• 更新日 : 2025年2月6日

美容師が個人事業主として働くには?必要な手続きや確定申告の流れについて解説

美容師が個人事業主として働く場合、店舗をかまえて開業するほか、業務委託や面貸しという方法もあります。また、開業届の提出や国民健康保険への切り替えなどの手続きも必要です。個人事業主になることで、働き方や時間を自分で決められる点がメリットです。

本記事では、美容師が個人事業主になるメリットや手続き、節税対策などを解説します。

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美容師の個人事業主としての働き方

美容師が個人事業主として働く場合、次の3つの方法があります。

  • 開業
  • 業務委託
  • 面貸し

ここでは、個人事業主とフリーランスの違いを説明するとともに、個人事業主として働く方法を解説します。

フリーランス美容師との違い

個人事業主とは、​​法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人のことです。一方、フリーランスは会社に雇用されず、個人で仕事を請け負う働き方をする人であり、組織に属しないという点で個人事業主と変わりません。

税務上は、税務署に開業届を提出している人について「個人事業主」と呼びます。フリーランスも開業届を提出すれば、個人事業主になります。

開業

個人事業主の主な働き方は、自分の店舗をもって開業することです。店舗となる物件を賃貸するか、自宅を改装するなどして店舗を準備する必要があり、初期費用がかかります。自分で開業する場合は、集客のための宣伝広告も必要です。

また、美容室の店舗は、保健所の許可や消防署の検査を受けなければなりません。検査には床面積や椅子の台数など細かい基準が設けられており、基準に合った内装にする必要があります。

業務委託

業務委託とは、店舗と雇用関係を結ばず、業務委託契約を結んで働くことです。報酬形態は契約によりさまざまで、成果に応じて報酬を支払う成果報酬型が一般的です。

業務委託は初期費用がかからず、すぐに働ける点がメリットです。集客を行う必要もありません。雇用関係がないため、比較的自由に働けるケースが多いでしょう。

ただし、仕事で病気や怪我をしても労災の適用はなく、休業の補償もないといった点はデメリットです。

面貸し

面貸しとは、美容室の空いているスペースや席を借りて働く方法です。場所を借りるだけで業務委託のように店舗の業務を請け負うわけではありません。店舗に利用料を払いますが、料金設定は契約により異なります。

店舗を用意する必要はないため初期費用はかからず、家賃や光熱費などの経費も不要です。リピーターが多い場合は、店舗に雇用されるよりも収入を得られる可能性があります。

ただし、集客は自分で行わなければならないため、固定客を作れない場合は売上を上げるのが難しいでしょう。

美容師が個人事業主として働くメリット・注意点

美容師が個人事業主として働くことは、自由な働き方ができる反面、自分で行うことが増えるなどのデメリットもあります。

ここでは、美容師が個人事業主として働くメリットと注意点を解説します。

メリット

美容師は個人事業主になることで、働く時間や働き方を自分で決められることがメリットです。売上が安定していれば、休日や休憩も自由に設定できます。自分の都合を優先できるため、プライベートを充実させたり、家族との時間を増やしたりできるでしょう。

美容室に雇用されている場合、店舗によっては仕事のあとや休日などに勉強会が行われます。個人事業主になれば、このような負担からも解放されます。

個人事業主になれば、人間関係の煩わしさもありません。店舗で複雑な人間関係に悩んでいた場合は、ストレスから解消されるでしょう。

注意点

美容師の個人事業主になることで多くのメリットがある一方、注意点もあります。これまでは店舗が行っていた経理業務や予約管理・売上管理などを自分で行わなければなりません。雇用されていたときは給与が保証されますが、個人事業主は売上が収入に直結するため、収入が不安定になる可能性もあります。

勉強会などの負担はなくなっても勉強が必要なことは変わらず、最新トレンドなどの情報も収集しなければなりません。

本業以外にやることが増え、店舗運営が軌道に乗るまでは、かえって雇用されていたときよりも自由な時間がなくなる可能性もあります。

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美容師が個人事業主として働く場合の手続き

美容師が個人事業主として働くためには、次の手続きが必要です。

  • 国民年金・国民健康保険への加入や切り替え
  • 開業届の提出
  • 青色申告承認申請書の提出(青色申告する場合)
  • 開設や美容所登録に関する手続き

各手続きについて、詳しく解説します。

国民年金・国民健康保険への加入や切り替え

会社に雇用されているときは社会保険に加入できますが、会社に所属しない場合は国民年金・国民健康保険への加入・切り替えが必要です。

国民年金の加入と国民健康保険への切り替えは、退職した日から14日以内に、住まいのある自治体の窓口で手続きを行います。

それぞれの必要書類は、次のとおりです。

国民年金年金手帳もしくは基礎年金番号通知書
国民健康保険
  • 資格喪失証明書もしくは退職証明書
  • マイナンバーが確認できるもの(マイナンバーカード、通知カードなど)
  • 本人を確認できるもの(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)

開業届の提出

店舗を構えて開業する場合、管轄の税務署に開業届の提出が必要です。開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」で、事業の開始等の事実があった日から1ヶ月以内に提出します。1ヶ月を過ぎた場合でも特に罰則はなく、提出は可能です。

提出は税務署の窓口で提出するほか、税務署に郵送する、国税庁の電子申告(e-Tax)で提出するという方法もあります。

参考:国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続

青色申告承認申請書の提出(青色申告する場合)

青色申告で確定申告をする場合は、「青色申告承認申請書」も一緒に提出しましょう。確定申告には白色申告と青色申告があり、青色申告を選ぶことで、高い節税効果が得られます。

青色申告には複式簿記による記帳などいくつかの要件がありますが、最大65万円の特別控除が受けられるなど、多くのメリットがあります。

青色申告承認申請書の提出期限は、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までです。その年の1月16日以後に開業した場合は、事業開始日から2ヶ月以内に提出します。提出が期限を過ぎた場合、青色申告ができるのは翌年の確定申告からになります。

参考:国税庁 所得税の青色申告承認申請手続

開設や美容所登録に関する手続き

美容師の店舗を構える場合、美容所登録が必要です。美容所登録とは、美容室を開業するために店舗のある地域の保健所に「美容所開設届書」を提出し、構造設備や衛生管理の基準に適合していることを確認してもらう手続きです。提出期限は開業の1週間前ですが、余裕をもって提出するようにしてください。

書類の提出後、店舗に保健所の人が出向き、条件を満たしているかをチェックします。登録のための基準は都道府県によって異なる部分もあるため、事前に保健所から条件一覧を入手して確認しておきましょう。

個人事業主の美容師ができる節税対策

個人事業主になると、自分で所得税を計算し、確定申告をしなければなりません。確定申告では、事業に関連した支出を必要経費として計上することで節税ができます。

ここでは、個人事業主の美容師ができる節税対策を解説します。

経費で落とせる項目

個人事業主の美容師が経費に計上できるのは、次のものがあげられます。

固定費

(その他の経費)

自宅の一部を店舗として利用している場合は、家事按分が必要です。家賃の場合は居住スペースと店舗の割合に応じて按分し、水道光熱費も利用に応じて按分した費用を計上しましょう。

10万円未満の備品は消耗品費として経費に計上できますが、10万円以上であれば原則として工具器具備品として資産計上し、耐用年数に応じて毎年減価償却を行います。

経費を削減する方法

個人事業主は使用する道具が多く、支出が多くなりがちです。できるだけ無駄な支出を抑えながら必要な経費を計上することが、上手に経営しているコツです。

収入が少ないときは消耗品や備品の購入を控え、収入が多くなる年に経費に落とせるものをまとめて購入しておくことで、効率良く節税ができます。消耗品など日々必要になるものを収入に応じてうまくやりくりすることで、総合的な経費削減ができるでしょう。

個人事業主の美容師の確定申告

個人事業主の美容師が初めて確定申告する際は、手続きの流れを確認しておきましょう。扶養に入っている場合には収入により申告の必要の有無が分かれるため、事前にチェックしておいてください。

ここでは、個人事業主の美容師が行う確定申告について解説します。

青色申告と白色申告どちらがおすすめ?

確定申告は青色申告と白色申告のどちらかを選べ、青色申告であればさまざまなメリットがあることをお伝えしました。

具体的には、次のようなメリットがあります。

  • 最高65万円までの特別控除が受けられる
  • 一緒に働く家族の給料を必要経費にできる
  • 赤字が出た場合3年間は持ち越せる

特別控除には3つの種類があり、それぞれに要件があります。

控除額要件
55万円
  • 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいる
  • 所得を複式簿記により記帳している
  • 複式簿記の記帳に作成した貸借対照表損益計算書を確定申告書に添付して提出する
65万円
  • 55万円の特別控除の要件に該当している
  • 以下のいずれかに該当する
  1. 仕訳帳および総勘定元帳について優良な電子帳簿に保存している
  2. 確定申告書の提出をe-Taxで行う
10万円55万円および65万円の特別控除の要件に該当しない

複式簿記の記帳は複雑ですが、青色申告にすることで、大幅な節税が可能です。

確定申告の流れ

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間で得た所得について所得税の計算を行い、翌年の2月16日から3月15日までの期間内に申告書を提出し、税金を納付します。

確定申告の大きな流れは、次のとおりです。

  1. 確定申告書を作成する
  2. 税務署に提出する
  3. 税金を納付する、もしくは還付を受ける

確定申告書の作成は、紙の書類に手書きするか、確定申告書作成コーナーで作成する、確定申告ソフトで作成するという方法があります。自分で作成するのが難しい場合は、税理士などの専門家に依頼することも可能です。

税務署の提出は、窓口での提出と郵送のほか、e-Taxによる電子申告もできます。

所得税の計算をした結果、支払う税金がある場合は、原則として3月15日までに納付するという流れです。所得税を払い過ぎていた場合などで還付があるときは、1〜2ヶ月程度で指定の口座に入金されます。

参考:国税庁 確定申告書等作成コーナー

扶養に入っている場合の確定申告

個人事業主の美容師が扶養に入っている場合、個人事業主としての事業所得が48万円以下であれば、確定申告は必要ありません。所得が48万円を超えた場合は、確定申告が必要です。

ただし、青色申告特別控除の金額を控除したあとの事業所得が48万円以下になる場合には、確定申告が必要になるため、注意してください。

なお、個人事業主が扶養に入れるのは、売上から経費を差し引いた年間所得が130万円を超えない場合です。超えた場合は扶養から外れることになります。

個人事業主の美容師は確定申告の手続を確認しておこう

美容師が個人事業主として働く場合、店舗を構えて開業するほか、業務委託や面貸しといった働き方もあります。個人事業主になることで自由な時間ができるなどメリットがありますが、自分でやらなければならないことが増えるため、よく確認しておきましょう。

開業届や青色申告の届出は、期限に遅れないよう提出してください。確定申告では経費の計算を行うことで、上手に節税できます。初めての確定申告では手続きの流れを確認し、正しく作成して期限内に提出するようにしましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

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