- 更新日 : 2025年2月26日
副業別の「所得の種類」まとめ!その副収入は雑所得?事業所得?
確定申告といえば、知っていれば得することもあれば、知らなければうっかり脱税していることもあります。本来なら、確定申告はすべての社会人が知っておきたいルールですが、残念ながら学校や会社では教えてくれません。
とくに会社員やアルバイトの方は、確定申告に触れる機会はほとんどないでしょう。ただ、最近の副業ブームもあり、今年初めて確定申告に挑戦する会社員も少なくないはず。
今回は、副収入を申告する際に混乱しがちな、仕事別の「所得の種類」についてお話します。あなたの副業は何所得になるのでしょうか?(執筆者:元国税局職員・お笑い芸人 さんきゅう倉田)
目次
副業の売上・経費入力や、申告書の作成から申告作業まで、1つで完結するのが「マネーフォワード クラウド確定申告」。家計簿感覚で簡単に使えるので、初めての方にも多くご使用いただいています。
スマホのほうが使いやすい方は、アプリからも副業の確定申告が可能です。

確定申告が必要な会社員
一口に確定申告といっても、確定申告で計算する所得税は10種類と多岐に渡ります。会社からのお給料は「給与所得」、個人事業者が仕事で得た稼ぎは「事業所得」、不動産の賃貸収入は「不動産所得」とさまざまです。
国税庁は、確定申告が必要な人として例を挙げています。心配な方はそちらを見ていただくとして、該当するケースが多いのは次のような場合です。
会社員やパート・アルバイトの場合は、基本的に年末調整で済む人がほとんどで、給与以外にも所得があったり、控除を受けたりする人が確定申告をすることになります。
働き方改革で増えつつある「副業」「兼業」も確定申告の対象となりますが、副業や兼業の所得が20万円以下なら申告は必要ありません。ここでいう“所得”とは、収入から経費を引いたものです。年に40万円の売上があって材料費などの経費が30万円なら、所得は10万円となります。
仕事別の所得区分まとめ
仕事によって所得の種類は異なります。なので、副収入を申告するときは自分の仕事が何所得に当てはまるのか確認しながら、確定申告書を埋めたり必要な書類を揃えたりすることになります。
あなたの副業は何所得になるのでしょうか? ぼくが出会ったことのある仕事の所得区分を一覧にまとめてみました。
ライター、イラストレーター
事業所得か雑所得に該当します。本業なら事業所得になりますが、会社員が副業としてやっていれば雑所得になる場合が多いと考えられます。
フリマなどで自分で使った日用品を販売
非課税です。家電、家具、衣類、車といった生活用動産に該当するものは、売って利益が出ても税金がかかりません。ただし、30万円を超える貴金属や骨董品を売って利益を得た場合は課税されます。
売るつもりで仕入れた場合は、生活用動産ではないので税金がかかります。
株の売買
譲渡所得に該当します。物を売ったときの利益は譲渡所得です。不動産も同じです。
仮想通貨
雑所得に該当します。億り人の方は注意しましょう。
不動産投資
不動産所得に該当します。
居酒屋のアルバイト
給与所得に該当します。ほとんどのアルバイトは給与所得です。
キャバクラ、クラブ、ガールズバー
給与所得に該当します。可能性として事業所得を排除できませんが、店から空間的・時間的拘束を受け、従属性もあるなら給与所得です。給与所得の場合、経費は認められません。
オーナーやママであれば、事業所得に該当する方もいるかもしれません。
ギャンブル
一時所得に該当します。競馬も競輪も競艇もパチンコも、ギャンブルで得たお金は一時所得です。なお、日本の宝くじは非課税です。
芸人
事業所得に該当します。確定申告をすると、「あなたは売れていないので雑所得です」と言われることがありますが「売れていなくても芸人を事業として行っています!」と誇りを持って言いましょう。
所得を圧縮して節税も
給与所得以外であれば、経費や、収入を得るために支出した金額を、収入から差し引いて所得を圧縮することができます。所得を圧縮することで節税対策ができます。
ライターなら取材費やパソコンの購入代金、イラストレーターは画材や美術館の入館料、不動産投資であれば建物の減価償却費や管理委託費、芸人であれば衣装代やコントに使う小道具、株や仮想通貨であれば取得費などそれぞれの仕事に関係する費用を差し引けるようになっています。
経費の判定が出来ない方は、とりあえずレシートや領収証を保管しておいて、翌年の確定申告の時期に、税務署で聞いたり、税理士の先生に聞いたりすると良いでしょう。
さんきゅう倉田さんの記事一覧
■2019年1月16日掲載:
確定申告のよくある間違いと修正方法~税務署で大暴れしないために!~
■2019年1月10日掲載:
【2019年版】確定申告時期! 1月・2月・3月にやること徹底ガイド
■2018年12月12日掲載:
元国税職員が見た「追徴課税の現場」 “謎の社員”の給与振込先は…
■2018年11月19日掲載:
「おじいさんは山へガサ入れに…」 元国税芸人さんきゅう倉田が「#税務童話」をつくってみた

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
副業の確定申告の関連記事
新着記事
個人事業主は事業用口座を開設すべき?メリットや開設方法、注意点を解説
個人事業主は、事業用口座を開設することができます。事業用口座とは個人の事業用で、口座名義に屋号を入れるなどができる口座のことです。 この記事では、事業用口座の概要や事業用口座を開設するメリット・デメリット、開設するタイミング、開設方法などを…
詳しくみる個人事業主におすすめの店舗火災保険とは?保険料の相場や比較ポイントなど
店舗を構えて事業をしている個人事業主は、店舗火災保険に加入したほうがよいでしょう。なぜなら万が一、店舗が火災にあっても一定の補償を受けられるからです。 店舗火災保険は、保険会社によって保険料などが違います。今回は、店舗火災保険の保険料の相場…
詳しくみる個人事業主も社会保険適用拡大の対象!常時5人以上の個人事業所の対応を解説
社会保険の適用拡大により、個人事業主も社会保険加入が必要です。この記事を読めば、「個人事業主で社会保険が対象になる基準は?」「社会保険適用の事務手続きがわからない」という悩みを解決できます。本記事で、社会保険適用拡大の概要や、社会保険の仕組…
詳しくみる保険外交員はなぜ個人事業主?メリットや確定申告・経費についても解説
保険外交員とは、保険契約の勧誘や代理、契約後のサポートなどを行う職種です。本記事では、保険外交員の雇用形態をはじめ、個人事業主として働くメリットやデメリットについて解説します。 保険外交員にまつわるよくある質問と回答も取り上げるため、興味を…
詳しくみる個人事業主は圧縮記帳を使えない!国庫補助金等の総収入金額不算入について解説
圧縮記帳とは、課税の繰り延べをする会計処理のことを指します。税法で規定されており、企業が国からの補助金を利用して固定資産を取得した際に用います。そのため、個人事業主の場合には使えません。本記事では、圧縮記帳の概要や圧縮記帳を活用するメリット…
詳しくみる個人事業主の美容師とは?メリットや年収、経費や確定申告などを解説
個人事業主の美容師とは、法人を設立せずに独立して事業を営む美容師の方を指します。個人事業主として活躍していくためには、独立後の働き方や税務手続き、収入の安定性などを考慮する必要があります。本記事では、個人事業主の美容師の働き方や年収、メリッ…
詳しくみる