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  • 更新日 : 2022年1月7日

成年被後見人の確定申告が必要なケースや書き方・記載例を解説!

成年被後見人の確定申告が必要なケースや書き方・記載例を解説!

2022年提出確定申告まとめ 【随時更新】

・提出期限
 

2022年2月16日(水)〜2022年3月15日(火)

令和元年分及び令和2年分の確定申告期限については、新型コロナウィルスの影響により、期限が延期されました。そのため、国税庁の今後の動きでは令和3年分の確定申告期限も変動の可能性があります。『2022年の確定申告期間はいつからいつまで?』こちらも参考にしてください。

・注意すべき変更点

詳しい変更点については『2022年(令和4年)提出の確定申告変更点は?前年の変更も丁寧に解説』をご覧ください。

なお、初めて確定申告をされる方、また確定申告の必要があるか分からない方は『確定申告のやり方と流れを全くわからない人向けに解説』こちらをお読みください。

認知症などにより判断能力を持たない方の財産を保護する目的で、2000年4月に成年後見制度が施行されました。保護される側である「成年被後見人」の財産を管理するのは「成年後見人」ですが、もし成年被後見人に何らかの所得があり確定申告が必要である場合どうすればよいでしょうか?

今回は「成年被後見人」の確定申告について解説していきます。

成年被後見人の確定申告は必要?

一般的には所得があれば納税の義務が生じる可能性があります。

不動産を貸し付けて地代家賃を得ているのであれば不動産所得が発生しますし、保険の満期金や解約金は一時所得として申告する必要があります。

これは「成年被後見人」であっても例外ではありません。

例えば、成年被後見人名義の土地や家屋を貸し付けて収入を得たとすれば、その所得は成年被後見人に帰属します。また、契約者と保険金の受取人がいずれも成年被後見人であるような保険契約の満期金や解約金は、一時所得として申告しなければなりません。

成年後見制度は被後見人の財産保護を目的としていますが、納税義務の免除規定ではありません。つまり確定申告が必要か否かの判断は一般的な申告と何ら変わりありません。

計算した結果、納税が生じるような場合には確定申告をする必要があります。

そもそも成年後見制度とは?

成年被後見人の確定申告の手続きを見る前に、そもそも「成年後見制度」とはどのような制度なのかを簡単に解説します。

成年後見人とは

成年後見制度において、自己判断が困難(または不可)の方を保護・支援する立場にある方のことを「成年後見人」と呼びます。

成年後見人には「任意後見人」と「法定後見人」の2種類があります。

1.任意後見人

被後見人にあたる方が、自己判断が可能な段階であらかじめ選任しておいた後見人と、後見してもらう内容について契約を結んでおくのが任意後見制度です。その際、後見人となるのが「任意後見人」です。

2.法定後見人

被後見人にあたる方が、自己判断が困難(あるいは不可)になった後、裁判所によって成年後見人を選任するのが法定後見制度です。その際、後見人となるのが「法定後見人」です。

成年被後見人とは

前段で解説した「成年後見人」に保護・支援してもらう方のことを「成年被後見人」と呼びます。法定後見制度の場合「成年被後見人」はその判断能力に応じて次の3つの制度が利用できます。

1.補助

自己の判断能力が不十分である場合に利用することができる制度です。被後見人ご自身に判断能力があるので、基本的には後見人は何の権限もありません。

後見人は被後見人の判断が不十分である部分について家庭裁判所に申し立てを行い、権限を付与された部分についてのみ補助が行えます。

2.保佐

自己の判断能力が著しく不十分である場合に利用することができる制度です。

後見人は選任された時点で「同意権」と「取消権」の2つの権限を有しますが、後見人が独断で代理権限を行使できる「代理権」はありません。代理が必要な場合には「補助」と同様に、家庭裁判所に申し立てを行い、権限を付与してもらう必要があります。

3.後見

自己の判断能力が全くない場合に利用できる制度です。

被後見人は正しい自己判断能力がありませんので、後見人は選任された時点で「代理権」と「取消権」の2つの権限を有します。

参考:成年後見制度利用促進のご案内|厚生労働省

成年被後見人の確定申告が必要となるケース

先にも述べた通り、成年被後見人であっても所得があり、納税義務が生じれば確定申告をする必要があります。

成年被後見人の確定申告が必要になるケースを例示してみましょう。

不動産の賃貸(不動産所得)

土地や家屋の貸付により得た賃貸収入は「不動産所得」となります。

成年被後見人名義の不動産から生じる不動産所得は、成年被後見人ご自身の不動産所得になるので、確定申告が必要かどうかを判断しなければなりません。

仮に不動産所得以外の所得がないとした場合、以下の計算式で残額が残れば確定申告をする必要があります。

賃貸収入 - 必要経費 = 不動産所得

不動産所得 - 各種所得控除 = 課税所得金額

課税所得金額 × 税率 = 所得税額

所得税額 - 配当控除額 = 残額

不動産や動産の売却(譲渡所得)

土地・家屋などの不動産や、車・書画骨董品といった動産を売却して得た所得は「譲渡所得」に該当します。

成年被後見人が所有する不動産や動産を売却した場合も、成年被後見人ご自身の所得となりますので、確定申告が必要かどうかを判断しなければなりません。


<土地・家屋(分離課税)>

譲渡価額 - 取得費用 - 譲渡費用 - 特別控除

 <車・書画骨董品等(総合課税)>

譲渡価額 - 取得費用 - 譲渡費用 - 50万円

成年被後見人の確定申告書の書き方・記載例

成年被後見人の確定申告が必要である場合、一般的な申告と異なり注意すべき点がありますので1つずつ確認していきましょう。確定申告書Bを使って解説していきます。

確定申告書B
出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
申告書B【令和3年分以降用】」を加工して作成

住所

住所については、成年被後見人が住んでいる住所地を記載します。老人ホームなどの施設に入居して住民票を移しているような場合には注意が必要です。

成年被後見人の住所地を記載したら下段に成年後見人の住所地も記載します。

氏名

成年被後見人の氏名を記載した後、続けて成年後見人の氏名を「成年後見人 ○○」というように記載します。

印鑑

令和3年分の確定申告から申告書への押印は不要となっています。

特別障害者控除の適用

成年被後見人は判断能力に乏しい(あるいは判断能力を欠く)状態であるため、所得税法上の「特別障害者」に該当し、40万円が控除できます。

参考:成年被後見人の特別障害者控除の適用について|国税庁

医療費控除の適用

医療費控除の適用については、一般的な確定申告と同じように所得控除が受けられます。

成年被後見人の確定申告書の提出先は?

成年被後見人の確定申告書は、被後見人が住んでいる住所地を管轄する税務署に提出します。

ただし介護施設に入居して住民票を移したような場合には、管轄がかわることがありますので国税庁HPなどで所轄税務署を確認してから提出しましょう。

振替納税を行う場合は口座の名義変更が必要

確定申告で所得税の納税をする際に口座振替を利用している場合には注意が必要です。

成年後見制度では、被後見人の口座名義を変更する必要があります。具体的には被後見人の氏名の後ろに「後見人 ○○」といった形式で後見人の氏名を追加します。

これにより、確定申告の口座振替の名義人が一致しない、ということが起こり得ます。
成年後見制度を利用する際は、口座の名義変更の手続きを忘れずに行いましょう。

成年被後見人の申告漏れがないよう気をつけましょう

所得が生じれば課税が発生するのが税法の原則です。これは被成年後見人であっても例外ではありません。成年被後見人が所有する財産から生じる各種の所得を漏れなく把握し、必要に応じた確定申告を正しく行うようにしましょう。

よくある質問

成年後見制度を利用している場合、被後見人の確定申告は必要ですか?

成年後見制度を利用していても、申告要件に該当すれば確定申告が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告をする際の注意点は?

確定申告書に記載する住所、氏名欄に成年後見人の住所、氏名を追加しなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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