- 作成日 : 2024年12月25日
インタビュー同意書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
インタビュー同意書は、インタビューを受ける人が作成し、インタビューを行う事業者に対して提出する同意書です。事業者は、インタビューに関する注意点を明記した同意書を準備しておきましょう。本記事では、インタビュー同意書の書き方や注意点などを、文言の具体例を示しながら解説します。
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目次
インタビュー同意書とは
インタビュー同意書は、インタビューを受けることに同意する旨や、インタビューに関する確認事項や目的などを記載した書面です。インタビューを受ける人が必要事項を記入し、インタビューを行う事業者に提出します。
インタビュー同意書の取得は必須ではありませんが、インタビューを受ける人とのトラブルをできる限り避けるため、事業者としては同意書を取得することが望ましいです。
インタビュー同意書を作成するケース
インタビュー同意書は、事業者がインタビューを行う際に、インタビューを受ける側に交付したうえで、作成および提出してもらいます。インタビューの目的や内容を問わず、インタビューを行う際にはできる限り同意書を提出してもらいましょう。
インタビュー同意書のひな形
インタビュー同意書のひな形は、以下のページからダウンロードできます。実際にインタビュー同意書を作成する際の参考としてください。
※ひな形の文例と本記事で紹介する文例は、異なる場合があります。
インタビュー同意書に記載すべき内容
インタビュー同意書には、主に以下の項目を記載します。
- インタビューに同意する旨
- プライバシーへの配慮など
- インタビューの目的
- インタビューの使用などに関する裁量
- 知的財産権の不行使
- 免責事項
インタビューに同意する旨
私は、以下の説明事項の説明を受け納得したうえで、インタビューを受けることに同意します。
インタビューを受けることに同意する旨を明記します。また、同意書に記載されている説明事項についても、事業者側から説明を受けて納得している旨を明記しておきましょう。
プライバシーへの配慮など
1.株式会社〇〇(以下「当社」といいます。)は、インタビュー回答者のプライバシーについて、十分配慮します。
2.当社によるインタビューの録音は、お断りいただくことが可能です。
インタビューを受ける人に安心してもらうため、プライバシーに十分配慮する旨を記載しておくとよいでしょう。
録音については、拒否する選択肢を与えた方が、インタビューを受ける人の安心感に繋がります。このとき、拒否された場合に備えて、録音がなくてもインタビューを利用したコンテンツ作成ができる体制を整えておきましょう。
インタビューの目的
3.当社によるインタビューは、〇〇の目的で使用するものとし、その他の目的には使用しません。
インタビューの目的を明示します。作成するコンテンツの種類や内容、掲載先などを明記しましょう。目的外での使用はしない旨を明記しておけば、インタビューを受ける人の安心感は高まります。
インタビューの使用などに関する裁量
4.インタビューは、当社の判断で使用されない場合がございます。また、インタビューに基づいて作成された画像、動画、文書その他のコンテンツは、当社の判断で予告なく削除する場合がございます。
インタビューの内容は、コンテンツ制作の都合によっては使用しないことも想定されます。事業者側に裁量権があることを明確化するため、インタビューが使用されないこともある旨を明示しましょう。
また、インタビューに基づいて制作されたコンテンツが一旦公開された後でも、事業者側の判断によって削除することがある旨も明記しておきましょう。
知的財産権の不行使
5.インタビューに関する画像、動画、文書その他のコンテンツについて、当社に対し、著作権、著作者人格権、肖像権その他一切の権利を行使しないことをお約束いただきます。
インタビューで話した内容や、その内容を基にして制作されたコンテンツについては、インタビューを受けた側に知的財産権が発生することもあり得ます。
しかし、実際に知的財産権を行使されると、事業者側としては予期せぬトラブルに巻き込まれかねません。インタビューに関するトラブルをできる限り防ぐため、知的財産権などの権利を行使しないことに同意してもらいましょう。
免責事項
6.インタビューを受けたことに起因して何らかの損害が発生した場合でも、当社に故意または重大な過失がある場合を除き、当社は一切責任を負いません。
インタビューの様子や内容が公開されると、それを見た人から誹謗中傷を受けるなど、インタビューを受けた人が何らかの損害を被るケースがあります。事業者がインタビューに起因する損害を補償することは現実的でないので、上記のような免責事項を同意書に明記しましょう。
インタビュー同意書の様式を作成する際の注意点
インタビュー同意書を提出してもらうことには、主に以下の目的があります。
- インタビューを受けることに同意している旨を明確化する
- インタビューを受ける側に安心してもらう
- 事業者側の免責事項を明確化する
インタビュー同意書を作成する際には、上記の目的が達成できるかどうかの観点を念頭に置くことが大切です。本記事で紹介した文言を参考にして、インタビューの目的や内容に適した同意書を作成しましょう。
インタビュー同意書に関するQ&A
インタビュー同意書について、よくある質問と回答をまとめました。
- インタビュー同意書を取得しないと、インタビュー内容は利用できない?
- 録音や録画をするなら、関係者のみが閲覧する場合も同意書が必要?
- 街頭インタビュー実施時にインタビュー同意書は必須?
インタビュー同意書を取得しないと、インタビュー内容は利用できない?
インタビュー同意書を提出してもらうことは、法律上必須というわけではありません。
そのため、同意書を提出してもらわなくてもインタビューはできます。また、本人が同意していれば、インタビューの内容を公開することや、インタビューを基にしてコンテンツを制作することも可能です。
ただし、インタビューを受ける人とのトラブルを防ぐ観点から考えると、同意書を提出してもらうことが望ましいでしょう。後から「同意していなかった」などと主張されても、同意書があれば、インタビューの当時において同意があったことを証明できます。
録音や録画をするなら、関係者のみが閲覧する場合も同意書が必要?
録音や録画のデータを公開しない場合は、損害賠償責任が認められる可能性は低く、認められたとしても少額にとどまるでしょう。
しかし、インタビューを受ける側とのトラブルのリスクをできる限り防ぐため、公開の予定があるかどうかにかかわらず、録音や録画をする際には同意書を取得しておくべきです。
街頭インタビュー実施時にインタビュー同意書は必須?
街頭インタビューを行う際も、インタビューを受ける側とのトラブルを防ぐためには、同意書を提出してもらった方がよいでしょう。
特に、インタビューの内容をテレビで放映するなど公開する予定がある場合には、インタビューを受けた人との間でトラブルが生じるリスクが高いと考えられます。屋内でのインタビューにも増して注意深い対応が求められますので、インタビュー同意書を確実に準備しておきましょう。
インタビュー同意書は、トラブル予防の観点から重要です
インタビューを行うにあたって、同意書を提出してもらうことは、法律上必須ではありません。しかし、インタビューを受ける側とのトラブルを防ぐ観点からみると、同意書を提出してもらうことは非常に重要です。
インタビュー同意書には、同意を明確化すること、受け手に安心してもらうこと、インタビューを行う側の免責事項を明確化することなどの目的があります。これらの目的を念頭に置きながら、インタビュー同意書の記載事項を検討しましょう。
インタビュー同意書は、インタビューの内容やシチュエーションなどを問わず重要なものです。屋内でのインタビューでも街頭インタビューでも、同意書を確実に準備しておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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