• 更新日 : 2021年11月12日

転職後は確定申告が必要で年末調整はできない?書類や手続きの方法も解説!

転職後は確定申告が必要で年末調整はできない?書類や手続きの方法も解説!

新しい会社に転職することが決まっていれば、確定申告は必要ないと思っていませんか?退職手続きが完了していたとしても、年末調整ができていない場合には、個人事業主やフリーランス同様、自分で確定申告をする必要があります。今回は、転職しても確定申告が必要になるケースをご紹介します。

通常、会社員・サラリーマンは年末調整で所得税を精算

年末調整とは、給与から源泉徴収された税額と、年間の税額を一致させるための精算の手続きです。ほとんどの場合、サラリーマンなどの給与所得者は年末調整によって、その年の所得税の納税が完結します。つまり、本来は個々人が行うべき「確定申告」を、その個人に代わって会社が行うのが「年末調整」であるといえます。

したがって、年の途中に転職をした場合、前職についての年末調整が済んでいないため、所得税の精算ができていません。年末調整によって支払過ぎた税金が戻ってくるケースでは、確定申告することによって税金が還付されます。

年末調整についての詳細は、こちらの記事をご参照ください。

転職後も確定申告が不要なケース

確定申告が面倒に感じられる人でも、確定申告が不要となるケースがあります。退職した会社から源泉徴収票を発行してもらえば、確定申告は不要です。

年の途中で退職し、年内に再就職した場合

年の途中で退職した際、退職した会社から源泉徴収票を受け取り、再就職した会社へその源泉徴収票を年内に(できるだけ早めに)提出すると、確定申告は不要となります。この場合、前職における源泉徴収票と再就職先の源泉徴収票を合わせて、年末調整で精算できるためです。

給与所得以外の所得がない人は、再就職先の年末調整によって、その年の所得税の納税が完了します。

転職後、自分で確定申告する必要があるケース

一方、転職後に確定申告が必要となるケースがあります。確定申告が必要となるのは、いずれの場合においても、その人の年間の税金について精算の機会がなかった場合です。

年の途中で退職し、年内に再就職しなかった場合

年の途中で退職したものの、その退職した年内に再就職しなかった場合は、その年の税金の精算ができません。

例えば、12月25日に前の会社を退職したとします。前の会社では1月の給与で年末調整をするはずだったため、退職時には年末調整が済んでいない源泉徴収票が発行されたとします。この源泉徴収票を1月4日付けで採用された再就職先に持って行っても、昨年分の年末調整はしてくれません。そのため、昨年分の確定申告を自分でするしかありません。

前職の源泉徴収票の提出が間に合わない場合

会社で行う年末調整は、従業員すべてについて実施するため、必要書類の提出期限を設けています。前職での源泉徴収票がこの提出期限に間に合わなかった場合も、前職分の年末調整はできません。

この場合には、遅れて入手した前職の源泉徴収票と再就職先で発行された源泉徴収票とを合わせて、自分で確定申告する必要があります。

フリーランス・個人事業主が転職して会社員になった場合

フリーランスや個人事業主をしていたが、年の途中から会社に就職し、給与所得者になった場合には確定申告が必要です。

例えば、個人事業主として事業をしていた場合は事業所得を得ます。そして、会社に就職すると給与所得を得ます。この場合は、事業をしていた期間の決算書と就職先の会社から発行された源泉徴収票を参考に、それぞれの所得、つなり事業所得と給与所得を確定申告書上で合算して、申告します。

上記をまとめると次の図のようになります。

転職した年の年末調整の流れ

転職後の確定申告に必要な書類と手続き

では、転職後に自分で確定申告をするための必要書類と手続きについて、ここでは簡単に解説します。

確定申告についての詳細は、こちらの記事をご参照ください。

必要書類

確定申告に必要な書類は、次のとおりです。

  • 確定申告書(税務署に取りに行かなくても、国税庁のサイトからダウンロードできます)
  • 前職の源泉徴収票など
  • 各種所得控除に係る証明書等
  • 電子申告の場合は、マイナンバーカードや電子申告に対応するスマートフォンやカードリーダーなど

手続き

手続きの概要は次のとおりです。

源泉徴収票が前職と現職の2枚となる場合には、合算額を確定申告書に記載します。
転職後の確定申告に必要な手続き

確定申告時期になると国税庁のサイトには、「令和○年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」が掲載されますので、参考にしてください。

転職以外で会社員・サラリーマンが確定申告すべきケース

実は転職以外でもサラリーマンが確定申告をすべきケースは多々あります。サラリーマンの確定申告においてよくある例は、医療費控除や住宅ローン控除などです。住宅ローン控除については初回のみ確定申告が必要ですが、2回目からは年末調整で対応が可能です。

また、ふるさと納税でワンストップ特例の申請をした場合は、原則として所得税の確定申告は不要ですが、そうでない場合は確定申告が必要です。その他、副業や2か所以上から給与を得ている場合等、確定申告が必要な場合についてよく確認をしましょう。

参考:確定申告が必要な方|国税庁

退職金については、前職において所定の手続きをしておけば、源泉徴収のみで終了し、原則として確定申告する必要がありません。

社会保険料控除は、自分の社会保険料だけでなく、家族の社会保険料を支払った場合も対象となるため、年末調整後に親や子の社会保険料を支払ったことに気付いたときには、確定申告で還付申告できます。

レアケースではありますが、災害、盗難などによって住宅などに損害を受けた場合には、確定申告により、雑損控除が受けられます。

なお、サラリーマンの確定申告についての詳細は、こちらの記事をご参照ください。

転職後は必要に応じて確定申告を行いましょう

転職には多大なエネルギーが必要です。

再就職先に落ち着けばホッとする人も多いですが、前職で支払った税金について年末調整か確定申告での「精算」が残っています。

前職への連絡も新たな仕事のひとつと考え、源泉徴収票の受領など滞りなくできるように最善を尽くしましょう。

オハナビューティーサロン 西村 蛍 様

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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