• 更新日 : 2025年1月31日

デイトレーダーの確定申告のやり方は?経費や税金対策についても解説

デイトレーダーは、短期的な取引を繰り返して利益を得ます。デイトレードにおいて経常的に利益を出すことは非常に難しく、情報収集力や分析力だけでなく、元手となる資金にも大きく左右される仕事であると言えます。

この記事では、デイトレーダーが取引の結果、所得を計算して確定申告をするにあたっての注意点などを解説します。

広告

なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。

チェックリスト付きなので、情報収集だけでなく、書類作成・申告手続きを行う時にもお使いいただけます。

この記事を読む方におすすめ 青色申告1から簡単ガイド
内容を見る 無料登録でもらう

税理士監修で、40ページ以上の情報がギュッと詰まったお得な1冊となっていますので、毎年使える保存版としてご活用ください。

広告
来年の確定申告をオンラインで、簡単に

マネーフォワード クラウド確定申告」なら日々の取引入力→申告書の作成→申告作業が、オンラインで完結します。

取引明細の自動取得と仕訳の自動作成に対応しており、手入力を減らしてカンタンに記帳・書類を作成。来年の確定申告は余裕を持って対応できます。

PC(Windows/Mac)だけでなく、スマホアプリからも確定申告が可能です。

マネーフォワード クラウド確定申告
詳細を見る 無料で使ってみる

デイトレーダーは確定申告が必要?

デイトレーダーで株式等の譲渡益がある場合には、基本的には確定申告が必要です。一般に、上場株式等の譲渡益について申告する場合は、申告分離課税が適用されます。この項では、証券会社等に開設する取引口座による確定申告の要不要について解説します。

株式などの取引を行う際、取引のための窓口として、金融商品取引業者側に「一般口座」か「特定口座」のどちらかを開設します。一般口座とは、取引に関する情報を自分で管理する必要がある口座です。取引の履歴が記録されるため、それをもとに個人で損益等の計算を行い、確定申告をします。

これに対し、特定口座とは金融商品取引業者等から「特定口座年間取引報告書」が交付されるため、確定申告を簡易に行うことができます。

デイトレーダーが一般口座を利用している場合

一般口座は、取引結果の集計に手間がかかるうえ、計算途中でのミスが発生するリスクが高いと言えます。しかし、経費等を細かく調整したい場合には、特定口座にせず、一般口座で対応することもあります。

また、一般口座は、特定口座が利用できない金融商品を取り扱いたい場合などに選択します。一般口座を利用する場合は、申告分離課税により確定申告します。

デイトレーダーが源泉徴収ありの特定口座を利用している場合

特定口座には次の2種類があります。

  • 簡易申告口座(源泉徴収なし)
    金融商品取引業者等からの「特定口座年間取引報告書」に基づき、申告分離の確定申告をします。
  • 源泉徴収口座(源泉徴収あり)
    1つの特定口座内で生じた所得に対して源泉徴収されます。したがって、課税関係が終わっているため、源泉徴収口座内の上場株式等の譲渡益については確定申告不要が選択できます。また、源泉徴収口座内で上場株式等の配当金を受け入れた場合、同じ口座の譲渡損失と損益通算をした後の金額を元に源泉徴収されます。なお、源泉徴収ありの場合でも他に調整項目があれば、確定申告をすることもできます。
    参考:措置法第37条の11の5《確定申告を要しない上場株式等の譲渡による所得》関係 |国税庁

デイトレーダーが確定申告しないとどうなる?

デイトレーダーを事業として実施している場合には、事業所得となりますが、デイトレードをその他の雑所得として申告するケースもあります。確定申告は期限内に行うこととされていますが、これを失念した場合について考えてみましょう。

上場株式等の譲渡損失の繰越控除が受けられない

金融商品取引業者等を通じて上場株式等を譲渡し、生じた譲渡損失については、翌年以後3年間にわたって損失額を繰越し、上場株式等に係る譲渡所得配当所得等から控除することができます。これは確定申告をしないと繰り越せません。

なお、例えば確定申告はしたものの損失申告をしない場合にも、当然ながら譲渡損失の繰越控除は受けられません。

参考:No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除|国税庁

延滞税や無申告加算税などの税金が発生する

確定申告を失念した場合には、延滞税や無申告加算税が発生することがあります。

納期限後、納付する日までの利息に相当するものが延滞税です。申告が遅くなるほど、納税額が大きいほど支払うべき延滞税も増えていきます。現在、納期限から2カ月間の延滞税は本税の2.4%となりますが、それ以降は税率も大きくなります。

また、加算税は行政制裁的な性格をもつもので、無申告加算税は最低で本税の15%となっています。無申告が重なる場合等には、さらに「重加算税」という重い税金が課せられます。

参考:No.9205 延滞税について|国税庁
参考:納税環境整備に関する基本的な資料|財務省

税務調査が行われる可能性がある

滞納や無申告等の調査についてもシステム上で行われるようになりました。全国の国税庁と税務署をネットワークでつなぐ「国税総合管理システム」では、申告・納税の状況や各種の情報分析することができ、税務調査に活用しているようです。

税務調査の対象とされた場合には、過去にさかのぼって追徴となる可能性もあります。そのため、一番の節税は期限内申告をすることです。

広告
個人事業主の"経費"、うまく活用できていますか?

マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。

税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。

個人事業主が知っておくべき経費大辞典

内容はこちら 無料登録でもらう

デイトレーダーの所得は事業所得に分類されない?

デイトレーダーは株取引だけでなく、FX取引や先物取引、暗号資産取引その他種々の取引を行う場合が多々あります。その場合、すべてが先に見てきた上場株式等の譲渡所得と同じ処理ではありません。

下記の表は、上記で説明した株式取引以外の所得区分の考え方についてまとめています。ただし、「事業」として下記取引を実施する場合の所得区分は「事業所得」になります。

取引の対象事例所得区分
FX

(外国為替証拠金取引)

差金決済による差益が生じたその他の雑所得

※先物取引に係る雑所得等)

先物取引商品先物取引、金融商品先物取引等で利益が生じた
暗号資産取引暗号資産の譲渡益が生じたその他の雑所得

※先物取引に係る雑所得等への課税

確定申告書に先物取引に係る雑所得の金額の計算明細書を添付します。

申告分離課税により所得に対し「所得税15.315%および住民税5%」が課税されます。

また、NFT等を用いた取引については、暗号資産など財産的価値が認められる場合には課税の対象となります。NFTの取引により生じた譲渡益は譲渡所得に区分されますが、事業的にNFT取引を行っている場合には事業所得となります。

参考:No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係|国税庁
参考:No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例|国税庁
参考:No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係|国税庁、「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)

No.1525-2 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係|国税庁

デイトレーダーの確定申告のやり方

上場株式等の譲渡損は、確定申告により繰越控除を受けることができます。しかし、雑所得における損失の場合には、他の所得から差し引く(損益通算)ことはできません。この場合の確定申告のしかたを見ていきましょう。

(事例)

上場株式等の譲渡益がある場合に確定申告をするケース。特定口座の簡易申告口座を選択している。また、暗号資産の取引により損失を出している。事業所得ではない。

デイトレーダーの確定申告の必要書類

  • 特定口座年間取引報告書(転記用又は提出用)
  • 確定申告書 第一表、第二表、第三表
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
  • 控除証明書、マイナンバー等身分証明書類

デイトレーダーの確定申告書の書き方

主な順序は次のとおりです。

  1. 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
    上場株式の譲渡益については、証券会社等から交付を受けた年間取引報告書から「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を作成します。
  2. 確定申告書第三表
    確定申告書の第三表に上記1の明細書を参考に収入金額や所得金額を転記し、第三表の税金を求めます。この時、課税所得に係る所得税率は15%となります。
  3. 確定申告書第一表、第二表
    事例のように雑所得の金額がマイナス(損失)の場合、損失部分の相殺ができないので、その他の雑所得はゼロとなります。
    第三表で計算した所得税額を第一表に転記して、確定税額を求めます。
    なお、第一表の「申告の種類」欄では分離に〇を付け、第二表についても記載します。

参考:令和6年分株式等の譲渡所得等の申告のしかた|国税庁

デイトレーダーの確定申告書の提出方法

確定申告書の提出については、書面による提出と電子による提出があります。

デイトレーダーの確定申告書の提出期限

所得税の確定申告書の提出期間は、毎年概ね2月15日前後から3月15日前後です。令和6年分の所得税の確定申告書の提出期限は下記のとおりであり、税金の納期限でもあります。なお、振替納税の場合には、振替日(引落日)が令和7年4月30日(水)です。

所得税の確定申告期限 令和7年2月17日(月)から令和7年3月17日(月)まで

参考:主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日|国税庁

デイトレーダーが節税対策のために経費にできる費用は?

職業に関係なく所得税を節税するための一つの方法として、正しく必要経費を計上することが挙げられます。

デイトレーダーの場合の必要経費を見てみましょう。なお、事業所得となる場合以外は、オフィス関連費用以降の経費計上は慎重にするほうがよいでしょう。

  • 証券会社等への手数料
  • 情報端末の利用料、取引に直接必要となるソフトウェアの使用料
  • オフィス関連費(家賃、通信回線料等)
  • 備品費(パソコン、モニター等購入費、デスク等の什器購入費)
  • 情報収集のための図書、セミナー参加費等

デイトレーダーも個人投資家も確定申告は必須!

個人投資家と呼ばれる人たちの多くは、長期的な資産形成や配当金などを目的とし、リスクを抑えるための管理に力を入れます。これに対し、デイトレーダーの場合は目まぐるしく変わる価格変動に目を付け、短期的な投資が基本となり、取引には大きなリスクを伴うこともあります。

取引に充てる時間、資金規模、リスク許容度によって、両者の状況は変わりますが、獲得した所得に対する確定申告の義務もあるため、注意が必要です。

広告

はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法

確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。

個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。

①取引明細は自動で取得

マネーフォワード クラウド確定申告|取引明細は自動で取得

銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。

無料で試してみる

②仕訳の勘定科目を自動提案

マネーフォワード クラウド確定申告|仕訳の勘定科目を自動提案

自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。

機能の詳細を見る

③確定申告必要書類の自動作成機能

確定申告必要書類の自動作成機能

白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。

追加料金なしで確定申告以外のサービスが使える

有料プラン(パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス)に登録すると、基本料金だけで請求書や契約のサービスを含む11サービスを利用することができます。日々の業務や作業をまとめて効率化しましょう。

同一プランで複数サービスが使える

詳細はこちら

合わせて読みたいおすすめ資料

マネーフォワード クラウド確定申告では、さまざまなお役立ち資料を用意しています。 無料登録するだけで資料がダウンロード可能なので、ぜひ読んでみてください。

会社員の確定申告 丸わかりガイド

会社員の確定申告 丸わかりガイド

無料でダウンロードする

青色申告1から簡単ガイド

青色申告1から簡単ガイド

無料でダウンロードする

個人事業主が知っておくべき経費大辞典

個人事業主が知っておくべき経費大辞典

無料でダウンロードする

広告
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

右矢印アイコン もっと読む

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事

広告