- 更新日 : 2025年1月27日
ライバーの確定申告のやり方は?学生・副業の場合やライブ配信の経費も解説
一般的に、多くのライバーは確定申告が必要です。しかし、ライバーには様々な働き方があり、働き方によって確定申告の要不要が決まります。また、収入金額や所得金額などによっても異なります。
ここでは、働き方によるライバーの確定申告の要不要や確定申告のやり方、ライブ配信の経費などについて詳しく解説します。
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目次
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ライバーはいくらから確定申告が必要?
ライバーは働き方や収入金額・所得金額などによって、確定申告が必要かどうか異なります。それぞれのケースで、確定申告の必要性について見ていきましょう。
芸能事務所から給与をもらってライブ配信している場合
原則、芸能事務所から給与をもらってライブ配信している場合は、確定申告は不要です。なぜなら、芸能事務所とライバーで雇用関係を結んでいるからです。
芸能事務所は毎年12月になると年末調整を行い、毎月の給料から天引きされている源泉所得税を1年間の実際の給料に応じて計算しなおしてから精算します。そのため、ライバーが確定申告をする必要はありません。
個人事業主としてライブ配信している場合
個人事業主としてライブ配信している場合は原則、確定申告をする必要があります。芸能事務所から独立している場合や、芸能事務所に所属しているがエージェント契約を結んでいる場合も、芸能事務所と雇用契約にないため、確定申告が必要です。
しかし、売上から経費を差し引いた所得金額よりも控除額が多い場合や、赤字になっている場合など、納める所得税がなければ確定申告をする必要はありません。
所得控除には、納税者本人に対する控除である基礎控除が48万円あります。他の控除がなくても、所得金額が48万円以下であれば納める所得税がないため、確定申告は不要です。
ただし、確定申告をしないと、所得証明など公的に所得金額を証明するものを取得できません。融資を受ける場合など、公的に所得金額を証明する書類が必要な場合は、納める所得税がなくても確定申告をするようにしましょう。
学生ライバーの場合
学生ライバーの場合も原則、確定申告が必要です。ただし、納める所得税がなければ確定申告をする必要はありません。
所得控除には、納税者本人に対する控除である基礎控除が48万円ありますが、加えて学生の場合で働いていて、所得金額が75万円以下の場合には、27万円の勤労学生控除があります。そのため、売上から経費を差し引いた所得金額が75万円以下の場合は納める所得税はありません。
ただし、学生ライバーは所得金額が48万円を超えると親の扶養からはずれるため、親の扶養控除がなくなって税金負担が大きくなります。そのため、親が支払う税金のことを考えるなら、所得金額は48万円までに抑えたほうがよいでしょう。
副業ライバーの場合
副業ライバーの場合は、副業の所得が20万円を超えたら確定申告が必要です。副業の所得が20万円以下の場合は、確定申告は不要です。
ライバーの確定申告が不要なケース
上述した通り、ライバーは働き方によって確定申告が必要かどうか異なります。どの働き方であっても、原則として納める所得税がない場合は、確定申告が不要です。
芸能事務所から給与をもらってライブ配信している場合は、年末調整を行うので確定申告をしても納める所得税はありません。それ以外の場合でも、所得金額より控除額が多い場合や、赤字になっている場合などは納める所得税はありません。
ただし、確定申告が不要な場合でも、医療費控除などで還付を受ける場合や青色申告で赤字の繰り越しを行う場合などは確定申告が必要になるので注意しましょう。
また、納税者の状況に応じて税務署への確定申告が不要でも、住民税の申告が必要となる場合もあるので注意が必要です。
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ライバーが確定申告しないとどうなる?
確定申告をする必要があるライバーが、確定申告をしないとペナルティが課されます。課されるペナルティとして代表的なものが、税金を期限までに納めなかった場合に課されるペナルティである「延滞税」と、期限までに申告をしなかったことに対して課されるペナルティである「無申告加算税」です。
確定申告をしていない場合は通常、納税も行っていないので、本来の税額に加えて延滞税と無申告加算税の両方のペナルティが課されます。
また、悪質なケースとみなされた場合では、刑事罰に処される可能性もあるので、必ず確定申告をするようにしましょう。
ライバーの確定申告は青色申告と白色申告の2種類
ライバーである個人事業主が、ライバーという仕事を継続して事業として行う場合は「事業所得」に、単発で行う場合など事業に該当しない場合は「雑所得」になります。
ライバーの仕事が事業所得になる場合は、青色申告または白色申告で確定申告を行います。それぞれのメリットについて、見ていきましょう。
ライバーが青色申告するメリット
ライバーが青色申告をするメリットは、納税者が有利になる様々な特典を受けられることです。ただし青色申告をするには、複式簿記などを使ったしっかりとした帳簿付けをするなど、一定の要件を満たす必要があります。
青色申告のメリットとして代表的なものが「青色申告特別控除」です。青色申告特別控除では、青色申告をすることで最大65万円の控除ができます。通常の経費に加えて最大65万円の控除が受けられるので、節税ができます。
そのほかにも、ライバーの事業で生じた赤字を3年間繰り越せるなどの特典もあります。
ライバーが白色申告するメリット
ライバーが白色申告をするメリットとして、確定申告に手間がかからないことが挙げられます。
青色申告では、一定のルールに従った帳簿付けをする必要があり、帳簿付けの手間がかかります。一方、白色申告では簡易的な帳簿付けをすればよいので、帳簿付けの手間が少なくて済みます。
また、青色申告をするには事前の申請が必要です。白色申告では事前の申請も不要であるため、申請書の作成などの手間を省くことができ、空いている時間をライバーの活動に充てることが可能です。
ライバーの確定申告のやり方
ここからは、ライバーの確定申告のやり方について見ていきましょう。
ライバーの確定申告の必要書類
確定申告書(事業所得の場合は青色申告決算書や収支内訳書)は、国税庁のホームページからダウンロードするか、税務署の窓口などで入手します。
ライバーの確定申告書の書き方
通常、ライバーの確定申告で必要な確定申告書は、第一表と第二表です。
第一表は、納める税金や還付される税金を計算する書類です。支払調書や源泉徴収票、事業所得の場合は作成した青色申告決算書や収支内訳書などを見ながら、収入金額や所得金額、所得控除の金額など必要な情報を記載していきます。事業所得は「事業」の「営業等」欄に、雑所得は「雑」の「業務」欄に記載します。
第二表は、所得の内訳や保険料の情報、配偶者や親族の情報、住民税や事業税の情報など確定申告書を作成する上で必要な情報を記載する書類です。支払調書や源泉徴収票、保険料控除証明書などを見ながら、記載していきます。
一般的に確定申告書は、青色申告決算書(収支内訳書)や確定申告書第二表から作成します。最後に確定申告書第二表などを見ながら、確定申告書第一表を作成します。
ライバーの確定申告書の提出方法
ライバーの確定申告書の提出方法には、次の3つの方法があります。
- 税務署の窓口に提出
紙の確定申告書を税務署の窓口に持参し、提出します。 - 郵送で提出
確定申告書を税務署もしくは業務センターに郵送します。確定申告書は一般的に、簡易書留で郵送します。 - e-Tax
確定申告書を紙ではなく電子データとして提出するのが、e-Taxです。e-Taxは、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxと連携しているソフトなどで行います。
ライバーの確定申告書の提出期限
ライバーの確定申告書は、毎年翌2月16日から3月15日までの間に提出します。期限日が土日の場合、期限は翌日になります。例えば令和6年分の確定申告書提出期限は、令和7年3月17日(月)までです。
郵送で確定申告書を提出する場合も提出期限は同じですが、税務署に申告書が届いた日ではなく消印日が有効です。令和6年分の確定申告書の場合、令和7年3月17日の消印があれば、期限内に提出したことになります。
ライバーが確定申告するときの雑所得の種目は?
確定申告書第二表には「所得の内訳」欄があります。これは、1年間に得た収入金額や天引きされた源泉所得税の金額を、所得ごとに記載する欄です。雑所得のあるライバーの場合、「所得の種類」には「雑」を記載します。
「種目」には、どのような収入であるのかを記載します。種目は厳格な決まりがある訳ではなく、どのような収入であるか分かれば構いません。例えば「ライバー収入」「配信収入」「配信出演料」などと記載します。
ライバーが確定申告で経費にできる費用は?
ライバーは、配信に関係のある費用を経費にすることができます。ライバーが確定申告で経費にできる代表的な費用には、次のようなものがあります。
ライブ配信のための撮影機材
ライブ配信のために必要な撮影機材の購入代金は、もちろん経費になります。例えば、カメラやマイク、照明機材などの撮影機材や、配信に必要なパソコンやスマホの購入代金などは経費になります。また、機材が故障した時の修理代金も経費にできます。
衣装代、化粧品代
ライブ配信中に使う衣装や化粧代、演出に必要な小道具なども経費にできます。ただし、私服などライブ配信には使わないものについては、経費にできないので注意しましょう。
他のライバーへの投げ銭
自分のライブ配信の参考にするために、他のライバーの配信を見に行きそこで投げ銭をした場合は、経費にすることができます。ただし、投げ銭があまりに多額の場合や、事業に関係ないと判断される投げ銭など、状況によっては経費にならないこともあるので注意が必要です。
ライバーが確定申告すると学校や会社にバレる?
基本的に、確定申告をすることでライバーをしていることが学校や会社にバレることはありません。
ただし、住民税関係で副業をしていることが会社にバレる可能性があります。なぜなら、住民税の納付書が会社の給与分と合算された金額で会社に届くからです。会社が給与分より住民税が多いことに気づけば、副業の内容は分からないものの、何か副業をしていると気づかれる可能性はあります。
なお、確定申告書第二表の住民税欄にチェックを付けることで、ライバー収入分を給料分の領収書と分けることができます。
チェックをする場所は、確定申告書第二表「住民税・事業税に関する事項」にある「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の「自分で納付」欄です。「自分で納付」欄にチェックをすれば、会社の給与分は会社に、ライバーの収入分は自宅に住民税の納付書が届くので、確定申告によりライバーの副業が会社にバレることはありません。
確定申告が必要なライバーは節税対策も忘れずに
ライバーには様々な働き方がありますが、芸能事務所から給与をもらってライブ配信している場合を除いて原則、確定申告が必要です。
確定申告で経費にできるものを経費に計上したり、青色申告をしたりすることで、節税が可能です。ただし、確定申告を忘れると、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課されます。確定申告が必要なライバーは節税対策をしっかり行い、忘れずに確定申告を行いましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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