- 更新日 : 2025年2月27日
課税証明書とは?取得方法や必要書類、見方や注意点を徹底解説!
一般に課税証明書とは、住民税について所得、控除、課税額などを記載した書類のことです。児童手当や奨学金などの申請や、金融機関でのローンの申し込みなどで必要になります。
本記事では、課税証明書が必要な場面や取得方法、取得できる場所などを解説します。書類の見方や他の証明書類との違いなども説明しますので、参考にしてください。
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目次
課税証明書とは
課税証明書とは、申請者の所得や住民税額などを証明するため、市役所などで発行される公的な書類のことです。
前年の1月1日から12月31日までの期間に得た所得や扶養人数等による控除の状況、それらから算出された住民税額等が記載されています。
申請できるのは、証明する年度の1月1日時点の住所地を管轄する自治体です。年数は3年〜10年程度と自治体により異なりますが、過去の分もさかのぼって請求できます。
課税証明書が必要になるシーンは、住民税の所得が一定の金額を超えていないか、もしくは十分な所得があるかの証明が必要な場合です。
課税証明書と所得証明書との違い
所得証明書とは、所得や収入がどれくらいあるのかを証明する書類の総称です。収入証明書とも呼ばれます。「所得証明書」という名前の書類があるわけではなく、幅広く所得を証明する書類を指す時に使われます。課税証明書も所得証明書のひとつです。
なお、所得税等の国税においては、所得や納税額を証明する書類を「納税証明書」と呼びます。住民税の所得証明は市役所に求めますが、納税証明書を求める先は税務署になります。
所得証明書の提出を求められた時は、具体的にどの税金について、どの証明書が必要なのかを確認するようにしましょう。
参考:
区役所で交付できる税の証明|東京都中央区
納税証明書の交付請求手続|国税庁
課税証明書と非課税証明書との違い
非課税証明書は、所得や所得控除等の状況によって住民税が非課税であることを証明する書類です。課税証明書とは課税されているか否かが異なるだけで、記載されている項目は同じです。
課税証明書は申請者に住民税が課税されている場合に発行され、非課税証明書は課税額が0円の場合に発行されます。1円でも課税額があれば、課税証明書となります。
なお、課税額が0円でも、必ずしも所得がないわけではありません。収入はあっても、基礎控除額を差し引くと0円になる場合もあります。
課税証明書と納税証明書との違い
課税証明書と納税証明書は似たようなイメージを抱きがちですが、証明対象が異なります。課税証明書は、所得や税額を示して「課税されていること」を証明するものですが、納税証明書は、その課税された税金を「納付していること」を証明するものです。
したがって、課税証明書のほうがやや広い範囲で利用されます。納付証明書は納付状況の証明であるため、支払った税金については支払いが証明されますが、納付期限が到来していないものは未払いの状態で示されます。
また、固定資産税等の課税証明書は「公課証明」といい、土地・家屋などの課税額を証明します。自動車税の納税証明書などは、納付の際に交付されます。
不明な点があれば、所得税や消費税、贈与税などの国税は税務署に、それ以外の地方税については市役所や税事務所に問い合わせましょう。
課税証明書が必要になる場面
住民税の課税証明書が必要になる場面として、いくつかの場合を考えてみましょう。自治体によって取り扱いが異なるケースも想定されるため、提出先によく確認してから課税証明を取り寄せるようにしましょう。
児童手当を申請する時
児童手当の申請では、認定請求書や口座情報、本人確認書などが必要です。申請は市役所等に行いますが、他市からの転入などで前住所地の市役所等が発行する所得証明が必要となる場合があります。
保育園・学童に申し込む時
自治体により運営状況はさまざまですが、学童保育の利用申し込みにあたって一定の場合には、住民税の非課税証明書が必要なケースがあります。
(生活保護世帯の場合には生活保護受給証明書などとなります。)
奨学金を申請する時
納税者の子どもが奨学金を申請する場合に、課税証明書または非課税証明書が求められることがあります。奨学金には多くの種類があるため、個々のケースについては添付資料についてよく確認しましょう。
参考:大学・短大・専修学校(専門課程)へ進学予定の方 | 日本学生支援機構、「申込みのてびき」
金融機関でローンを申し込む時
住宅ローンの申し込みの際、収入に関する書類として、給与所得者の場合には前年の源泉徴収票や住民税の課税証明書等を提出することはよくあります。
公営住宅に入居する時
公営住宅の申し込みには、課税証明書が求められるケースが多いと言えます。所得の種類によって証明書が異なる場合もありますが、給与所得者の場合には住民税課税証明書等が求められます。
公的年金の受給手続きをする時
本人が障害年金等の支給を受ける場合で、一定の条件にあてはまる時に課税証明が必要になることがあります。また、老齢厚生年金を受ける場合に、一定条件の下で配偶者の課税証明が必要になることがあります。
参考:障害年金講座|日本年金機構、「障害年金講座②」、特別支給の老齢厚生年金を受給するときの手続き|日本年金機構
その他
収入を証明するための書類として、公的機関以外でも課税証明書を求められるケースは多々あります。
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課税証明書の取得方法・交付方法
よくある課税証明書の取得方法を3つご紹介します。課税証明書を取り寄せる場合には自治体により取り扱いが異なることが想定されるため、お住まいの市役所等にお問合せください。
窓口交付で取得する方法
市役所等の窓口で取得する場合には、本人が直接出向きます。備え付けの交付請求書を記載し、手数料を支払うことによって取得できます。代理人による取得の場合には委任状が必要です。
郵送で取得する方法
市町村のWebサイトから課税証明書の交付請求書をダウンロードして、手数料や返信用封筒を同封することにより、郵送で課税証明書を取得できます。
コンビニエンスストアの交付サービスで取得する方法
マイナンバーカードを持っていると、コンビニエンスストアで各種証明書を取得できます。住民税の課税証明書もその中の一つとして利用できます。利用できる店舗については、次のリンクから検索してください。
参考:マイナンバー制度とマイナンバーカード|総務省、コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付|利用できる店舗情報
課税証明書の取得に必要な書類
前項で解説したそれぞれの課税証明書の取得方法について、必要書類や手数料をまとめました。ここに掲載したのはよくある例なので、お住まいの自治体などで確認しましょう。
課税証明書の取得方法 | 必要となるもの | 手数料等 |
---|---|---|
市役所等の窓口 | 本人確認書類 代理人の場合は委任状 | 300円/1枚 |
郵送 | 本人確認書類の写し 代理人の場合は委任状 切手を貼った返信用封筒 | 300円/1枚 (定額小為替等を同封) |
コンビニエンスストア | マイナンバーカード スマホ用電子証明書を搭載済みのスマホでも可 | 200円/1枚(地域による) |
- 本人確認書類とは、マイナンバーカードをはじめ、運転免許証・運転履歴証明書、パスポート、健康保険証等のことです。現住所が記載されていることを確認しましょう。
- 委任状の署名欄は委任者の自筆によることとし、その委任状に本人確認書類の写し等を添付します。
- 自治体によっては、手数料についてクレジットカードやキャッシュレス決済での支払が可能です。
- コンビニエンスストアでの課税証明書は、最新年度の証明書のみの場合があり、また手数料についても自治体により異なることがあります。
参考:コンビニでの証明書交付はすべて1通10円|北海道伊達市
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課税証明書を取得する際の注意点
課税証明書に限らず、税金の証明書は個人情報が数多く記載された書面となるため、本人の確認ができなかったり、委任状を失念したりした場合には原則として交付されません。また、委任状の記載事項に誤り等がある場合や確認書類添付の不備がある場合には、委任状があっても交付されないことがあります。
なお、課税証明書を取得する場合、公的年金の受給申請、シルバーパス申請、保育所入所申請、高等学校等就学支援金申請等などが目的の場合には手数料が無料となる自治体もあります。
課税証明書の見方
国税の納税証明書の書式は統一されていますが、住民税の課税証明書は自治体によりさまざまです。例えば、よくあるのが下記(東京都台東区)のような形式です。
上記の見本は「非課税証明書」となりますが、課税証明書の場合には「課税証明書」となり、所得金額が表示されます。
また、自治体によっては国の標準仕様に合わせた次の形式で提示される場合もあります。
いずれの書式にしても、課税証明書を入手したら、次の項目を確認しましょう。
- 見出し
課税証明書か非課税証明書か、提出目的に沿っているかを確認します。 - 年度
どの年度についての課税証明が必要なのかを確認します。 - 本人住所・氏名
- 所得の種類と金額(所得等の内訳)
複数の収入がある場合に、それぞれが正しく表示されているかどうかも確認します。 - 所得控除の内訳、扶養人数の数
- 年税額
市民税の納税通知書が手元にあってその後支払に変更がなければ、原則として所得や年税額について金額を照合することができます。
なぜ課税証明が必要なのかもよく考えましょう
所得を証明するものとしてよく利用されているのが課税証明書と言えます。課税証明書は、窓口やコンビニですぐに発行可能です。しかし、本人のプライバシーにかかわる情報を多く含んでいるため、やむを得ない場合は別として、できるだけ本人が取得するようにしましょう。
特に、引っ越しや転居、転職があった場合の課税証明取得は、それらのイベントが起こった時期にも関係します。予め市役所窓口に聞いてみるなど、ひと手間掛けたほうがよい場合もあります。
また、なぜこの証明が必要なのか納得いかない場合には、提出先に再度確認するなどの対応も検討しましょう。
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