• 更新日 : 2022年10月17日

フリーランスは青色申告がおすすめ!メリット・やり方・経費についても解説!

フリーランスは青色申告がおすすめ!メリット・やり方・経費についても解説!

会社から独立してフリーランス(個人事業主)となった場合、毎年確定申告書を提出する必要が生じます。そこで悩むのが「青色申告」「白色申告」のどちらを選択すればよいのかです。

青色申告と白色申告にはどのような特徴があるのでしょうか。税金の節税などのメリット、帳簿の付けやすさなど、さまざまな方向から確認していきます。また、「開業届」の必要性にも触れますのでぜひ参考にしてください。

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フリーランスの確定申告は青色申告?白色申告?

青色申告とは何かを解説する前にフリーランスの税金について確認しておきましょう。

そもそもフリーランスは確定申告が必要?

そもそもフリーランス・個人事業主は確定申告が必要なのか、疑問に思う方もいるでしょう。その答えは「絶対に必要とはいえない」です。フリーランス・個人事業主で、給与所得などの他の所得がなく、事業所得が48万円以下の場合、確定申告は提出しなくても問題はありません。

とはいえ、所得が48万円以下であっても確定申告を行う場合もあります。そちらについては後述の「青色申告と白色申告の違いは?」でご紹介します。

フリーランス・個人事業主が納める税金とは?

フリーランス・個人事業主が納める税金の種類には次のようなものがあります。

所得税国に支払います
税額は「収入-必要経費-各種控除」で算出された金額(所得額)を元に計算します
住民税都道府県と市区町村に支払います
消費税国に支払います
通常は2期前の課税売上高が1,000万円以上の時に支払います
個人事業税都道府県に支払います
法律で定められた70の職種に対して課税されます
職種ごとに税率が定められています
※70の職種以外には課税されません

青色申告と白色申告の違いは?

確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。どのような違いがあるのかを把握しておきましょう。

 
青色申告
10万円控除
青色申告
65万円控除
白色申告
対象不動産所得、事業所得、山林所得があり、
青色申告の承認を受けた人
青色申告の承認を
受けていない人
事前申請開業届・青色申告承認申請書不要
記帳方法簡易簿記複式簿記簡易的な方法
確定申告時の提出書類貸借対照表は作成の義務はありません)
  • 確定申告書B
  • 青色申告決算書
  • 確定申告書B
必要な帳簿主要簿
補助簿
  • 現金出納帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 固定資産台帳
  • 簡易な記載の帳簿

青色申告を選択し確定申告をすると、事業収入から「10万円」もしくは「65万円」の特別控除が受けられるというメリットがあります。青色申告を選択したい場合は、対象となる年の3月半ばまでに管轄の税務署に青色申告承認申請書を提出する必要があります。ただし、その年の1月16日以降に事業を開始した場合は、事業開始の2カ月以内に申請書を提出してください。

青色申告は白色申告と比べると必要な帳簿が多く、煩雑になりがちですが、簡単に準備ができるクラウド会計システムをあるので、控除が大きい青色申告を目指しましょう。

フリーランスが青色申告を選択するメリットは?

フリーランスが青色申告を選択するメリットについて詳しく解説していきます。

青色申告特別控除がある

先の表でご紹介したように青色申告では「10万円」もしくは「65万円」の特別控除が受けられます。なお、65万円の特別控除の対象となるためには、青色申告承認申請書の提出以外にも「e-Taxによる申告、または電子帳簿保存を行っている」ことが条件となります。この条件を満たさない場合は特別控除額が55万円となりますので気を付けてください。

純損失の繰越控除がある

青色申告では、個人事業主は事業所得で赤字が発生した場合、赤字分を翌年度から3年間繰り越しができます。例えば、今年度が赤字、前年度が黒字だった場合には、今年度の赤字を前年度の黒字で控除することも可能です。

家事関連費や青色事業専従者給与の必要経費算入

自宅で仕事をするフリーランスの方もいるのではないでしょうか。青色申告では水道光熱費等の家事関連費を必要経費に算入することができます。その際は、「事業で〇割、家事で〇割使用」と明確な基準を持って分ける必要があります。

また、青色申告の場合、一定の要件を満たしていれば、親族に対する給与も「青色事業専従者給与」として経費扱いにできます。(※白色申告の場合も事業専従者控除で一定額は控除できます。)

少額減価償却資産の特例

取得価格が10万円以上の固定資産等を取得した際、減価償却をする必要がありますが、青色申告の場合、取得価格30万円未満であれば、取得した年に一括で経費計上が可能です。ただし、年間合計で300万円までです。

貸倒引当金の設定

将来、代金の未回収が起きる可能性もゼロではありません。その際の損失に備えられるのが「貸倒引当金」です。貸倒引当金とは、未回収の恐れがある債権の金額分をその年の所得から減額できるというものです。青色申告では貸倒引当金の設定ができます。なお、未回収金が回収できた場合は、次年度の決算時に貸倒引当金分の戻入処理が行えます。

フリーランスが65万円の青色申告特別控除を受ける方法は?

所得税の青色申告承認申請書の書式は以下の通りです。書き方をご紹介します。

所得税の青色申告承認申請書

  1. 納税地住所を記載します。事務所がある場合は事務所の住所、自宅を仕事場にする場合は自宅住所を記載します。また、納税地住所以外に事務所がある場合は「上記以外の住所地・事業所等」欄に記載します。ない場合は不要です。
  2. 管轄の税務署を確認し、記載します。
  3. 氏名・生年月日を記載します。
  4. 開業届に記入した職業を記載します。
  5. 屋号を記載します。個人名で活動するなどで屋号がない場合は空欄のままで構いません。
  6. 後述の「青色申告承認申請書の提出」を参考に、適用可能年を記入します。なお、開業届と同時に提出する場合は、開業する年を記入してください。
  7. 「本店」と記入します。店舗がある方の場合は店舗名や屋号を記入しても構いません。
  8. 事業で所得を得る方の場合は「事業所得」にチェックします。
  9. 今まで青色申告承認取り消しを受けていない場合は「無」にチェックします。また、開業日が1月16日以降の場合はその日を記載してください。相続による事業継承の有無のチェックも忘れないようにしましょう。
  10. 「複式簿記」「簡易簿記」の選択をします。65万円控除の場合は「複式簿記」です。複式簿記の場合は備付帳簿名の「総勘定元帳」「仕訳帳」「固定資産台帳」「買掛帳」「売掛帳」にチェックを入れてください。

開業届の提出

フリーランス・個人事業主として仕事を始める際は、開業届の提出が必要です。開業届は事業を始めた日から1カ月以内(提出期限が土曜・日曜・祝日に当たる場合は、その日の翌日まで)に提出します。

青色申告承認申請書の提出

青色申告を希望するのであれば、青色申告承認申請書の提出も行います。対象となる年の3月半ばまで(その年の1月16日以降に事業を開始した場合は事業開始の2カ月以内)に管轄の税務署に提出してください。ただ、忘れないようにするためには、できれば開業届と同時に提出することをおすすめします。

フリーランスの青色申告手続き・必要書類の書き方は?

所得税青色申告決算書の書き方も把握しておきましょう。以下は書き方の例です。

所得税青色申告決算書

  1. 年・住所・氏名・業種・屋号(ある場合)を記載します。
  2. 個人事業主は「1月1日~12月31日」と記載します。
  3. ①欄に売上金額を記載します。仕入等があった場合はその金額を「売上原価」欄に記載し、売上金額-売上原価の金額を⑦に書きます。
  4. 経費を記載します。合計金額を㉜に記載し、⑦-㉜の金額を㉝に書きます。
  5. 各種引当金・準備金等がない場合は㊸に㉝の金額を記載、そして㊹に「青色申告特別控除額」の65万円を記載します。(e-Taxによる申告、または電子帳簿保存を行っている場合)㊸-㊹の金額を㊺に記載します。

複式簿記で帳簿付けをする

青色申告で最大65万円の控除を受けるためには、複式簿記で帳簿付けをする必要があります。手書きで記載する場合は簿記の専門的な知識が多少必要です。もし、知識がないという場合は、後ほどご紹介するクラウド会計ソフトの利用を検討しましょう。

所得税の青色申告決算書を作成する

青色申告決算書とは1年間帳簿を付けたものをまとめ、決算書としたものです。青色申告決算書には次の様式があります。

  • 一般用様式
  • 不動産所得用様式
  • 農業所得用様式
  • 現金主義用様式

フリーランス・個人事業主で事業所得を得ているのであれば「一般用様式」を使ってください。

期限までに税務署に提出する

確定申告書類が完成したら期限までに税務署に提出します。提出方法は以下の通りです。

  • 税務署に持参
  • 税務署に郵送
  • e-Taxで送信

65万円の特別控除を受けたいのであれば、e-Taxでの確定申告を行う必要があります。持参や郵送で提出の場合は、特別控除額は55万円となります。

また、確定申告書の提出日についても確認しておいてください。確定申告書の提出日は毎年2月16日~3月15日です(※上記の日付が土曜・日曜・祝日の場合は次の月曜日が期限日となります)。

フリーランスの青色申告で経費にできる項目は?

フリーランス・個人事業主は青色申告で経費の申告ができます。どのような項目を経費にできるのかを見ておきましょう。

フリーランスが経費にできる勘定科目

フリーランスが経費にできる勘定科目をご紹介します。

どの経費をどの勘定科目に振り分けるか、絶対の指定があるわけではない(毎度の振り分けが統一化されていれば良い)ので、あくま参考として紹介します。

勘定科目
備考
租税公課事業のための税金関係事業税、自動車税、印紙税は租税公課として扱えますが、所得税、相続税等は租税公課扱いにはできません。
修繕費事業に使う物品の修理費用事業に使う器具等を修繕する際の費用です。機能をグレードアップする修繕の場合は資産計上し、減価償却すれば経費扱いになります。
荷造運賃貨物運賃等貨物運賃費用以外に、梱包費用(ダンボール・ガムテープなど)も経費扱いにできます。
水道光熱費電気・ガス・水道料金事業に使った事務所の水道光熱費です。自宅が仕事場の場合は、事業で使った分を経費にできます。
保険料自動車保険・火災保険料など事務所の火災保険料、仕事で使う自動車の損害保険料などです。
消耗品費事務用品、ガソリンなど事業に使った消耗品は経費にできます。パソコン等であっても、取得価額が10万円未満のものは消耗品費扱いにできます。
雑費どの科目にも属さない費用引っ越し費用、クリーニング費用など事業収入を得るための支出であれば経費にできます。
法定福利費雇用主として負担した社会保険料など個人事業主が5人以上の従業員を雇った場合に負担した社会保険料です。
給与賃金従業員に支払った給与など従業員(親族以外)に支払った報酬などです。
専従者給与生計を共にしている親族に支払う給与など青色申告事業者登録を行っており、事業に従事する親族がその年の12月31日時点で15歳以上、1年のうち6ヵ月以上事業に専従している場合に認められます。
※事業年度1年未満の場合は2分の1以上の期間
地代家賃事務所などの賃借料(家賃)事業で使う事務所の家賃などです。
自宅が仕事場の場合は、事業に使った割合分の家賃が経費扱いにできます。
外注費外部業者に支払った費用サイト作成や名刺作成などを外部業者に依頼した場合に支払った費用です。
新聞図書費新聞・書籍・雑誌等に関する費用仕事のために購入した書籍等の費用です。
支払手数料銀行の振込手数料、その他、支払った手数料など販売手数料、仲介手数料、代引き手数料も支払手数料に含まれます。
寄附金事業資金から出した寄附金個人事業主が寄附した分は経費にはなりません。ただし、「特定寄附金」の場合は寄附金控除の対象になります。
減価償却費資産の償却費資産計上した固定資産は一定期間で経費処理します。
旅行交通費電車・バスなどの交通費事業のために使った交通費
通信費インターネット料金、電話料金など個人としても利用している場合は、事業で使った割合分の通信費を経費にできます。
広告宣伝費広告・宣伝等にかかった費用、販促にかかった費用直接顧客に会って宣伝を行う場合は「販売促進費」となります。
接待交際費顧客との飲食代、土産代など事業に直結する飲食代等の場合認められます。

按分が必要な経費について

自宅を仕事場にしている場合、水道光熱費や地代家賃を経費として計上できます。しかし、全額を計上するわけではありません。仕事場として利用する面積、利用している時間を計算し、利用している分だけを計上します。

例えば、自宅の面積のうち10%を仕事で使っているのであれば、家賃の10%の金額を経費にできるということです。

クラウド会計ソフトならフリーランスの青色申告も簡単!

ここまで、青色申告のメリット、そして申告書等の書き方についてご紹介しましたが、「仕訳や計算、そして申告書への記入がちょっと面倒」と感じた方も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのがクラウド会計ソフトです。クラウド会計ソフトでは、売上や使った費用、控除項目、金額を入力するだけで申告書類の作成ができます。取引を入力するだけで仕訳の自動作成も可能です。また、銀行やクレジットカードとも連携ができるため、データを取り込むだけで情報の反映も可能です。

今後、フリーランス・個人事業主として仕事を続けるのであれば、早いうちからクラウド会計ソフトの導入をしておくと非常に便利です。

フリーランスは青色申告で受けられるメリットが多い!

フリーランスや個人事業主であっても、白色申告でも構いません。しかし青色申告を選択することで最大65万円の特別控除が受けられます。また、家事関連費の必要経費算入、減価償却の特例など、大きなメリットもあります。

帳簿を付ける必要があるため、少々面倒に感じるかもしれませんが、青色申告で受けられる恩恵はかなり大きいことは事実です。フリーランス・個人事業主になった時点で開業届とともに青色申告承認申請書も提出することをおすすめします。

よくある質問

フリーランスが青色申告を選択するメリットは?

最高65万円の特別控除、純損失の繰越控除、家事関連費や青色事業専従者給与の必要経費算入などのメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

フリーランスが65万円の青色申告特別控除を受ける方法は?

「開業届」「青色申告承認申請書」の提出が必要です。また、「e-Taxによる申告、または電子帳簿保存を行っている」ことも条件です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。

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