- 更新日 : 2026年10月30日
青色申告と白色申告の違いは?メリットやどっちを選ぶべきかわかりやすく解説!
節税を重視するなら青色申告が有利です。最大65万円(令和9年分以後は最大75万円)の特別控除を受けられます。
- 青色申告は事前申請と複式簿記が必要
※青色申告で10万円控除を適用する場合には、複式簿記による記帳は不要。 - 白色申告は事前申請不要、記帳が簡単だが優遇措置がない
- 赤字の3年繰越など青色申告限定の特典が多い
初心者でも会計ソフトを使えば、複式簿記の記帳も進めやすくなります。
確定申告で青色申告と白色申告のどっちを選択すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。青色申告を選択する場合、事前申請や複式簿記での記帳が必要ですが、一定の要件を満たすことで、最大65万円(令和9年分以後は最大75万円)の青色申告特別控除が受けられるなどの節税メリットが受けられます。
※青色申告で10万円控除を適用する場合には、複式簿記による記帳は不要。
この記事では、青色申告と白色申告の違いや、青色申告のメリットについて初心者の方にもわかりやすく解説します。
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そもそも確定申告とは?
確定申告とは、1年間の売上から経費を差し引いた所得をもとに、所得控除や税額控除を反映したうえで税額を計算し、正しく納税するための手続きのことです。
毎年、1月1日から12月31日の所得と税金を計算し、翌年の2月16日から3月15日(土日祝日の場合は翌平日)に確定申告書を提出します。
個人事業主・自営業で確定申告が必要な場合
個人事業主・自営業でも、必ず確定申告が必要なわけではありません。所得金額から所得控除を差し引き、所得税額から税額控除を差し引いても納税額が残る場合、原則として確定申告が必要です。
- 所得金額の合計が所得控除の合計を超え、その超えた額に対する税額が、税額控除の合計を超える場合など
上記に当てはまらなくても、事業所得で源泉徴収された所得税の還付を受けたい場合や、青色申告特別控除、純損失の繰越控除(赤字の繰越)、医療費控除、寄附金控除などを受けたい場合は、確定申告をすると適用や還付を受けられます。
会社員(サラリーマン)で確定申告が必要な場合
会社員で確定申告の対象となるのは、次のような場合です。
- 給与を1か所から受けていて、副業などの所得(給与所得・退職所得を除く)の合計が20万円を超える人
- 給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額と副業などの所得の合計が20万円を超える人
- 源泉徴収義務のない者から給与を受けている人
- 年間の給与収入が2,000万円を超える
- 同族会社の役員に関する要件を満たす など
上記に当てはまらなくても、医療費控除、セルフメディケーション税制、寄附金控除(ふるさと納税でワンストップ特例を利用しない場合)などは、確定申告をすると所得税の還付や住民税の軽減を受けられます。なお、医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらか一方しか選べません。
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青色申告と白色申告の違いは?
確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告は複式簿記により特別控除の特典を受けられますが、白色申告は簡易な帳簿で税制上のメリットは限定的です。
また、青色申告は事前申請し承認を受ける必要があります。承認を受けていなければ、複式簿記で記帳しても白色申告です。
主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 対象の所得 | 不動産所得・事業所得・山林所得 | 制限なし |
| 事前申請 | 開業届と青色申告承認申請書が必要 | 不要 |
| 記帳方法 | 複式簿記 (10万円控除は簡易な帳簿でも可) |
簡易な帳簿 |
| 提出書類 | 確定申告書+青色申告決算書 | 確定申告書+収支内訳書 |
| 特別控除 | 最大65万円 (令和9年分以後は最大75万円) |
なし |
1. 対象者(所得の種類)の違い
青色申告の対象になるのは、不動産所得、事業所得、山林所得があり、かつ青色申告の承認を受けている人です。
白色申告は原則的な申告方法であり、青色申告の承認を受けていない人は白色申告を選択することになります。
2. 事前申請の違い
青色申告と白色申告は、事前申請が必要かどうかが異なります。
青色申告をするためには、事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要です。なお、「開業届」の提出期限は、令和8年1月1日以後に開業した場合、事業を開始した日の属する年分の確定申告期限までに改正されました。
「所得税の青色申告承認申請書」は、青色申告をしようとする年の3月15日までに管轄の税務署へ提出します。その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、開業日から2カ月以内が期限です。
一方、白色申告に事前申請は不要です。青色申告の事前申請が期限内にできなかった場合は、白色申告で確定申告をすることになります。
3. 帳簿の記帳方法の違い
青色申告で最大額の青色申告特別控除を受ける場合は、複式簿記での記帳が条件となります。白色申告では法律上、複式簿記は求められておらず、簡易な帳簿で記帳すれば足ります。
| 項目 | 複式簿記(青色申告) | 簡易な帳簿(白色申告) |
|---|---|---|
| 記録する内容 | 収入と支出に加え、資産と負債の増減も記録 | 収入金額と必要経費を記録 |
| 作成する帳簿 | 仕訳帳・総勘定元帳(主要簿) 売掛帳・買掛帳など(補助簿) |
現金出納帳など |
| 必要な知識 | 簿記の知識が必要 | 家計簿の感覚で記録できる |
実務上、白色申告は収入と支出のみを記録する単式簿記的な方法で対応するケースが一般的です。家計簿のようにお金の出入りを記録できるため、複雑な簿記の知識も必要ありません。
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4. 提出書類の違い(青色申告決算書・収支内訳書)
青色申告でも白色申告でも確定申告書は同じ用紙を使いますが、同時に提出する書類が異なります。
| 書類 | 提出する人 | 記載する内容 |
|---|---|---|
| 確定申告書 (第一表・第二表) |
青色申告・白色申告に共通 | 1年間の所得金額、所得控除、税額控除、税額など |
| 青色申告決算書 | 青色申告 | 損益計算書とその内訳、貸借対照表 |
| 収支内訳書 | 白色申告 | 売上や必要経費の内訳と、所得金額の集計 |
確定申告書は、第一表に収入金額・所得金額・所得控除・税額を、第二表に所得の内訳や控除の明細を記載します。青色申告でも白色申告でも様式は同じです。
青色申告で提出する青色申告決算書は4枚つづりです。1枚目の損益計算書で1年間の売上と経費をまとめ、2〜3枚目に減価償却費や地代家賃などの内訳を記載します。4枚目の貸借対照表は年末時点の資産と負債の状況を示すもので、複式簿記で記帳していないと作成できません。
白色申告で提出する収支内訳書は2枚つづりで、1枚目に売上と経費の集計、2枚目に売上先・仕入先や減価償却費などの内訳を記載します。貸借対照表にあたる書類はありません。
5. 税制上の優遇措置の違い
青色申告では青色申告特別控除を受けられますが、白色申告に同様の優遇措置はありません。控除(こうじょ)とは「差し引く」という意味で、所得金額から青色申告特別控除を差し引くことで所得税額が安くなります。
控除額は、記帳と提出の方法によって次のように変わります。
| 条件 | 令和8年分まで | 令和9年分以後 |
|---|---|---|
| 複式簿記+e-Tax提出+優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存 | 65万円 | 75万円 |
| 複式簿記+e-Tax提出のみ | 65万円 | 65万円 |
| 複式簿記+書面提出+優良な電子帳簿の保存 | 65万円 | 10万円 |
| 複式簿記+書面提出 (上記以外) | 55万円 | 10万円 |
| 簡易な帳簿(前々年分の収入1,000万円以下)※ | 10万円 | 10万円 |
| 簡易な帳簿(前々年分の収入1,000万円超)※ | 10万円 | 0円(適用除外) |
※収入金額が、事業所得または不動産所得にかかる収入金額を指します。
特に書面提出の場合、令和8年分までは55万円の控除を受けられますが、令和9年分以後は10万円まで下がります。
青色申告は手続きが煩雑な分、メリットが多い!
青色申告は、複式簿記で記帳する必要があるなど手続きに手間がかかりますが、その分多くの節税メリットを受けられます。
青色申告特別控除を受けられる
青色申告の一番のメリットは、最大65万円(令和9年分以後は最大75万円)の青色申告特別控除を受けられることです。令和8年分までは、55万円控除の要件に加え、e-Tax申告または優良な電子帳簿の保存と所定の届出で65万円控除となります。令和9年分以後は、正規の簿記・貸借対照表等の期限内e-Tax送信で65万円、さらに優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存と期限内の届出で75万円です。
複式簿記によらず、収入や経費を記録した簡易な帳簿で申告した場合は10万円です。ただし、令和9年分以後は、簡易な帳簿でも前々年分の事業所得等の収入金額が1,000万円を超えるときは適用できなくなります。
該当する可能性がある方は、複式簿記への移行を検討しておきましょう。
赤字を3年間繰り越しできる
青色申告では、赤字を翌年以降の確定申告に繰り越せます。赤字は最大3年間繰り越しでき、黒字の年に損失を計上して所得から控除できます。
これを純損失の繰越控除と呼びます。さらに、前年に利益が出ていて当年が赤字となった場合には、一定の要件を満たすことで、その赤字を前年分の所得にさかのぼって控除することも可能です。繰り戻しにより、前年分の税金が還付されます。
青色事業専従者給与を必要経費にできる
青色申告では、配偶者や親族に支払った給与を必要経費にできます。これを「青色事業専従者給与」と呼びます。
事業に専ら従事している親族に対して、労務の内容に見合った相当額の給与を支払う場合には、経費として所得から控除できます。
利用するには「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。提出期限は、必要経費に算入しようとする年の3月15日まで。その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合や、新たに専従者がいることとなった場合は、その日から2カ月以内です。
あわせて、次の要件も満たす必要があります。
- 青色申告者と生計を一にしている配偶者や親族であること
- その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
- 原則として1年間のうち6カ月を超える期間、ほかの仕事を主とせず、青色申告者の事業に専ら従事していること
年の中途開業など一定の場合は、その年に事業に従事できる期間の2分の1を超える期間、専ら従事していれば専従期間の要件を満たします。
貸倒引当金を設定できる
青色申告では、未回収が予想される債権を貸倒引当金として計上できます。貸倒引当金とは、後日代金を受け取る約束をした売掛金などについて、将来回収できなくなる可能性に備えて、あらかじめ見積額を計上するものです。
前年末に必要経費へ算入した貸倒引当金は翌年に全額を総収入金額へ戻し、その年末の債権残高等に基づき改めて繰入額を計算します。
少額減価償却資産の特例が受けられる
青色申告では、少額減価償却資産の特例が受けられます。取得価額が10万円以上の備品を購入した場合、原則として一括では経費にできず、耐用年数に応じて減価償却費として毎年少しずつ経費に計上していきます。
しかし一定の要件を満たす青色申告者であれば、取得した年に一括で経費計上できます。要件は次のとおりです。
- 令和8年4月1日以後に取得した資産であること
- 取得価額が40万円未満であること(令和8年3月31日までの取得分については30万円未満)
- 年間の合計額が300万円までであること
令和8年度税制改正により、適用期限は令和11年3月31日まで3年延長されました。ただし、常時使用する従業員数が400人を超える法人・個人事業主は対象から除外されます。
白色申告を選ぶメリットはある?
白色申告は、青色申告に比べて日々の記帳が簡単です。
しかし、領収書や請求書、納品書など、各種取引に関する書類を管理して記帳しなければなりません。手間がかかる点では青色申告と大きな差はないといえます。
それにもかかわらず税制上のメリットは限定的で、結果として青色申告の場合よりも税金を多く支払うケースが多くなります。
青色申告は手続きが煩雑だと感じる方も多いでしょう。しかし、確定申告ソフトを使えば複式簿記の記帳の手間も大幅に省けます。
参照:個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について|国税庁
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不動産所得の規模で控除額はどう変わる?
不動産所得が事業的規模と認められるかどうかで、受けられる青色申告特別控除の額が変わります。
アパートは10室以上、独立家屋は5棟以上の貸付けを行っている場合、原則として事業的規模と認められ、記帳と提出の方法に応じて最大額の控除を受けられます。
一方、マンション1室の貸し出しなど事業的規模に当たらない場合は、複式簿記で記帳していても青色申告特別控除は最大10万円です。事業所得がなく、業務的規模の不動産所得のみという方は、この点に注意しましょう。
なお令和9年分以後、簡易な帳簿で前々年分の収入が1,000万円を超える場合は控除が0円になりますが、業務的規模の不動産所得については最大10万円の控除が維持されます。
参照:No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分|国税庁
法人の青色申告と白色申告は何が違う?
法人の確定申告にも、青色申告と白色申告があります。青色申告は事前に承認申請が必要で、正規の簿記の原則で帳簿を作成する必要があるなど、基本的な考え方は個人事業主と同じです。
個人事業主と異なる点として、法人の青色申告には「青色申告特別控除」がありません。
また、青色申告・白色申告のどちらを選択した場合も、法人の確定申告の期限は決算日の翌日から2カ月以内です。株式会社では、通常、株主総会で承認された決算内容をもとに確定申告を行うため、株主総会の日程と申告期限の関係に注意が必要です。
確定申告ソフトを使って青色申告を簡単に
青色申告は白色申告にないメリットが多く、節税のために利用したい制度です。青色申告をするには事前申請が必要で、原則として期限を過ぎるとその年は白色申告になります。
最大額の青色申告特別控除を受ける場合は複式簿記で記帳しなければなりませんが、確定申告ソフトを使えば記帳の手間を抑えられます。自分の記帳方法と申告方法でどの控除額にあたるかを確認したうえで、青色申告を検討してみましょう。
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
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