- 更新日 : 2025年1月7日
個人事業主が運転資金の融資を受けるには?方法や審査に通るコツを解説
2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ
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個人事業主の運転資金融資とは、事業運営に必要な資金を調達するための融資制度です。
融資の種類はさまざまですが、申請条件や融資可能額、審査通過率等が異なります。この記事では、個人事業主が使える運転資金融資先一覧や審査に通るコツについて解説します。
目次
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個人事業主の運転資金の融資先一覧
個人事業主の運転資金融資は、企業運営の補填に使える融資を受けられる制度です。ここでは、個人事業主の運転資金に活用できる融資先一覧をまとめました。
融資先で異なる金利や融資可能額、審査通過率等の基本情報について詳しく解説します。
新規開業資金|日本政策金融公庫
新規開業資金は、日本政策金融公庫が提供している融資制度です。
融資限度額 | 7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
---|---|
利率 | 基準金利 |
返済期間 | 【設備資金】20年以内 【運転資金】10年以内 |
担保・保証人 | 相談可 |
新しく事業を始める創業者向けの融資制度ですが、開業してから7年以内の事業者も利用可能です。融資限度額は最大7,200万円で融資可能額が大きく、担保・保証人が不要な場合もあります。比較的融資を受けやすい制度といえます。
利率は基準金利ですが、一定の要件に該当する場合は「特別利率」が適用されます。特別利率は金利条件が優遇された利率のことで、基準利率より低めに設定されています。
中小企業経営力強化資金|日本政策金融公庫
中小企業経営力強化資金は、必要な設備資金や運転資金の融資が受けられる融資制度です。
融資限度額 | 7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
---|---|
利率 | 【無担保の場合】2.10~3.30 【有担保の場合】1.10~2.80 |
返済期間 | 【設備資金】20年以内 【運転資金】10年以内 |
担保・保証人 | 相談可 |
中小企業経営力強化資金には、個人事業主等が対象の「国民生活事業」、資本金1,000万円以上または年間売上高5億円以上の中小企業を対象にした「中小企業事業」があります。
個人事業主は、国民生活事業の「新規開業資金(中小企業経営力強化関連)」が利用可能です。利率は金利条件が優遇される特別利率が適用されるため、利息負担を抑えられます。
マル経融資|日本政策金融公庫
マル経融資は、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で利用できる融資制度です。
融資限度額 | 2,000万円 |
---|---|
利率 | 1.65% |
返済期間 | 【設備資金】10年以内 【運転資金】7年以内 |
担保・保証人 | 無担保・無保証人 |
融資の対象者は、商工会や商工会議所等が実施する経営指導を受けている小規模事業者です。融資限度額は最大2,000万円で、個人事業主でも無担保・無保証人で融資を受けられます。利率は他制度に比べて圧倒的に低く、金利による利息負担が少ないのが特徴です。
なお、新型コロナウイルス感染症や地震など災害の影響を受けた方には拡充措置があります。一定の要件を満たす必要はありますが、別枠で1,000万円の融資を受けられます。
制度融資|信用保証協会
信用保証協会は、中小企業や小規模事業者の円滑な資金調達を支援する公的機関です。
個人事業主は大企業に比べて経営リスクが大きく、金融機関による資金調達が難しい傾向があります。公的機関である信用保証協会が債務保証することで金融機関等の融資を受けやすくなり、個人事業主でも円滑な資金調達が実現可能です。
ただし、保証対象となる資金は、事業経営に必要な運転資金や設備資金に限られています。信用保証協会は、47都道府県と4市(横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市)にあり、法人や個人事業主に対して地域密着型の保証業務を行います。
ビジネスローン
ビジネスローンは、事業資金専用のローン商品です。
利用対象者は、法人経営者と個人事業主に限定されており、事業用以外の用途には利用できません。ビジネスローンの取り扱い先は、銀行や信用販売、クレジットカード会社、消費者金融等です。融資限度額や利率、返済期間等は提供会社によって異なります。
ビジネスローンを利用するメリットとしては、公的融資や銀行融資より融資スピードが早く、無担保・無保証人で申込できることが挙げられます。一方で、提供会社にもよりますが、公的機関や銀行融資に比べて借入可能額が低いのが懸念点です。
金利においても、公的機関や銀行融資に比べて高く設定されています。
カードローン
カードローンとは、銀行や消費者金融等の金融機関が提供する個人向け融資サービスです。
契約時にあらかじめ決めた契約限度額の範囲内で借入できます。金利は借入金額に応じて設定されますが、上限金利は利息制限法で最大年率20%と定められています。カードローンで借入した場合は、年20%を超える金利は適用されません。
また、資金使途は原則自由できるため、急な出費にも柔軟に対応できます。契約限度額の範囲内であれば何度も借入できるため、返済した分だけ新たに借入することが可能です。ただし、融資限度額や返済期間等は提供会社によって異なります。
信用金庫
信用金庫とは、地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織の金融機関です。
信用金庫は利益第一主義ではなく、会員である地域社会の利益が優先されます。融資対象は中小企業と個人事業主に限定されており、大企業は利用できません。なお、融資対象者は原則会員(組合員)に限定されますが、一定の条件を満たせば会員以外も融資可能です。
情報未開示の信用金庫もありますが、基礎金利は年利2〜5%前後が一般的です。
【目的別】個人事業主におすすめの運転資金の融資方法
運転資金の融資方法は複数ありますが、それぞれメリットとデメリットが異なります。ここでは、目的別におすすめの融資先を解説します。
審査に通りやすい
審査通過率が高い融資方法を選びたい方は、比較的審査ハードルが低い「信用金庫」が最適です。
信用金庫は、地域第一主義である金融機関です。利益を優先しないため、信用力が低い個人事業主でも前向きに融資を検討してくれます。なお、信用金庫には個人事業主専用の窓口が設けられており、強力なサポート体制が整えられているのも特徴です。
すぐに融資を受けたい
すぐに資金調達したい方は、融資スピードが早い「カードローン」を検討しましょう。
カードローンの審査は、氏名や生年月日など基本情報を伝える程度です。事業計画書の準備や担保・保証人の用意も必要ありません。審査状況にもよりますが申込から融資まで最短即日が可能で、限度額以内であればコンビニATMでも借入できます。
開業して間もない
事業を始めて間もないなら、「新規開業資金」「中小企業経営力強化資金」がおすすめです。
日本政策金融公庫では、開業して間もない方でも利用できる融資を提供しています。新規開業資金や中小企業経営力強化資金なら、業績や信用力が低い個人事業主でも融資を受けやすいです。ただし、申請時には事業計画書を提出する必要があります。
事業計画書とは、創業動機・目的や必要な資金、事業の見通しなどを記載する計画書です。融資審査で事業の将来性を見極めるために事業計画書の提出が求められます。
できるだけ多く借りたい
融資限度額が高い融資方法を選びたい場合は、「ビジネスローン」をおすすめします。
ビジネスローンは、総量規制の対象外です。総量規制は過度な借入れから消費者を守る制度で、年収の3分の1を超える貸付けが原則禁止されています。総量規制対象外のビジネスローンであれば、年収に関係なく借入することが可能です。
審査通過率が高く融資スピードが速い点は、カードローンと同じです。したがって、年収を超える資金を調達したい方はビジネスローンを検討しましょう。
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個人事業主が運転資金を借りる際の注意点
事業を成功させるには資金調達が必要ですが、借入にはリスクが伴います。無計画な資金調達は、返済負担や金利負担が増して事業継続が困難になるかもしれません。
ここでは、個人事業主が運転資金を借りる際の注意点について解説します。
借りる資金の使い道を明確にする
個人事業主が運転資金融資を受ける際は、資金の使途を明確にすることが重要です。
金融機関で資金調達する場合、資金使途の審査を重要な要素として考慮します。各制度の目的に合致する使い道でないと融資は受けられません。また、審査を通過して融資を受けられても、資金使途が曖昧な状態では無駄な支出が増えて返済が遅れる可能性があります。
事業に支障が出る場合もあるため、資金使途を明確にしてから資金調達しましょう。
借入金額は適正か
企業運営に必要な資金を正確に見積もり、過剰に借入しないことが重要です。
必要以上に借入すると返済負担が増し、事業の安定性に影響が出る可能性があります。借入金額は、収支計画や実行計画、事業の見通し等を記載した事業計画書に基づいて決めるのが一般的です。データに基づいた根拠に基づいて現実的な資金計画を立てましょう。
返済計画を立てる
返済が行き詰まると事業に影響が出るため、現実的な返済計画を立てることが重要です。
返済計画を立てる際は、借入残高を正確に把握することから始めます。現在の収支状態を把握し、返済できる毎月の金額を計算しましょう。融資の返済は事業利益から返済します。返済金額は、「税引後利益 + 減価償却費」を超えると資金不足に陥る可能性が高いです。
利息や手数料を確認する
融資を受けたお金には利子が付くため、「利子 + 元金」の合計を返済する必要があります。
必要以上に借入すると経営を圧迫しかねません。どのくらい利息が発生するのかを確認したうえで、借入金額を決めることが重要です。
支払う利息額(年額)は、以下の計算式で計算します。
信用情報への影響
融資を受けた資金の返済が滞ると、信用情報に影響が出る可能性があります。
信用情報とは、クレジットカードやローンなど金融取引に関する過去の取引を記録したものです。一般的に、延滞履歴は完済してから5年間保存されます。信用情報に滞納が記載されると融資が通りづらくなるため、日頃から返済が遅れないように気をつけましょう。
個人事業主が運転資金の融資審査に通るコツ
個人事業主が運転資金の融資を受けるためには、審査に通る必要があります。通過率を上げるには、融資審査のポイントを押さえて準備することが大切です。
ここでは、個人事業主が運転資金の融資審査の通過率を上げるコツについて解説します。
提出書類は不備がないか確認する
融資を申請する場合、本人確認書類や収入証明書など必要書類を提出する必要があります。
提出書類に不備があると差し戻され、修正して再提出しなければいけません。再提出は書き直しに手間がかかるうえに、経営能力を疑われて審査に通らない可能性もあります。
差し戻しや修正が繰り返されると融資の手続きも大幅に遅れるため、記載事項に不備はないかしっかり確認してから提出することが大切です。
事業計画書の整合性を確認する
日本政策金融公庫で融資を受ける際、事業計画書が重要視されます。
事業計画書とは、創業動機や必要な資金、事業の見通しなどを記載した計画書です。法的に提出が義務付けられているわけではありませんが、提出が求められることが多いです。
ただし、事業計画書の内容に整合性がないと不信感につながります。融資を受けられない可能性もあるため、事業計画書の内容には整合性を持たせることが重要です。
融資担当者との面談に備える
日本政策金融公庫で融資を受ける場合、申請後に融資担当者との面談が実施されます。
面談では創業動機や事業の見通しなどさまざまな質問を受けますが、質問事項は主に事業計画書に記載されている内容です。事業計画書の内容を頭に入れ、具体的な根拠を添えて説明できるように準備しましょう。
個人事業主の融資以外での運転資金の資金調達方法
個人事業主の資金調達には、融資以外にもさまざまな方法があります。滞りなく返済できるのか不安な方は、融資以外の方法を検討しましょう。
ここでは、融資以外の資金調達方法について解説します。
補助金や助成金を活用する
国や自治体、商工会等では、さまざまな補助金や給付金で個人事業主を支援しています。
補助金や給付金の支給金額は低いですが、原則返済不要です。金融機関等から融資を受けて滞りなく返済できるのか不安な方は、補助金や助成金を活用して資金調達しましょう。
なお、申請条件や交付金額、提出書類、申請方法等は助成金や補助金によって異なります。
ファクタリングを利用する
ファクタリングとは、売掛債権を利用して資金調達する方法です。
売掛債権をファクタリング会社に売却することで、手数料を引いた現金を得られます。売掛金の支払い期日前に資金調達できるため、資金繰りの改善が期待できます。ファクタリングは借入や融資ではないため、返済は不要で担保や保証人も必要ありません。
クラウドファンディングを利用する
クラウドファンディングは、不特定多数の人々から少額ずつ資金調達する方法です。
クラウドファンディングはさまざまな種類がありますが、個人事業主の場合は、支援者がお金を寄付する「寄付型」、支援者への特典としてモノやサービスを得られる「購入型」が最適です。
ただし、プロジェクトが共感されない場合は、目標金額に達成せず資金調達できない可能性があります。
個人事業主が利用できる運転資金融資を有効活用しよう
信用金庫や日本政策金融公庫、銀行など、個人事業主が利用可能な運転資金融資はさまざまです。ただし、融資を受けるには、事業計画書を提出して審査を通る必要があります。必ず審査に通るとは限らないため、しっかり準備して手続きを進めましょう。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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