- 作成日 : 2024年12月3日
eKYCとは?オンライン本人確認の仕組みや方式、メリットなどを簡単に解説
eKYCは、オンラインで本人確認を行うための技術です。eKYCを利用することで、本人確認のスピードを大幅に向上させられます。また、書類を郵送したり、窓口に足を運んだりといった手間を減らすこともでき、必要なサービスをすぐに利用可能です。
この記事では、eKYCの基本、オンラインによる本人確認の仕組みやメリットを解説します。
目次
eKYCとはオンラインで本人確認を行う技術のこと
eKYCは、オンラインで本人確認を行うことで、手続きのスピードを飛躍的に向上させることができる技術です。eKYCは「electronic Know Your Customer」の略語であり、「イー・ケー・ワイ・シー」と読みます。また、eKYCは「オンライン本人確認」や「デジタル認証」と呼ばれることもあります。
従来、本人確認といえば、窓口での対面確認や郵送による確認が一般的でした。しかし、近年では、オンラインで本人確認を行う方法が数多く採用されています。
オンラインによる本人確認にはeKYCという技術を利用しており、スマートフォンで本人確認書類と顔写真を登録することで、簡単に手続きを済ませられます。eKYCによる本人確認では、写真を撮って書類に貼付したり、窓口に書類を持参したりする必要がないため、サービスを早く利用開始したい人にとって、大変便利な方法です。
eKYCとKYCの違い
eKYCと似た用語に、KYCがあります。KYCは「Know Your Customer」の略語で本人確認手続きを指します。
本人確認は、金融機関の口座開設やローンの申し込みの際などに必要で、従来は対面や郵送により行われることが一般的でした。しかし、近年では、オンラインで本人確認を行う方法が普及してきており、KYCの頭に「electronic(電子)」という単語を追加して、eKYCと呼ばれています。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
「送信料0円」の電子契約が選ばれる理由
多くの電子契約サービスは送信料がかりますが、近年では「送信料0円」の電子契約サービスへの乗り換え・新規導入が多くなっています。
送信料0円の電子契約サービス導入のメリット・デメリットをまとめていますので、ぜひご活用ください。
導入で失敗したくない人必見!電子契約はじめ方ガイド
電子契約のキホンからサービス導入の流れまで、図解やシミュレーションを使いながらわかりやすく解説しています。
社内向けに導入効果を説明する方法や、取引先向けの案内文など、実務で参考になる情報もギュッと詰まった1冊です。
電子契約サービス比較マニュアル
日本には多数の電子署名・電子契約サービスがありますが、各サービスを比較する中で「ここだけは事前に確認しておくべき」と考えるポイントを5つまとめました。
電子署名・電子契約サービスが、そのポイントを満たしているかどうかを確認するのに、ぜひお役立ていただければ幸いです。
電子契約導入後のよくある悩み3選
電子契約サービスの導入後に発生しがちな、3つの「新しい課題」をまとめた資料です。
電子契約の導入を検討中の方はもちろん、電子契約を導入した後に課題を感じている方にもご活用いただけます。
eKYCによる本人確認の仕組み
eKYCでは、本人確認書類と本人の容貌を画像で送信することで本人確認を行います。
なぜ、画像の送信だけで本人確認ができるのでしょうか。以下に、オンラインで本人確認が完了する仕組みを簡単に説明します。
身元確認
本人確認は、「身元確認」と「当人認証」という2つの要素から成り立っています。
上記のうち、身元確認は、利用者が間違いなく本人であることを確認するものです。具体的には、氏名・住所・生年月日など、本人を特定する事項が記載された証明書(マイナンバーカード、免許証、パスポート、健康保険証など)を提示してもらうことによって、利用者が実在することを確認します。
また、提示された本人確認書類が本物であることや、本人確認書類と申請内容を照合してなりすましがないことを確認します。
当人認証
当人認証は、利用者が事前に登録申請した本人であることを確認するものです。
身元確認で示した証明書の人物が、利用者本人であると証明することによって認証されます。
当人認証の方法の1つに、身分証の顔写真と利用者の顔を比較することで本人であることを特定する「生体認証」があり、eKYCではこの認証技術を利用しています。
その他の当人認証の方法として、「知識認証」があります。例えば、会員登録が必要なWebサイトにログインする際に求められる、ID・パスワードなどがこれに該当します。
eKYCによる本人確認の方式
本人確認には、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」によってさまざまな方法が認められています。以下では特に、eKYCによる本人確認の方式を紹介します。
なお、「ホ方式」や「ヘ方式」などと呼ばれているのは、同法施行規則六条1項1号に記載されている方式の表記記号です。
ホ方式
事業者が指定するソフトウェアを利用して、写真付きの本人確認書類と本人の顔画像を撮影し、送信する方法です。
なお、この方法では、スマートフォンのカメラアプリを使用しないことに注意が必要です。
また、本人確認書類と本人の容貌を別々に撮影する方法や、本人が運転免許証など本人確認書類を手にした状態で撮影する方法もあります。
ホ方式は、スマートフォンのみで本人確認が完結でき、手間がかからないため、幅広い業種で導入が進んでいます。
ヘ方式
事業者が指定するソフトウェアを利用して、本人確認書類に含まれるICチップの情報と本人の容貌画像を撮影し、送信する方法です。
この方法では、マイナンバーカードや運転免許証などのICチップ付き証明書が必要となります。また、スマートフォンの場合、ICチップ情報の読み取りは、専用のアプリによって行い、パソコンのブラウザではカードリーダーによって行います。
ヘ方式は、本人確認手段であるマイナンバーカードが急速に普及していることもあり、近年、利用が増加しています。
ト(1)方式
事業者が指定するソフトウェアを利用して、写真付きの本人確認書類の画像または本人確認書類内のICチップの情報を送信したあと、事業者から銀行やクレジットカード会社に対して本人特定事項を照会する方法です。
この方式に対応する金融機関は増加傾向にあるため、今後はより活発に利用されると見込まれます。
ワ方式
マイナンバーカードのICチップに記録された署名用電子証明書と、電子証明書を取得する際に設定した暗証番号を使用して本人確認を完了する方式です。
ただし、ICチップの読み取りができるスマートフォンが必要であることに注意が必要です。利用者は、マイナンバーカードをスマートフォンにかざしてICチップ内の情報を読み取ります。
ワ方式は、政府がマイナンバーカードの普及促進を推進していることもあり、将来性の高い方法として期待されています。
eKYCによる本人確認のメリット
本人確認がオンラインで行われることで、従来の物理的な制約から解放され、さまざまなメリットを享受できます。
本人確認にかかる時間を削減できる
eKYCによる本人確認の最大のメリットは、時間をかけずに本人確認を完了できることです。
従来の方法では、本人確認の手続きが完了してサービスが開始するまでに数週間かかることもありました。
これに対し、eKYCによる本人確認では、即日でサービスを利用できることもあります。必要なサービスをすぐに利用したい人にとって、大変便利な方法であるといえるでしょう。
本人確認書類の郵送コストを削減できる
eKYCによる本人確認では、郵送にかかる手間や費用をかけずに本人確認ができます。
従来、本人確認は、窓口での対面による確認や郵送による確認などによって行われていました。
しかし、eKYCではスマートフォンで本人確認書類と顔写真を登録するだけで、簡単に本人確認を完了させられるようになりました。そのため、写真を撮って書類に貼りつけたり、窓口に持って行ったりする手間もなく、物理的な手間を減らせます。
なりすましによる不正な利用を防ぐことができる
eKYCでは、その場で写真を撮影したことが確認できる仕組みによって、不正やなりすましを防いでいます。また、本人確認書類の確認やスマートフォンによる容貌との一致確認によっても、不正な利用を防止しています。
eKYCによる本人確認の問題点
eKYCによって本人確認を行う場合、スマートフォンの操作などの点で問題もあります。以下ではeKYCの主な問題点を説明します。
eKYCに対応したアプリのインストールが必要
eKYCによる本人確認では、事業者が指定するソフトウェアを利用して、本人確認書類などを送信する必要があります。
そのため、スマートフォンに専用のアプリをインストールしなければなりません。アプリには、推奨されている機種や動作環境があるため、対応していない機種や動作環境では利用できないことに注意が必要です。
本人確認のための写真撮影が必要
eKYCは時間や場所を選ばずに本人確認ができることはメリットですが、本人確認にあたっては、自分自身でスマートフォンを操作する手間が生じます。
スマートフォンやカメラでの撮影に不慣れな人には、写真撮影が難しいと感じることもあるでしょう。また、撮影した画像がぼやけていたり光量・角度に問題があったりすると、うまく認識できないことがあり、本人確認に時間を要する場合があります。
情報漏えいや誤判定の危険性がある
eKYCでは氏名や住所、顔写真などの個人情報を扱うため、事業者側の情報管理能力の不足やサイバー攻撃などによって漏えいする危険があります。
また、本人ではない人が認証を突破してしまったり、逆に、本人にもかかわらずしっかりと認証されない誤判定が発生したりするリスクもあります。
eKYCによる本人確認サービスの比較
eKYCによる本人確認には、さまざまな事業者によるサービスがあります。そこで、以下では、代表的な本人確認サービスを紹介します。
LIQUID eKYC
AIを利用することで、本人確認業務を自動化するサービスです。申請者に関する情報と本人確認書類の照合、取り扱いに配慮が必要な個人情報のマスキング処理を自動で行うことで、本人確認業務を無人化します。
直感的でわかりやすいUIやAI技術を活用したきめ細かなエラーメッセージによって、本人確認時の離脱率を低く抑えています。
TRUSTDOCK
金融機関から一般事業者まで、あらゆる事業での本人確認業務に関するサービスを提供しています。
システムによるチェックと専門センターでの目視確認を連携させることにより、高精度で迅速な本人確認を可能にしています。
Digital KYC
NECの顔認証エンジンにより、顔写真付き本人確認書類の画像とスマートフォンなどのカメラを用いて撮影した容貌を照合することで、信頼性の高いサービスを提供しています。
GMO顔認証eKYC
APIを提供することで、導入側での開発コストを抑え、スムーズな導入を行うことができます。また、初期導入費用がかからないため、導入に伴うコストを軽減することが可能です。
eKYCによる本人確認はメリットが大きい
eKYCは、オンライン上で本人確認を完了するための技術です。eKYCを利用することで、本人確認のスピードを飛躍的に向上させることができます。また、スマートフォンで本人確認書類と顔写真を登録することで、簡単に手続きを完了させられるため、ユーザーとしても必要なサービスをすぐに利用できるメリットがあります。
eKYCの利用には、スマートフォンへのアプリのインストールや、写真撮影が必要となるなど、若干の手間はあるものの、メリットの方がはるかに大きいといえるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
電子契約の同意書や事前承諾書が必要な書類は?作り方やひな形を紹介
電子契約の導入により、多くのビジネス契約書が電子的に締結できるようになりました。ただし下請事業者や消費者保護の観点から、一部の契約では電子化に関する事前承諾が法的に求められています…
詳しくみる整体免責事項同意書とは?効力や書き方・例文(無料テンプレートあり)
整体免責事項同意書とは、施術前に利用者の同意を得るための書類です。施術内容やリスク、注意点を明確に伝え利用者の理解と同意を得ることで後々のトラブルを防ぐ役割を果たします。 本記事で…
詳しくみる英文契約書のリーガルチェックガイド|弁護士に依頼する費用や流れなどを徹底解説
海外企業との取引で不可欠となる英文契約書。安易にサインをしてしまうと、予期せぬトラブルや多大な損失に繋がる危険が潜んでいます。日本の商習慣が通用しない国際取引では、自社を守るために…
詳しくみる電子文書とは?電子化文書の比較とメリット、注意点を解説!
ペーパーレス化が推進され、「電子文書」に加え「電子化文書」の利用も進んでいます。これらはよく似ていますが、正しく文書を管理するためにはそれぞれの意味を正しく理解しておく必要がありま…
詳しくみる電子契約は訂正できる?訂正方法や覚書の書き方を解説
電子契約の導入が進む現代において、締結後の契約内容の誤りや変更の必要性は誰にでも起こり得る問題です。紙の契約書とは異なり、電子契約には特有の訂正ルールが存在します。 この記事では、…
詳しくみるクラウド型の契約書管理システムのおすすめは?メリット、デメリットや比較ポイントを解説
契約書管理をクラウド上で行うと、法改正に自動で対応できる、管理コストを抑えられる、リモートアクセスができるなどのメリットがあります。料金体系・操作性・機能・サポート・セキュリティな…
詳しくみる

