• 更新日 : 2023年12月25日

フードデリバリー配達員の確定申告の必要性とその方法を解説

近年、料理を自宅などの特定の場所まで配達するフードデリバリーのサービスがさまざまなエリアで提供されるようになりました。これにともない、フードデリバリー配達員のニーズも増加しています。

フードデリバリー配達員は、ピザ配達のように特定の会社に所属して特定の商品を配達するタイプと、フードデリバリーの会社に登録して配達業を担う2つのタイプがあります。近年増えているのが、後者のフードデリバリーの会社に登録して配達の仕事をするタイプです。

今回は、フードデリバリーの会社に登録したフードデリバリー配達員にフォーカスし、確定申告の必要性などを解説していきます。

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フードデリバリー配達員は確定申告が必要?

フードデリバリー配達員として仕事をしている人で、フードデリバリーで得た所得(収益-必要経費)が一定額を超える場合は(所得税の)確定申告が必要です。具体的にどのようなケースで必要になるか、以下の見出しで詳しく解説していきます。

そもそも「確定申告」がよくわからないという方は、以下の記事もご覧ください。

どんなケースだと確定申告が必要になるのか?

フードデリバリー配達の仕事をしている人で確定申告が必要になるボーダーラインを、ケース別に説明していきます。
 

■フードデリバリー配達のみで生計を立てている社会人

雇用形態の見出しでも説明しますが、フードデリバリーの会社に登録したフードデリバリー配達員は、フードデリバリーの会社と直接雇用契約を結ぶわけではないため、年末調整を受けません。年末調整を受けない人は、納付すべき所得税額がある場合に確定申告が必要です。

納付すべき所得税額は、以下の計算によって算出されます。

フードデリバリーの所得※(収益 - 必要経費) - 所得控除 = 課税される所得金額
課税される所得金額 × 所得税の税率 - 控除額 = 所得税額
所得税額 - 配当控除などの税額控除 = 納付すべき所得税額

※フードデリバリーの所得を算出するための収益はフードデリバリーの会社から受け取る額が該当します。また必要経費は、ガソリン代など配達をするためにかかった経費を表します。必要経費については別の見出しで詳しく解説しますので、そちらもご覧ください。

上記の計算は正しい所得税額を算出するために必要です。しかし、計算が非常に複雑であるため、事前に確定申告の有無を簡易的に判断したいときは、フードデリバリー配達の所得金額が年間で48万円を超えるかをみてみるとよいでしょう。

フードデリバリーの所得(収益 - 必要経費) > 48万円 →確定申告が必要

48万円は、合計所得金額のみを条件に全員が適用を受けることができる基礎控除(所得控除の一種)の額です。納税者本人の合計所得金額が2,400万円以下のときの基礎控除額は48万円になるため、所得金額が48万円を超えるかどうかで簡易的に判断できます。フードデリバリー配達の所得金額が48万円を超えるときは、確定申告が必要であると判断してよいでしょう。

以下、この記事ではすべての人に共通して言える基礎控除を確定申告有無の判断材料として使っています。しかし本来は、概算であっても昨年度の源泉徴収票や確定申告書の控えを参考にして社会保険料控除配偶者控除など「自分独自の判断基準」を持つことをおすすめします。

また、以下で「確定申告」としているのはあくまでも所得税のことです。年末調整も確定申告もしない場合には、収入の多少に関わらず住民税の申告をする必要があります。
 

■自営業の合間にフードデリバリー配達員の仕事をしている社会人

自営業の所得とフードデリバリー配達の所得を合算して、48万円を超えるときは確定申告が必要になると考えてよいでしょう。

自営業の所得 + フードデリバリーの所得 > 48万円 →確定申告が必要

 

■副業でフードデリバリー配達員の仕事をしている会社員

年末調整を受けている会社員が、副業でフードデリバリー配達員の仕事をしているときは、フードデリバリーによる所得が年間で20万円を超えるかどうかで判断します。副業による収入を雑所得として計上する場合、その所得が20万円までは確定申告が不要とされています。したがって、もし副業による所得が20万円を超えるときは、会社員であっても確定申告が必要です。

フードデリバリーの所得 > 20万円 →確定申告が必要

 

■フードデリバリー配達員の仕事のほか、掛け持ちで副業をしている会社員

会社員がフードデリバリーのみの副業をしている場合と同様に、副業の収入が20万円を超えているかどうかで確定申告の有無を判断します。複数の副業から得られる所得を合算し、判断しましょう。

フードデリバリーの所得 + そのほかの所得 > 20万円 →確定申告が必要

なお、フードデリバリー以外の副業が給与所得に該当する場合には、本業の給与所得と合算して正しい所得税額を算出する必要があります。原則として副業の給与所得は年末調整ができないため、確定申告により精算が必要です。
 

■空いた時間にフードデリバリー配達の仕事をしている大学生

大学生などで以下の条件のいずれにも該当する場合は、勤労学生控除(所得控除の一種)を受けられます。

  • 勤労による所得がある
  • 合計所得金額が75万円以下、かつ勤労所得以外の所得(株の譲渡所得など)が10万円以下
  • 特定の学校の学生(一般の小学生、中学生、高校生、大学生、専門学校生など)

勤労学生控除の要件に該当する場合は、基礎控除に加えて、27万円の勤労学生控除を受けられます。大学生の場合は、勤労学生控除を踏まえて確定申告が必要かどうか判断しましょう。

フードデリバリーの所得 > 48万円+27万円 →確定申告が必要

大学生でフードデリバリー配達の仕事のみをしている場合は、フードデリバリーでの所得が75万円(48万円+27万円)を超えるかどうかで判断します。所得が75万円を超えるときは、確定申告が必要になるケースが多いです。
 

■フードデリバリー配達を含む複数の仕事を掛け持ちしている大学生

勤労学生に該当する大学生がフードデリバリーを含む複数の仕事を掛け持ちしている場合、以下の額を超えると確定申告が必要です。

フードデリバリーの所得+そのほかの所得 > 48万円+27万円 →確定申告が必要

 

■公的年金の受給者でフードデリバリー配達の仕事をしている人

公的年金受給者は、公的年金以外の所得が20万円を超えるとき確定申告が必要です。

フードデリバリーの所得 > 20万円 →確定申告が必要

※なお、すべてのケースにおいて、所得税の確定申告が不要な場合であっても、住民税の確定申告が必要な場合があります。

フードデリバリー配達員の雇用形態は業務委託

フードデリバリー配達員の多くは業務委託契約を結んでいます。業務委託先への報酬は年末調整が行われないため、自分で確定申告をする必要があります(ただし、上のケースで紹介したように、所得額以下のときは確定申告の必要はありません)。

アルバイトと業務委託の違い

アルバイトやパートタイマーは、いずれも企業などと直接雇用契約を結び、労働時間に応じて給与が支給されるのが特徴です。また、アルバイトやパートタイマーは、労働者として労働法の保護の対象になります。

一方、フードデリバリーの業務委託契約の多くは成果報酬型であり、配達の完了に対して報酬が支払われます。アルバイトやパートタイマーのように勤務時間の制限を受けず、労働時間を自由に設定できます。ただし、配達を完了させなければ報酬は発生しないため、アルバイトやパートタイマーと比較して収入が安定しない側面もあります。

業務委託の場合、個人事業主として確定申告が必要

アルバイトやパートタイマーは会社員同様、雇用主の多くが源泉徴収義務者に該当するため、給与から源泉徴収税額として概算の所得税額が差し引かれます。

しかし、業務委託契約を結んだフードデリバリー配達員への報酬は、源泉徴収の対象外とされています。そのため、フードデリバリー配達員として得た所得が一定額を超える場合等には自分で確定申告を行う必要があります。

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フードデリバリーの必要経費として認められる費用は?

フードデリバリーの所得を確定申告する際は、フードデリバリーの会社から受け取った報酬をそのまま計上するのではなく、必要経費を差し引いて「所得」を算出します。

フードデリバリーでの報酬(収益) - 必要経費 = フードデリバリーでの所得

必要経費が多ければ所得税の計算に用いる所得の額は小さくなりますので、節税のために必要経費にできるものはできるだけ計上したいところです。フードデリバリー配達員なら以下のような支出を必要経費に計上できます。

  • 配達で使用するバイクや自転車の購入費用
  • 配達で使用するバイクや自転車のメンテナンス費用
  • 配達で使用するバイクのガソリン代
  • 配達で必要なバイクや自転車の駐車場代、駐輪場代
  • 配達で使用するバイクや自転車の損害保険料
  • 注文者やフードデリバリー会社とのやり取りで使用した電話代

プライベートと兼用のバイクのガソリン代は?

フードデリバリーの仕事に私有のバイクを利用する人も多いでしょう。この場合は、配達で利用した分のガソリン代を必要経費に計上できます。ただ、ガソリンに関してはスタンドで一気に補給することが多いため、細かく管理するのは困難でしょう。

プライベート兼用で使用している場合は、合理的な基準で算出した家事按分により、ガソリン代を経費とプライベート分に分けます。

バイクには距離を測るメーターがついていますので、1ヶ月を目安に配達で走行した距離、プライベートで走行した距離、1ヶ月の総走行距離を記録しておきます。このうち、必要経費にできるのは配達で走行した距離に対応する部分です。

配達で走行した距離が700km、プライベートで走行した距離が300kmだった場合、7対3の割合になりますので、ガソリン代が5,000円かかったときは5,000×70%で3,500円を必要経費にできます。

減価償却とは

減価償却とは、資産の取得費用を取得時にすべて計上するのではなく、効果が及ぶ期間(一般的な使用期間)にわたって、分割して費用計上するルールです。フードデリバリーのために一定額以上の資産を購入した場合には、その購入代金を減価償却処理する必要があります。

例)45万円のバイク(耐用年数3年)を1月1日に購入し、定額法(3年の償却率0.334)で減価償却した場合 ※所得税を申告する個人は届出を行わない限り定額法で計算します。

1年目 45万円×0.334=150,300円(減価償却費として150,300円を経費に計上)
2年目 45万円×0.334=150,300円(減価償却費として150,300円を経費に計上)
3年目 45万円-(150,300円+150,300円)-1円=149,399円
※備忘価額1円を残し、残額の149,399円を減価償却費として経費に計上する。

フードデリバリーの確定申告の方法は?

フードデリバリーを専業でしている場合、副業でしている場合に分けて、確定申告のやり方を解説していきます。

フードデリバリー専業の人(白色申告)

フードデリバリーの仕事を事業として継続的に行っている場合(フードデリバリーの仕事を専業で生計を立てている場合)、フードデリバリーでの収入は事業所得に該当します。

事業所得として申告される人のうち、青色申告承認申請を行っていない人は白色申告者として、確定申告書と収支内訳書(一般用)の提出が必要です。また、雑所得はすべて白色申告となります。

以下、書き方を簡単に解説していきます。令和4年分の収支内訳書には、事業所得か雑所得かどちらか選択して〇を付ける欄が追加されました。下の例では事業所得とした場合を表示しています。

【収支内訳書(一般用)1枚目】

収支内訳書(一般用) フードデリバリー

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁収支内訳書を加工して作成

収支内訳書1枚目は、1年間の収入や経費を記入していきます。たとえば、フードデリバリーの収入が225万円、経費が以下のように発生したときは上のように収支内訳書に記入します。

450,000円×0.334×50%=75,150 バイクの減価償却費
240,000円×50%=120,000 ガソリン代(今回は旅費交通費で処理→ほかの科目も可)
60,000円×50%=30,000 駐車場代(旅費交通費)
20,000円×50%=10,000 バイクの保険料(損害保険料)
29,700×50%=14,850 携帯電話代(通信費

※配達で使用するバイク、携帯電話はプライベート兼用で家事按分比率50%とします。家事按分比率の根拠については保存しておきましょう。

【収支内訳書(一般用)2枚目】

収支内訳書(一般用)2枚目

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁収支内訳書を加工して作成

収支内訳書の2枚目には、売上の明細や減価償却費の計算を記入する項目があります。売上金額の明細には、フードデリバリー会社別の売上金額と会社の名称や住所、減価償却費の計算部分は、減価償却の対象になる資産(原則は資産1点につき10万円以上)の詳細や計算を記入します。※記入例はバイクAとなっていますが、正確なバイクの車種などを記入するのが望ましいです。

【確定申告書】

令和5年分以降用 確定申告書第1表 フードデリバリー

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税確定申告書を加工して作成

収支内訳書での計算をもとに、確定申告書の事業所得(営業等)の収入金額の欄に収入内訳書で記載した売上金額を、事業所得(営業等)の所得金額の欄に収入内訳書で記載した所得金額を転記します。

フードデリバリー専業の人(青色申告)

フードデリバリー専業で仕事をしている人で、青色申告の申請を行っているときは、確定申告書と青色申告決算書を作成し、提出します。なお、令和4年分より所得税の確定申告書はA、Bの区別がなくなり、「確定申告書」に一本化されました。

【青色申告決算書(一般用)1枚目】

青色申告-所得税青色申告決算書 フードデリバリー 令和5年

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税青色申告決算書を加工して作成

青色申告決算書1枚目では、年間の売上と経費を記入する損益計算書を作成します。書き方は、収支内訳書と基本的には同じです。売上額と経費の額を記入しましょう(※記入例の数字は収支内訳書の数値と同じ)。異なるのは、「青色申告特別控除額」の枠があることです。所得金額は、青色特別申告控除後の額になります。

【青色申告決算書(一般用)2枚目】

青色申告-所得税青色申告決算書 2枚目 フードデリバリー

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税青色申告決算書を加工して作成

2枚目に記入するのは、月々の売上金額と仕入金額、青色申告特別控除額の計算部分です(残りは必要に応じて記入します)。

【青色申告決算書(一般用)3枚目】

青色申告-所得税青色申告決算書 3枚目 フードデリバリー

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税青色申告決算書を加工して作成

3枚目にある減価償却費の計算は、収支内訳書で記入するものと同様です。また、減価償却資産があれば記入します。

【青色申告決算書(一般用)4枚目】

青色申告-所得税青色申告決算書 4枚目 フードデリバリー

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税青色申告決算書を加工して作成

4枚目は、貸借対照表です。期首(1月1日)と期末(12月31日)時点の財産の状態を示した表で、合計額は借方(左側)と貸方(右側)で一致している必要があります。

【確定申告書】

令和5年分以降用 確定申告書第1表 フードデリバリー

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税確定申告書を加工して作成

青色申告決算書を作成したら、損益計算書の売上金額を確定申告書の事業所得(営業等)の収入金額の欄、所得金額を事業所得(営業等)の所得金額の欄に、青色申告特別控除額を赤枠の「青色申告特別控除額」の欄に転記します。所得金額は、青色申告特別控除後の額になることに注意しましょう。

フードデリバリーを副業でしている人

決まった時間ではなく、空いた時間にフードデリバリーの仕事をしているなど、副業にあたるときは、基本的には雑所得で確定申告をします。雑所得も事業所得のように売上額から必要経費を差し引いて所得金額を計算します。前々年度の売上高が1,000万円を超えているときには、事業所得のように収支内訳書の添付が必要です。

たとえば、フードデリバリーの副業での売上が50万円、副業のために5万円の自転車を購入した場合、50万円-5万円で所得金額は45万円になります。記入例は以下の通りです。

【確定申告書】

、フードデリバリーの副業での売上が50万円、副業のた

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税確定申告書を加工して作成

押さえておきたい節税ポイント

節税とは、確定申告で認められた制度などを活用することで、税金を納め過ぎないようにすることをいいます。確定申告で押さえておきたい節税のポイントは、必要経費、所得控除、税額控除の3つです。

必要経費については、家事按分を活用して仕事で使用した部分を漏れなく経費に計上するようにします。

令和5年分以降用 確定申告書第1表 節税ポイント

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税確定申告書を加工して作成

所得控除は、納税者個々の事情を鑑みて設けられているもので、課税対象になる所得を減額する効果があるものです。フードデリバリー配達員なら、自分で支払った国民健康保険税や国民年金保険料(社会保険料控除の対象)、医療保険や生命保険料に加入している場合は生命保険料控除など、漏れなく申告するようにしましょう。所得控除の記入欄は、上の図の赤枠の「所得から差し引かれる金額」の部分です。

確定申告書 所得から差し引かれる金額

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税確定申告書を加工して作成

3つ目の税額控除は、所得税額から直接差し引ける控除額のことです。税額控除の中でもよく知られているのが、住宅ローン控除住宅借入金等特別控除)です。住宅ローンを利用して自宅を購入したときなどは、住宅ローン控除の申告も忘れないようにしましょう。税額控除の記入欄は、上の図の赤枠の「税金の計算」の部分です。

所得税の計算

所得税額は、速算表を用いて以下のように計算します。

合計所得金額-所得控除=課税所得金額
課税所得金額×税率-控除額=所得税額(※速算表を用いて計算)
所得税額-税額控除=納めるべき所得税額

【所得税の速算表】

課税所得額
税率
控除額
1,000円~194.9万円まで5%0円
195万円~329.9万円まで10%97,500円
330万円~694.9万円まで20%427,500円
695万円~899.9万円まで23%636,000円
900万円~1,799.9万円まで33%1,536,000円
1,800万円~3,999.9万円まで40%2,796,000円
4,000万円~45%4,796,000円

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

具体例で、所得税の計算方法をみていきましょう。

例1)フードデリバリー専業で、事業所得200万円、所得控除80万円、税額控除はなかった。

200万円-80万円=120万円(課税所得額)
120万円×5%-0円=60,000円(所得税額)

例2)給与所得400万円、フードデリバリーの雑所得50万円、所得控除150万円、税額控除はなかった。給与所得については152,500円の源泉徴収を受けており年末調整済である。

(400万円+50万円)-150万円=300万円(課税所得金額)
300万円×10%-97,500円=202,500円(所得税額)
202,500円-152,500円=50,000円(確定申告で納めるべき所得税額)

このケースでは、すでに152,500円が源泉徴収済なので、源泉徴収額を差し引いた50,000円を確定申告で納めることになります。

※復興特別所得税は、計算上考慮しておりません。

フードデリバリーの確定申告で会社に副業がバレる?

副業を容認する会社も増えてきましたが、就業規則で禁止している会社はまだ少なくありません。また、禁止まではしていなくても、副業を快く思わない会社もあります。

会社に副業がバレないためには、まず本業のほかに仕事をしていることをむやみに口にしないことです。しかし、自ら副業の話をしなくても、会社に副業がバレることがあります。副業がバレるケースとして多いのが、昨年度と比較した住民税額の増加です。会社員の場合、住民税は給与から天引きされる形になりますが、住民税の額が異常に多いと、給与計算を行う担当者に勘付かれてしまい、副業がバレてしまうことがあります。

住民税額からの副業バレを防ぐには、確定申告の際に、申告分を自分で納付するようにすることです。以下の図のように、確定申告書の第二表「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の「自分で納付」に丸をつけます。

【確定申告書 第二表】

確定申告書 第二表

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁所得税確定申告書を加工して作成

これにより、給与所得以外の収入にかかる住民税の納付は、自分で行えるようになります。ただし、自分で納付できるのは「給与所得以外」であることに注意しましょう。

フードデリバリーの確定申告をしないとどうなる?

確定申告が必要なケースでも取り上げたように、合計所得金額が基礎控除額を下回るといった理由で所得税額が発生しない人は、確定申告をしなくても問題ありません。

しかし、確定申告が必要な人が確定申告をしないままにしておくと無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されてしまいます。本来納めるべき所得税を超えて、さらにペナルティ分を納付しなければならなくなるため、忘れずに確定申告をするようにしましょう。

確定申告をしなかったときのペナルティについては、以下の記事で詳細を解説していますので、こちらもご覧ください。

フードデリバリー専業なら青色申告がおすすめ

確定申告を青色申告で行う場合、一定の水準で正確に記帳し、所得を計算することで、青色申告制度のさまざまな特典を受けられます。青色申告制度の代表的な特典のひとつが、青色申告特別控除です。

青色申告特別控除は、最大65万円(電子申告または電子帳簿を行う場合)、通常55万円、現金主義で記帳する場合には最大10万円など、定められた控除額を所得から控除できます。節税対策を考えるなら青色申告がおすすめです。

ただし、青色申告は、不動産所得者、事業所得者、山林所得者のみが活用できる制度です。そのためフードデリバリーの報酬を雑所得で計上する場合には、青色申告はできません。フードデリバリーを専業として行う、または自営業の副業として行い、報酬を事業所得に計上するといった方は、ぜひ青色申告を活用しましょう。

青色申告については以下の記事で詳細を解説していますので、こちらもご覧ください。

フードデリバリー配達員も忘れずに確定申告しましょう

フードデリバリー配達員一本で仕事をする場合も、副業でフードデリバリーの配達員をする場合も、一定の所得があれば確定申告が必要です。確定申告をしないと無申告加算税などのペナルティが課せられることもありますので、確定申告が必要かどうかを必ず確認しておき、必要であれば忘れずに確定申告を行いましょう。

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よくある質問

フードデリバリー配達員は確定申告が必要?

フードデリバリー配達員の仕事である程度収入を得ているなら、確定申告が必要になる可能性があります。詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告でフードデリバリーの必要経費に認められるのは?

配達で使用するバイクの購入費用やガソリン代など、フードデリバリーの仕事に必要な費用であれば必要経費として認められます。詳しくはこちらをご覧ください。

フードデリバリー配達員が確定申告をしないとどうなる?

無申告とみなされ、無申告加算税などのペナルティが課されることがあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

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