- 更新日 : 2024年11月21日
白色申告で扶養控除が受けられない場合とは?代わりとなる事業専従者控除も解説
2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ
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初心者から経験者まで、毎年多く読まれている記事です。確定申告の必要性、やり方、簡単に済ます方法についてまるっと解説しています。
「白色申告」とは、個人で行う確定申告制度のうち青色申告以外のものをいいます。
白色申告によるメリットとデメリット
所得税の確定申告で、青色申告以外のものが「白色申告」です。白色申告の場合、所得税額を計算するときに総所得から差し引くことができる項目は、以下のようなものです。
・基礎控除
・医療費控除
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・配偶者控除
・扶養控除
「青色申告特別控除」や「青色事業専従者給与」などのさまざまな特典を受けられる青色申告と違って、白色申告には特典がないのですが、帳簿への記帳などが楽になり事務作業が軽減できます。
扶養控除とは
「扶養控除」とは、納税者に婚姻関係にある相手を除く扶養家族(6親等内の血縁ならびに3親等内の姻戚で、納税者と同一生計である16歳以上の人)がいる場合に受けられる、一定金額の所得控除のことです。扶養控除額は、扶養となる親族の年齢や同居しているかどうかで金額が変わります。
12月31日時点で、19歳以上23歳未満の親族の場合……控除額は63万円です。
12月31日時点で70歳以上であり、同居していない親族の場合……控除額は48万円です。
12月31日時点で70歳以上であり、同居している親族の場合……控除額は58万円です。
ただし、これらの人々が以下のケースに該当する場合は、納税者は扶養控除を受けることができません。
・年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)である場合。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
・青色申告者の事業専従者として、その年に給与の支払いを受けている場合
・白色申告者の事業専従者である場合
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事業専従者とは
ここで「事業専従者」について説明します。事業専従者とは、青色申告や白色申告を行う納税者と生計をともにする配偶者や15歳以上(年末時点)の親族で、年間6カ月以上、納税者が営む事業に従事している人をいいます。このときの仕事内容が専門性の高いものではなく、電話応対や書類整理、お茶くみ、清掃などの雑用・雑務であっても「事業専従者」とみなされます。
納税者がこれらの人々に給与を支払った場合、白色申告をしても扶養控除を受けることはできなくなりますが、かわりに「事業専従者控除」を受けることができます。そのためには、事業専従者の氏名等を、確定申告書に記載する必要があります。
白色申告者の事業専従者控除とは
事業専従者控除額は、事業専従者1名につき、以下のどちらかのうち低い方の金額と決められています。
1. 事業専従者が、事業主と婚姻関係にある相手の場合は年間86万円。それ以外の親族の場合は年間50万円
2. この事業専従者控除を受ける前の事業所得等(この場合の「事業所得等」とは、山林所得と不動産所得を含みます。)÷(1+事業専従者の数)
事業専従者控除を節税に利用する場合
事業専従者給与制度を利用するかどうかは、年度末の収支決算で利益が出てから決めることもできます。つまり、利益が出た場合には事業専従者給与を支払い、事業専従者控除を受ける、という考え方です。
扶養控除額は38万円ですが、事業専従者控除制度を利用すれば、配偶者なら年間86万円、それ以外の親族なら年間50万円が必要経費として認められるわけですから、後者の方が節税効果は高くなるのです。
事業所得等がある人が行う確定申告制度の一つである「白色申告」では、申告者の営む事業を手伝った事業専従者に対して支払った給与を「事業専従者控除」として算入した場合、扶養控除を受けることはできません。白色申告を行うときには、扶養控除、事業専従者控除について考慮して、所得金額を算出しましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
もっと読むよくある質問
扶養控除とは?
納税者に婚姻関係にある相手を除く扶養家族がいる場合に受けられる、一定金額の所得控除のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
事業専従者とは?
青色申告や白色申告を行う納税者と生計をともにする配偶者や15歳以上(年末時点)の親族で、年間6カ月以上、納税者が営む事業に従事している人をいいます。詳しくはこちらをご覧ください。
事業専従者控除を節税に利用する場合は?
扶養控除額は38万円ですが、事業専従者控除制度を利用すれば、配偶者なら年間86万円、それ以外の親族なら年間50万円が必要経費として認められ、節税効果が高くなります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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