• 更新日 : 2025年1月7日

個人事業主のiDeCoの上限額は?節税額やデメリット、小規模企業共済との比較

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2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ

▽提出期限

2025年2月17日(月)~ 2025年3月17日(月)

※上記は2024年/令和6年分の申告を行う期間です(参考記事はこちら

初心者から経験者まで、毎年多く読まれている記事です。確定申告の必要性、やり方、簡単に済ます方法についてまるっと解説しています。

iDeCo(イデコ)とは、自分が毎月支払った掛金を自分で運用して、資産を形成する「個人型確定拠出年金」のことです。iDeCoは個人事業主も加入できますが、毎月の掛金はいくらなのでしょうか。ここでは、個人事業主のiDeCoの上限額や節税額、デメリットや小規模企業共済との比較を解説します。

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iDeCoは個人事業主でも加入できる

iDeCoは個人事業主でも加入できます。iDeCoに加入できる人には「国民年金第1号被保険者」「国民年金第2号被保険者」「国民年金第3号被保険者」「国民年金の任意加入被保険者」の4つの区分があります。

第1号被保険者は個人事業主とその家族、学生などが該当します。第2号被保険者は会社員や公務員などが該当し、第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者が該当します。

個人事業主のiDeCoの上限額は?

個人事業主のiDeCoの上限額は月額6.8万円、年間で81.6万円です。ただし、国民年金基金や国民年金付加保険料の支払いがある場合は、その支払い額と合算した金額で月額6.8万円、年間で81.6万円が上限となります。

また、iDeCoは月々5,000円から1,000円単位で支払額を自由に設定できるため、無理のない金額で始められます。

2024年12月からの上限額の改正について

2024年12月から、iDeCoの掛金上限額が改正されました。しかし、個人事業主は影響を受けません。今回の改正で影響があるのは、企業型DCやDB(確定給付企業年金等)に加入している会社員や公務員です。

2024年12月から、企業型DCやDB(確定給付企業年金等)に加入している会社員や公務員の人は次のように上限額が変わります。

上限額=月額5.5万円-(その月の企業型DCの事業主掛金額+DB等の他制度掛金相当額)

ただし、上限は月額2万円です。

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個人事業主の"経費"、うまく活用できていますか?

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個人事業主のiDeCoは何歳まで加入できる?

個人事業主のiDeCoは原則、60歳まで加入できます。一方、会社員や公務員の場合は原則、65歳まで加入できます。なお、政府では加入年齢を5年間延長することが議論されています。

個人事業主がiDeCoに加入するメリット

個人事業主がiDeCoに加入するメリットには、次のものがあります。

運用の利益が非課税

株や投資信託などの金融商品を運用して利益が出ると、利益に対して税金がかかります。分離課税の対象となるものであれば、利益に対して20.315% (復興特別所得税を含む)の税金が課されます。

しかし、iDeCoは運用の利益が非課税で、さらに再投資がされるため大きな利益を生み出すことが可能です。

掛金分の所得税と住民税が軽減される

iDeCoの掛金は、支払金額の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になります。確定申告の時に所得控除として所得金額から差し引くことができるので、所得税や住民税が軽減されます。

iDeCoの受け取りも税制面で優遇される

iDeCoは原則、60歳から受け取れますが、その際には年金として受け取るか一時金として受け取るのかを選択できます。

年金として受け取る際には「公的年金等控除」、一時金として受け取る際には「退職所得控除」が適用されます。受取金額の全額が税金の対象となるわけではなく、各控除を差し引けるので、納める税金が低くなります。

老後資金が確保できる

個人事業主がiDeCoに加入するメリットとして最も大きいのが、老後資金が確保できるということです。

個人事業主は会社員のように、厚生年金保険に加入しているわけではないので、受け取る年金額は会社員と比べて低くなります。また、退職金もありません。そのため老後の資金を確保するのが難しいです。

iDeCoに加入すると原則、60歳から年金または一時金を受け取れるので、老後資金を確保できます。

個人事業主がiDeCoに加入するデメリット

個人事業主がiDeCoに加入するデメリットには、次のものがあります。

60歳になるまで引き出せない

iDeCoは原則、60歳にならないと掛金や運用益などを引き出せません。これは、iDeCoが老後の資産形成を目的としているためです。60歳になるまでに資金が必要な事態が起きたら、別の資金調達を考えなければならないデメリットがあります。

手数料がかかる

iDeCoでは、新規加入・移換時の手数料(2,829円)や加入者の掛金納付の手数料(掛金納付の都度105円)、銀行の管理手数料などの手数料がかかります。掛金を用意する際には、手数料のことも考えて用意する必要があるので注意してください。

元本割れの運用リスクがある

iDeCoで扱う金融商品は、元本保証がされているものだけではありません。株や投資信託など、元本割れの運用リスクがある金融商品がほとんどです。

大きく元本割れがあった場合は、老後の資金計画が狂う可能性があります。定期的に運用状況を確認し、元本割れがあった場合は、iDeCoの中で運用する金融商品を変更するなどの対策が必要です。

毎月の掛金が負担になる場合も

iDeCoは、決まった掛金を毎月支払います。掛金はあらかじめ自分で設定できますが、あまり大きな金額に設定してしまうと、毎月の掛金が負担になる場合もあるので注意してください。

個人事業主のiDeCoの節税額はどれくらい?

iDeCoには「運用の利益が非課税」「掛金分の所得税と住民税が軽減」「受け取り時の税制面で優遇」の3つの節税効果があります。

ここでは、個人事業主がiDeCoの掛金を支払った場合の所得税と住民税の節税額について、具体的に見ていきましょう。

例)売上から売上原価や経費を差し引いた所得金額400万円で、毎月の掛金が1万円の場合

節税効果を分かりやすくするために、扶養家族はなしとし、基礎控除を含めてiDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)以外の控除もなしとします。

  • iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)の1年間の金額:1万円×12か月=12万円
  • 課税所得金額:400万円-12万円=388万円
    課税所得金額が388万円の場合の税率:所得税20%、住民税:10%
  • 節税額

所得税:iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)12万円×所得税率20%=2.4万円

住民税:iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)12万円×住民税率10%=1.2万円

合計節税額:所得税2.4万円+住民税1.2万円=3.6万円

年間12万円のiDeCoの掛金で、合計3.6万円の節税効果を得ることができます。

個人事業主のiDeCoの受け取り方

個人事業主がiDeCoを受け取る方法には、次の3つがあります。

「一時金」方式

「一時金」方式とは、原則60歳になったら、iDeCoの掛金や運用益を退職金のように一時金として受け取る方式のことです。

一時金方式で受け取るメリットは「退職所得控除」が適用されることです。退職所得控除は節税効果が高く、他の方式に比べて全体の手取り金額は多くなることがあります。また、一時にお金を全額受け取れるので、お店を開くなど新しいことを始める予定がある場合の必要資金に使うこともできます。

デメリットとして、一時にお金を受け取った後に、iDeCoからお金を受け取れないので、計画的に資金を使わないと、老後の生活に影響が出てしまうことが挙げられます。

「年金」方式

「年金」方式とは、原則60歳になったらiDeCoを年金として受け取る方式です。受取期間は5年以上20年以下と決まっており、受取開始時期は75歳になるまでのどの期間で受け取るのかを選ぶことができます。

年金方式で受け取るメリットは「公的年金等控除」が適用されることです。公的年金等控除の適用により節税効果が高まるほか、公的年金等控除内の受取金額にすれば、非課税になります。また、毎年決まった金額を受け取れるので、生活費など家計のやりくりがしやすくなります。

ただし、給料など他の所得がある場合には税金や社会保険料が高くなることもあるので、注意が必要です。

デメリットは、手数料(金融機関により金額が異なる)がかかることです。銀行の管理手数料や、年金を受け取るときの送金手数料が必要となります。年金の受取額や受取回数を設定する際には、手数料のことも考慮にいれましょう。

「一時金+年金」方式

「一時金+年金」方式とは、「一時金」方式一時金と「年金」方式を併用する方法です。例えば、一時金30%、年金70%と自分で割合を決めて受け取ります。

一時金+年金方式で受け取るメリットは、柔軟に資金計画や生活設計を立てられることです。例えば、60歳になって新たな道を進むのに資金がいるものの、年金として毎年決まったお金を受け取りたい場合などは一時金+年金方式がおすすめです。

デメリットは、一時金方式や年金方式と同じです。一時金の割合が大きい場合は、計画的に資金を使わないと、老後の生活に影響が生じることがあります。一方、年金方式の部分については、一定の手数料がかかります。

iDeCoと小規模企業共済との違い

小規模共済とは、小規模な企業の経営者や役員、個人事業主を対象とした退職金制度のことです。毎月決まった額を積み立てることで、事業を辞めた時などに退職金が支払われます。

個人事業主は退職金がないので、小規模共済に加入することで老後の資金を確保することが可能です。小規模企業共済は、掛金が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象になるなど、iDeCoと似ている点もありますが、貸付制度があるなど異なる点もあります。

個人事業主におけるiDeCoと小規模企業共済との違いは、次のとおりです。

iDeCo小規模企業共済
毎月の掛金5,000円~68,000円1,000円~70,000円
運用方法自分で運用国の機関である中小機構が運用
手数料ありなし
元本割れのリスクあり原則なし。ただし掛金の納付月数によっては元本割れの可能性あり
所得控除掛金全額が所得控除の対象掛金全額が所得控除の対象
中途解約不可可能
貸付金制度なしあり

個人事業主はiDeCoと小規模企業共済を併用できるか

iDeCoと小規模企業共済は併用できます。iDeCo、小規模企業共済ともに上限があるため、それぞれの上限を超えて資金を運用したい場合は、iDeCoと小規模企業共済を併用しましょう。併用によって多くの資金を運用できるうえ、老後の資金も多く確保できます。

また、iDeCoと小規模企業共済を併用すると、分散投資が可能になります。iDeCoで多少のマイナスが出ても小規模企業共済でカバーできるので、安心して運用することが可能です。

iDeCoと小規模企業共済の掛金はいずれも所得控除の対象となり、併用すればその分、所得控除の金額が増加し節税効果が高まるメリットがあります。一方、毎月の掛金は併用する分高くなるので、資金繰りには注意が必要です。

iDeCoをうまく活用して、賢く老後の資金を蓄えよう!

iDeCoとは、毎月支払った掛金を自分で運用して資産を形成する年金制度です。もちろん、個人事業主も加入できます。

iDeCoは老後のライフスタイルに応じて、年金としても一時金としても受け取れるため非常に便利です。掛金が全額所得控除になることや、掛金をある程度自由に設定できるなどのメリットもあるので、iDeCoをうまく活用して賢く老後の資金を蓄えましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

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