- 作成日 : 2024年9月3日
交通事故の示談書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
交通事故の示談書は、事故の解決方法についての合意を証明する書類です。事故の内容や賠償額、その支払方法などが記載され、これが作成されていることによって当事者間のトラブルを未然に防ぐことができます。
当記事では示談書の作成方法について、ひな形を用いて具体例を示しながら解説していきます。作成を検討している方、示談交渉中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
交通事故の示談書とは
交通事故の示談書とは、交通事故の当事者間で、事故に関する賠償について合意した内容を記した書面です。
ここには交通事故の発生日時や場所、当事者の情報、過失割合、損害賠償額、支払方法、支払期限、今後の請求権放棄など、示談に関する詳細な情報が記載されます。
示談が成立すると、当事者間で合意した内容に基づいて解決が図られ、原則として、その後は互いに追加の請求や請求内容の変更はできなくなります。
いったん成立した内容を覆すことは困難であることから示談書作成には慎重に取り掛かるべきであり、不明点や疑問点があれば専門家に相談するようにしてください。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い45個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
実際の契約に合わせてカスタマイズしていただきながら、ご利用くださいませ。
【弁護士監修】チェックリスト付き 改正下請法 1から簡単解説ガイド
下請法の改正内容を基礎からわかりやすく解説した「改正下請法 1から簡単解説ガイド」をご用意しました。
本資料では、2025年改正の背景や主要ポイントを、弁護士監修のもと図解や具体例を交えて解説しています。さらに、委託事業者・受託事業者それぞれのチェックリストを収録しており、実務対応の抜け漏れを防ぐことができます。
2026年1月の施行に向けて、社内説明や取引先対応の準備に役立つ情報がギュッと詰まった1冊です。
弁護士監修で分かりやすい! 契約書の作り方・書き方の教科書
弁護士の南陽輔氏(一歩法律事務所所属)が監修している「契約書の作り方・書き方の教科書」ガイドです。
契約書作成の基本知識、作成の流れ・記載項目、作成時の注意点・論点が、分かりやすくまとまっています。手元に置ける保存版としてぜひご活用ください。
自社の利益を守るための16項目 契約書レビューのチェックポイント
契約書レビューでチェックするべきポイントをまとめた資料を無料で提供しています。
契約書のレビューを行う企業法務担当者や中小企業経営者の方にもご活用いただけます。
交通事故の示談書を作成するケース
交通事故が起きて「お金のやり取りや責任の所在などを明確にするべき場合」において示談書を作成します。口頭での合意も可能ですが、後日のトラブルを避けるため、示談内容は通常書面に残しておきます。
とはいえ実際のところ、加害者側が加入している保険会社が示談交渉を行い、示談書を作成・送付します。そのため、当事者自身が示談書を作成する機会は多くありません。
しかし、加害者が任意保険に加入していない、あるいは被害者が保険会社の提示額に納得できないなどの理由で、当事者間で直接交渉を行うケースも存在します。このような場合には、当事者自身で示談書を作成するか、または弁護士などの専門家に依頼して作成します。
示談書の作成主体はケースバイケースですが、基本的には支払義務を負う加害者側が作成することが多いでしょう。被害者側が作成することも可能ですが、法的知識が必要となるため、専門家に相談しながら進めることが望ましいでしょう。
交通事故の示談書のひな形
交通事故の示談書を作成するのは簡単な作業ではありません。そのため通常は弁護士に依頼することになりますが、複雑な事案でなければひな形を使って作成することもできます。
こちらのページからダウンロードできますので一度ご確認いただければと思います。
※死亡事故に関するテンプレートはこちら。
もちろん、そのまま使えるものではないので適宜書き換えが必要となりますが、0から作成するより効率的に、ミスなく作成しやすくなるでしょう。
交通事故の示談書に記載すべき内容
上記のページからダウンロードできるひな形を参照しながら、示談書に記載すべき内容を紹介していきます。
| 交通事故の示談書に記載する基本事項 | |
|---|---|
| 交通事故の特定 |
|
| 示談金の額と内訳 |
|
| 示談金の支払い方法と遅延損害金 |
|
| 清算条項 |
|
| 作成年月日と当事者の特定 |
|
なお、ここで紹介したのはごくシンプルな事案で使える示談書です。あらゆるトラブルに対処できるものではないので、不安のある方は一度作成した示談書の内容を弁護士にチェックしてもらいましょう。
交通事故の示談書を作成する際の注意点
示談書の作成にあたっては、被害者側と加害者側、それぞれが注意すべき点があります。特に大事なポイントをピックアップしましたのでご確認ください。
被害者側の場合
交通事故被害者の方は、安易に示談に応じることなく、以下の点に注意して示談書作成に臨みましょう。
- 損害が確定してから作成する
→ 治療費や休業損害の大きさなど、治療期間が終わらないと具体的な額が判定できないものも多い。損害が確定する前に示談書を作成してしまうと十分な賠償を受けられない可能性があるため注意。 - 示談金の詳細・内訳を確認する
→ 示談金全体の額だけでなく、治療費や慰謝料、休業損害などの内訳までチェックし、計算に誤りがないか確認すべき。 - 後遺障害の可能性を考慮する
→ 後遺障害が残るときは後遺障害慰謝料や逸失利益などの請求もできる。後々後遺障害の存在が発覚した場合に備えて示談書でも将来的な請求を留保する条項を盛り込むか、後遺障害の等級が確定してから示談交渉を行う。
適正な賠償を受けるため、上記の注意点を踏まえて後悔のないように示談書作成を行いましょう。
加害者側の場合
加害者側にとっては示談書の作成が責任の範囲を確定させる重大な行為となります。任意保険に加入していれば作成作業には関与しませんが、もし直接作成に関わるのであれば以下の点に注意して慎重に進めるようにしてください。
- 示談金の支払方法の見極め
→ 保険未加入の場合、一括で支払えないときは分割払いに応じてもらえないか交渉し、無理のない支払計画を立てることが大事。 - 清算条項を設けること
→ 「○○の分を請求できていなかった」などと追加で請求を受けるリスクを排除するため、ここに記載されたもの以外に債務が存在しないことを明記しておく。 - 誠意ある対応を心がける
→ 紛争を長期化させず穏便に終わらせるためにも、被害者との対応には配慮が必要。誠意ある対応を心がけ、被害者の心情に配慮しながら交渉を進める。
交通事故の示談書はいつ届く?
治療期間が終わらないと損害額が明らかにならないため、「治療が終わってから」示談交渉が始まります。
そして示談が成立してからでなければ示談書は作成できないので、「示談が成立してから」示談書が作成されます。
ここまでの期間としてトータル数か月かかることもあれば半年以上、場合によっては1年以上かかることもあります。特に長い期間を要するのは後遺障害を負った場合です。症状固定までに最低でも半年ほどはかかりますし、そこから後遺障害等級の認定手続などが必要となります。一方で物損事故であれば治療期間が発生しないため比較的早い時期に示談書のやり取りが行われるでしょう。
示談書と免責証書の違い
示談書に代わって「免責証書」「承諾書」と呼ばれる書類を取り交わすケースもあります。これは示談書の一種であり、示談書を簡略化したものと説明することができます。
示談書だと、契約書のように双方が署名捺印して合意を証しますが、免責証書では被害者側のみが署名捺印します。過失割合が一方にしか存在しない場合など、争いの少ない事案で用いられることが多く、これによって効率的に和解を目指すことができるのです。
ただし効力自体は示談書と変わりありませんので、もしこれを受け取ったときは、示談書同様に安易にサインしないよう注意してください。
公正証書を作成したほうがよいケース
示談書の作成で、示談金の支払いについての約束が確立されますが、支払いが保証されるわけではありません。そこで次のようなケースでは公正証書として示談書を作成しておきましょう。
- 加害者が任意保険に加入していない
- 示談金が長期分割で支払われる
- 示談金が高額
- 加害者側の態度に不信感がある
「もし約束通りの支払いをしなければ強制執行を受け入れます」との記載を盛り込んで公正証書を作成しておけば、万が一支払いが滞ってしまっても、相手方の財産を差し押さえて強制的に金銭を回収できます。そのため上記のようなリスクが大きいと思われるケースでは公正証書を作成しておくことも検討しましょう。
交通事故の示談書作成・サインは慎重に
交通事故の示談書は、示談を目指すうえでは作成が欠かせない重要な文書です。保険会社が作成してくれるケースがほとんどですが、もし当事者自身で作成することになればここで説明した内容を踏まえ、ひな形も参考にしながら作成を進めていくとよいでしょう。
相手側から示談書を受け取った場合も、安易にサインすることなく、内容をよく精査してから署名捺印を行うようにしてください。その際は弁護士も活用することが推奨されます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
従業員の引き抜きを防止する誓約書とは?書き方・例文を紹介(テンプレート付)
退職者による従業員の引き抜きを防止するためには、誓約書の作成が有効です。なぜこれが有効なのか、どのようなケースで作成するとよいのかをここで解説しています。また、書き方のポイントに関しても具体例とともに紹介していますので、引き抜き防止策を講じ…
詳しくみる組合契約書とは?ひな形をもとに必要項目や書き方について解説
組合契約書とは、組合員が出資して事業を行う際に作成する契約書のことです。たとえば、共同で店舗を運営するときや投資事業などを行うときに作成します。組合契約書の必要項目や書き方、組合契約の種類についてまとめました。また、無料でダウンロードできる…
詳しくみるシステム開発契約書とは?契約の種類や注意点を解説
一般的に、ソフトウェアやクラウドシステムの設計・構築を行うシステム開発を請け負う際には契約書を交わします。開発するシステムの内容や納品、報酬の支払いについて明記しておくことで、後のトラブルを防ぎやすくなります。 今回はシステム開発契約におけ…
詳しくみる寄託契約書とは?雛形をもとに記載事項など解説
自社の商品を物流会社に預かってもらう、仕事で使う資材を社外などの倉庫で預かってもらう、知人に自分の荷物を預かってもらうなど、何らかの物を第三者に預かってもらうことを「寄託」といいます。 今回は寄託する、あるいは寄託を請ける際に締結する「寄託…
詳しくみる総代理店取引契約書とは?ひな形をもとに記載項目やレビューポイントを解説
総代理店取引契約書とは、あるメーカーの製品をメーカーの代わりに独占的に販売できる権利をもつ「総代理店」の契約を締結する際の書面です。 本記事では、総代理店取引契約書のひな形や記載事項、レビューの際に注意したいポイントについて解説します。総代…
詳しくみる契約自由の原則とは?4つの自由や例外について簡単に解説
「契約自由の原則」は、個人が契約を結ぶ際、国家など他者からの干渉を受けず、自分の意思で自由に行えるとする基本原則です。私たちが結ぶさまざまな契約の根底には、契約自由の原則が適用されています。 本記事では、契約自由の原則について、定義や具体例…
詳しくみる



