます。ただし、利用規約への記載であらゆる責任問題を解決できるわけではありません。
そのため、免責の範囲は合理的な範囲にとどめておくべきです。免責される事由を次のように具体的に列挙するなど、抽象的に広範に適用させようとするよりも、利用者が予期できる形で記載した方が、無効となるリスクを下げられます。
例文:
第○条 次の各号に掲げる事由により会員が受けた損害に対して、当クラブはその損害賠償の責任を負わないものとする。
(1)第○条に規定する禁止行為をした場合
(2)当クラブの指定または指導以外の利用方法で施設等を利用した場合
(3)施設利用者間の喧嘩または口論等のトラブル
規約の変更
利用規約の内容が変更される可能性があることを伝え、変更があった際の通知に関しても定めておくことも重要です。
例文:
第○条 本規約は、必要に応じて随時変更することができる。
2 前項の変更のうち、会員にとって重要な改定については、改定後の規約の効力発生の〇ヶ月前までに、会員に対し、書面により通知するものとする。また、変更後の本規約の内容は、当クラブウェブサイト(URL:○○○)上に表示する方法で周知し、相当な期間を経過した日から適用されるものとする。
3 第1項の変更は、本契約の目的に反せず、かつ変更の必要性、相当性を有し、また合理的な変更であるものに限る。
以上の基本事項を押さえたうえで、施設の特性や提供するサービスの内容に応じて、各社必要な条項を追加していくことが望ましいでしょう。
スポーツジムの利用規約を作成する際の注意点
スポーツジムの利用規約を作成する際は、以下の点に注意してください。
- わかりやすく平易な言葉を使って、実際に利用規約に目を通す会員が理解できる内容にすること
- 一方的に会員の権利を制限するような条項は避けること
- 個人情報の取り扱いについては個人情報保護法を遵守すること
例えば、「当ジムは一切の責任を負いません」といった包括的な免責条項は無効と評価される危険性が高いでしょう。「会員は異議を唱える一切の権利を放棄します」といった、会員の権利を過度に制限する内容も同様です。
そして、一方的に不利な条件を押し付ける利用規約だと会員離れが起こりやすくなるため、バランスを考えて記載内容を決めましょう。
利用規約の作成から合意までの流れ
利用規約を運用していくため、まずはジムの運営方針や提供するサービスに基づいて規約案を作成しましょう。
可能であれば、作成の時点で弁護士などの専門家に内容をチェックしてもらい、法的な問題点がないかを見てもらいます。そうして最終的な規約を確定させた後、入会時に規約を提示し、同意を得たうえでジムを利用してもらうようにしてください。
スポーツジムの利用規約の保管方法や電子化について
利用規約は、少なくともジムを運営する間は保管し続け、利用者が内容を閲覧できる状態にしておきましょう。電子化についても問題はなく、むしろWebサイト上での公開もしておくと、利用者がすぐに確認でき、事業者側としても運用しやすくなります。併せて、施設内でも確認できるように掲示しておくとよいでしょう。
利用規約の作成で安全なジム運営を目指そう
適切な利用規約を整備することは、スポーツジムの運営における法的なリスクを減らすうえで不可欠です。さらに、利用者の安全確保にも役立つでしょう。
利用規約を作成する際は、内容をわかりやすく記載すること、会員の権利を一方的に制限する内容は避けることなどに注意する必要があります。
本記事で解説した内容を参考に、自社の状況に合わせた規約を作成し、さらに定期的に見直しを行うようにしてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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