• 更新日 : 2023年1月10日

2023年から確定申告書Aが廃止に!個人事業主・会社員向けに書き方を解説

2023年から確定申告書Aが廃止に!個人事業主・会社員向けに書き方を解説

確定申告書には、AとBの2パターンがありますが、申告書Aについては2023年から廃止されることが決まっています。このことにより確定申告をする方にどのような変化が起こるのでしょうか。この記事では、まず申告書AとBの違いについて解説し、2023年からの申告書の書き方を、個人事業主・会社員に分けて解説します。

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2023年から確定申告書Aが廃止に!

2022年の確定申告までは、所得の種類など申告者の状況に応じて確定申告書Aと確定申告書Bが使い分けられていました。しかし、このルールが変更となり、2023年の確定申告(2022年に得た所得の申告)からは申告書Aが廃止されます。申告書の様式が一本化されるのです。

申告書が統合されることにより、申告書AとBの区別はなくなります。とはいえ、様式が大きく変わるわけではなく、書き方についてもこれまでの知識でほぼ対応可能です。

そもそも確定申告書AとBの違いとは?

確定申告書Aとは、申告対象となる所得の内容が給与所得雑所得配当所得一時所得で、ある場面で限定的に使用できる様式です。また、これら4種に分類される所得であっても課税方法によっては申告書Aでは対応できないものもあります。

申告書Aで対応できる所得は次の通りです。

  • 給与所得:給料や賞与、歳費など
  • 雑所得:公的年金等(国民年金や厚生年金確定拠出年金など)、業務により得た原稿料・講演料など
  • 配当所得:法人からの剰余金の配当など
  • 一時所得:賞金、生命保険の一時金、懸賞当選金など

記入方法も申告書Bに比べると簡単で、申告にかかる手間が少なくて済むようにできています。

対して、確定申告書Bは汎用型の申告書です。そのため、次のような所得がある方でも申告書Bで確定申告をすることができます。

  • 事業所得:工業、農業、漁業、自由業などの自営業から発生した所得
  • 不動産所得:建物や土地などの貸付けから発生した所得
  • 譲渡所得:不動産や株式、機械などを譲渡することで発生した所得
  • 退職所得:退職金などの所得

申告書Aが使える方でも申告書Bを使って確定申告をすることはできますし、申告書Bは誰でも使うことができる様式となっています。

ただし、その分、申告書Aに比べると記入箇所は多くなり、書類の作成枚数も増えます。

2023年の確定申告書の書き方は?

「2023年に提出する確定申告書の書き方はどのように変わるのだろう…」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。先日、令和4年分以降の確定申告書の様式が発表されました。

確定申告書(令和四年分以降用)-1

出典:申告書第一表・第二表【令和4年分以降用】|国税庁

こちらを参考に、今後の申告書の書き方を見ていきましょう。

今後はAとBの区別はなくなるため作成方法は同じになりますが、次項以下で(これまで申告書Bで対応してきた)個人事業主と(これまで申告書Aで対応してきた)会社員の場合に分けて書き方を説明していきます。

確定申告書変更点

個人事業主の場合

これまで申告書Bを作成してきた個人事業主にとって大きな変化はありません。これまでと同じ感覚で申告できるでしょう。

まずは申告者の基本情報として氏名・住所、生年月日、個人番号などを記載していきます。屋号を定めていない場合は省略してかまいません。

続いて「収入金額等」と「所得金額等」を記載していきます。収入金額等とは、平たくいうと、1年間の売上のことです。事業所得として得た場合には「営業等」の欄に、不動産所得として得た場合には「不動産」の欄に売上金額を記載します。

これに対して所得金額等とは、経費などを差し引いた、利益を意味すると考えてよいです。所得税は売上にまるまる課税されるわけではなく、その売上を出すために支出した経費などを差し引いた金額に課税されます。そのため収入金額と所得金額は分けて考えなくてはなりません。

さらに「所得から差し引かれる金額」についても記載していきます。「所得から差し引かれる金額」とは、各種控除のことです。経費を差し引くのと同様、税制上所得から差し引くことが認められている基礎控除扶養控除医療費控除、その他さまざまな控除がありますので、適用可能な控除の欄にその額を記載していきます。

「税金の計算」の欄では、所得税・復興特別所得税の金額を計算します。ここまでで記載してきた各種金額を使って、課税される所得金額や税率を乗じたあとの所得税の額を算出してください。

住宅ローン控除が使える方は「住宅借入金等特別控除」欄に、源泉徴収をされていた方は「源泉徴収税額」欄に適切な金額を記載します。こうして、納税すべき額または還付される金額が計算されます。

このように、基本的にはこれまで同様に申告書の作成を進められるのですが、違いとして次のものが挙げられます。

  • 「振替継続希望」のチェック欄が設けられた
  • 修正申告」欄が設けられた
  • 「退職所得のある配偶者・親族」に関わる欄が設けられた

会社員の場合

従来申告書Aを作成してきた会社員の方にとっては、欄が増えたことにより、複雑な様式に変わったように見えるかもしれません。しかし、関係のないほとんどの項目は空欄でよいため、あまり身構える必要はありません。

源泉徴収票に記載されている情報をもとに、収入や所得の欄に転記していけばほとんどの欄は問題なく埋めていくことができるでしょう。例えば、収入金額等には源泉徴収票の支払金額欄の額を見れば記載すべき額がわかります。所得金額には、源泉徴収票にある給与所得控除後の額を見れば記載すべき額がわかります。

その後各種控除額を記載し、「税金の計算」の欄に金額を記載していけば納めるべき金額または還付される金額を算出することが可能です。

申告書B同様、「修正申告」や「退職所得のある配偶者・親族」に関する欄が設けられた点で変化があったといえます。さらに、申告書Aからの大きな変化として、事業所得や不動産所得の項目、予定納税に関する項目、個人事業税の欄ができたことが挙げられます。

ただ、多くの会社員には関係のない欄であり、新たに記載すべき項目が大幅に増したということではありません。

2023年から修正申告用の第五表も廃止に

申告書Aが廃止されるだけでなく、2023年からは申告書第五表も廃止されます。

第五表は常に作成すべきものではなく、修正申告を要する場合に提出していたものです。例えば、納税額を少なく申告していたことがあとから発覚した場面で、これを修正するために作成・提出します。

しかし、2023年からは、修正申告をする際も第一表および第二表を使うことになります。そこに修正申告用の欄が設けられていますので、第五表を使う必要がなくなったのです。

2023年の確定申告書の様式は要チェック!

2023年の確定申告書を行う際には、様式の変化をよくチェックしておきましょう。最初は混乱することもあるかもしれませんが、様式の統一であるなど、シンプルな方向に変化しているだけですので、それほど心配する必要はないでしょう。ただ、金額の記載などは正確に行われなければなりませんので、確定申告にかかる作業に不安がある方は、専門家に相談することをおすすめします。

よくある質問

2023年の確定申告はどのように変わるのですか?

確定申告書Aが廃止され、申告書Bに一本化されます。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告書の書き方はどのように変わりますか?

一本化されたことに伴い表記されている項目が増えますが、関係のない箇所は空欄のままでよいため、大きな変化はありません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:萱谷 有香(税理士)

叶税理士法人 東京事務所代表。不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益物件について税務と投資面で多くの知識を得られたことを活かし、自らも不動産投資を手掛ける。
大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどで講演実績があり、記事執筆も行う。
不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。
金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉しやすい決算書の作成を得意とする。
物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心掛けている。
著書に『減価償却節税バイブル』(技術評論社)がある。

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