- 更新日 : 2024年12月25日
個人事業主は住宅ローンの審査に通らない?通りやすくなるポイントも解説
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個人事業主は収入の安定性が低いと見られる可能性があるため、住宅ローンの審査が厳しいと言われているのが現状です。
本記事では、個人事業主が住宅ローンに通りにくいと言われている理由や金融機関が重視している点、審査に通るためのポイントを解説します。
目次
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個人事業主が住宅ローンの審査に通らないと言われる理由
会社員や公務員に比べて、個人事業主が住宅ローンに通らない理由には以下の3つがあります。
- 収入が不安定と見なされる
- 所得が低く見える可能性がある
- 返済能力があると判断されにくい
個人事業主は、事業の状況や病気、ケガによる休業が収入の激減に直結するため、会社員等に比べて、収入が不安定に見られる可能性があります。
「総収入-必要経費」によって所得が決まるので、節税目的で経費を多く計上していると、実際の収入よりも所得が低く見えることも考えられるでしょう。
確定申告書や決算書類など、過去の収入実績を証明できる書類を不足なく提出できなければ、返済能力がないと判断され審査は厳しくなります。
個人事業主が住宅ローンの審査で重視されるポイント
個人事業主の場合、住宅ローン審査では以下の5つが重視されます。
- 年収ではなく所得金額が連続して黒字となっているか
- 自己資金をいくらまで用意できるか
- 税金や保険料を滞納していないか
- 健康状態に問題がないか
- 個人信用情報に問題がないか
所得金額が連続して黒字となっているか
個人事業主が住宅ローンの申し込みをした際に、審査で重視されるのが3期連続で黒字化できているかです。
一般的に、直近3年の確定申告書と決算書をもとに捻出された平均所得が審査対象になります。
ただし、もっとも低い所得の年度を基準にする場合など、金融機関によって判断基準が異なります。また、赤字があれば審査が通りにくくなります。
自己資金をいくらまで準備できるか
住宅ローンを申し込む場合はできるだけ自己資金(頭金)を用意し、借入額を抑えることが望ましいです。
住宅ローンの審査基準のひとつに「返済比率」があります。返済比率とは、「年間所得(会社員は手取り額)に占める年間返済額の割合」を指します。
「年間返済額÷所得×100」で計算され、数値が低いほど無理なく返済できる額になります。
金融機関によって基準は異なりますが、一般的に理想とされる返済比率は20〜25%です。
どれだけ自己資金を用意して返済比率を下げられるかが、審査では大きなポイントになります。
税金や保険料を滞納していないか
会社員と違い、個人事業主は税金や保険料を自身で支払う必要があるため、払い忘れがないか確認しておきましょう。
少額でも未払いがあると、「ローンの返済を滞納するかもしれない」と金融機関にマイナスの印象を与えますので、審査申込の前に必ず未払い分を納付しておきましょう。
滞納の有無は、地方自治体の役所から取得できる納税証明書から確認できます。
健康状態に問題がないか
健康状態に問題がないかどうかも、審査基準のひとつです。ほとんどの住宅ローンは、団体信用生命保険(団信)の加入が融資条件となっています。
団信とは、住宅ローンの返済中に契約者が死亡や高度障害状態といった事態に陥ったとき、生命保険会社から支払われた保険金で住宅ローンを完済するための保険です。
一般的な生命保険同様に、加入時には健康状態について告知義務があり、正確に伝えなければいけません。
持病の有無や治療の状況によっては加入が認められなかったり、高額な借入額であれば健康診断結果証明書(原本)の提出を求められることがあります。
個人信用情報に問題がないか
過去のクレジットカードやローンの支払いに遅延がある場合にも、審査にマイナスの影響を与えます。
住宅ローン審査では申し込み者の返済能力を判断するために、個人信用情報の照会をおこないます。
信用情報とは、クレジットやローンの契約や申し込みに関する情報のことで、客観的な取引事実を登録した個人の情報です。
「利用金額・残高・遅延・法的手続きの有無」は、シー・アイ・シー(CIC)や日本信用情報機構(JICC)で確認できます。
個人でも500円〜1500円程度で開示請求できるので、不安な場合は確認しておきましょう。
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個人事業主が住宅ローンの審査に通過するためのポイント
個人事業主は住宅ローン審査が厳しくなりますが、審査に通りやすくする方法はあります。
- カードローンやマイカーローンは完済しておく
- 個人事業主向けの住宅ローンを取り扱う銀行で申し込む
- 個人事業主が審査に通りやすいフラット35に申し込む
カードローンやマイカーローンは完済しておく
住宅ローンの借入を申し込む前に、カードローンやマイカーローンは完済しておきましょう。
住宅ローン審査では、ほかでの借入分も審査の対象です。返済額が高ければ返済比率は大きくなるため、借入額と所得が見合っていないと判断され、審査に不利となる可能性があります。
ローン審査時に信用情報を照会されるので、完済履歴を作っておくことは重要です。
個人事業主向けの住宅ローンを取り扱う銀行で申し込む
金融機関の中には、個人事業主向けに住宅ローンを取り扱う銀行があります。
たとえば信用金庫や信用組合は、事業を営んでいる人に向けた金融サービスを提供していたり、はじめて融資を受ける人も利用しやすかったりと、個人事業主も利用しやすい金融機関です。
すでに取引のある信用金庫や地方銀行があれば一度相談しても良いでしょう。経営状況について一定の理解があるため、融資してもらえる可能性があります。
個人事業主が審査に通りやすいフラット35に申し込む
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する長期固定金利型住宅ローンです。一般的な住宅ローンより審査基準が柔軟なため、個人事業主でも審査に通りやすいといえます。
- 収入基準が柔軟
- 固定金利で将来の負担が明確
- 団体信用保険の加入が任意
全期間固定金利のため返済計画を立てやすく、団体信用保険の加入も任意であるため、持病や治療歴のある方でも申し込みやすいです。
正、申し込みの基準に返済比率が設けられている点に留意しましょう。たとえば400万円未満であれば30%、400万円以上であれば35%以上となります。
個人事業主が住宅ローンに申し込むときの必要書類
個人事業主が住宅ローンを申し込みする際には、事前審査と本審査があります。事前審査に通ると土地売買契約やハウスメーカーとの契約に進み、そのあとに本審査に移ります。
※金融機関によって必要書類が異なるため、必要書類は一例です。
【事前審査】
- 仮審査申込書
- 本人確認書類(運転免許証や保険証)
- 3期分の確定申告書
- 決算書
- 納税証明書
- 資金計画表
- 物件確認書類(間取り図や土地情報)
【本審査】
- 健康診断書
- 見積書
- 不動産売買契約書
- 重要事項説明書
- 工事請負契約書
各審査で必要になる書類が異なります。たとえば「事前審査」では収入の状況や計画の内容、「本審査」では実際に必要な資金や返済能力を審査するための書類が必要となります。
個人事業主も確定申告で住宅ローン控除を利用できる?
個人事業主でも、一定の条件を満たせば確定申告をしながら住宅ローン控除を利用できます。
ただし、控除を受けるためには細かな条件があるので、あらかじめ税務署や専門家に相談しておきましょう。
個人事業主が住宅ローンに申し込みには入念な準備が大切
個人事業主の方が、住宅ローン審査を通過するためには金融機関に収入の安定性を示し、自己資金を貯めておくことが大切です。
借入れ先は、審査基準が一般的な住宅ローンよりも柔軟なフラット35をおすすめします。
ほかでの借入や税金の滞納があると審査に不利となるので、借入環境も整理しておきましょう。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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