- 更新日 : 2023年12月18日
確定申告書類の提出方法3選|郵送・e-Tax・窓口に持参~
確定申告をどうやって提出すればいいのかわからない……
このように感じるのは、はじめて確定申告を行う方だけでなく、以前確定申告をしたけど忘れてしまわれた方の中にもいらっしゃるのではないでしょうか。今回は確定申告の提出先と大きく3つに分かれる提出方法、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
目次
確定申告の提出方法は3つ
確定申告の提出方法は3種類あります。
それぞれで提出を受け付けている時間帯や期間が異なります。
またご自身の状況に合った提出方法を選ぶ必要があります。確定申告の提出方法を比較できるようにそれぞれがもつメリットとデメリットをまとめました。
e-Tax | 郵送 | 窓口 | |
---|---|---|---|
受付期間 | 火~金曜日は24時間(休祝日の翌稼働日は8:30から、休祝日及び12月29日から1月3日の期間を除く) 月曜日・土・日・休祝日は、8:30~24:00(メンテナンス日を除く) ただし、確定申告期間中は24時間 | 原則として2月16日から3月15日まで ※発信主義に基づき3月15日の消印有効 | 原則として確定申告期間中の平日8:30~17:00 ※確定申告期間中は一部税務署で日曜日も開庁 |
メリット | インターネット環境があれば自宅などどこからでも申告できる | ポスト又は郵便局から提出できる | 相談コーナーや申告相談会場で不明点を聞くことができる |
デメリット | マイナンバー方式でパソコンから申告する場合はICカードリーダライタ、又はマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンやマイナンバーカードが必要 ID・PW方式でパソコンから申告する場合は税務署での取得が必要(WebからID・パスワード方式の届出を作成・送信することも可能) | 宅配便ではなく必ず信書で送る必要がある | 混雑が予想される (入場整理券の配付あり) |
それぞれを詳しく見ていきましょう。
e-Taxで提出する方法
e-Taxとは、インターネットで国税に関する申告や納税、申請などの手続きができる国税庁のシステムです。税務署に行かなくても、自宅などからネットで確定申告書の書類一式の提出ができます。
また、確定申告書等作成コーナーでは、画面の指示に従って金額等を入力して、申告書等が作成できます。そして、作成した確定申告書等はe-Taxにより送信、申告が可能です。
なお、e-Taxについての詳細は以下の記事をご参照ください。
e-Taxを利用するメリット
e-Taxは、自宅など好きな場所から確定申告できることが、最大のメリットです。
e-Taxでは、仕様にないものに関しては別途税務署へ郵送等により提出する必要がありますが、基本的に添付書類も電子送信できます。(医療費の領収書など第三者が作成する書類に関しては添付を省略して申告することが可能ですが、申告期限から5年間は保存しておく必要があります。)
これまで、e-Taxは給与所得、一時所得、雑所得のみ、スマートフォンやタブレットから確定申告できていましたが、令和4年分からは事業所得も可能になります。
e-Taxを利用するデメリット
電子申告(e-tax)を行う場合は以下の準備が必要です。
- 使用環境(OS、ブラウザ)の確認
- 選択した方式に合わせた準備(マイナンバーカード方式/ID・パスワード方式)
マイナンバーカード方式を選択する場合、マイナンバーカードとマイナンバー読取対応のスマートフォン又はICカードリーダライタが必要になります。マイナンバーカード方式とは、マイナンバーカードを使用して、e-Taxにログインする方法のことです。
マインバーカードを読み取って、利用者証明用電子証明書の暗証番号(数字4桁)を入力するとe-Taxにログインできます。スマートフォンでの申告であればICカードリーダライタは不要ですが、マイナンバーカードとカードの読取に対応しているスマートフォンが必要です。
一方、ID・パスワード方式とは、税務署で発行されたIDとパスワードを使って申告データを送信する方法のことです。マイナンバーカードを取得せずにe-Taxを利用する場合、原則税務署に申請し、IDとパスワードを取得しなければなりません。なお、パスワード方式の届出の作成・送信はWebからでも行えます。
電子申告(e-Tax)対応システム
電子申告(e-Tax)を選択する場合は、国税庁のシステムを利用するか電子申告(e-Tax)に対応した確定申告ソフトを利用します。電子申告(e-Tax)に対応している確定申告ソフトのひとつが「マネーフォワード クラウド確定申告」です。
この確定申告ソフトは入力から申告まで確定申告に必要な機能が揃っています。金融機関データの自動取得、仕訳の自動入力はもちろん、決算書から確定申告書の作成までをカバーしています。確定申告書の提出についても、ICカード読み取り対応スマートフォンを用意し、マネーフォワード クラウド確定申告アプリを使用することで、スマートフォンから電子申告できます。
この場合、雑所得や事業所得、還付申告などもスマートフォンから申告できます。(ただし、未対応の帳票もありますので利用前に確認が必要です。)
各確定申告ソフトによって、電子申告(e-Tax)できる対象が異なりますので、事前に確認してから導入を検討してみてはいかがでしょうか。
・マネーフォワード クラウド確定申告アプリのダウンロードはこちら
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
郵送で提出する方法
確定申告書を郵送で提出する場合、メール便や宅急便は利用できません。確定申告書をはじめとする各申告書類が「信書」扱いとなるためです。
信書とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」のことです。したがって、確定申告書の郵送は、「郵便物」(第一種郵便物)又は「信書便物」として送付する必要があります。
到達期限は、発信主義に基づき、所得税の申告期限である3月15日必着ではなく、3月15日の通信日付印(消印)があれば、その日付をもって提出されたものとして扱われます。※申告期限は例外的に変更することがありますので、ご確認ください。
郵送する際の封筒には「所得税確定申告書在中」と朱書きしておくとよいでしょう。また、郵送に関するトラブルは、追跡番号で回避できるため、普通郵便ではなく書留や簡易書留、レターパックライトなどを利用すると便利です。
なお、郵送先は、納税者本人の住所を管轄している税務署です。年内に複数回引っ越して、源泉徴収票や領収書の住所が異なったとしても、確定申告をしようとする時点の住所で判断します。
郵送で提出するメリット
確定申告書を郵送で提出するメリットは、ポストや郵便局から簡単に投函できることです。
税務署窓口への持参は混雑が予想されますし、平日は事業や勤務の都合でなかなか行きづらいものです。また、e-Taxの場合には事前準備が必要ですし、電子申告用データの作成に抵抗を感じる場合にも郵送なら特に問題ないでしょう。
郵送で提出するデメリット
確定申告書を郵送で提出するデメリットは、書類に不備があった場合や、申告期限ギリギリに提出する場合、対応に遅れが生じる可能性があることです。
税務署窓口であれば職員の助言が受けられ、e-Taxでは不備がエラーになりますが、郵送ではそうはいきません。
郵送した確定申告書類に不備があれば税務署から連絡があります。訂正内容により再送や直接税務署に行く必要があるなど、行わなくてはいけない対応はさまざまですが、どれも時間がかかってしまいます。
なお、郵送についての詳細は以下の記事をご参照ください。
税務署の窓口に持参する方法
窓口に持参するメリット
確定申告書を窓口に提出するメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- 税務署の職員に直接受け取ってもらうので、確実に提出できる
- 相談コーナーや申告相談会場で、わからないところを聞くことができる
税務署の開庁時間は、月曜日から金曜日(祝日等を除く)の午前8時30分から午後5時までです。また、確定申告時期に一部の税務署では日曜日の開庁があります。
この間に税務署窓口に書類を持参できる場合は確実に提出できます。
窓口に持参するデメリット
確定申告書を窓口に提出するデメリットとしては、税務署窓口が混雑するため、時間がかかる点です。税務署が家から遠い場合も不便です。
特に年末調整は会社で済んでいて、医療費控除などのために確定申告をする会社員などは、平日の午前中だけ休暇をもらうなどしなければ窓口持参は難しいでしょう。
時間外収受箱に投函することも可能
郵送同様、確定申告書類の提出のみであれば、土曜日・日曜日・祝日といった閉庁日及び定時以降でも税務署の「時間外収受箱」に投函できます。
時間外収受箱へ投函する場合に、収受日付印のある確定申告書の控えが必要なときは、申告書の控えと返信用封筒を同封すれば、税務署から収受日を押印した控えが返送されます。
確定申告書の提出先と提出期限
原則として、確定申告書提出時の住所地が納税地となりますので、住所地を所轄する税務署が確定申告書の提出先になります。
ただし、以下のケースは例外となります。
- 国内に住所のほかに居所※がある人は、事前に届け出ることで住所地に代わって居所地を納税地にできます
- 住所や居所のほかに事業所がある方は、事前に届け出ることで事業所の所在地を納税地にできます
※居所とは、継続して居所しているが、その場所との結びつきが住所ほどではないものを言います。
例えば出張者、単身赴任者及び季節労働をしている方や、国外に生活の拠点があり、一定期間、国内のホテルなどに滞在した後、国外に戻るような海外からの一時帰国者などがそれに該当します。住所や居所、事業所の所在地を管轄する税務署は「国税局・税務署を調べる」で確認できます。
なお、確定申告書の提出期限ですが、過去にコロナ禍の影響で提出期限の延長がありました。原則として、所得税の申告期限は3月15日とされていますが、最新情報は国税庁サイトで確認するようにしてください。
確定申告書の提出先と提出期限についての詳細は以下の記事をご参照ください。
また、提出期限に間に合わなかった場合などについての詳細は以下の記事をご参照ください。
確定申告書を提出するときの注意点
1月1日から12月31日の間で引っ越しにより住所が変わり、納税地も変わる場合には、異動前の納税地の所轄税務署長へ「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出する必要があります。
そもそも確定申告書は、「提出する際における納税地を所轄する税務署長」に提出することとされています。したがって、年末年始に引っ越しをした場合であれば、新住所の納税地に確定申告書を提出します。
確定申告に必要なもの・準備
いざ確定申告の期間になってあわてて書類を用意するのではなく、あらかじめ用意しておくことで、精神的な負担がかなり軽減されます。
必ず必要になるもの
確定申告書
e-Taxでは電子申告以外にも、確定申告書をプリンターで出力する機能もあります。確定申告書用紙は国税庁のサイトからダウンロードしてプリントすることも可能です。
税務署に取りにいくか、返信用封筒を税務署に送付することで取り寄せられます。また、確定申告書の控用を作成し、収受日付印を受領することをおすすめします。
なお、確定申告書には、これまで提出者等の押印が必要でしたが、令和3年4月1日以降は、押印は要しないことになりました。(押印しても問題ありません。)
振込口座情報
還付申告の場合には、郵便局かゆうちょ銀行で直接受け取るか、振込口座に入金してもらうことになります。振込口座を指定する際には以下のような注意点があるため、事前に手続きしておいた方がよいでしょう。
- 旧姓のままでは受け取れない
- 屋号や付与されていると受け取れないので、個人名口座が必要
源泉徴収票や売買契約書
二か所以上で勤務されている方はそれぞれの源泉徴収票、住宅ローン控除を受ける方は不動産の売買契約書等の必要書類を用意しておく必要があります。確定申告の時期になって見つからない場合には、再発行してもらう必要があります。
e-Taxに必要になるもの
e-Taxを行う場合は以下の準備が必要となります。
- 使用環境(OS、ブラウザ)の確認
- 選択した方式に合わせた準備
マイナンバーカード方式を選択するのであれば、マイナンバーカードとICカードリーダライタ、又はマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンが必要です。マイナンバーカードの発行には時間を要する(約1ヶ月程度)ため、事前にカードは取得しておくようにしましょう。
上記、「e-Taxを利用するデメリット」にも記載したように、マイナンバーカード方式の場合は、次のいずれかが必要となります。
ICカードリーダライタ
ICカードリーダライタとは、ICカードに記録された電子情報を読み込むための機器です。
確定申告だけでなく、種々の電子申請・届出等を行う際、マイナンバーカードに記録された電子証明書を利用して手続きができます。
参考:ICカードリーダライタのご用意 | 公的個人認証サービス ポータルサイト
マイナンバーカード読取対応のスマートフォン
マイナンバーカード読取対応のスマートフォンとパソコンをBluetooth機能を利用してペアリングすることにより、スマートフォンをICカードリーダライタとして利用する方法です。
スマートフォンとパソコンの組み合わせによっては利用できない場合もあります。
参考:スマートフォンをICカードリーダライタとして利用するためにはどうすればよいのですか。| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム
一方、ID・パスワード方式を選択する場合は、次のいずれかの方法でIDとパスワードを取得します。マイナンバーカードを持っていても、ICカードリーダライタがない場合はこちらを選択します。
- 事前に税務署にて本人確認を行い、ID・パスワード方式の届出を作成して送信すると、利用者識別番号(IDとパスワード)を取得できます。
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」からマイナンバーカードを使って、ID・パスワード方式の届出を作成して送信すると、利用者識別番号を取得できます。
なお、ID・パスワード方式はマイナンバーカードとICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応です。e-Taxの手続きについては、年々更新されていますので、国税庁によるスマート申告を説明するページをご確認ください。
郵送に必要になるもの
手書きの場合には、「必ず必要となるもの」を確認した後、必ず、本人確認書類の写しを同封しましょう。確定申告の提出においては、なりすまし等を防止するため本人確認(番号確認及び身元確認)書類が必要なのです。国税庁の添付書類台紙をダウンロードして利用しましょう。
確定申告に限らず、マイナンバーを記載した申請書等を提出する際には、申請する方の本人確認書類の提示又は写しの添付が必要です。
マイナンバーカードがない場合の本人確認については、次のサイトで確認ください。
参考:番号制度に係る税務署への申請書等の提出に当たってのお願い|国税庁
窓口に必要になるもの
窓口に持参する場合も、「必ず必要となるもの」を確認した後、本人確認書類の持参を確認しましょう。
本人が窓口に持参する場合の本人確認については、郵送の場合と同様です。
しかし、本人以外の家族等が代理人として持参する場合には、郵送の場合と異なり、事前に「所得税申告・申請等事務代理人届出書」への記載が必要です。
確定申告書の作成には確定申告ソフトがおすすめ!
確定申告は「申請」ではなく「申告」です。
「申請」は申請先の審査基準に応じて、許可や拒否の結果が生じます。「申告」はあなたが申告したものを、相手が受理するだけにとどまります。申告という性質上、許諾といったレスポンスが相手から返ってくるものではないので、確定申告は誰しも不安になってしまい、面倒だと感じてしまうのかもしれません。
しかし、一度正しい知識を身に着ければ、確定申告はまったく怖いものではありません。ひとつひとつ確実にこなしていきましょう。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得
銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案
自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能
白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
もっと読むよくある質問
e-Taxを利用するメリットは?
自宅から確定申告ができるのが、最大のメリットです。詳しくはこちらをご覧ください。
郵送を利用するメリットは?
ポストや郵便局から簡単に投函できることです。詳しくはこちらをご覧ください。
窓口に持参するメリットは?
職員などに相談ができることです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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