- 更新日 : 2024年3月5日
YouTuberの確定申告のやり方を徹底解説!収入別の税金対策を紹介
YouTubeの規模がますます大きくなり、YouTuberとして活動する配信者の方が増えていると思います。本業でも副業でもYouTuberとして収入がある方は基本的に確定申告が必要です。
「確定申告は必要?」
「経費はどこまでOK?」
「確定申告のやり方がわからない」
などの疑問・不安がある方はぜひご一読ください。
特に「20万円」「48万円」などの金額だけで判断するのは危ないかもしれません。1つ1つ自分に当てはまるか確認していきましょう。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを分かりやすくまとめた「青色申告1から簡単ガイド」を無料で用意しております。
チェックリスト付きなので、情報収集だけでなく、書類作成・申告手続きを行う時にもお使いいただけます。
この記事を読む方におすすめ税理士監修で、40ページ以上の情報がギュッと詰まったお得な1冊となっていますので、毎年使える保存版としてご活用ください。
目次
YouTuberが知っておきたい確定申告とは
そもそも確定申告とは、所得税の申告を意味することが一般的です。
この他にも消費税や贈与税の確定申告がありますが、この記事では所得税をメインに説明していきます。
また、所得税では自分で所得(≒利益)を計算して、税務署に申告納税する方法が採用されています。したがって、基本的に所得があれば自分で確定申告を行うことになります。
ただし、給与に関しては会社が本人に代わって確定申告を行います。このことを年末調整といいます。
YouTuberに確定申告は必要?
確定申告は一定金額以上の所得があれば必要です。
目安として「20万円」や「48万円」などの金額を聞いたことは無いでしょうか。
これらの金額は条件に当てはまる場合に参考になります。しかし、当てはまらない場合もあるので確認していきましょう。
結論は、所得税を払う場合に確定申告が必要です。
確定申告が必要な条件
確定申告の条件を説明する前に、YouTuberを以下のように便宜上分類します。
分類 | 該当する方 |
---|---|
事務所や会社に所属するYouTuber | YouTuberとして活動した収入を事務所等から給与や賞与、役員報酬として受け取る方 |
副業YouTuber | YouTuber以外の職業として給与があり、副業的にYouTuberとして活動している方 YouTuber以外の事業を営んでおり、副業的にYouTuberとして活動している方 |
本業YouTuber | 給与が無く、主にYouTuberとして活動し生計を立てている方 個人事業主として活動している方 |
上記を基に確定申告が必要な場合を説明していきます。
まず、事務所や会社に所属するYouTuberの方は以下のどれかに該当する場合、確定申告が必要です。
- 年間の給与が2,000万円を超える
- 複数の事務所や会社から給与を受け取っている
- 給与と退職金以外に20万円超の利益がある
- 年末調整されていない給与が20万円超である
- 年末調整では使えない控除(医療費控除やふるさと納税の控除など)を使う
次に、副業YouTuberの方は以下のどれかに該当する場合、確定申告が必要です。
- YouTuberとしての利益とその他の利益の合計が20万円を超える
- 複数の事務所や会社から給与を受け取っている
- 年末調整されていない給与が20万円超である
- 年末調整では使えない控除(医療費控除やふるさと納税の控除など)を使う
次に、本業YouTuberの方は特別な事情が無い限り、確定申告を行う必要があります。
最後に補足として、所得税では成年、未成年の区別が無く、所得があれば基本的に確定申告を行う必要があります。特に、学生や未成年だからといって確定申告をしなくて良いことにはなりません。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
YouTuberの確定申告のやり方
実際の確定申告については、以下の記事で詳しく説明しています。
ただし、確定申告の前にYouTuberとして活動した収入が何の所得になるかを明確にしなければいけません。
YouTuberの収入と所得区分
所得税には10種類の所得がありますが、YouTuberに関係する所得は以下の3つです。
所得 | 内容 |
---|---|
給与所得 | 事務所や会社から給与・賞与として受け取る所得 YouTuberとして活動した収入を給与等として受け取る YouTuber以外の職業として給与を受け取る |
事業所得 | 事業として反復継続して得る所得 独立してYouTuberとして得る収入 これから活動する予定も含む |
雑所得 | 給与所得にも事業所得にもならない所得 |
まず、給与所得は事務所や会社との雇用契約などがあり、給与や賞与、役員報酬などの名目で収入がある場合が該当するでしょう。例外的に一定額を給与として、出来高で支払われる部分を事業所得とすることも可能です。また、例外のケースは会社の報酬形態によるため、個別の判断が必要になります。
次に、事業所得は個人事業主として活動している場合が該当します。この他に頻繁にYouTuberとして活動している場合や主な収入源がYouTube(Google)やスポンサーからの収入になっている場合などが当てはまるでしょう。
次に、雑所得は事業所得にならない場合が該当します。具体的には不定期に活動する場合や主な収入が他の活動にある場合などが該当するでしょう。
最後に補足として、事業所得と雑所得の区別には個別の判断が必要になる場合が多いです。
あくまでも参考として、事業所得は「反復継続して」とある通り、それなりに活動している必要があります。さらに事業所得の申告では、収入や経費を帳簿にまとめなければいけません。
YouTuberの経費はどこまで認められるのか
事業所得と雑所得は以下の通り計算され、必要経費が認められます。
- 事業所得の計算
※青色申告のみに適用される控除です。
- 雑所得の計算
必要経費とは
必要経費とは、収入を得るために必要な支出や費用のことです。
大前提としてYouTuberとしての活動に関係のある費用に限られます。
反対にいうと、YouTuberとしての活動に関係の無いプライベート的な費用は認められません。
さらに、「収入を得るために必要」というのは直接的と間接的の2つがあります。
直接的というのは例えるならば、商品を仕入れて販売した場合の商品の仕入価格のことです。
この場合、そもそも商品が無ければ販売できないため、商品の購入代金は収入を得るために直接必要な経費として認められます。
次に、間接的というのは広告宣伝費などが挙げられます。
広告宣伝費はYouTuberとして知名度を上げるために必要な費用ですが、広告宣伝が収入にどの程度の影響を与えているかはわかりません。このような費用でも、YouTuberとしての活動に間接的に関係があることから必要経費として認められます。
YouTuberが経費にするときの注意点
YouTuberが経費にするときは、以下の2点に注意しましょう。
- YouTuberとしても使い、プライベートでも使う経費
- 10万円以上の道具や機材の費用
まず、YouTuberとしての活動でも使い、プライベートでも使う経費(説明上、公私にわたる費用といいます。)は、基本的にその全額が必要経費として認められません。
公私にわたる費用で代表的なものは、自宅を撮影場所として使うときの電気代です。
この電気代は、自宅生活スペースと撮影場所との面積比やワット数を測定するなどで計算した割合(事業専用割合)で電気代総額のうち、撮影場所にかかる部分を必要経費とすることができます。
このような費用は、割合を設定する、または必要経費にしないことが保守的です。
次に、10万円以上の費用は減価償却が必要になる場合があります。
減価償却とは、例えば100万円の車を買って5年間使う場合、1年目に100万円全額を費用とするのではなく、5年にわたって毎年20万円を費用にしていくことです。
反対の例として、8万円のパソコンを買った場合は10万円未満のため減価償却は不要で、消耗品費として全額を必要経費にできます。
機材や道具などが必要経費になるか減価償却を行うかは以下のように分類できます。
購入金額 | 白色申告または雑所得 | 青色申告 |
---|---|---|
30万円以上 | 期間にわたる費用 (通常の減価償却) | 期間にわたる費用 (通常の減価償却) |
20万円以上~30万円未満 | 期間にわたる費用 (通常の減価償却) | 購入時に全額経費 (少額特例) |
10万円以上~20万円未満 | 3年間の費用 (一括償却) | 購入時に全額経費 (少額特例) または 3年間の費用 (一括償却) |
10万円未満 | 購入時に全額経費 | 購入時に全額経費 |
補足として、上記の金額は1台や1機ごとに判断します。例えば、デスクトップパソコンとモニターを購入した場合はセットの合計価格ではなく、デスクトップパソコンのみで金額を判断し、モニターのみで金額を判断します。
また、一括償却や少額特例を使う場合は、確定申告書に記載しなければならないため、注意しましょう。
広告収入(Google AdSense)と税金
ここでは消費税についての説明をします。所得税についての説明ではないため、ご注意ください。
YouTuberは広告収入(Google AdSense)を受け取りますが、この広告収入は消費税の取り扱いが特殊です。結論からいうと、アドセンスの収入は支払い元が外国法人のため、消費税の不課税取引に該当し、消費税が発生しません。
消費税が発生しないポイントは以下の通りです。
- 動画をアップロードするサービスは「電気通信利用役務の提供」に該当する
- 広告収入(Google AdSense)の支払い元は外国法人である
- 消費税が発生する要件の国内取引に該当せず、国外取引に該当する
上記を端的にいうと、YouTubeに動画をアップロードした報酬(広告収入)は外国法人から支払われるため、消費税は発生しないということです。
反対に、YouTuberとして活動し、日本国内の事業者から直接広告収入を受け取る場合は、消費税が発生します。
YouTuberもしっかり税金対策をしよう
所得があれば基本的に確定申告を行うことは必要です。
YouTuberは1人で活動することや仲間内で活動することもあると思いますが、お金のトラブルに発展しないよう、収入や経費の記録を取りましょう。
さらに、確定申告について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
はじめての確定申告もラクラク安心に済ませる方法
確定申告がはじめての方や、簿記の知識に不安がある方、確定申告書類の作成を効率よく行いたい方は、確定申告ソフトの使用がおすすめです。
個人事業主向け会計ソフトの「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告の必要書類が自動作成でき、Windows・Macはもちろん、専用アプリも提供しています。
①取引明細は自動で取得
銀行口座やカードを登録すると、取引明細を自動取得します。現金での支払いに関しても、家計簿のようなイメージで、日付や金額などを自分で入力することが可能です。
②仕訳の勘定科目を自動提案
自動取得した取引明細データや、受領後にアップロードした請求書・領収書などの情報をAIが判別し、仕訳を自動で入力します。学習すればするほど精度が上がり、日々の伝票入力が効率化されます。
③確定申告必要書類の自動作成機能
白色申告・青色申告の両方に対応しており、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。また、マネーフォワード クラウド確定申告アプリで、スマホから直接の提出も可能です。印刷しての提出やe-Taxソフトでの提出にも対応しています。
追加料金なしで確定申告以外のサービスが使える
有料プラン(パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラス)に登録すると、基本料金だけで請求書や契約のサービスを含む11サービスを利用することができます。日々の業務や作業をまとめて効率化しましょう。
合わせて読みたいおすすめ資料
マネーフォワード クラウド確定申告では、さまざまなお役立ち資料を用意しています。 無料登録するだけで資料がダウンロード可能なので、ぜひ読んでみてください。会社員の確定申告 丸わかりガイド
青色申告1から簡単ガイド
個人事業主が知っておくべき経費大辞典
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
もっと読むよくある質問
YouTuberに確定申告は必要?
所得税を払う場合は基本的に確定申告が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
YouTuberの経費はどこまで認められる?
収入を得るために直接的あるいは間接的に必要な支出や費用は必要経費として認められます。詳しくはこちらをご覧ください。
YouTuberの広告収入に消費税はかかる?
Google AdSenseの収入は支払い元が外国法人のため、消費税の不課税取引に該当し、消費税が発生しません。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
資格取得費用は確定申告で経費にできる?
仕事に関連して資格を取得することもあるかと思います。資格取得のための受験料など、資格取得費用は確定申告で経費にできるのでしょうか。資格取得費に関連して、会社員と個人事業主のケース別の考え方、個人事業主が押さえておきたい資格取得費の仕訳の方法…
詳しくみる転職後は確定申告が必要で年末調整はできない?書類や手続きの方法も解説!
新しい会社に転職することが決まっていれば、確定申告は必要ないと思っていませんか?退職手続きが完了していたとしても、年末調整ができていない場合には、個人事業主やフリーランス同様、自分で確定申告をする必要があります。今回は、転職しても確定申告が…
詳しくみる先物・オプション取引の利益は確定申告が必要?書類や記載例とあわせて解説
先物・オプション取引で一定以上の利益が出た場合は、申告分離課税が適用され確定申告をする必要があります。 税率は所得にかかわらず一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)が課税されます。また、先物・オプション取…
詳しくみる母子家庭も確定申告が必要?不要な場合と控除についても解説
所得税においては、納税者自身やその家族に関する所得控除(人的控除)がいくつか設けられています。人的控除とは、課税される年の12月31日においてその納税者や親族が一定の要件を満たせば所得額から一定額を差し引くものです。 この記事では、母子家庭…
詳しくみる役員報酬の確定申告
会社役員も確定申告を行う必要があるのでしょうか? 役員報酬は、給与所得となるため、事業主が年末調整で所得税額を確定し、納税を済ませていますから、通常は確定申告の必要はありません。ただし、役員にかぎったことではありませんが、給与所得者であって…
詳しくみる高速代など交通費も確定申告で経費にできる?個人事業主も必見!
電車、新幹線、飛行機など、現代ではさまざまな移動手段があります。公共交通機関を利用したり、時間効率や行き先などを考えて、公共交通機関の代わりに自動車で移動したりすることもあるでしょう。状況によっては、高速代を支払って高速道路で移動することも…
詳しくみる