- 作成日 : 2025年3月3日
実験同意書とは?効力や書き方・例文(無料テンプレート)
実験同意書とは、被験者が実験に協力することに同意した旨が記載された書類を指します。実験を行う教育機関や研究機関、企業などは、被験者と実験同意書を締結しておくことが望ましいです。この記事では、実験同意書の必要性や書き方・例文を紹介します。
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目次
実験同意書とは?
実験同意書は、実験を行う教育機関や研究機関、企業と実験に協力する被験者との間で締結される同意書です。実験の内容や、実験実施に際して双方が遵守すべきルールが記載されており、被験者が実験同意書に署名することで、実験への協力に同意したと見なされます。
実験同意書はなぜ必要か
実験を行う際には、被験者に多少なりともリスクが生じます。特に臨床実験や治験では、被験者の人体に影響を及ぼす可能性があるでしょう。また、個人情報の漏洩などのトラブルを懸念する被験者もいます。
実験同意書を用いて実験の内容や取り決めを明確にしたうえで同意を形成することで、将来のトラブル防止につながり、被験者からの信頼獲得にも寄与します。
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実験同意書を締結するケース
実験同意書は、臨床実験や治験、行動実験、心理実験、社会実験など、第三者として実験に協力してもらう被験者との間で締結します。研究者はあらかじめ実験の内容や取り決めなどを被験者に説明し、実験同意書に署名してもらいます。
実験内容によっては、法律により被験者の同意を得ることが義務付けられています。例えば臨床実験を行う場合、臨床研究法第9条に基づき、被験者に対して実験の内容を説明したうえで同意を得なければならないと定められています。
さらに、トラブルの防止や被験者からの信頼性の確保を目的として、実験同意書の締結を内規で義務付けている教育機関や研究機関、企業も多く存在します。
実験を行う際、被験者は多少なりともリスクを負うことになります。特にトラブルが発生した際には、「ルールに従って適正に実験が行われたのか」や「被験者が同意していたのか」が争点となりがちです。
署名のある実験同意書があれば、被験者からの同意があったことを客観的に証明でき、仮に訴訟が発生した場合でも証拠として活用することが可能です。
実験同意書のひな形・例文
所属する機関に実験同意書のフォーマットが既にある場合はそれを活用すれば問題ありませんが、ない場合は一から作成する必要があります。当サイトではすぐに使える実験同意書のひな形を用意していますので、ぜひ活用してください。
実験同意書に記載すべき内容や書き方
ここからは、実験同意書に最低限盛り込むべき項目・内容について紹介します。上記でご紹介したひな形を参考にしながら読み進められることをおすすめします。
表題
まずは、どのような書類かが一目で分かるように表題を付けます。本文よりも大きなフォントで「実験同意書」と記載してください。
宛先
表題の下に、同意書の宛先を記載します。例えば「〇〇大学〇〇学部〇〇学科 教授 〇〇 〇〇 様」のように、機関・会社名、学部・学科・部門の名称、担当者の氏名を記入します。
前文
被験者が、実験同意書に記載された内容について説明を受けたうえで実験に協力する旨を記載します。「〇〇に関する実験(以下「本実験」といいます)」と記載し、「本実験」と置き換えることで、ひな形の再利用がしやすく、スマートな文面になります。
実験の内容
実験の目的、方法、被験者が実験に参加する期間を、簡潔かつ具体的に記載します。詳細な内容については、口頭で説明してください。
同意事項
実験に関する取り決めを記載します。実験への協力が自由意志であることや、実験データの取り扱いや管理方法に関するルールなどを盛り込み、「○○に同意します」という形で記載します。
また、実験実施時には共同研究者と実験データを共有する場合もありますので、「実験データは、個人が特定されない形で第三者に提供されることがあることに同意します」と記載しておくことで、データのスムーズな共有が可能となります。
実験同意書の作成日
「 年 月 日」というように被験者が同意書に署名押印した日付を記入する欄を設けましょう。
署名欄
最後に、被験者の住所と氏名を記入し、押印する欄を設けます。ここに被験者が署名・押印することで、実験への協力に合意したと見なされます。
実験同意書を作成する際の注意点
実験同意書を作成する際、または被験者に締結してもらう際は、以下の点にも注意してください。
実験の内容や取り決めに関する補足資料を用意する
実験の内容や目的が不明確だと、被験者は同意するかどうか判断に迷ってしまいます。
同意書とともに、必要に応じて実験計画書や説明文書、所属機関が発行している実験に関するガイドラインなどを提示してください。これらの資料を用いて説明し、実験への理解を深めてもらうことで、協力を得やすくなります。
可能な限り押印してもらう
同意書への押印は必須ではなく、署名のみでも同意と見なされます。極端な例では、口頭での合意も成立します。
しかし、押印があることで「本人の印鑑が押されているため、本人の意思によって捺印されたと推定される」「押印された契約書は、真正に成立したと推定される」という二段階の推定が成立し、証拠能力が高まります。
可能な限り押印をお願いすることが望ましいです。
実験同意書の保管年数や保管方法
実験同意書は、被験者が実験に合意したという証拠となるため、一定期間保管しておく必要があります。
例えば、厚生労働省は「臨床研究に関する記録の保管期間は、研究終了後5年間」とガイドラインで定めています。他にも、所属機関や学会のルールにより、研究終了後または論文発表後から一定期間、実験同意書の保管が義務付けられているのが一般的です。
同意書は、原本を紙のまま保管するか、スキャンして電子データとして保管する方法があります。保管方法についても、法令やガイドライン、規則に従ってください。
参考:人を対象とする生命科学・医学系研究に関する 倫理指針 ガイダンス|厚生労働省
実験同意書の電子化は可能?
実験同意書は紙の書面に限らず、Web上で締結する電子同意書も利用可能です。WordやExcelで作成した同意書ファイルに署名・押印してもらう方法や、電子契約システムを利用して同意してもらう方法があります。
ただし、同意書を電子化する場合、当事者が署名・押印したかどうか、いつ同意が形成されたのかが確認できる状態にしておくことが重要です。電子契約システムを用いると、タイムスタンプが付与され、本人確認と改ざん防止の両面で高い信頼性が確保できます。
実験を実施する前にはしっかりと同意を形成しておこう
実験を実施して研究を成功させるためには、被験者の協力が必要不可欠です。しかし、中には不安を感じる方もいらっしゃいます。実験の内容や注意点、取り決めを十分に説明したうえで、同意書をもって同意を形成しておくことが大切です。
さらに、同意書を電子化することで、締結手続きや書類管理の手間を削減することができます。これから実験同意書を締結する機会がある方は、電子化もぜひご検討ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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