• 更新日 : 2025年1月31日

僧侶は確定申告が不要?宗教法人に税金がかからない理由も解説

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2025年(令和7年)提出 確定申告まとめ

▽提出期限

2025年2月17日(月)~ 2025年3月17日(月)

※上記は2024年/令和6年分の申告を行う期間です(参考記事はこちら

初心者から経験者まで、毎年多く読まれている記事です。確定申告の必要性、やり方、簡単に済ます方法についてまるっと解説しています。

宗教法人ではなく、個人としての僧侶は、所得税の負担をします。一般に、僧侶が寺院等の宗教法人から受ける報酬は給与所得として扱われ、給与支払者においては年末調整を行います。一般の会社員と同様です。一方、個人事業主としての僧侶は確定申告が必要です。この記事では、僧侶にスポットをあてて課税関係を見ていきます。

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僧侶は確定申告が不要?

給与を得る僧侶は、年末調整か確定申告が必要です。また、宗教法人の法人税非課税はよく聞く話ですが、宗教というより「公益法人」として限定的に法人税が課税されているというのが正しい認識と言えます。

宗教法人が収益事業以外は法人税が非課税の理由

宗教法人は公益法人の一つとされ、法人税においては「収益事業」についてのみ課税の対象となります。法人税法では、公益法人については収益事業を行う場合には、その収益事業から生じた所得については法人税を納める義務があるとしています(収益事業課税)。

その理由としては、公益法人は営利を目的とせず、もともとは国や自治体等が実施すべき福祉などの公益的活動を行っているからとされます。

法人税の対象となる収益事業とは、法人税法施行令第5条において列挙されている34種類の職業です。公益法人においてはこれ以外の事業については原則非課税となります。

しかしながら、宗教法人であっても給与や報酬を支払う場合には「源泉徴収義務者」となり、支払の際には、源泉徴収して納付する義務はあります。気を付けるべきことは、宗教法人の収入とすべき布施等を住職個人が使った場合には、その住職に対し給与の支払があったとして、源泉徴収の対象となることです。

これに対し、個人事業主として寺院等を経営する場合は事業所得の対象となり、原則として事業から得た収入のすべてが所得税の課税対象となります。したがって、宗教法人の運営か個人の運営かによって課税関係は異なります。

参考:法人税法(第4条ご参照)|e-Gov
参考:法人税法施行令(第5条収益事業の範囲ご参照) | e-Gov 
参考:パンフレット・手引|国税庁、「宗教法人の税務

僧侶の給与・賞与の取り扱い

宗教法人から給与や賞与を得ている僧侶は一般の会社員と同様給与所得として、所得税が課税されます。なお、僧侶の食事代や生活費の一部を宗教法人が支払っていた場合には、その僧侶の給与に負担額を含めて税金を計算します。

一般に給与と賞与では、源泉徴収時の計算が異なります。賞与とは定期的な給与とは別に支払われる給与等であり、賞与、夏期手当、期末手当の名称で支給されるものです。

給与及び賞与の源泉徴収の方法は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した人について、それぞれ次のように求めます。

給与or賞与求め方
給与社会保険料等控除後の給与月額を計算し、「給与所得の源泉徴収税額表」によって求めます。
賞与「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」によって求めます。

参考:令和7年版 源泉徴収のあらまし|国税庁

僧侶の確定申告が必要なケース

宗教法人から給与や賞与を得ている僧侶は一般の会社員と同様と述べましたが、確定申告が必要な場合も同様です。年末調整にて反映できなかった場合等には、確定申告によって所得税の精算をします。

以下、確定申告が必要となるケースをご紹介します。

確定申告が必要となるケース備考
給与の収入金額が2,000万円を超える人年末調整では計算不可のため
給与以外の雑所得一時所得などの所得の合計が20万円を超える人ダブルワークや副業などがある人
給与を複数から受けていて、かつ、給与の全部が源泉徴収となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入と雑所得や一時所得などの所得の合計が20万円を超える人
年末調整において反映できなかった医療費控除住宅ローン控除などを適用した人住宅ローン控除の2回目以降は年末調整でも可能
ふるさと納税でワンストップ特例を適用しなかった人確定申告が必要

参考:確定申告が必要な方|国税庁

僧侶の確定申告のやり方

給与所得者については、年末調整で反映していない収入や控除等については、僧侶であるかどうかを問わず確定申告をします。以下、見出しには「僧侶」とついていますが、一般の会社員にも共通する内容です。また、ここでは僧侶が副業で農業をしている場合について見ていきます。

(事例)A氏は、僧侶として宗教法人から得ている給与所得だけでなく、農業による所得(農業所得)が年間100万円ありました。確定申告は青色申告で、電子申告にて申告しようと思います。

僧侶の確定申告の必要書類

事例の場合、源泉徴収票により給与所得、青色申告決算書により事業所得を確定申告書に転記し、所得税を計算します。電子申告のため、確定申告書の書面は不要です。

また、青色申告決算書はすでに完成しているものとします。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、青色申告決算書や収支内訳書も作成可能です。

(なお、ここでは電子申告についての詳細は省略しています。)

必要書類必要とする理由
給与所得の源泉徴収票確定申告書に内容を転記するため(添付は不要)
事業所得の青色申告決算書
  1. 確定申告書に収入額、所得額を転記
  2. 確定申告書に添付する
添付書類(必要な場合)控除を受けるために添付が必要な書類(又はデータ)
マイナンバーカード電子申告のためには、4桁及び6桁のパスワードも必要
パソコン、及びICカードリーダー電子申告のため、マイナンバーカード対応のスマホでもよい

参考:確定申告書等作成コーナー|国税庁
参考:マイナポータルアプリに対応しているスマートフォン等を教えてください。|マイナポータル

僧侶の確定申告書の書き方

確定申告書は手書きでも作成できますが、電子申告がおすすめです。ここでは、入力しやすい国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用した申告で説明します。

  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で次のいずれかを選択し、指示どおりに入力していきます。
    • 所得税
    • 決算書・収支内訳書 + 所得税

    画面に表示される質問事項に回答することによって、確定申告書が作成できます。途中に計算結果(税額)が表示されます。この例では、ダブルワークによる所得の申告であるため、さらに税金を支払うことになります。

  • マイナンバーを入力し、送信準備をします。
    なお、手書きで確定申告書を作成する場合については下記が参考になります。
    参考:確定申告書等の様式・手引き等|国税庁「所得税の確定申告書」

僧侶の確定申告書の提出方法

電子申告の場合には、そのままパソコンやスマホで申告することができます。書面で提出する場合には、税務署窓口に持参するか、郵送します。郵送の場合は、原則として税務官庁に書類が到達した提出日になります。郵送の場合の宛先は、所轄税務署又は下記の業務センターです。

参考:申告書の税務署への送付について|国税庁
参考:【申告書の提出】|国税庁
参考:税務署の内部事務のセンター化について|国税庁

僧侶の確定申告書の提出期限

確定申告書の提出期限は、概ね毎年2月中旬から3月中旬であり、休日があると後ろ倒しとなります。令和6年分の所得税確定申告書の申告期限は、令和7年2月17日(月)から令和7年3月17日(月)までとなっています。

なお、納税者の口座からの引落しにより国税を納付する「振替納税」の手続きについても、オンライン(PCやスマホなど)で可能です。

参考:主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日|国税庁
参考:G-2-1 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付|国税庁

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僧侶の確定申告の職業欄の書き方

確定申告書第一表には、職業欄があります。僧侶が確定申告時の職業欄には、そのまま「僧侶」として問題はありません。「僧侶」という記載は、具体的であり業務内容が明確にイメージできます。また個人事業税の対象とならないことも「僧侶」から明らかです。

しかしながら、この事例の場合、確定申告書の職業欄には「僧侶、農業」としておき、青色申告決算書(農業所得用)の業種名には、「米作農業」「果樹栽培」などと農業に関してのみを記載するのでよいでしょう。

僧侶が確定申告するときのポイント

寺院の経営については、宗教法人が「収益事業」についてのみ課税となっているため、ほとんどのケースが法人となっています。収益事業を何も行っていない場合には、法人税の確定申告が不要になるからです。

気を付けるべきは、寺院への「お布施」収入は宗教活動として課税されないものの、このお布施を受けた僧侶が自分のために流用すると、「給与所得」とみなされ課税対象となる点です。

また、公益法人等が収益事業を行っていない場合でも、年間8,000万円以上の収入がある場合には損益計算書等の提出が必要となります。宗教法人も例外ではないため気を付けなければなりません。

参考:お布施、戒名料、玉串料等|国税庁
参考:C1-65 公益法人等の損益計算書等の提出|国税庁

給与を受ける僧侶は、一般の会社員と同様の課税関係

宗教法人に勤めている僧侶の場合、確定申告においては一般の会社員と同じように考えて問題はないでしょう。

その後、その僧侶が独り立ちし、宗教法人格を取得した場合には、収益事業以外は法人税が非課税となるほか、固定資産税や不動産取得税の非課税、長期間所有した不動産の売却益非課税等々税務メリットを享受できます。ただし、教義を広め、儀式を行い、信者を育成するという宗教団体ならでは活動が基本となります。

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