• 作成日 : 2021年11月30日

確定申告で交通費を経費にできる条件とは

確定申告で交通費を経費にできる条件とは

会社を経営するうえで必ずといってよいほど発生する交通費は、確定申告の際に経費計上することが可能です。経費計上できれば計算上の所得が少なくなるため、所得税を抑えられるメリットがあります。

ただし、経費計上できる条件は個人事業主やアルバイト、会社員など働く状況によって変化します。本記事では確定申告において交通費を経費にする際のポイントと、働き方によって異なる条件を紹介します。また、会社員の特定支出控除についてもあわせてみていきましょう。

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個人事業主は確定申告で交通費を経費にできる?

個人事業主が確定申告をする際は、交通費を経費計上できます。経費計上できれば所得が少なくなるため、その分所得税を抑えられます。ただし、経費計上可能な交通費には条件があるため、どんな交通費でも確定申告で計上できるわけではありません。

個人事業主が交通費を経費にするための条件と仕訳例、またSuicaなどICカードにチャージしたときの仕訳例を解説します。

交通費を経費にできる条件

交通費を経費にできる条件は、事業に欠かせないものであるかどうかが判断基準です。例えば、個人事業主が自分の事務所に行くまでの交通費や、取引先に営業へ行くための交通費などが対象になります。

交通費は事業を行ううえで必要不可欠なお金であるため、経費として計上することが可能です。ただし、事業主がプライベートで使用した交通費は、経費として認められません。

確定申告で申告した交通費の中にプライベートで使った交通費が混在すると、税務調査で指摘を受ける可能性が高くなります。よって、普段から経費となる事業の交通費とプライベートの交通費が混在しないように区別しておきましょう。

また、ICカードを利用して交通費を計上する場合は、現金をチャージした段階では経費にできません。あくまで交通費としてチャージ金額を使ったときに経費として認められるため、チャージ時と利用時それぞれのタイミングで経理処理が必要です。

経費にする場合の仕訳例

交通費を経費に計上する際は、勘定科目の「旅費交通費」を使って記載します。経費計上できる交通費とプライベートの交通費が混ざっている場合は、帳簿に詳しい利用内容を残しておくとよいでしょう。

例えば、取引先に営業をするためにかかった電車料金を「○○駅~○○駅の往復分」と記載することで、計上ミスを防げます。交通費を経費にする仕訳例は以下の通りです。

【例】事業所へ行く際に、交通費として1,500円を現金で支払った

借方
貸方
旅費交通費
1,500円
現金
1,500円

【例】ICカードに事業の現金2,000円をチャージし、電車代として1,100円を支払った

①ICカードに2,000円チャージした旨を記載(仮払金として仕訳)

借方
貸方
仮払金
2,000円
現金
2,000円

②支払った電車代1,100円を記載(旅費交通費に仕訳)

借方
貸方
旅費交通費
1,100円
仮払金
1,100円

アルバイトは確定申告で交通費を経費にできる?

アルバイトとして働く人の交通費は、働き方によって交通費を経費にできるかどうかが決まります。契約に基づき、1つの案件に対して報酬を受け取る働き方が出来高制と呼ばれ、個人契約で働くフリーランスや内職者などが該当します。

出来高制の場合、給与ではなく報酬を受け取っているため、給与所得控除が受けられません。その代わりに交通費などの経費が認められており、確定申告で計上ができます。ただし、駐車場の領収書や利用した公共交通機関の経路など、明確な利用状況の提示が必要です。

一方、時給制でアルバイトをしている人は給与所得控除を受けており、交通費などの経費は会社が支払っています。そのため、経費として計上はできないものと覚えておきましょう。

会社員は確定申告で交通費を経費にできる?

会社員が確定申告で交通費を経費にするためには「特定支出控除」という制度の要件を満たす必要があります。個人事業主とは異なり、従業員の交通費は基本的に会社が支払います。しかし、会社が負担していない交通費の支払いがあれば、控除を受けられる可能性があるのです。

ここからは特定支出控除について解説し、計算方法や控除を受けるために必要な書類を紹介します。

特定支出控除とは

特定支出控除とは、業務を行う上で必要な費用のうち一定の金額を超えた部分について所得金額から控除ができる制度です。

2013年には特定支出控除を受けられる範囲が広がり、より利用しやすくなりました。具体的には、会社で使うスーツの購入費用や必要な資格取得のための費用などが対象として追加されます。

また、通勤費や出張費などの交通費も含まれているため、要件を満たしているかを確認してみましょう。特定支出控除に関する詳しい内容は、以下のページに記載されていますので参考にしてみてください。

特定支出控除の計算方法

交通費が特定支出控除の要件を満たしている場合、確定申告に向けて控除金額を計算します。特定支出控除ができる前提として、特定支出の金額が給与所得控除額の半分を超える 場合が対象です。

そのため、まずは自分の給与所得控除額を確認する必要があります。令和3年現在、給与所得控除額の一覧は以下の通りです。

収入給与所得控除額
162.5万円以下一律で55万円
162.5万円を超え180万円以下収入×40%-10万円
180万円を超え360万円以下 収入×30%+8万円
360万円を超え660万円以下収入×20%+44万円
660万円を超え850万円以下収入金額×10%+110万円
850万円を超える場合195万円(上限)

引用:No.1410 給与所得控除額|国税庁

特定支出の合計金額が給与所得控除額の2分の1を超える場合、超えた金額が特定支出控除額となります。

【例】収入が150万円で特定支出が40万円あった場合
特定支出控除額 = 40万円 -(55万円×1/2)=12.5万円

特定支出控除を受けるための必要書類

特定支出控除を申告するには、通常の確定申告の書類だけでなく、必要書類を作成する必要があります。証明書として必要になるのは次の2つです。

  • 特定支出に関する証明(特定支出に関する証明の依頼書)
  • 給与所得者の特定支出に関する明細書

どちらも国税庁のホームページからダウンロードできるため、申告前にあらかじめ用意しておきましょう。また、交通費を申告する際には、いつどのように支払いをしたのかがわかる領収書やレシートが必要になります。

添付書類として取り扱われる場合もあるため、確定申告に向けて管理しておくことをおすすめします。

参考:No.1415 給与所得者の特定支出控除|国税庁

正しく交通費を計上して節税につなげよう

事業を行ううえで必要な交通費は、確定申告で経費として計上できます。個人事業主の場合は勘定科目として帳簿に入れておくことが望ましいでしょう。

また、会社員であれば会社支給以外の交通費が特定支出控除の対象になるため、あらかじめ要件を満たしているのかを確認する必要があります。交通費を確定申告すれば、節税にもつながります。確定申告に関する詳しい内容は下記のページに記載しているので、こちらも参考にしてみてください。

よくある質問

個人事業主は確定申告で交通費を経費にできる?

事業を行うために必要な交通費は確定申告よって個人事業主の経費になります。ただし、プライベートで支出した交通費は経費にできません。詳しくはこちらをご覧ください。

アルバイトは確定申告で交通費を経費にできる?

アルバイトでも出来高制や歩合制などの働き方をしている場合は、経費にできます。ただし時給制で勤務し、給与所得控除を受けている場合は経費にできません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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