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  • 更新日 : 2021年5月28日

配偶者特別控除と年収の関係をわかりやすく!103万・150万・201万の壁とは?

配偶者特別控除と年収の関係をわかりやすく!103万・150万・201万の壁とは?

配偶者特別控除を適用するとき、配偶者のパート年収(パートの給与収入)が150万円までなら満額控除が受けられます。この「150万円の壁」以外にも「103万円」の壁や「201万円の壁」が存在し、かかる税金も変動するので注意が必要です。

当記事では配偶者控除や配偶者特別控除の概要から、パート年収103万・150万・201万の壁、年収ごとの税金や保険料との関係性を解説します。

配偶者控除とは

配偶者控除とは、一定以下の所得金額の配偶者がいる納税義務者が受けられる所得控除のことです。「配偶者を養う行為が税を負担する能力を減らしてしまう」という考え方から、その負担を調整するために設けています。

例えば所得300万円で配偶者控除38万円分を適用できれば、所得税が3.8万円安くなります。所得500万円だと7.6万円です。

控除を申請する場合、サラリーマンの場合は年末調整のときに「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」を勤め先に提出しましょう。確定申告は不要です。

一方個人事業主(フリーランス)の場合は確定申告のときに申請します。確定申告書に配偶者控除を適用する旨を記載して提出しましょう。以下ではさらに配偶者控除の概要を解説します。

配偶者控除の対象になる条件

配偶者控除の対象として扱われるのは、その年の12月31日時点で次の要件すべてに当てはまる控除対象配偶者です。

  • 民法の規定による配偶者であること(市町村区の役場や婚姻届を提出して受理された者で、内縁関係は該当しない)
  • 納税者と生計を一にしていること(遠方への送金も含み、生活の財源が共通していること)
  • 年間の合計所得金額は基礎控除48万円以下であること
  • 給与収入のみを得ている場合は103万円以下(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)であること
  • 青色申告者の事業専従者として、その年を通じて給与の支払いを1回も受けていないこと
  • 白色申告者の事業専従者でないこと

一般的に所得税が発生するようになる「103万円の壁」は、この48万円+55万円から来ています。なお令和元年以前の制度では基礎控除38万円+給与所得控除65万円で103万円でした。

配偶者控除の金額やその他要領

配偶者控除の金額は、配偶者を養っている納税者の合計所得金額によって変わります。夫がサラリーマンで妻が専業主婦の場合だと、夫の所得額を基準に決まります。

2018年の法改正によって、配偶者控除の金額が納税義務者の合計所得金額次第で引き下げられることになりました。所得900万円超(給与収入だと1,095万円超)になる人は注意が必要です。

もし配偶者の年齢がその年の12月31日時点で70歳以上の場合は、「老人控除対象配偶者」としてより大きい金額を控除可能です。具体的な控除額をみていきます。

控除を受ける納税者本人の合計所得額控除額
一般の控除対象配偶者老人控除対象配偶者
900万円以下38万円48万円
900万円超~950万円以下26万円32万円
950万円超~1,000万円以下13万円16万円
1,000万円超~0万円0万円


2017年以前は上記のような段階構造ではなく、一般で38万円・老人で48万円と一律で決まっていました。

なお、配偶者が障害者として認められているときは、配偶者控除のほかに障害者控除27万円(特別障害者は40万円・同居特別障害者は75万円)の適用が可能です。

配偶者控除については以下の記事にてわかりやすく解説しています。

配偶者特別控除とは

配偶者特別控除とは、48万円以上の所得を稼いで配偶者控除の対象にできない配偶者であるケースでも適用できる所得控除のことです。

「パートタイムで働く主婦が配偶者控除の適用除外になったり、その主婦が独立した納税者になって税負担が増したりなどで起こる『手取りの逆転現象』への対応」が目的で設けられました。

適用できれば配偶者控除と同じく税金を安くできます。申請方法も配偶者控除と同じです。以下では、2018年の法改正によって変化した点を含めてみていきましょう。

配偶者特別控除を受けるための条件

配偶者特別控除を受けるには、配偶者を養っている納税者の所得金額が1,000万円以下である必要があります。給与収入のみの年収だと1,195万円以下(※)です。ただし、最大額で控除するためには、給与所得金額が900万円以下でなければなりません。

※給与収入1,195万円-給与所得控除195万円=所得1000万円。2019年以前は年収1,220万円-給与所得控除220万円=所得1,000万円だった。

控除対象配偶者の条件は、次のすべてに該当することです。

  • 民法の規定による配偶者であること(配偶者控除と同じ)
  • 納税者と生計を一にしていること(配偶者控除と同じ)
  • 対象の配偶者がすでに配偶者特別控除を適用していないこと
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて給与の支払いを1回も受けていないこと
  • 白色申告者の事業専従者でないこと
  • 年間の合計所得金額が48万円超~133万円以下であること(給与収入103万円超~201万円以下)であること

2017年以前は配偶者の所得が76万円以上の場合は、適用できませんでした。法改正によって配偶者控除が段階的な引き下げになった反面、配偶者特別控除の範囲が拡大されたのです。

上記のほかには以下の条件もあります。当てはまる人は少ないですが、一度確認しておきましょう。

  • 配偶者が「給与所得者の扶養控除等申告書」または「従たる給与についての扶養控除等申告書」に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として源泉徴収されていないこと
  • 配偶者が公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として源泉徴収されていないこと

配偶者特別控除の控除額

配偶者特別控除の控除額も、納税者本人の所得金額によって金額が変化します。配偶者控除と異なるのは、配偶者の合計所得額によっても段階的に数値が変わる点です。

以下の表で配偶者と納税者本人の合計所得額がクロスするところが、その夫婦の控除額になります。具体的にみていきましょう。

配偶者の合計所得額控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
48万円超~
95万円以下
38万円26万円13万円
95万円超~
100万円以下
36万円24万円12万円
100万円超~
105万円以下
31万円21万円11万円
105万円超~
110万円以下
26万円18万円9万円
110万円超~
115万円以下
21万円14万円7万円
115万円超~
120万円以下
16万円11万円6万円
120万円超~
125万円以下
11万円8万円4万円
125万円超~
130万円以下
6万円4万円2万円
130万円超~
133万円以下
3万円2万円1万円

配偶者95万円以下・納税者本人の給与所得900万円以下であれば最大額である38万円です。もし配偶者120万円以下・納税者本人の給与所得950万円以下であれば11万円になります。

なお、こちらには老人控除対象配偶者のような年齢に応じた増額はありません。

年収103万の壁

年収103万円(給与収入103万円)の壁とは、パートやアルバイトで働いている配偶者に所得税がかかるかどうかの線引を表します。基礎控除48万円+配偶者特別控除55万円=103万円が根拠です。

年収103万円以内であれば、この2つの控除のおかげで課税所得額が0円になるため、所得税が非課税になります。

かつて年収103万円は配偶者控除を受けられるか否かの基準も含んでいました。しかし、2018年以降は配偶者特別控除の範囲が広がったことで、103万円を超えても控除を適用できます。

また、パートでよほど高収入を得ない限りはかかる所得税も少ないため、年収103万円の壁はなくなってきたといえるでしょう。

年収150万の壁

年収150万円の壁(給与収入150万円の壁)とは、配偶者特別控除が満額の38万円受けられるかどうかの線引です。「配偶者特別控除の満額38万円で控除できる配偶者の所得上限額95万円」+「給与所得控除55万円」=150万円が根拠です。

ただし、納税者本人の合計所得額が900万円を超えると、26万円、13万円と下がります。

配偶者の合計所得額控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
48万円超~
95万円以下
38万円26万円
13万円

もし納税者本人の合計所得額900万円以下で配偶者の年収150万円を超えると、3万円~36万円の範囲で控除額が変動します。

年収201万の壁

年収201万円(給与収入201万円)の壁とは、配偶者特別控除が適用できるか否かの線引を表します。「配偶者特別控除が適用できる配偶者の所得上限額133万円」+「給与収入201万円時点の給与控除額68万3,000円(※)」が根拠です。

配偶者の合計所得額控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
130万円超~
133万円以下
3万円2万円
1万円
133万円超0円0円0円

年収201万円を超えると、配偶者特別控除は完全にゼロになります。所得控除が38万円あるかゼロになるかでは、納税者本人の手取り額が大きく変わるので注意が必要です。

※給与年収201万円時点での給与所得控除は201万円×30%+8万円で計算

年収と税金の関係

パートやそのほかの仕事で収入を得ている配偶者は、一定の年収を超えると税金や社会保険料を支払う必要があります。働いて収入を得たい場合は、配偶者控除・配偶者特別控除の控除額が減ることや、適用外による手取り額減以外にも、税金や社会保険料の支出について気をつけておきましょう。

ここでは年収100万円、年収103万円、年収130万円でかかるそれぞれの税金や社会保険料について解説します。

100万円を超えると?

配偶者の年収100万円を超えると住民税がかかる可能性があります。これは給与所得控除を差し引いた所得が非課税限度額以下のときは、住民税の所得割(いわゆる一般的な住民税の金額)が課税されないという、住民税ならではの制度が関係しています。

多くの自治体の場合、非課税限度額は45万円であることが一般的です。そのため「年収100万円-給与所得控除55万円=所得45万円」までは住民税がかかりません。

もし100万円を超えて非課税限度額の45万円より所得が多くなった場合は、住民税が課税所得×10%発生します。計算方法は「(年収-給与所得控除-住民税の基礎控除43万円)×10%」です。

なお、住民税の均等割や非課税限度額に関しては、各自治体によって若干異なる場合があります。基準次第では100万円から前後する可能性もあるので、一度問い合わせてみてください。

年収103万円を超えると?

年収103万円(給与収入103万円)を超えると所得税がかかります。所得税額は「課税所得額×所得税率-所得ごとの税額控除」で計算します。例えば、年収が123万円だった場合の単純な計算例をみていきましょう。

(年収123万円-基礎控除48万円-給与所得控除55万円)×5%=所得税額1万円

上記のように、配偶者に対して1万円の納税義務が発生します。先述の住民税もかかわってくるため、パートで103万円以上の収入を得たいときは確認しておきましょう。

なお、一定以上の規模の企業になると、厚生年金や健康保険が絡む106万円の壁が存在するケースもあります。

年収130万以上になると?

年収130万円以上になると社会保険料がかかわってきます。社会保険の扶養に入る条件が「収入130万円未満」であるためです。

もし130万円以上の収入を得ると扶養から外れ、社会保険の被保険者となります。配偶者も別途で社会保険料(社会保険または国民健康保険など)を支払わなければなりません。

また1日の勤務時間や1ヶ月の勤務日数によっては、130万円未満でも社会保険の被保険者になることもあります。

配偶者特別控除は年収150万円までを意識しよう!

配偶者特別控除を満額で適用したい場合、配偶者の年収は150万円以内に抑えることで38万円控除できます。
151万円を超えると控除額が36万円以下になり、納税者本人の税負担が増えるため、結果的にパートで得た収入の手取りが減るかもしれません。パートの労働時間と収入のバランスを考えつつ、150万円を1つの基準として意識してみてください。
もし個人事業主で配偶者控除を受けるために確定申告の必要が出た場合は、以下の記事にて確定申告のことをわかりやすく解説しています。ぜひご覧ください。

よくある質問

配偶者控除とは

配偶者控除とは、一定以下の所得金額の配偶者がいる納税義務者が受けられる所得控除のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

パートやアルバイトで働いている配偶者には所得税がかかりますか?

配偶者の年収が103万円を超えるとかかります。詳しくはこちらをご覧ください。

収入のある配偶者が社会保険料を払う条件は何ですか?

配偶者の年収130万円以上になると社会保険料を支払わなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド確定申告

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