• 更新日 : 2022年5月10日

白色申告とは? 流れ・やり方・記帳方法を解説【個人事業主・フリーランスの確定申告】

白色申告とは? 流れ・やり方・記帳方法を解説【個人事業主・フリーランスの確定申告】

個人事業主やフリーランスとして活動している方は、毎年確定申告白色申告をしている場合も今年初めて白色申告をする場合も、白色申告のやり方を今一度確認してみましょう。

記帳から決算、申告までの流れを確認することで、無駄な作業を省略できるだけでなく、なんとなくわかったような気になっている曖昧な部分を正しく理解できるようになります。

個人事業主・フリーランスが行う白色申告とは?

白色申告とは、個人事業主が所得税の確定申告をする際に、青色申告以外で申告することをいいます。また、一人社長などのフリーランスの人が法人税の申告書を提出する場合において、青色申告以外で申告することも白色申告となります。

白色申告で所得税の確定申告をする時に作成が必要な書類としては、収支内訳書、確定申告書Bがあります。この記事では、主に所得税の白色申告について見ていきましょう。

青色申告と白色申告の違い

白色申告では、平成25年までは不動産所得・事業所得・山林所得の収入合計が300万円を超える事業者に記帳や帳簿などの保存の義務がありました。

しかし、平成26年度からは事業所得・不動産所得・山林所得を生ずる業務を行う全ての事業者に記帳及び帳簿保存が義務付けられました。

さらに、令和4年分以降は業務に係る雑所得についても、前々年分の業務に係る雑所得の収入が300万円を超える場合には、現金預金取引などの書類を保存することが義務付けられました。

帳簿や書類の保存期間は、法定帳簿は7年、任意帳簿や書類関係(請求書や領収書など)は5年と定められています。

青色申告の場合には、原則として複式簿記による記帳を行い、貸借対照表損益計算書などの提出が必要です。

これに対して、白色申告は複式簿記による記帳を行う必要はありません。所得金額が正確に計算できるように、整然とかつ明瞭にすれば、個々の取引ごとでなくとも日々の合計をまとめて記載しても問題ありません。

最終的に、国税庁の定める所定の用紙(収支内訳書)に記入して申告します。

青色申告と白色申告の違いについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

白色申告のメリット・デメリット

白色申告により申告を行う場合には、原則として1年間の売上金額から、売上に対応する必要経費を差し引いて所得金額を計算します。

その所得金額から基礎控除社会保険料控除などの各種所得控除を差し引き、課税所得を算出した後、その課税所得に対して税率を掛けて所得税額を算出します。

白色申告では、青色申告で受けることができる青色申告特別控除、青色専従者給与、少額減価償却資産の特例、純損失の繰越など、所得税上のメリットを受けることができませんので青色申告に比べて節税効果は望めません。

推計課税とは、税務署長が所得について更正や決定をする際、直接資料によらず、間接的な根拠から「推計」して所得を決定する課税方法です。しかし、青色申告の場合には、税務署が税務調査の際に推計課税を行うことはありません。

一方、白色申告の場合には、帳簿を作っていなかったり、帳簿の誤りや漏れが多かったり、税務調査に非協力的であったりすると、税務署が所得を推計して課税をすることもあります。

その税務調査に基づく更生や決定などに対して不服がある場合は、訴訟を起こすことも可能です。ただし、訴訟の提起の前に管轄の税務署長に対しての再調査の請求、国税不服審判所に対しての審査請求の両方を行う必要があります。

白色申告のメリット・デメリットについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

白色申告のやり方・流れ

白色申告の最終的な目的は、確定申告書と収支内訳書を作成、提出することです。
白色申告は次の4つのステップから成り立ちます。

ステップ<1> 記帳作業
ステップ<2> 決算作業
ステップ<3> 確定申告書と収支内訳書の作成
ステップ<4> 控除証明書などの添付書類の準備

以下、申告までのこれらのステップを解説していきます。

<1> 記帳作業

日々の取引について効率よく記帳ができれば、申告にかかる負担は大きく軽減されます。作業軽減のために重要なことは、記帳回数を減らすことです。入金や売上が毎日コンスタントに発生するのであれば、1日の終わりに同じ種類の売上高など、その日の取引をまとめて記帳することが効率的であると言えます。

同じ種類の入出金であれば、それぞれの種類ごとに1日1回記帳すればよいでしょう。また、毎月月末に入金が集中するのであれば、1か月に1回入金の記帳をすれば作業が効率化できます。

記帳を終えた伝票や証拠書類は、売上や経費を二重に計上するリスクを回避するために、記帳済であることがわかるようにマークしておきましょう。

事業内容に応じ、必要な項目について記帳できていれば、複式簿記のルールに従うことなく、白色申告の記帳を行うことができます。

具体的な記帳における必要な項目としては、

  • 入金に関する具体的な内容(現金売上や掛売上など)
  • 出金に関する具体的な内容(仕入や経費など)
  • 入出金に関する取引先
  • 取引年月日

などが挙げられます。

白色申告の記帳についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

<2> 決算作業

次に、白色申告に必要な作業として決算があります。記帳は日常の事業活動に付随した業務ですが、決算は年度末にのみ行う作業です。

決算作業には、

  • 棚卸表の作成(棚卸商品などがある場合のみ)
  • 減価償却費の計算(減価償却資産がある場合のみ)

などが挙げられます。

棚卸は原則として12月31日時点の在庫状況となりますが、年度内の業務最終日など、その日以降に売上や仕入が発生しないタイミングで行うことも可能です。

減価償却費の計算も1年分をまとめて行います。

減価償却は、原則として定額法で償却(法定償却方法)を行います。所得税の計算では、減価償却費を計上せずに確定申告した場合には後から取り戻す手続きが大変ですので注意しましょう。

年度の途中から使用することになった減価償却資産は、次のように利用した月数分の償却費を算出します。

当期償却額= 取得価額 × 耐用年数に応じた償却率 × その年中に使用した月数 / 12

例えば、取得価額50万円の減価償却資産の耐用年数が5年で定額法償却率が20%だった場合は1年間(12か月)の償却率は10万円となります。

しかし、購入した年は6か月しか事業の用に供しなかった場合は、10万円×6か月/12か月=5万円を減価償却費として計上します。(50万円×20%×6/12)

結果として、

1年目の償却額:5万円
2~5年目の償却額:それぞれ10万円  
6年目の償却額:5万円(実際には49,999円とし残存価額1円とする)

となり、取得価額50万円の減価償却資産を足かけ6年で費用化したことになります。

減価償却についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

決算作業のために作成した棚卸表や固定資産台帳は、法定帳簿や任意帳簿を作成するための根拠書類となるため、対象となる年の翌年3月15日の翌日から5年間の保存が必要です。

<3> 収支内訳書と確定申告書の作成

白色申告の収支内訳書と確定申告書の作成について流れを見ていきましょう。

収支内訳書の書き方

白色申告には、所得の根拠である売上や必要経費をまとめた収支内訳書が必要となります。
白色申告用の収支内訳書は、一般用、農業所得用、不動産所得用などがありますが、ここでは一般用を使って説明します。

【収支内訳書(一般用)】

白色申告の収支内訳書の書き方

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
収支内訳書(一般用)【令和2年分以降用】を加工して作成

収支内訳書は国税庁のサイトからダウンロードできるほか、税務署などで入手できます。書式は頻繁に変更されますので、最新のものを使いましょう。

まず、収支内訳書に期中に記録した帳簿と、決算で行った棚卸や減価償却費の結果を記入します。

効率のよい収支内訳書を作成する方法は、内訳の作成から始めることです。まずは、次のような内訳について該当する項目についてのみ記入します。

  • 給料賃金の内訳
  • 税理士・弁護士などの報酬・料金の内訳
  • 事業専従者の氏名など
  • 売上(収入)金額の明細
  • 仕入金額の明細
  • 減価償却費の計算
  • 地代家賃の内訳
  • 利子割引料の内訳(金融機関を除く)

これらの項目を収支内訳書にまとめることによって、所得金額の根拠を明らかにするとともに、1年分の事業全体をとらえることができます。

収支内訳書の詳細については、以下の記事をご参照下さい。

確定申告書の書き方

確定申告書には「申告書A」と「申告書B」がありますが、個人事業主やフリーランスの人は「申告書B」を利用します。確定申告書Aは、給与所得や公的年金、その他の雑所得のみで予定納税がありません。なお、申告書Aは令和5年1月から廃止されて申告書Bに一本化されます。

以下、確定申告書Bについての概要を図の番号の順に説明します。

確定申告書B 第一表

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
申告書B【令和3年分以降用】を加工して作成

(1) 住所、氏名、個人番号などを記入します。印鑑は不要です。

(2) 該当する所得ごとの1年間の収入合計額を収支内訳書から転記します。

(3) それぞれの所得について、必要経費などを差し引いた所得金額を収支内訳書から転記します。合計欄についても求め、記入します。

(4) この1年に支払った社会保険料、生命保険料や扶養控除、基礎控除、医療費控除などを証明書などをもとに記入します。

(5) (3)の合計から(4)の合計を差し引いたものが課税対象となる所得金額で、これに所得税の税率を掛けて所得税額を求めます。さらに、求めた所得税額には、令和19年分までは東日本大震災からの復興施策の財源を確保のため、復興特別所得税を所得税と併せて納付することとされています。よって、所得税額に2.1%の税率を乗じて計算した金額を加算します。求めた所得税額から配当控除や住宅ローン控除などの税額控除があれば差し引き、源泉徴収や予定納税があればさらに所得税額から差し引きます。

(6) この欄は参考値を入れる部分で、配偶者控除などを受ける場合の配偶者の所得金額などを記入します。

(7) 期限内に納税できる見込がない場合は「延納の届出」への記入が必要です。

(8) 還付請求の場合の税金の受取場所(金融機関の口座情報)を記入します。

なお、確定申告書には第二表、第三表もありますが、詳細については以下の記事をご参照ください。

<4> 控除証明書などの添付書類の準備

確定申告書の添付書類について添付する書類は、申告者の本人確認書類と申告内容に応じた添付書類が必要です。

本人確認書類には、次の区分によって必要なものが異なります。

マイナンバーカードの有無
必要物
備考
マイナンバーカードが
ある人
マイナンバーカード写しを添付する場合は表裏の写しが必要
マイナンバーカードが
ない人
番号確認書類次のいずれかのものなどが必要
  • 記載内容に変更のない通知カード
  • 住民票の写し(マイナンバー記載のもの)
身元確認書類次のいずれかのものなどが必要
  • 運転免許証
  • 公的医療保険の被保険者証
  • パスポート
  • 身体障害者手帳

白色申告の申告内容に応じた添付書類の主なものは、次のとおりです。

項目
必要物
備考
事業・営業等収支内訳書必ず二面とも提出
所得控除社会保険料控除社会保険料控除証明書など申告時期に合わせ送付されます
小規模企業共済等掛金控除支払った掛金の証明書などiDeCoの支払証明など
生命保険料控除・地震保険料控除支払額を証明するもの申告時期に合わせ送付されます
医療費控除医療費控除の明細書医療費の内訳を自分で記載します
医療費のお知らせ原本を提出します
セルフメディケーション税制による医療費控除の特例セルフメディケーション税制の明細書特定一般用医薬品等購入費の明細を自分で記入します
寄付金控除寄附金の受領証などふるさと納税や政治献金など
税額控除住宅ローン控除住宅借入金等特別控除額の計算明細書など適用対象によって、また適用時期によって添付書類が異なりますので要確認

参考:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き|税務署

なお、電子申告(e-Tax)による場合には社会保険料控除、生命保険料控除などをはじめ多くの所得控除や税額控除の書類の添付を省略することができます。
省略した場合には、原則として申告期限から5年間は税務署などから書類の提出を求められることがあり、応じなかったときは確定申告書に添付されなかったものとなります。

参考: 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

また、郵送や窓口持参で申告書を提出する場合には次のような添付台紙を利用するとよいでしょう。

添付書類台紙

出典:確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁
添付書類台紙を加工して作成

白色申告の提出はe-Taxがおすすめ!

収支内訳書や確定申告書の記入が終わり、添付資料の準備ができればいよいよ提出です。
所得税の申告については、白色・青色に限らず、次の3通りの提出方法があります。

  • 税務署窓へ持参
    確定申告期間中に窓口へ持参する方法
  • 郵送
    確定申告期間中に税務署に郵送する方法
  • e-Tax(電子申告)
    確定申告期間中に自宅からインターネット経由で提出する方法

税務署窓口は原則として平日のみですが、税務署の時間外収受箱への投函も可能です。

時間外収受箱や郵送の場合には、複写(コピー)により作成した申告書の控え、返信用封筒(宛名記入、所要額切手を貼付したもの)を同封すれば、税務署から収受日付印を押印した申告書の控えが返送されます。

この中で、最も早く提出ができるのはe-Taxです。また、確定申告期間は原則として24時間対応ですので、業務終了後であっても対応できます。

ただし、e-Taxで提出する場合には、パソコンや選択した申告方式に合わせた準備が必要となります。スマートフォンだけでは事業所得などの収支内訳書を添付して送信することができないため、パソコンの準備が必要です。
確定申告は毎年のことなので、e-Taxで申告処理の簡素化をめざしましょう。

e-Taxについての詳細は、以下の記事をご参照ください。

白色申告は正しい記帳から!

白色申告のやり方は、原則として取引の1つひとつについて数量や単価、金額を正しく記帳し、それをもとに収支計算書、確定申告書と進めば完結することができます。

要は、入出金や売上・仕入のタイミングに合った記帳をコツコツとすればよいわけです。
そして、正しい記帳のためには、個々の取引における請求書や領収書といった根拠となる書類を保管しておくことです。

領収書が発行されないバス代などの交通費や、イベント開催などによる領収書を発行しない形態の現金売上などがあれば、忘れずに出金伝票や売上伝票にしておくようにしましょう。

よくある質問

そもそも白色申告とは?

所得税や法人税の確定申告の際に、青色申告の申請を行っていない人の申告方法のことをいいます。詳しくはこちらをご覧ください。

白色申告をするためにはどのようなことをしますか?

記帳作業、決算作業、収支内訳書と確定申告書の作成をした後、税務署に提出します。詳しくはこちらをご覧ください。

白色申告の提出方法は?

窓口持参、郵送、e-Tax(電子申告)の3つの方法がありますが、電子申告がおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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