• 更新日 : 2026年6月8日

【2026年】住民税における控除の種類と金額まとめ

Point住民税と所得税で所得控除はどう違う?

控除の種類はほぼ共通しますが、控除額は多くの項目で住民税のほうが低く設定されています。

  • 住民税は約10%の比例税率、所得税は累進税率を採用する。
  • 基礎控除は所得税で最大104万円、住民税は43万円にとどまる。
  • 給与収入110万円を超えると住民税のみ課税される。(自治体による)

令和8・9年度改正は所得税と住民税で適用開始時期がずれるため、早めの確認が安心です。

住民税と所得税にはどちらにも「所得控除」が設けられており、一定の要件を満たすと課税対象の所得から一定額を差し引くことができます。控除の種類はほぼ同じですが、控除額はほとんどの項目で住民税のほうが所得税より低く設定されています。
これは、住民税が一律約10%の比例税率であるのに対し、所得税は所得が高いほど税率が上がる累進税率をとっており、それぞれの税制の設計に応じて控除額が定められているためです。
住民税と所得税それぞれの控除の種類と金額を比較して確認しましょう。

※本記事の内容は2025年12月公表の税制改正大綱をもとにしています。税制改正大綱は自民党が毎年12月頃に発表する改正のドラフトであり、国会での審議を経て翌年春頃に法律として制定されます。最終的に制定された法律の内容と異なる場合があります。
参照:令和8年度税制改正の大綱|財務省

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住民税と所得税、非課税ラインはいくらから?

令和8・9年の特例により、給与収入のみの場合、所得税がかからない年収の目安は最大178万円です。その理由は、基礎控除(104万円)と給与所得控除(74万円)の合計が178万円となり、年収がこれを超えなければ課税所得が0円になるためです。

  • 基礎控除:104万円(本則62万円+特例加算42万円)
  • 給与所得控除:74万円(本則69万円+特例加算5万円)
  • 合計:178万円

ただし178万円はあくまで目安であり、年収が高く合計所得金額が489万円を超える方は基礎控除の加算額が縮小されるため、非課税となる年収も下がります。
なお、この数値は扶養控除の対象になれるかどうかの判断基準でもあります。
一方、住民税の所得割で非課税となるのは、扶養家族がいない場合で給与収入が110万円以下の場合です(令和8年度分まで)。 その理由は、年収が非課税限度額45万円と給与所得控除65万円の合計110万円を超えなければ、所得が非課税限度額を下回るためです。
令和9年度分以後は給与所得控除が69万円に引き上げられることから、非課税の目安は114万円以下となります。
扶養家族がいる場合は、人数が増えるほど非課税の範囲が広くなります。

扶養家族の人数 非課税となる合計所得金額の目安
1人 101万円以下
2人 136万円以下
3人 171万円以下

このように、所得税と住民税では非課税となる年収の目安が大きく異なります。住民税は控除額が所得税より低く設定されているため、「所得税はかからないのに住民税だけ課税される」というケースが生じやすい点を押さえておきましょう。
なお、令和8年分の所得税の改正は月次の源泉徴収には反映されず、年末調整での精算となります。新しい源泉徴収税額表への切り替えは令和9年1月以降です。

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住民税・所得税それぞれの控除額は?

ここから紹介する控除(1〜13)は、住民税と所得税の両方に共通して設けられている所得控除です。冒頭でも触れたとおり、住民税は所得税に比べて控除額が全般的に低く設定されているため、同じ所得でも住民税のほうが課税対象の金額が多くなりやすい点に注意しましょう。

1.雑損控除

地震や落雷、台風などの自然災害や火災などの人為的な災害、シロアリなど生物による災害や盗難などの被害によって生活に必要な資産に損害が発生した場合などに受けることができる控除です。
損失を出した資産は日常生活に必要なものに限られ、別荘や書画・骨董など生活に通常必要でない資産は対象外です。また、保険金や損害賠償金などで補填される金額は損失額から差し引いて計算します。

  • 住民税・所得税:「損失額から総所得金額等の10%を差し引いた額※」または「5万円を超える災害関連支出の額」のいずれか多い金額
    ※保険金や損害賠償金などで補填される金額がある場合は、損失額からその保険金等の額を差し引いたうえで計算します。

2.医療費控除

自身や、生計を同一にする配偶者・子供・親などのために医療費を支払った場合に受けることができる控除です。
診察費・薬代・入院費・手術費・通院のための交通費(公共交通機関利用分)などが対象となります。一方、美容目的の施術費や予防接種費用(一部例外を除く)、健康診断費用(後に重大な疾病が発覚した場合を除く)などは原則として対象外です。
市販の特定医薬品の購入費を対象とする「セルフメディケーション税制」という選択肢もありますが、通常の医療費控除との同時適用はできないため、どちらが有利かを比較して選択します。

  • 住民税・所得税:年中に支払った医療費から総所得金額等の5%(最大10万円)を差し引いた金額(上限200万円)

3.社会保険料控除

国民健康保険・国民年金・厚生年金介護保険料などの社会保険料を支払った場合に受けることができる控除です。
本人分だけでなく、生計を同一にする配偶者や親族の社会保険料を代わりに支払った場合も、支払った本人の控除として申請できます。年末調整や確定申告の際には、国民年金保険料の控除証明書(11月ごろ送付)が必要です。

  • 住民税・所得税:年中に支払った金額の全額

4.小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済の掛金、iDeCo(個人型確定拠出年金)を含む確定拠出年金の加入者掛金、地方公共団体が運営する心身障害者扶養共済制度の掛金などを支払った場合に受けることができる控除です。
支払った掛金の全額が控除されるため、節税効果が高い控除の一つです。

  • 住民税・所得税:年中に支払った金額の全額

5.生命保険料控除

生命保険・医療保険・個人年金保険・介護医療保険などの保険料を支払った場合に受けることができる控除です。
2012年1月1日以後に締結した契約(新制度)と、それ以前に締結した契約(旧制度)とで適用される限度額が異なります。住民税は所得税より限度額が低く設定されており、同額の保険料を支払っていても控除額に差が生じます。

住民税
  • ①旧制度適用契約のみ:限度額最高7万円
  • ②新制度適用契約のみ:限度額7万円
  • ③旧制度適用契約と新制度適用契約の双方に加入:限度額7万円
所得税
  • ①旧制度適用契約のみ:限度額最高10万円
  • ②新制度適用契約のみ:限度額12万円
  • ③旧制度適用契約と新制度適用契約の双方に加入:限度額12万円

6.地震保険料控除

居住用家屋や生活用動産を対象とする地震保険の保険料を支払った場合に受けることができる控除です。
火災保険単体では対象外ですが、火災保険に付帯する地震保険特約の保険料は対象となります。住民税と所得税で限度額が異なり、所得税のほうが上限が高く設定されています。

  • 住民税:限度額最高2万5,000円
  • 所得税:限度額最高5万円

7.障害者控除

本人、または控除対象となる配偶者・扶養親族に障害者がいる場合に受けることができる控除です。
障害者手帳の交付を受けている方や、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方などが対象となります。障害の程度が重い「特別障害者」や、特別障害者と同居している場合はさらに控除額が加算されます。

  • 住民税:26万円(特別障害者30万円、同居特別障害者53万円)
  • 所得税:27万円(特別障害者40万円、同居特別障害者75万円)

8.寡婦控除・ひとり親控除

寡婦控除は、夫と死別・離婚した場合や夫の生死が不明な場合に受けることができる控除です。適用には「前年の合計所得金額が500万円以下」という所得要件を満たす必要があります。

  • 住民税における控除額:26万円
  • 所得税における控除額:27万円

また、性別を問わず、生計を一にする子供がいる場合(納税者自身に婚姻関係の事実がある場合を除く)には、ひとり親控除を受けることができます。ひとり親控除は寡婦控除と比べて控除額が高く設定されており、令和8・9年度にかけて段階的に引き上げられる予定です。

住民税
  • ひとり親控除30万円(性別問わず・前年の合計所得金額が500万円以下・扶養親族として子あり)。令和10年度分以後は33万円に引き上げられます。
所得税
  • ひとり親控除35万円(性別問わず・前年の合計所得金額が500万円以下・扶養親族として子あり)。令和9年分以後は38万円に引き上げられます。

9.勤労学生控除

一定の学校に在籍する勤労学生で、所得金額が89万円(給与年収163万円)以下であり、かつ給与所得以外の所得が10万円以下の場合に受けることができる控除です。
(令和8年分以後の所得税、令和9年度分以後の住民税。改正前は所得金額85万円・給与年収150万円以下)

  • 住民税:26万円
  • 所得税:27万円

10.配偶者控除

控除対象の配偶者がいる場合に受けることができる控除です。
世帯主の年間の合計所得金額が1,000万円(給与収入のみの場合は年収1,220万円)以下の方が対象です。
令和8年分以後の所得税・令和9年度分以後の住民税では、対象となる配偶者の合計所得金額が62万円以下(給与収入のみの場合、年収136万円以下)であることが要件です。控除額自体の変更はありません。

  • 住民税:33万円(納税者の所得が900万円以下で配偶者が70歳未満の場合。納税者の所得金額や配偶者の年齢によって異なり、控除額の幅は11〜38万円)
  • 所得税:38万円(納税者の所得が900万円以下で配偶者が70歳未満の場合。納税者の所得金額や配偶者の年齢によって異なり、控除額の幅は13〜48万円)

11.配偶者特別控除

配偶者の年間給与が配偶者控除の対象上限を超え、約201万円(所得金額133万円)以下の場合に受けることができる控除で、配偶者の所得金額に応じて控除額が変動します。
令和8年分以後の所得税・令和9年度分以後の住民税では、配偶者控除の対象上限が引き上げられたことに連動して、配偶者特別控除が適用される下限も136万円超(所得62万円超)に変わります。

  • 住民税:最高33万円(配偶者の給与年収が150万円以下の場合。これを超えると年収に応じて控除額が段階的に減少します)
  • 所得税:最高38万円(配偶者の給与年収が150万円以下の場合。これを超えると年収に応じて控除額が段階的に減少します)

12.扶養控除

16歳以上の扶養親族がいる場合に受けることができる控除です。
扶養親族の年齢や同居の有無によって控除額が異なります。
16歳以上19歳未満および23歳以上70歳未満が一般扶養親族、19歳以上23歳未満が特定扶養親族(教育費がかかる時期であることから控除額が厚く設定されています)、70歳以上は老人扶養親族または同居老親として、それぞれ控除額が上乗せされます。

  • 住民税:33万円(特定45万円、老人38万円、同居老親45万円)
  • 所得税:38万円(特定63万円、老人48万円、同居老親58万円)

なお、19歳以上23歳未満の親族(特定親族)の合計所得金額が62万円超123万円以下(給与収入のみなら136万円超188万円以下)の場合、扶養控除は適用されません。

ただし令和7年分以後の所得税では、こうした特定親族を有する場合に特定親族特別控除(最大63万円・所得金額に応じて逓減)が適用されます。住民税にはこの控除は設けられていません。

13.基礎控除

すべての納税義務者が一律に受けることができる控除です。
住民税と所得税では控除額が異なり、令和8年度の税制改正で所得税の基礎控除額が引き上げられた一方、住民税の基礎控除額は据え置きとなっています。

  • 住民税:43万円(合計所得金額2,400万円以下の場合)
  • 所得税:62万円(合計所得金額2,350万円以下の場合、令和8年分以後)

令和8・9年分は特例として、合計所得金額489万円以下の方には上記62万円にさらに42万円が加算され、最大104万円となります(489万円超の方は加算額が5万円に縮小)。
令和8年分については月次の源泉徴収では反映されず、年末調整での精算となります。新しい源泉徴収税額表への切り替えは令和9年1月以降です。

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所得税と住民税の控除額の違いを理解しましょう

住民税は所得税に比べて控除額が全般的に低く設定されているため、「所得税はかからないのに住民税だけ課税される」というケースが生じることがあります。
令和8年度税制改正では所得税の基礎控除や給与所得控除が引き上げられましたが、住民税の基礎控除(43万円)は据え置きとなっています。
各改正の適用時期は以下のとおりです。所得税と住民税では適用開始のタイミングがずれる項目もあるため、あわせて確認しておきましょう。

改正内容 所得税の適用開始 住民税の適用開始
基礎控除引き上げ
(62万円・特例104万円)
令和8年分以後 変更なし(43万円)
給与所得控除引き上げ
(69万円・特例74万円)
令和8年分以後 令和9年度分以後(69万円)
勤労学生控除の所得要件引き上げ
(89万円)
令和8年分以後 令和9年度分以後
配偶者・扶養親族の所得要件引き上げ
(62万円以下)
令和8年分以後 令和9年度分以後
ひとり親控除額引き上げ
(38万円)
令和9年分以後 令和10年度分以後(33万円)
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よくある質問

医療費控除とは?

自身や生計を同一にする配偶者、または親族のために医療費を支払った場合に受けることができる控除です。詳しくはこちらをご覧ください。

配偶者控除とは?

控除対象の配偶者がいる場合に受けることができる控除です。詳しくはこちらをご覧ください。

扶養控除とは?

扶養親族がいる場合に受けることができる控除です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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