- 更新日 : 2025年1月28日
個人事業主は無料メールアドレスでも良い?デメリットやドメインの決め方、経費について解説
個人事業主のメールアドレスは無料のフリーメールでも問題ありませんが、独自ドメインのメールアドレスの方がおすすめです。
独自ドメインのメールアドレスは費用がかかりますが、情報漏洩のリスクが減る・取引先からの信頼が上がるなど、メリットもたくさんあります。
目次
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個人事業主は仕事用のメールアドレスも必要?
個人事業主は仕事用のメールアドレスを絶対に作成しなければならないわけではありません。ただ、プライベート用のメールアドレスを使い続けると、いくつかデメリットが発生します。
プライベートと仕事用は分けた方が良い
プライベート用と仕事用のメールアドレスを兼用していると、業務における重要なメールを見逃してしまうことがあるでしょう。例えば、クライアントとの取引や納期に関するメールに返信し忘れて、トラブルに発展する可能性も否めません。
また、プライベート用のメールアドレスで業務関連のメールを送信した場合、取引先からすれば誰から来たメールか分からなくなることも考えられます。仕事用のメールアドレスを使った方が送り主も判明しやすくなり、信頼性も上がるでしょう。
そのため、重要なメールの見逃しを防ぐことや取引先からの印象などを考慮するなら、仕事用のメールアドレスを作成した方が良いと言えます。
個人事業主はGmailなど無料メールアドレスでも良い?
仕事用のメールアドレスを作る場合、フリーメールと独自ドメインのメールアドレスから選択可能です。
フリーメールは、Gmail・Yahoo!メール・Outlookなどのサービスに登録することで無料でメールアドレスを作成できます。
対して独自ドメインのメールアドレスは、好きな文字列でアドレスを作成できますが、サーバー代やドメイン代は有料です。
仕事用にどちらのメールアドレスを作成しようか迷っている方のために、それぞれの違いを解説します。
フリーメールと独自ドメインのメールアドレスの違い
早速、フリーメールと独自ドメインのメールアドレスの違いを比較してみましょう。
フリーメール | 独自ドメインのメールアドレス | |
---|---|---|
料金 | 無料 | 有料 |
ドメインの独自性 | 「◯◯@gmail.com」などの ドメインのみ | 「@」以降を好きな文字列に できる |
信頼性 | 信頼されにくいことがある | 信頼されやすい |
利便性 |
|
|
フリーメールは無料で、作成やアクセスに関しても利便性が高いです。ただ、スパムと間違われたり、取引先からの信用を得られなかったりする可能性もあることから、仕事用に使うかどうかは慎重に検討しましょう。
対して、独自ドメインのメールアドレスは有料で利便性には欠けますが、取引先からの信頼も得やすいだけでなく、独自性やブランディングの面でもメリットがあります。仕事用にメールアドレスを作成するなら、独自ドメインの方がおすすめです。
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個人事業主が独自ドメインのメールアドレスを作成するメリット
独自ドメインとは、好きな文字列を組み合わせて作るドメインのことです。独自ドメインでメールアドレスを作成すると、様々なメリットを享受できます。
名前や屋号・会社に関連したメールアドレスにできる
独自ドメインのメールアドレスなら、「@」以降を名前や屋号・会社に関連した文字列にできます。
ひと目で名前や会社名が判断できるため、取引先からの信頼度も上がるでしょう。スパムに振り分けされるリスクを減らせます。
また、名前や会社名をメールアドレスに使えば、ブランディング効果にも期待できるでしょう。個性的なメールアドレスは覚えてもらいやすいので、認知度が向上することもあり得ます。
独自ドメインでホームページも作成できる
独自ドメインでメールアドレスを作成すると、ホームページのURLにも同じドメインを使用できるというメリットがあります。
例えば、「[email protected]」でメールアドレスを作った場合、「https://example.com」というURLでホームページを作成可能です。
メールアドレスとホームページのURLが同一であれば、一貫性が生まれて更なる信頼性の獲得に期待できます。アクセスする側からしても、メールの送信主がやっている事業が分かりやすくなるでしょう。
セキュリティ面の強化ができる
独自ドメインのメールアドレスのメリットとして、セキュリティ面の強化ができることも挙げられます。
フリーメールの場合、フィッシング詐欺やスパムメールなどに引っかかって情報漏洩してしまう可能性が否めません。セキュリティ対策が強固なサーバーを利用して独自ドメインのメールアドレスを作れば、情報漏洩のリスクを抑えられるでしょう。
具体的なセキュリティ対策としては、IPSやWAFなどがあります。このような機能が搭載されたサーバーを選ぶと安心でしょう。サーバーの種類も非常に豊富なので、費用やセキュリティ面などを比較して選んでみてください。
複数のメールアドレスを作成できる
複数のメールアドレスを作成できることも、独自ドメインのメールアドレスを選択するメリットです。
以下のように、用途ごとにメールアドレスを複数作成し使い分けることもできます。
- 事業用:「info@屋号名.com」「contact@屋号名.com」
- お問い合わせ用:「support@屋号名.com」
- 採用活動用:「recruit@屋号名.com」
- 広報用:「press@屋号名.com」
- 自動返信用「noreply@屋号名.com」
フリーメールを複数作りたい場合、アカウントも複数作成しなければなりません。独自ドメインなら、一つのドメインだけでOKです。
また、従業員を雇った時も、社員名を使って「suzuki@屋号名.com」のように新たにメールアドレスを用意できます。
半永久的にメールアドレスを使い続けられる
独自ドメインのメールアドレスなら、半永久的に使い続けられるでしょう。
フリーメールは、利用しているサービスが終了するとメールアドレスも使えなくなってしまいます。一方、独自ドメインのメールアドレスは、利用しているレンタルサーバーのサービスが終了しても移行先のサーバーで使用可能です。
また、個人用のサーバーを構築した場合は、自分でサーバーを終了させない限りメールアドレスを使い続けられます。
メールアドレスを変更するとなると、取引先に新しいメールアドレスを連絡したり、利用中のサービスでも新しいメールアドレスを登録したりと手間がかかってしまいます。独自ドメインのメールアドレスは、そういった手間がかかる可能性も低いので非常に便利です。
個人事業主が独自ドメインのメールアドレスを作成するデメリット
独自ドメインのメールアドレスにはデメリットもあります。デメリットも考慮して作成するか検討しましょう。
ドメイン費用やサーバー利用料がかかる
独自ドメインのメールアドレスには、ドメイン費用やサーバー利用料がかかってしまいます。
ドメイン費用やサーバー利用料の相場は以下のとおりです。
ドメイン費用 | 新規取得料:1円〜3,000円ほど 更新料:1,000円〜8,000円ほど |
---|---|
サーバー利用料 | メールサーバー:年間1,000円〜2,000円ほど メールサーバー+Webサーバー:年間10,000円〜15,000円ほど |
ホームページも一緒に作る場合、メールサーバーとは別にWebサーバーも必要になってくるので、総額で年間11,000円〜17,000円ほどかかります。
ホームページは作らずメールアドレスのみ作る場合は、総額で年間2,000円〜4,000円ほど必要です。
メールアドレスやホームページを運用し続ける限り、料金が発生するため注意してください。
継続的な管理が必要となる
独自ドメインでメールアドレスを作成すると、管理が必要となることもデメリットの一つです。
管理の中でも更新に手間がかかります。更新し忘れた場合、メールアドレスが使えなくなったり、ホームページを開けなくなったりするので、注意しましょう。
また、更新するたびに更新料も発生します。契約年数によって更新の回数は変動し、1年契約だと毎年、5年契約だと5年ごとに更新料を払わなければなりません。
ただ、自動更新も最近は増えているため、更新手続きが面倒な人は自動更新で契約するのがおすすめです。更新料もクレジットカードを登録しておくだけで、自動的に支払いを済ませられます。
個人事業主が独自ドメインのメールアドレスを決めるコツ
ここからは、独自ドメインのメールアドレスの決め方をいくつか紹介します。また、独自ドメインが使われていた際の対応方法も併せて解説します。
屋号を使う
一つ目の方法は屋号を使うことです。屋号を使えば、誰からのメールかぱっと見で判断しやすくなります。
- 「tanaka@屋号名.com」
- 「info@屋号名.net」
- 「contact@屋号名.jp」
- 「store@屋号名.tokyo」
- 「noreply@屋号名.biz」
ちなみに、「.co.jp」で終わるドメインは、法人登記をしていないと使用できないので注意してください。
自分の名前を使う
二つ目は、自分の名前を使う方法で、屋号を決めていない人は自分の名前やハンドルネームを使うのが一般的です。
- 「[email protected]」
- 「[email protected]」
- 「[email protected]」
- 「recruit@tanaka.jp」
- 「[email protected]」
珍しい苗字の方や振り仮名がないと間違えられやすい苗字の方も、そのお名前をメールアドレスに使用すると覚えてもらいやすくなります。
サービス名を使う
三つ目は、サービス名を使う方法です。オリジナルのサービスを開発した方は、そのサービス名を使用すると認知度の向上にも繋がるでしょう。
- 「info@サービス名.com」
- 「tanaka@サービス名.fukuoka」
- 「contact@サービス名.net」
- 「noreply@サービス名.jp」
- 「store@サービス名.biz」
サービス名も、誰からメールが送られてきたのか、ひと目で判別しやすいです。
独自ドメインが使われていた場合の対応
独自ドメインを決めても、すでに使われている場合があります。その時は、取得できないので変更しなければなりません。
取得できなかった際は、以下の方法を試して見てください。
- ハイフンを入れる
- トップレベルドメインを変更する
- 開業年や創業年を入れる
一つ目はハイフンを入れる方法です。「[email protected]」や「[email protected]」のように、業種や職種に関連する単語をハイフンで繋ぐとドメインを取得できることがあります。
二つ目はトップレベルドメインを変更する方法です。トップレベルドメインとは「.com」や「.net」のような末尾につける部分のことで、他にも「.jp」「.biz」「.shop」などがあります。
また、地域に根差した事業を営んでいる方は「.aomori」「.wakayama」といった都道府県のトップレベルドメインを使用するのもおすすめです。
三つ目は開業年や創業年を入れる方法です。「[email protected]」のように開業年や創業年を入れると、設立してどのくらい経つのか分かりやすくなるだけでなく、ブランディング効果も期待できます。
個人事業主が独自ドメインのメールアドレスを作る方法
ここでは、独自ドメインのメールアドレスを作る手順を解説します。
- 独自ドメインを取得する
- サーバーを契約する
- 独自ドメインとサーバーを紐付ける
- サーバーでメールアドレスを発行する
まず、独自ドメインを取得しましょう。ドメインを購入する会社を選び、申し込みページなどで独自ドメインを取得できるかどうか確認してください。取得可能であれば料金をチェックし、申し込み手続きを行えます。
次に、レンタルサーバーを選んで契約してください。メールアドレスのみ作成する場合はメールサーバーだけで大丈夫ですが、ホームページやブログなども運営する場合はWebサーバーも契約する必要があります。ちなみにWebサーバーは後から契約することも可能です。
サーバーの契約ができたら、独自ドメインと紐付けましょう。ドメイン設定などのページから紐付けられることが多いです。
最後に、サーバーにてメールアドレスを発行してください。新規追加のページやメールアカウントのページで作成できます。作成したら、メールアドレス一覧のページで確認すると安心です。
メールアドレスの費用は経費にできるか
メールアドレスのドメイン代やサーバー費用は経費として計上できます。勘定科目は「通信費」や「雑費」などを使って仕訳するのが一般的です。
例えば、レンタルサーバー代を振込用紙で支払った際の仕訳例は以下のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
通信費(インターネット代) | 1,000円 | 現金 | 1,000円 |
振込用紙ではなく、口座振替で支払った場合は「普通預金」としましょう。
また、ドメイン代をクレジットカードで支払った際の仕訳例は以下のようになります。
■クレジットカード決済した日の仕訳例
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
通信費(インターネット代) | 2,000円 | 未払金 | 2,000円 |
■料金が引き落とされた日の仕訳例
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未払金 | 2,000円 | 普通預金 | 2,000円 |
クレジットカードで支払った場合は、まず「未払金」として仕訳して、引き落とし日に「普通預金」として処理することとなるので注意してください。
独自ドメインのメールアドレスの作成を検討しましょう
仕事用のメールアドレスは、フリーメールではなく独自ドメインのメールアドレスを使用するのがおすすめです。取引先からの信頼度が上がったり、複数のメールアドレスを使い分けられたりとメリットもたくさんあります。
ドメイン代やサーバー代は発生しますが、経費として計上可能です。作成の手順もそこまで複雑ではないので、ぜひ検討してみてください。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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