• 更新日 : 2022年10月24日

個人事業主の領収書の書き方、もらい方、保管方法は?レシートで代用できる?

個人事業主の領収書の書き方、もらい方、保管方法は?レシートで代用できる?

個人事業主は受け取る領収書が多いため、保管方法や整理術が知りたいのではないでしょうか。領収書をファイルへ保存する方法も有効ですが、スキャンして電子データとして保存する方法もおすすめです。

本記事では、領収書をもらう・発行する際に意識すべき点や保管方法について解説します。また、電子帳簿保存法への対応についてもご紹介します。

広告

個人事業主の領収書の書き方・発行方法は?

個人事業主にとって、領収書は受け取るだけのものではありません。商品やサービスを提供した際に、代金を受け取った証拠として支払い側に渡す書類でもあります。
支払った際に領収書がない場合は、メモを残すことで代用も可能ですが、取引先に対して発行する領収書は体裁を整える必要があります。
仕事上の信用を損ねないためにも、ルールに沿った領収書の書き方を知っておくことは重要です。
領収書に記載すべき事項は以下の6項目です。

  1. 宛名
  2. 日付
  3. 金額
  4. 但し書き
  5. 支払先の情報
  6. 5万円以上の領収書には収入印紙が必要

領収書

1.宛名

相手の名称(屋号)や正式な商号を記入します。株式会社、有限会社、合資会社、合同会社、合名会社なども略さず、前後の位置にも注意します。「上様」という表記は正式な商号に代わるものではありませんので、用いないようにしましょう。

2.日付

実際に支払いが行われた日を記入するのが原則です。経理処理の都合で日付を操作することは違法行為と判断されることもあるので注意が必要です。

3.金額

正確な支払い金額を記入することはもちろんですが、ほかにも記載方法のルールがあります。これは改ざんを防ぐためのものです。先頭に「¥(円マーク)」か「金」を記載する、数字は3桁ごとに「,(カンマ)」を入れる、末尾に「※(米印)」や「ー(ハイフン)」を記載する、間隔を空けすぎない、などが該当します。

4.但し書き

支払いがどのような商品やサービスに対して行われたのか、軽減税率を適用するものであるかを明記します。「品代」のような省略した記載は、領収書としての有効性を損ねる可能性があるので用いないようにしましょう。

5.支払先の情報

支払いを受けて領収書を発行した側の住所・氏名(法人の場合は商号および代表者名)を明記します。偽造防止のため、発行者の印鑑を押しておきましょう。

6.5万円以上の領収書には収入印紙が必要

5万円以上の金額の記載がある領収書には、収入印紙の貼付が必要です(2014年4月1日以降)。貼付せずに領収書を発行すると、必要な印紙税額の印紙貼付およびその2倍の過怠税を徴収される場合があります。必要な印紙税額については印紙税額(PDF)の「17-1 売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」の項を参照してください。収入印紙には領収書発行者(担当者)の印章や署名で消印しなければなりません。これは収入印紙の不正な再利用を防止するために行います。

個人事業主の領収書のもらい方は?

確定申告書の作成にあたっては、会計帳簿をもとに作成した決算書が必要になります。その会計帳簿は、請求書やレシートなどの証憑書類をもとに作成します。個人事業主が領収書をもらう際は、取引の証拠として必要な項目が記載されているか確認しましょう。ここからは、領収書のもらい方について解説します。

レシートは領収書の代わりになる?

レシートは会計帳簿を作成する際の必要書類として、領収書の代わりにすることができます。国税庁では取引のあった証拠として利用できる書類には、以下の記載が必要だとしています。

  • 書類作成者の氏名
  • 取引を行った年月日
  • 取引の内容(軽減税率対象の資産であったか)
  • 税率ごとに区分された取引の金額
  • 支払先の氏名や名称

つまり上記の記載があれば、領収書を受け取らずにレシートを確定申告の書類として利用できるということです。

クレジットカードの明細は領収書の代わりになる?

国税庁の「カード会社からの請求明細書」によると、クレジットカードの「ご利用明細」も一定の条件を満たせば領収書に該当するとしています。こちらもレシートと同様に「取引先の氏名」や「取引のあった日付」などの必要な情報が記載されているからです。

ただし、取引の詳細を記帳している場合は、証憑書類としてレシートや領収書を一定期間保存することが義務付けられています。そのため、基本的にはレシートや領収書を受け取るようにして、もらえなかった場合や紛失してしまった場合は、クレジットカードの利用明細で代用するとした方がいいでしょう。

領収書がない場合やもらい忘れた場合は出金伝票で代用可能

出金伝票とは、取引の内容をその場で記録する「伝票」のことです。取引を行った際に領収書が発行されなかった場合や領収書をもらい忘れてしまった場合は、出金伝票を自身で作成して代用することが可能です。

出金伝票を作成する際は取引実態が分かるように、以下の項目を記載する必要があります。

  • 日付
  • 取引の概要
  • 支払先
  • 金額

「出金伝票」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

個人事業主の領収書の保管期間は?

領収書は保存が必要な帳簿書類に属します。保存期間は青色申告白色申告か、欠損金が生じたかどうかで異なります。

  • 個人事業主で簡易な方法による記帳の白色申告をしている場合は5年
  • 青色申告をしている場合は7年
  • 青色申告の法人で欠損金が生じた事業年度(2008年4月1日以降)は10年

保存している領収書は、税務調査の際に税務署からの求めに応じて提出しなければなりません。しかし、税務調査は頻繁に行われるものではないので、厳格に管理が必要なものでもありません。「逸失しないこと」と「月ごとに封筒やクリアファイルなどで分別」という留意があれば十分です。

まとめた領収書は、ほかの帳簿類と一緒に取り出せるように保存しておきます。

個人事業主の領収書の整理・保管方法は?

個人事業主は領収書やレシートを受け取ることが多いため、整理せずに保管してしまうと必要な場面で探すことができないほか、紛失の原因にもなってしまいます。では、領収書を整理・保管するためにはどういった方法がいいのでしょうか。

支出した月ごとや経費の項目ごとにファイルを作成する

領収書やレシートを保管するための方法としてまずおすすめする方法は、支出した月ごとや経費の項目ごとにファイルを作成する方法です。レシートや領収書をもらったら月ごとに分けた封筒に一旦保管し、経費を集計したら経費の項目ごとに分けたファイルへ移します。

レシートや領収書の保存ファイルを作成する手順は、以下の3つです。

  1. 12枚の封筒と経費の項目に応じて必要なファイルを用意する。
  2. 領収書やレシートを受け取ったら、月ごとに分けた封筒に入れていく。
  3. 経費を集計して帳簿を作成したら、該当する項目のファイルへ移す。

単純ですが誰にでもできる方法ですので、試してみてください。

スキャン・読み取りをして電子保存する

最近ではスマートフォンのカメラなどを利用して、スキャナ保存ができるサービスも登場しています。このサービスを利用してレシートや領収書のスキャナ保存を行い、保存したら経費の項目ごとに分けたファイルへ移しましょう。

領収書の電子保存については、こちらの記事で詳しく解説しています。

個人事業主の領収書に関する注意点は?

個人事業主が領収書に関して注意する点には、以下のようなものがあります。

  • 領収書の記載事項に注意する。
  • 経費になるものとならないものに注意する。
  • 電子帳簿保存法への対応に注意する。

領収書の記載事項に注意する

領収書のもらい方でも解説しましたが、領収書を受け取る際は必要な項目が記載されているか注意して確認するようにしましょう。また、5万円以上の取引を行った場合は、収入印紙を貼ってもらう必要があります。

先述の通り、注意すべき記載事項は以下の通りです。

  1. 宛名
  2. 日付
  3. 金額
  4. 但し書き
  5. 支払先の情報
  6. 収入印紙の有無(5万円以上の領収書)

経費になるものとならないものに注意する

領収書をもらっても経費にできないものがあります。国税庁では、確定申告で経費にできるものについて「その収入を得るために直接必要であった金額」としています。経費を計上する際は、支出した費用が仕事に必要なものか判断して計上しましょう。

また、自宅を事務所としている場合や、普段使用している携帯電話を仕事でも使用している場合は、家賃や通信費を「家事按分」をして計上する必要があります。その際は、仕事とプライベートの割合を加味した金額で計上します。

電子帳簿保存法への対応に注意する

2022年1月から電子帳簿保存法が改正され、領収書の保存方法が変わります。今までは領収書の保存が必要でしたが、要件を満たしてスキャナ保存を行ったものについては、保管の必要がなくなり原本を破棄してもよくなりました。

しかし、スキャナ保存を行っていないレシートや領収書はこれまでどおり、5年もしくは7年の保存が必要です。現在は法改正に対応できない企業が多いため、2年の猶予期間が設けられていますが、2024年1月からは電子取引におけるデータ保存が義務化されます。法改正に対応するために環境を整えておきましょう。

個人事業主の領収書は電子保存がおすすめ!

個人事業主が領収書を受け取る・発行する際は、記載する項目について確認しましょう。特に収入印紙は貼り忘れてしまう人が多いため、5万円以上の取引を行った場合は忘れずに貼り付けましょう。

個人事業主は領収書をもらうことが多く、整理や保管に苦労している人は少なくありません。電子帳簿保存法の改正により、2024年1月からは領収書を電子データで保存することが義務付けられます。その際は電子帳簿保存法の改正に対応した会計ソフトを導入して、領収書の保存が必要なくなる環境を整えましょう。

よくある質問

個人事業主が領収書を発行する際に注意することはありますか?

「宛名」や「日付」「金額」「但し書き」「支払先の情報」などの5項目を記入することに加え、5万円以上の領収書を発行する際は収入印紙の貼付が必要です。また、必要箇所への押印も忘れずに行いましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

個人事業主が領収書を保管・整理するにはどんな方法がおすすめですか?

支出した月ごとや経費の項目ごとにファイルを作成する方法や、スキャン・読み取りを行い電子保存することをおすすめします。今後は電子帳簿保存法の改正により、領収書は電子データで保存する義務が生じます。詳しくはこちらをご覧ください。

電子帳簿保存法の改正により領収書の整理・保管は不要になりますか?

タイムスタンプの付与など、要件を満たして電子保存を行えば、領収書を保管せずにすぐ廃棄してもよくなります。電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを導入すれば、誰でも簡単に電子保存が行えます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

個人事業主の関連記事

新着記事