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  • 作成日 : 2021年4月30日

弁護士の確定申告はどうすればいい?経費になる支出は?

弁護士であれば、知り合いから依頼を受けたり、自身で独立して活動したりする方も多いのではないでしょうか。
法律事務所や会社に勤めていれば基本的に確定申告とは無縁ですが、会社以外で収入が発生すると、確定申告を意識しなければいけません。

そこで、この記事では弁護士の方向けに確定申告でバタバタしないために、収入や経費など重要なことを説明していきます。

弁護士で確定申告が必要な場合・不要な場合

確定申告が必要か不要かを判断するためには、以下の3つがポイントになります。

  • 20万円以上の所得金額があるかどうか
  • 年末調整がされているかどうか
  • 年末調整されていない収入や副業の収入があるかどうか

これらを念頭に確定申告が必要な場合と不要な場合を説明していきます。
なお、この記事では会社や事務所、自治体などの団体を「会社」という単語を使用していきます。

必要な場合

以下のいずれかに該当する場合は、基本的に確定申告が必要です。

  • 会社からの給与が年末調整されていない
  • 2社以上の会社から給与がある
  • 年末調整されていない給与と、その他の副業収入の合計が年間20万円超である
  • その他、年末調整で適用されない制度や控除を使う

まず、会社からの給与が年末調整されていない理由としては、年の途中で退職した場合などにそのようなことが起こり得るでしょう。その場合は自身で確定申告を行う必要があります。

次に、2社以上から給与がある場合は自身で確定申告を行う必要があるでしょう。
2社以上から給与があると、どちらかの給与で年末調整が行われないためです。
つまり、給与所得が正確に計算されないため、自身で確定申告を行う必要があります。

次に、年末調整されていない給与とその他の副業収入の合計が年間20万円以上ある場合は確定申告が必要になります。まず想定できるのは、給与所得がある方でさらに副業の所得がある場合です。給与所得がない場合は、20万円以上の所得で所得税が発生することが確定申告を行う目安になります。

最後に、年末調整で対応できない制度や所得控除を使用する場合は自身で確定申告を行うことで適用できます。会社の年末調整で対応してもらえないため、自身で確定申告を行う必要があります。

ここをまとめると、確定申告が必要な方は、給与所得が複数の会社からある方や給与以外に副業的な収入がある方でしょう。

不要な場合

以下のいずれかに該当する場合は、基本的に確定申告が不要です。

  • 年末調整されている
  • 2社以上の会社から給与がない
  • 年末調整されていない収入と副業収入の合計が年間20万円以下になる

まず、年末調整している場合は会社が個人に代わって確定申告を行っているため、自身で確定申告を行う必要がありません。

次に2社以上の会社から収入がない場合は、基本的に年末調整されているため、自身で確定申告を行う必要がありません。

最後に、副業的な収入が20万円以下の場合は確定申告を行う必要がありません。

ここまでをまとめると、確定申告が不要な人は給与所得のみで副業的な収入がなく、年末調整されている方でしょう。

弁護士収入の所得区分

所得税では所得を10種類に分類し、各所得に応じて計算を行います。
この所得のうち、弁護士として活動した収入が関係するのは、給与所得、事業所得、雑所得です。

それぞれ確認していきましょう。

給与所得

給与所得は、会社から受け取る給与・賞与などの所得です。
基本的に雇用契約があり、給与から社会保険厚生年金、所得税が天引きされていれば給与所得になります。

ただし、会社によっては一定金額までは給与、一定金額以上を報酬として事業所得とする支払い形態もあります。勤め始めの場合は、給与明細や源泉徴収票を十分に確認しましょう。

また、事務所や会社から受け取る以下の収入は基本的に給与所得になります。

  • 給与
  • 賞与
  • 役員報酬
  • 事務所や会社名義で行うセミナーなどの出演料

事業所得

事業所得は、事業として弁護士の活動で報酬を得る場合に事業所得になります。
個人事務所で得る報酬や顧問弁護士の報酬などが事業所得として考えられるでしょう。

なお、以下で説明する雑所得と事業所得の区別は明確に定まっていないため、ある程度活動するまたは活動する予定があれば、事業所得を選択することが可能です。
独立して明確に事業所得とする場合は、税務署に「開業届」を提出して個人事業主になることが選択肢です。

また、事業として得る以下の収入は、事業所得になります。

  • 成功報酬
  • 着手金
  • 中間金
  • 相談料
  • 顧問料
  • タイムチャージ
  • 日当
  • 講演料

雑所得

雑所得は、9種類の所得のどれにも当てはまらないその他のような性質の所得です。
会社に勤めていて副業的に報酬を得た場合や、事業所得まではいかない規模で活動して報酬を得た場合は雑所得になります。

また、以下の収入は基本的に雑所得になります。
弁護士としての活動による収入を事業所得としている場合は、弁護士としての活動に関係ない収入が雑所得に該当します。

  • 原稿執筆量
  • 放送出演料
  • 講演料

収入の計上時期

弁護士として活動した収入は、給与所得、事業所得及び雑所得で取り扱いが異なります。

まず、給与所得になる場合は、その給与の支給日に収入を計上することになります。
ただし、給与は会社が計算するため、源泉徴収票に記載された金額がそのまま給与所得の収入金額になります。

次に、事業所得と雑所得の場合は、原則的に収入を受け取る権利が確定する日(権利確定主義)に収入を計上することになります。弁護士の場合は、役務提供が完了した日となることが一般的でしょう。例外として、権利が確定する日が不明な場合や契約によって異なる場合は、個別的に判断することや慣習に従うことが認められます。
なお、必ずしも入金があった日や請求書を発行した日というわけではないため、年末の収入計上漏れには注意しましょう。

弁護士の確定申告で経費にできる支出

事業所得と雑所得では、収入を得るために支出した費用が必要経費として認められます。

具体的な必要経費として、以下のような費用が認められます。

科目内容と具体例
租税公課固定資産税、自動車税、同業組合の会費、印紙税など
例:契約書に使用する収入印紙など
減価償却費車両、器具備品などの10万円以上の固定資産で償却計算した部分
例:車の償却費など
水道光熱費事務所にかかる電気代、ガス、水道料金など
例:自宅を事務所とする場合の電気代の一部など
旅費交通費移動手段にかかる費用、宿泊料
例:電車代やタクシーの料金、旅館の宿泊料金など
通信費スマホ月額料金やインターネットの料金
例:仕事用のスマホ料金や電話料金など
接待交際費飲食費や贈答品の購入費用
例:打ち合わせの飲食費、ギフト代など
消耗品費10万円未満の消耗品
例:本や備品の購入費用など
修繕費車やパソコンなどの修理費用
例:車の修理代、車検代金など
雑費上記に分類されない少額な費用
例:インターネットサービスの月額料金、弁護士会の会費など

上記のほか、業務上必要で支出した費用は適当な勘定科目で必要経費とすることができます。

さらに、業務上必要でもあり、プライベートでも使用するような費用であれば事業専用割合を設定して、一定の割合を必要経費とすることができます。

弁護士の確定申告で経費にできない支出

事業所得と雑所得では、以下の費用は必要経費にできません。

  • 業務に関係しない費用・罰金や過料、延滞金などの罰則的な費用
  • 損害賠償金
  • 所得税、住民税
  • 自身に対する給与
  • 健康保険、国民年金
  • 生命保険料、地震保険料、介護保険料

上記では経費にできない代表的なものを紹介しました。
これらを経費にできない理由を簡単に説明していきます。

まず、業務に関係しない費用はそもそも必要経費ではないため当然認められないでしょう。

次に、罰金や過料などが必要経費になると税金が安くなりペナルティの意味が薄れるため必要経費にできません。

次に、所得税と住民税は税金の計算に税金を影響させると二重課税になるため、経費にできません。

次に、自身に対する給与は事業所得または雑所得自体が自身の所得であるため、経費とすることはできません。

最後に、健康保険や生命保険料は所得控除で差し引く項目のため、経費にできません。経費にすると二重で差し引くことになってしまいます。

確定申告についてさらに知りたい方はこちら

弁護士として活動して収入を得ると、給与所得、事業所得、雑所得のいずれかになります。
給与所得の場合は年末調整されているため、自身で確定申告を行う必要がありません。

事業所得または雑所得になる場合は、必要経費が認められます。
さらに、自身で所得を計算するために確定申告を行う必要があるでしょう。

具体的な確定申告については、以下の記事で詳しく解説しています。
全体のスケジュールを把握するためにも役に立つ内容です。

よくある質問

弁護士で確定申告が必要な場合はどんな時ですか?

20万円以上の所得金額がある、年末調整がされていない、年末調整されていない収入や副業の収入がある等が挙げられます。

弁護士として活動した収入の計上時期はいつですか?

給与所得、事業所得及び雑所得で取り扱いが異なります。

弁護士の確定申告で経費にできる支出はありますか?

あります。具体例には租税公課や減価償却費、水道光熱費などが認められます。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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