- 更新日 : 2025年1月7日
個人事業主が税理士に依頼するときの相場は?費用を抑える方法も
2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ
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個人事業主が税理士に依頼する際の相場は、事業規模と依頼内容によって大きく異なります。確定申告のみのスポット依頼から、記帳代行や税務相談まですべて丸投げするケースまで、契約形態はさまざまです。本記事では、個人事業主向けの税理士費用の相場感や契約形態の特徴から、会計ソフトの活用による費用削減方法まで、実践的な観点から解説していきます。
目次
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個人事業主の税理士相場はどれくらい?
個人事業主が税理士に依頼する際の費用は、「事業規模」・「依頼内容」・「契約形態」などによって大きく異なります。ここでは、税理士費用の相場と、料金が決まる主な要素について解説します。およその費用相場は次の表のとおりです。
年間顧問契約の相場:
年商 | 訪問頻度 | 月額費用 |
---|---|---|
500万円未満 | 確定申告のみ | 70,000円~80,000円 (確定申告のみ) |
500万円以上1,000万円未満 | 3~4ヶ月に1回 | 10,000円~ |
1,000万円以上3,000万円未満 | 2ヶ月に1回 | 20,000円~ |
3,000万円以上5,000万円未満 | 毎月1回 | 25,000円~ |
5,000万円以上1億円未満 | 毎月1回 | 30,000円~ |
※確定申告料は、月額顧問料の4〜6ヶ月分が相場とされています。
単発依頼(スポット契約)の相場:
年商 | 確定申告のみの年間費用 |
---|---|
500万円未満 | 70,000円~80,000円 |
500万円以上1,000万円未満 | 100,000円~ |
1,000万円以上3,000万円未満 | 150,000円~ |
税理士報酬は何で決まるのか
税理士報酬は、以下の要素によって決定されます。
- 取引量と売上規模:年商や取引量が増えるほど、経理処理が複雑化し報酬も上昇する
- 記帳代行の有無:帳簿作成などの作業範囲により費用が変動
- 業務の複雑さ:不動産所得や株式取引など、特殊な処理が必要な場合は報酬が増加
- 依頼頻度:顧問契約かスポット依頼かで料金が異なる
- 地域差:都市部では地方よりも相場が高い傾向にある
- 税理士の経験:ベテラン税理士は専門性により報酬が高くなる場合が多い
- 確定申告の複雑さ:申告内容が複雑な場合、料金が上昇する
これらの要素は相互に関連し、実際の報酬額に影響を与えます。詳細な費用相場や対応方法については、以降で解説していきます。
個人事業主が税理士に依頼できる主な内容
個人事業主が税理士に依頼できる業務は、次のように分類されます。
- 記帳代行・経理業務
日々の取引記録や帳簿作成、領収書の整理など、基本的な経理作業を代行してもらうものです。経理作業にかかる時間を削減し、本業に集中できます。また、会計ソフトの導入支援やデータ入力も業務に含まれます。 - 確定申告関連業務
青色申告・白色申告に対応した確定申告書類の作成です。所得税や消費税の計算、控除の適用を正確に行い、申告書の提出代行までしてもらえます。
複雑な計算や控除の適用を専門家が代行することで、申告ミスのリスクは軽減され、事業者の負担は大幅に軽減されます。 - 税務相談・経営相談
事業に関する税務上の疑問や節税対策の提案、税制改正に関する情報提供も業務の一つです。さらに、事業計画や経営判断への助言など、経営に役立つサポートも受けられます。 - 決算書作成
年度末の決算書類作成(貸借対照表や損益計算書)の代行です。正確な財務状況を把握できるほか、金融機関への提出資料としても活用できます。 - 税務調査対応
税務署からの調査時の対応を支援します。税理士に相談することで、スムーズで適切な対応ができます。 - 開業・廃業支援
税理士として、事業の開始や終了時に必要な手続きのサポートを行います。煩雑な手続きを代行してもらうことで、スムーズに事業を開始できます。
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個人事業主が税理士にスポットで依頼できるのか
個人事業主は、顧問契約だけでなく、必要なときだけ税理士に業務を依頼することも可能です。これは「スポット契約」と呼ばれ、1回ごとの単発で依頼する形態を指します。
確定申告の時期だけ、あるいは特定の税務相談が必要なときなど、短期間や年に数回のみの依頼に対応可能です。ここでは、スポットでの依頼が可能な業務内容や、その場合の契約形態、費用相場について解説します。
スポット依頼が可能な業務
スポット契約では、税理士に依頼できる業務が特定の範囲に限定されます。以下が代表的な業務内容です。
- 確定申告
所得税や消費税の申告サポートなど、特に複雑な申告業務で有効です。 - 税務調査対応
税務署からの調査対応に必要な専門知識を持つ税理士のサポートを受けられます。 - 税務相談
節税対策や事業計画など、特定の課題に応じた個別相談も可能です。 - 記帳指導
日常的な経理作業を自身で行いたい事業主に対して、帳簿管理や会計ソフトの利用方法をサポートするものです。
契約形態や費用相場
スポット契約の費用体系は、業務ごとに契約を結ぶ形態が一般的です。必要な業務内容に応じて柔軟に依頼できる点が特徴です。
- 契約形態
都度契約となるため、業務が完了するたびに料金を支払います。このため、無駄なコストを抑えたい場合に適しています。 - 費用相場
スポット契約では、事前に見積を取得し、具体的な料金とサービス範囲を確認することが重要です。- 確定申告の依頼:8万円〜20万円
- 税務相談1回:5,000円〜2万円
このように、スポット契約は、特定の業務に必要なサポートを柔軟に受けられる便利な手段です。事業規模や自社の状況を考慮し、必要なサポート内容を選択し上手に活用しましょう。
個人事業主が税理士に確定申告を依頼する費用の相場
個人事業主が税理士に確定申告を依頼する場合、費用相場は業務範囲や事業規模に応じて異なります。以下は一般的な費用の目安です。
年商 | 確定申告の費用相場(年間) |
---|---|
500万円未満 | 70,000〜80,000円 |
500万円以上1,000万円未満 | 100,000円〜 |
1,000万円以上3,000万円未満 | 150,000円〜 |
依頼内容には、「申告書の作成のみ」「記帳代行を含むフルサポート」「税務相談付きプラン」などがあり、業務範囲が広がるほど費用は高くなります。
また、申告の種類や事業内容も費用を決める重要な要素です。青色申告では、白色申告よりも厳しい記帳要件(複式簿記の作成や帳簿保存)が必要となるため、費用が高くなる傾向があります。不動産所得や株式取引などの複雑な所得構成、あるいは特殊な業種(例:建設業、医療関係)では、相場以上の料金が発生する場合があります。
また、依頼時には次の点に注意してください。
- 事前の見積取得:料金の内訳や対応範囲を確認し、納得の上で依頼しましょう。
- 必要書類の準備:収支内訳書、領収書、通帳などを整理しておきます。
- 早めの依頼:申告期限が近づくほど、税理士のスケジュールが埋まりやすくなります。
さらに、確定申告をスポット契約で依頼することで、費用を抑えられるメリットがありますが、1回あたりの費用が顧問契約よりも高くなる場合があり、継続的な税務アドバイスが受けられない点にも注意してください。
個人事業主が税理士に丸投げする場合の費用の相場
「丸投げ」とは、税務に関する業務全般を税理士に一任する形態で、記帳代行や月次試算表の作成、確定申告、税務相談などを包括的に依頼する契約です。
通常、顧問契約として以下のような月額固定料金が設定されます。
年商 | 月額顧問料 |
---|---|
500万円以上1,000万円未満 | 10,000円~ |
1,000万円以上3,000万円未満 | 15,000円~20,000円 |
3,000万円以上5,000万円未満 | 15,000円~25,000円 |
5,000万円以上1億円未満 | 20,000円~30,000円 |
1億円以上 | 30,000円~ |
ただし、事業規模や取引量、依頼内容によっては、表で示した費用を超えるケースもあります。
丸投げのメリットは、税務関連業務から解放され、本業に専念できることです。また、専門家による正確な経理処理や税務申告によって安心感も得られます。さらに、定期的な財務報告や税務アドバイスを通じて、事業運営をサポートしてもらえる点も個人事業主にとって大きな利点です。
一方、デメリットとしては、月額固定費用による継続的なコスト負担があります。また、すべてを税理士に任せることで、自社の財務状況への理解が薄れるリスクがある点にも注意が必要です。
丸投げを検討するタイミングとしては、以下のような状況が考えられます。
- 事業規模が拡大し、税務処理が複雑化している場合
- 税務業務に多くの時間を取られ、本業への集中が難しい場合
- 財務や税務に関して、専門的なアドバイスが必要な場合
また、依頼する際の注意点として、以下を確認してください。
- 契約内容を明確にする:契約前に業務範囲や料金を詳細に確認しましょう。
- 定期的に報告を受ける:依頼後も、自身の財務状況を把握する努力を怠らないようにしてください。
- 税理士とのコミュニケーションを重視する:必要な情報をタイムリーに提供し、信頼関係を築くことが大切です。
個人事業主が税理士に依頼する費用を抑えるには?
税理士費用を抑えるためには、自己管理できる業務と専門家に依頼すべき業務を切り分けることが重要です。
会計ソフトを活用し、日常的な経理業務を効率化することで税理士への依頼範囲を最小限にしたり、確定申告時など必要な場面だけスポット契約を活用したりする方法も効果的です。
会計ソフトを活用して自己管理する
会計ソフトの導入で、日常的な経理業務の多くを自己管理できるようになります。特にクラウド会計ソフトの領収書スキャン機能や自動仕訳機能は、記帳作業の負担を大幅に軽減できるため、経費の計上や売上管理が効率化し、税理士への依頼範囲を大きく減らせます。
さらに、クラウド会計ソフトを使うことで次のような利点があります。
- 税理士とリアルタイムでデータを共有できるため、打ち合わせや相談の時間を短縮できる
- スマートフォンアプリとの連携により、外出先でも経費の登録や確認が可能
- 月額数千円程度で利用でき、コストパフォーマンスが高い
これらの機能を最大限に活用することで、日々の経理作業を効率的に進められるだけでなく、税理士費用の削減にもつながります。まずは、現状に適したソフトを選び、基本機能を活用することが、経理コスト削減の第一歩となるでしょう。
スポット相談を上手に活用する
スポット相談は、特定の課題だけを解決したい場合や取引の少ない小規模事業主にとっては、効果的です。
事前に会計ソフトで帳簿を整理し、具体的な質問事項をまとめておくことで、相談時間を短縮できます。オンライン相談であれば、移動時間やコストも抑えられるため、必要な場面だけサポートを受けるスポット相談は経費削減の有効な選択肢です。
自分でできる作業を増やす
基本的な日常の経理業務は自らが行うことで、税理士費用を抑えられます。領収書は日付順に整理してデジタル保管し、いつでも必要な書類を探せるようにしておきましょう。経費の仕訳ルールを会計ソフトに設定しておけば、日々のデータ入力も効率的に行えます。
日々の経理作業を自ら行い、専門的な判断が必要な仕訳や複雑な処理だけを税理士に依頼することで、税理士費用を効果的に軽減できます。
個人事業主が依頼する税理士の選び方
税理士を選ぶ際は、業界への理解度と相性の良さを重視します。長期的な信頼関係を税理士と築くために、以下の3つのポイントに注目しましょう。
- 専門性と実績
税理士が自身の業種に精通しているか、同業他社での顧問経験があるかを確認します。例えば、飲食業や建設業といった特定の業界に特化した税理士は、業界特有の経理や税務について深い知識を持っています。 - 料金の透明性
料金体系がわかりやすく、追加料金が発生する条件が具体的に示されているかも重要です。初回の見積時に、業務範囲ごとの費用や追加費用が発生するケースについて詳しく確認しましょう - コミュニケーション能力
質問への回答がわかりやすく、タイムリーに対応してくれる税理士を選ぶことも大切です。初回相談時の対応や説明の仕方が、今後の信頼関係を判断する重要なポイントです。
個人事業主が知っておきたい税理士との付き合い方
税理士との付き合い方で大切なポイントは、次の3つです。
- 会計ソフトで基本的な日々の入力は自分で行い、専門的な判断が必要な場面で相談する
- 創業期は確定申告時のスポット相談から始め、事業の成長に合わせて顧問契約へ移行する
- 料金体系や対応範囲を明確にし、コミュニケーションの取りやすい税理士を選んでいく
このようなポイントを押さえることで、税理士と長期的な信頼関係を築き、効果的な税務サポートを受けられます。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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