• 更新日 : 2021年6月3日

非常勤講師の確定申告まとめ – 掛け持ちしたら絶対必要?

非常勤講師の確定申告まとめ – 掛け持ちしたら絶対必要?

一口に非常勤講師と言っても、雇用契約の有無や、不定期での活動などさまざまです。さらに確定申告では、以下の疑問にぶつかることがあります。
「非常勤講師の収入は何の所得になるの?」
年末調整したから確定申告は不要?」
「必要経費はどんなものまでOK?」
青色申告に切り替えた方がいい?」
そこで、この記事では非常勤講師の確定申告について重要な部分をまとめて説明しました。
確定申告が必要かどうかわからない方、何から手をつけていいのかわからない方に向けて説明していきます。

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非常勤講師で確定申告が必要なケース・不要なケース

確定申告の必要・不要を判断するためには、まず収入金額で判断します。
次に報酬の支払い元や年末調整がされているかどうかを確認することになります。
なお、この記事では報酬の支払い元を、学校法人や団体・個人事業主などの意味も含む「会社」という単語で説明していきます。

必要なケース

以下のいずれかに該当する場合は、基本的に確定申告が必要です。

  • 会社で年末調整されていない
  • 2社以上の会社から収入がある
  • 年末調整されていない収入とその他の副業収入の合計が年間20万円超である
  • その他、年末調整で適用されない制度や控除を使う

補足になりますが、そもそも年末調整とは会社が個人の代わりに行う確定申告のことを指します。つまり、年末調整しているということは会社が個人に代わって確定申告を行っていることになり、個人で確定申告をする必要はありません。

まず、年末調整がされていない場合は自分で確定申告を行う必要があります。
こちらの詳細は後述しますが、収入が年間20万円以下の場合は確定申告が不要になります。

次に、2社以上からの収入がある場合は自分で確定申告を行う必要があります。
ただし、次の20万円超に該当しない場合は不要です。

次に、年末調整されていない収入や非常勤講師以外の活動で収入があり、これらの合計が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。

最後に、年末調整で適用されない制度や控除を使う場合は自分で確定申告を行う必要があります。代表的な例として、医療費控除を適用する場合は年末調整では対応できないため自分で確定申告を行います。

不要なケース

以下のいずれかに該当する場合は、基本的に確定申告が不要です。

  • 年末調整している
  • 2社以上の会社から収入がない
  • 年末調整されていない収入と副業収入の合計が年間20万円以下になる

まず、年末調整している場合は会社が個人に代わって確定申告しているため、個人で確定申告を行う必要がありません。

次に、2社以上の会社から収入がない場合は、基本的に1社のみで年末調整されているため、個人で確定申告を行う必要がありません。

最後に、年末調整されていない収入と副業収入の合計が20万円以下になる場合は確定申告が不要です。

非常勤講師の所得の分類

非常勤講師にはさまざまな活動や雇用契約があるため、その収入はどの所得に該当するかは定まっていません。ただし、以下3つのどれかに該当することになります。

所得内容
給与所得勤務先から受け取る給与や賞与
事業所得事業として得る報酬
雑所得副業として得る収入

非常勤講師の収入がそれぞれどの所得に該当するかのポイントを説明していきます。
注意点として、各所得の区別が厳密に定まっているわけではありません。

まず、給与所得は雇用契約を結んでいることや給与・賞与という名目で支払いを受けていることがポイントです。さらに、給与から社会保険料や厚生年金が天引きされていれば給与所得に該当する可能性が非常に高いです。

次に、事業所得は個人が事業として反復的・継続的に活動していることがポイントです。
さらに、会社との契約は雇用契約ではなく委託や請負の形式で非常勤講師をしていると事業所得に該当する可能性が高いです。

最後に、雑所得は事業所得と給与所得に該当しないことがポイントです。
具体的には不定期に非常勤講師として活動する場合や副業的に活動する場合は雑所得に該当する可能性が高いです。

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非常勤講師が経費にできる支出

非常勤講師の収入は、給与所得、事業所得または雑所得に該当することを説明しました。
このうち、事業所得と雑所得は必要経費が認められます。

必要経費の前提として非常勤講師の収入に関係するものに限られます。個人的な費用は必要経費として認められません。

具体的な必要経費として、以下のような費用が認められます。

科目内容と具体例
売上原価売上に直接関係する費用
例:講義で配布する購入した資料など
租税公課固定資産税、自動車税、同業組合の会費など
例:移動に必要な車の自動車税など
減価償却費機械、車両、器具備品などの購入費用のうち計算した部分
例:車の償却費など
水道光熱費事務所にかかる電気代、ガス、水道料金など
例:自宅を事務所としている場合の電気代の一部など
旅費交通費移動手段にかかる費用、宿泊料
例:電車代、旅館の宿泊料金など
通信費スマホやインターネットの料金
例:スマホ料金や電話料金など
接待交際費飲食費や贈答品の購入費用
例:打ち上げの飲食費など
消耗品費10万円未満の消耗品
例:本や備品の購入費用など
修繕費固定資産の修理費用
例:車の修理代、車検代金など
雑費上記に分類されない少額な費用
例:インターネットサービスの月額料金など

上記の他、非常勤講師の活動に関係する費用は必要経費として認められます。
必要経費とする場合は領収書請求書を保管しましょう。

個人事業主の非常勤講師は青色申告特別控除が認められる

個人事業主として非常勤講師の活動をする場合は、青色申告特別控除を受けることができます。青色申告特別控除を受けるためには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があり、確定申告では事業所得として申告しなければいけません。

青色申告特別控除はメリットとデメリットがあるため、それぞれ説明していきます。

まず、メリットは最大で65万円の控除を受けられることです。
事業所得は、以下の計算式で計算することが可能です。

【事業所得の計算式】

事業所得 = 収入金額 - 必要経費 - 青色申告特別控除(最大65万円※)

※青色申告特別控除は令和2年以降、以下のように要件が変更されています。

要件控除金額
複式簿記による帳簿を作成する
・申告書に貸借対照表損益計算書を添付する
・期限内に申告する
(全てを満たす必要があります)
55万円
e-Taxによる申告を行う
または
・電子帳簿保存を行う
(どちらか1つを満たす必要があります)
10万円
合計65万円

次に、デメリットは帳簿の作成に手間がかかることです。
簿記の知識が必要なため勉強して自分で帳簿を作成するか、確定申告ソフトなどで帳簿を作成する必要があります。
帳簿の作成が厳しい場合は事業所得のうち白色申告を行う、または雑所得で申告を行うことが選択肢になります。

非常勤講師が確定申告しないとどうなる?

非常勤講師として活動した収入があり、会社で年末調整をしていない場合は確定申告をしていないことになります。このような場合に自分で確定申告を行わないとデメリットしかありません。

確定申告というと所得税だけが注目されがちですが、確定申告のデータを基に市区町村が住民税や健康保険料金の計算を行います。確定申告を行わないということは、所得税と住民税の申告を行わないことによるデメリットが発生します。

具体的には、還付(税金が戻ってくる)と納付(税金を支払う)の場合があります。

まず還付の場合は、以下のようなデメリットがあります。

  • 源泉徴収され、戻ってくるはずの所得税が戻ってこない
  • 住民税の延滞金が発生する

次に納付の場合は、以下のデメリットがあります。

  • 所得税の無申告加算税と延滞税が発生する
  • 住民税の延滞金が発生する

上記のデメリットがあるため、年末調整されていない場合は、確定申告を必ず行いましょう。

確定申告の方法はこちら

ここまで非常勤講師の確定申告について説明しました。
非常勤講師の場合は、基本的に勤め先で年末調整されることが一般的で、自分で確定申告を行う必要はありません。

しかし、年末調整されていない場合や、複数の勤め先があり年末調整されていない収入がある場合、または、それ以外の副業の収入が20万円超である場合は自分で確定申告を行う必要があります。

さらに具体的な確定申告の手順については以下の記事で説明しています。

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よくある質問

非常勤講師に確定申告は必要?

一定の条件を満たしている場合は、確定申告が必要です。

非常勤講師の所得の分類は?

非常勤講師には様々な活動や雇用契約がありますが、給与所得、事業所得、雑所得のいずれかに分類されます。

非常勤講師が確定申告しないとどうなる?

戻ってくるはずの所得税が戻ってこない、所得税の無申告加算税と延滞税が発生する、住民税の延滞金が発生する、など様々なデメリットがあります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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